もはや他人事ではない!進化するサイバー攻撃から企業を守るEDRとは?
セキュリティを知りたい
先生、EDRってEPPと何が違うんですか?どちらもセキュリティ対策ですよね?
セキュリティ研究家
良い質問だね!どちらもパソコンやサーバーを守るためのものだけど、考え方が違うんだ。EPPは、例えると門番のように、怪しいものが侵入するのを防ぐのが得意だ。 EDRは、もし怪しいものが侵入してしまっても、その行動を監視して、被害が大きくなる前に食い止めることができるんだ。
セキュリティを知りたい
なるほど!EDRは侵入された後にも対応できるんですね。でも、侵入される前に防いだ方が良いですよね?
セキュリティ研究家
その通り!だから、EDRとEPPを組み合わせて使うことが大切なんだ。EPPで侵入を防ぎつつ、万が一侵入された場合に備えてEDRで監視する。そうすることで、より強固なセキュリティ対策ができるんだよ。
EDRとは。
パソコンやサーバーを守るためのセキュリティ対策には、大きく分けて二つの方法があります。一つは、悪意のあるプログラムが侵入するのを防ぐ「入り口対策」です。もう一つは、「端末防御対策」と呼ばれるもので、怪しい動きがないか監視し、問題があれば対処するものです。従来の入り口対策だけでは、Windowsに標準で搭載されているPowerShellのような正規の機能を悪用した攻撃を防ぐのが難しくなってきました。そこで、攻撃を受けた後でも被害を最小限に抑えるために、端末防御対策の重要性が高まっているのです。
巧妙化するサイバー攻撃の脅威
– 巧妙化するサイバー攻撃の脅威
近年、企業の重要な情報やシステムを狙ったサイバー攻撃は、増加の一途を辿っています。攻撃の手法も日々進化しており、その巧妙化はとどまるところを知りません。従来型のセキュリティ対策だけでは、もはや十分な防御は困難になりつつあります。
特に注意が必要なのは、従来のウイルス対策ソフトでは検知が難しい攻撃の増加です。例えば、パソコンやサーバーのOSが標準で備えている機能を悪用した攻撃は、一見すると通常の操作と区別がつかず、セキュリティ対策ソフトでも見抜くことが困難です。そのため、企業は従来の対策を見直し、新たな防御策を講じる必要性に迫られています。
具体的には、怪しいメールの添付ファイルを開かない、不審なウェブサイトにアクセスしないなど、基本的な情報セキュリティ対策を従業員一人ひとりが徹底することが重要です。また、セキュリティソフトの最新状態を保つことはもちろん、OSやソフトウェアの脆弱性を解消するためのアップデートを定期的に実施することも欠かせません。
サイバー攻撃は、いつどこからやってくるか分かりません。常に最新の情報を収集し、潜在的な脅威への対策を怠らないことが、企業の大切な情報資産を守る上で最も重要と言えるでしょう。
近年増加するサイバー攻撃の脅威 | 具体的な対策 |
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従来のウイルス対策ソフトでは検知が難しい攻撃が増加(OSの標準機能を悪用するなど) |
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EDRとは?
– EDRとは?
