DevSecOpsで安全な開発体制を!

DevSecOpsで安全な開発体制を!

セキュリティを知りたい

先生、「DevSecOps」って最近よく聞くんですけど、普通の開発と何が違うんですか?

セキュリティ研究家

いい質問だね!最近は開発のスピードを重視するあまり、セキュリティがおろそかになりがちなんだ。そこで、開発の最初からセキュリティをしっかり組み込んで、安全なシステムを作ろうというのが「DevSecOps」の考え方なんだよ。

セキュリティを知りたい

なるほど!最初からセキュリティを考えておけば、後から慌てなくて済みますね!でも、開発のスピードは落ちないんですか?

セキュリティ研究家

その通り!実は「DevSecOps」では、セキュリティ対策を自動化するツールを積極的に使うことで、開発スピードを落とさずにセキュリティを高めることができるんだ。だから、開発とセキュリティの両立が可能になるんだよ!

DevSecOpsとは。

安全性を高めるための知恵として、『開発・安全・運用一体化』というものがあります。これは、開発、安全、運用という言葉をつなげたもので、ソフトウェアの開発手法の一つであるDevOpsに安全を守る考え方を組み込んだ方法、考え方です。DevOpsは、開発担当者と運用担当者が協力し合いながら速やかに開発を進めるための方法論・概念ですが、実際に使う環境を短期間で変えられるようになる一方で、成果物である製品の安全をどのように守るかが課題となります。この課題に対して、開発・安全・運用一体化は、設計からテスト、開発、運用のアプリの一生を通して、安全の視点から品質を保証します。安全対策を意識することなく自動的に組み込むことで、安全対策の実装がより開発の初期段階、いわゆるシフトレフトで行われるため、以下のような効果が期待されます。開発・安全・運用一体化では、SAST、DAST、IASTなどのテストツール、ソフトウェア構造分析ツールなどが主に用いられます。開発・安全・運用一体化は近年、DXの推進などにより企業内でアプリ開発を内製化する動きが進む中、DevOpsとともに、開発工程における安全品質を守る方法として、関心が高まっています。

DevSecOpsとは

DevSecOpsとは

– DevSecOpsとは

DevSecOpsとは、ソフトウェア開発の初期段階からセキュリティ対策を組み込むことで、安全なソフトウェアを迅速に開発・運用する手法です。

従来の開発手法では、開発担当者、セキュリティ担当者、運用担当者がそれぞれ独立して業務を行うことが多く、セキュリティ対策は開発の最終段階や運用開始後に行われることがほとんどでした。そのため、脆弱性が発見された場合、開発のやり直しや大幅な修正が必要となり、開発期間の長期化やコスト増加、リリースの遅延に繋がっていました。

DevSecOpsでは、開発担当者、セキュリティ担当者、運用担当者が連携し、開発プロセス全体を通してセキュリティ対策を統合します。具体的には、設計段階からセキュリティの専門家によるレビューを実施したり、自動化されたセキュリティテストを開発プロセスに組み込んだりすることで、脆弱性の早期発見と修正を可能にします。

DevSecOpsを採用することで、開発期間の短縮、コスト削減、セキュリティリスクの低減、品質向上といったメリットを享受できます。セキュリティ対策を後付けではなく、開発プロセスに組み込むことで、より安全なソフトウェアを迅速に提供することが可能になるのです。

項目 従来の開発手法 DevSecOps
セキュリティ対策の実施時期 開発の最終段階や運用開始後 開発プロセス全体
関係者間の連携 開発担当者、セキュリティ担当者、運用担当者がそれぞれ独立して業務を行う 開発担当者、セキュリティ担当者、運用担当者が連携
脆弱性の発見時期 開発の後期または運用開始後 開発の初期段階
メリット 開発期間の短縮、コスト削減、セキュリティリスクの低減、品質向上

DevSecOpsのメリット

DevSecOpsのメリット

– DevSecOpsのメリット

DevSecOpsは、開発プロセスにセキュリティ対策を統合することで、従来の開発手法に比べて多くの利点をもたらします。

まず、開発期間の短縮とコスト削減を実現できます。従来の開発手法では、セキュリティ対策は開発の最終段階で行われることが多く、その段階で脆弱性が発見された場合、大幅な修正が必要となり、開発期間の遅延やコスト増加につながっていました。しかし、DevSecOpsでは、開発の初期段階からセキュリティを考慮するため、手戻りが減り、開発期間の短縮とコスト削減につながります。

また、セキュリティリスクの低減も期待できます。DevSecOpsでは、継続的にセキュリティテストが実施されるため、脆弱性を早期に発見し、対応することが可能です。早期に対応することで、脆弱性を悪用した攻撃による被害を最小限に抑えられます。

さらに、セキュリティレベルの向上も見込めます。DevSecOpsでは、セキュリティ対策の自動化を進めることで、人的ミスを減らし、セキュリティレベルを向上できます。また、開発者と運用担当者、セキュリティ担当者が連携してセキュリティ対策に取り組むことで、組織全体のセキュリティ意識の向上にもつながります。

メリット 説明
開発期間の短縮とコスト削減 セキュリティ対策を開発の初期段階から組み込むことで、手戻りを減らし、開発期間の短縮とコスト削減につながります。
セキュリティリスクの低減 継続的なセキュリティテストにより、脆弱性の早期発見・対応が可能となり、攻撃による被害を最小限に抑えられます。
セキュリティレベルの向上 セキュリティ対策の自動化や、開発・運用・セキュリティ担当者間の連携により、人的ミスが減り、組織全体のセキュリティ意識向上に役立ちます。