近年、巧妙化するサイバー攻撃の脅威から企業を守るためには、従来型のセキュリティ対策だけでは限界があります。EDR(Endpoint Detection and Response)は、こうした新たな脅威に対抗するためのセキュリティソリューションです。
EDRは、パソコンやサーバーなどのエンドポイント端末と呼ばれる機器において、怪しい動きをいち早く察知し、管理者に知らせることで迅速な対応を支援します。
具体的には、EDRは以下の様な機能を提供します。
* -脅威の検知- 不審なファイルの実行や、不正な通信の試みなど、悪意のある活動の可能性がある行動を検知します。
* -攻撃の可視化- 検知した脅威を分かりやすく表示し、いつ、どこで、どのような攻撃が発生したのかを把握できるようにします。
* -原因分析- 攻撃の原因や経路を分析し、被害の拡大を防ぐために必要な情報を提供します。
* -対応策の実行- 隔離や駆除など、脅威への適切な対応策を実行し、被害の最小限化を支援します。
EDRは、従来型のセキュリティ対策では防ぐことが難しい、未知の脅威やゼロデイ攻撃にも有効な対策として注目されています。
EDRの機能 | 詳細 |
---|---|
脅威の検知 | 不審なファイルの実行や不正な通信など、悪意のある活動の可能性がある行動を検知 |
攻撃の可視化 | 検知した脅威を分かりやすく表示し、攻撃の詳細情報を把握 |
原因分析 | 攻撃の原因や経路を分析し、被害拡大防止に必要な情報を提供 |
対応策の実行 | 隔離や駆除など、脅威への適切な対応策を実行し被害を最小限に抑制 |
従来型のセキュリティ対策との違い
– 従来型のセキュリティ対策との違い従来のセキュリティ対策は、例えるならば、城門に門番を置き、侵入者を防ぐことに重点を置いていました。門番は、あらかじめ悪者として登録されている人物の顔写真(ウイルス定義ファイル)と照らし合わせて、侵入者を識別していました。しかし、巧妙化する現代の脅威は、顔を変えたり、城壁を乗り越えたり、あるいは正規の訪問者を装ったりして侵入を試みるため、門番だけでは防ぎきれません。そこで登場したのが、より高度なセキュリティ対策です。これは、城内を常に監視し、怪しい行動をする人物を見つけ出すことに主眼を置きます。たとえ侵入を許してしまったとしても、初期の段階で異変を察知し、迅速に対応することで、被害を最小限に食い止めることを目的とします。具体的には、城内を巡回する警備員を配置し、不審な行動をする人物を監視したり、怪しい持ち物を検査したりします。また、城内の各所に監視カメラを設置し、リアルタイムで状況を把握できるようにします。このように、従来型の対策は既知の脅威をブロックすることに重点を置いていましたが、最新の対策は未知の脅威を含めたあらゆる脅威を早期に発見し、迅速に対応することに重点を置いている点が大きな違いと言えます。
項目 | 従来型セキュリティ対策 | 最新セキュリティ対策 |
---|---|---|
例え | 城門の門番 | 城内の警備員、監視カメラ |
focus | 既知の脅威の侵入防止 | 未知の脅威を含むあらゆる脅威の早期発見と迅速な対応 |
手法 | – あらかじめ登録された悪人リストと照合 – ウイルス定義ファイルによる脅威の識別 |
– 城内を常時監視 – 不審な行動の検知 – 怪しい持ち物の検査 – リアルタイム監視 |
対応 | 侵入の有無に焦点を当てる | 侵入を許した場合でも、被害を最小限に抑えることに焦点を当てる |
EDRの重要性が高まっている背景
近年、企業を狙った悪意のある攻撃が増加しており、その手口も巧妙化しています。従来のセキュリティ対策では、これらの最新の攻撃に対処するのが難しくなってきています。そのため、より高度なセキュリティ対策であるEDRの重要性が高まっています。
従来のセキュリティ対策は、主に外部からの攻撃を遮断することに重点を置いていました。しかし、最近の攻撃は、標的型攻撃のように特定の企業を狙って、巧妙な方法で侵入を試みるものが増えています。このような攻撃は、従来の対策をかいくぐってしまい、企業の内部ネットワークに侵入してしまう可能性があります。
このような脅威から企業を守るために、端末レベルでのセキュリティ対策が重要になっています。EDRは、エンドポイント端末と呼ばれるパソコンやスマートフォンなどの端末を監視し、不審な挙動を検知して、迅速に対応することを可能にします。