DevSecOpsで使用するツール

DevSecOpsで使用するツール

– DevSecOpsで使用するツール開発のスピード感と安全性を両立させるDevSecOpsにおいては、セキュリティ対策を人の手だけに頼らず、自動化されたツールを活用することが欠かせません。様々な工程で活躍するツールを理解し、適切に導入することで、より強固で効率的な開発体制を構築できます。例えば、開発の初期段階であるコード作成段階では、-SAST-(静的アプリケーションセキュリティテスト)ツールが力を発揮します。これは、コードを実際に動かすことなく、プログラムの記述内容を分析することで、潜んでいる脆弱性を検出するツールです。潜在的な脆弱性を早期発見することで、手戻り工数を減らし、開発効率の向上に繋がります。一方、アプリケーションの実行段階では、-DAST-(動的アプリケーションセキュリティテスト)ツールが有効です。これは、実際にアプリケーションを動作させ、外部からの攻撃を模倣したテストを実施することで、脆弱性を検出します。開発環境では見つかりにくい、より実践的な環境における脆弱性を発見できます。さらに、インフラの設定ミスによる脆弱性を検出するために、-脆弱性スキャナー-も重要なツールです。これは、アプリケーションが動作するサーバーやネットワーク機器の設定をスキャンし、セキュリティ上の問題点を見つけ出します。このように、それぞれのツールが異なる役割を担うことで、多角的な視点からのセキュリティ対策が可能になります。DevSecOpsを実践する上で、これらのツールを適切に組み合わせ、活用していくことが重要です。

ツール 説明 用途
SAST (静的アプリケーションセキュリティテスト) ツール コードを実際に動かすことなく、プログラムの記述内容を分析することで、潜んでいる脆弱性を検出する。 開発の初期段階
潜在的な脆弱性の早期発見
手戻り工数の削減
DAST (動的アプリケーションセキュリティテスト) ツール アプリケーションを動作させ、外部からの攻撃を模倣したテストを実施することで、脆弱性を検出する。 アプリケーションの実行段階
実践的な環境における脆弱性検出
脆弱性スキャナー アプリケーションが動作するサーバーやネットワーク機器の設定をスキャンし、セキュリティ上の問題点を見つけ出す。 インフラの設定ミスによる脆弱性検出

DevSecOpsの導入

DevSecOpsの導入

– DevSecOpsの導入

開発のスピードが重視される現代において、セキュリティ対策を後回しにすることはできません。そこで重要となるのが、開発プロセス全体にセキュリティを組み込むDevSecOpsです。しかし、DevSecOpsを導入するには、単にツールを導入するだけでは不十分です。

まず、組織全体でセキュリティに対する意識改革を行う必要があります。開発担当者は、機能開発だけでなく、セキュリティにも責任を持つことを意識する必要があります。セキュリティ担当者は、開発プロセスを理解し、開発担当者と協力してセキュリティ対策を進める必要があります。運用担当者は、開発されたシステムのセキュリティを維持するために、適切な運用体制を構築する必要があります。

次に、セキュリティ対策を自動化する必要があります。セキュリティテスト、脆弱性スキャン、コンプライアンスチェックなどを自動化することで、開発スピードを落とさずにセキュリティレベルを向上させることができます。

そして、DevSecOpsは、一度導入すれば終わりではありません。継続的に改善していくことが重要です。定期的に見直しを行い、変化する脅威や技術に対応していくことで、より安全な開発体制を構築することができます。

DevSecOps導入のポイント 詳細
組織全体でセキュリティに対する意識改革 – 開発担当者はセキュリティにも責任を持つ
– セキュリティ担当者は開発プロセスを理解し、開発担当者と協力する
– 運用担当者は適切な運用体制を構築する
セキュリティ対策の自動化 – セキュリティテスト、脆弱性スキャン、コンプライアンスチェックなどを自動化
継続的な改善 – 定期的な見直しを行い、変化する脅威や技術に対応

DevSecOpsの未来

DevSecOpsの未来

– DevSecOpsの未来

昨今、開発のスピードと柔軟性を重視する動きが活発化し、システム開発の手法も従来のものから大きく変化しています。その中で、開発初期段階からセキュリティ対策を組み込むDevSecOpsという考え方が注目されています。

DevSecOpsは、開発者と運用担当者、そしてセキュリティ担当者が連携し、開発プロセス全体を通してセキュリティを考慮することで、より安全なシステム開発を目指します。従来の開発手法では、セキュリティ対策は開発の最終段階で行われることが多く、その結果、脆弱性が見つかった場合、手戻りが発生し、開発期間の長期化やコスト増加に繋がっていました。

DevSecOpsでは、自動化ツールなどを活用することで、セキュリティテストや脆弱性診断などを開発プロセスに組み込み、継続的に行うことが可能となります。これにより、早期に脆弱性を発見し修正できるため、開発期間の短縮やコスト削減にも繋がります。

特に、企業のデジタル化が加速する現代において、システムの重要性はますます高まっており、セキュリティ対策の重要性も増しています。DevSecOpsは、安全なシステムを迅速に開発・運用するための有効な手段として、今後ますます必要とされるでしょう。

項目 従来の開発手法 DevSecOps
セキュリティ対策の実施時期 開発の最終段階 開発プロセス全体
関係者 開発者、運用担当者、セキュリティ担当者(分断されている) 開発者、運用担当者、セキュリティ担当者(連携)
メリット
  • 安全なシステム開発
  • 開発期間の短縮
  • コスト削減
デメリット
  • 脆弱性発見による手戻り
  • 開発期間の長期化
  • コスト増加
ツール 自動化ツール
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