さらに、テレワークの普及によって、企業ネットワークの境界線が曖昧になっていることもEDRの重要性を高める要因の一つです。従業員が自宅や外出先など、様々な場所から会社のネットワークにアクセスするようになり、セキュリティ対策がより複雑化しています。EDRは、このような環境でも、端末レベルでセキュリティ対策を行うことができるため、企業にとって非常に有効な対策と言えるでしょう。
従来のセキュリティ対策 | EDR |
---|---|
外部からの攻撃を遮断することに重点 | エンドポイント端末(PCやスマホなど)を監視し、不審な挙動を検知して対応 |
標的型攻撃など、巧妙化する攻撃への対応が困難 | 端末レベルでのセキュリティ対策が可能 |
– | テレワークの普及により複雑化するセキュリティ対策に対応可能 |
EDR導入のメリット
– EDR導入のメリット近年、サイバー攻撃の手法はますます巧妙化しており、従来型のセキュリティ対策では検知・防御が困難なケースも増加しています。このような状況下において、EDR(Endpoint Detection and Responseエンドポイントでの検知と対応)は、企業のセキュリティ対策の要として注目されています。 EDRを導入することで、企業は以下のようなメリットを得られます。まず、EDRは、従来型のセキュリティ対策では防ぎきれない攻撃から企業を守ることができます。具体的には、未知の脅威や、OSの標準機能を悪用した攻撃、ファイルレス攻撃など、従来のシグネチャベースのセキュリティ対策では検知が難しい攻撃を検知し、ブロックすることができます。また、EDRは、攻撃の可視化や原因分析を行うことができるため、インシデント対応の迅速化や、再発防止策の策定に役立ちます。EDRは、エンドポイント上で発生したイベントを記録し、攻撃者がどのような経路で侵入し、どのような行動をとったのかを時系列で確認することができます。 このため、セキュリティ担当者は、迅速に原因を特定し、適切な対応策を講じることができます。さらに、EDRで得られた情報を元に、再発防止策を策定することで、同様の攻撃による被害を未然に防ぐことができます。さらに、EDRを導入することで、セキュリティ担当者の負担を軽減し、他の業務に専念することができます。EDRは、自動的に脅威を検知し、対応してくれるため、セキュリティ担当者は、従来のような手動での調査や対応に追われる必要がなくなり、より高度なセキュリティ対策や、他の業務に専念することができます。EDRの導入は、企業にとって、セキュリティ対策を強化し、安全なビジネス環境を構築するために非常に有効な手段と言えるでしょう。
メリット | 詳細 |
---|---|
従来型のセキュリティ対策では防ぎきれない攻撃からの防御 | 未知の脅威、OSの標準機能を悪用した攻撃、ファイルレス攻撃など、従来のシグネチャベースのセキュリティ対策では検知が難しい攻撃を検知し、ブロック |
攻撃の可視化と原因分析 | 攻撃者がどのような経路で侵入し、どのような行動をとったのかを時系列で確認可能。迅速な原因特定、適切な対応策の実施が可能。 |
セキュリティ担当者の負担軽減 | 脅威の自動検知と対応により、セキュリティ担当者は従来の手動調査や対応から解放され、他の業務に専念可能。 |
EDR導入の検討を
昨今、悪意を持った第三者による不正アクセスや情報漏えいといった、いわゆるサイバー攻撃の危険性は、規模の大小にかかわらず、あらゆる企業にとって無視できないものとなっています。もはや対岸の火事と楽観視できる状況ではなく、いつどこで被害に遭ってもおかしくない、という危機意識を持つことが重要です。
このような状況下、企業は自社の重要な情報資産を守るため、従来型のセキュリティ対策に加え、より高度化するサイバー攻撃に対応できる最新の防御策を早急に導入する必要があります。
中でも、EDR(Endpoint Detection and Response)は、従来の対策では検知が難しかった未知の脅威や、巧妙化する攻撃をリアルタイムで検知・防御できる有効な手段として注目されています。EDRは、パソコンやサーバーなどの端末における suspicious な挙動を常時監視し、脅威をいち早く発見、被害が拡大する前に迅速な対応を可能にします。
EDRの導入は、決して容易なものではありませんが、セキュリティ対策の専門家の助言を得ながら、自社のシステム環境やセキュリティ要件に最適な製品を選び、適切な設定を行うことで、効果を最大限に発揮することができます。また、EDR導入後も、最新の脅威情報や攻撃手法を常に把握し、システムのアップデートやセキュリティポリシーの見直しなど、継続的な改善 efforts を重ねることが重要です。
テーマ | 要点 |
---|---|
サイバー攻撃の現状 | 規模の大小を問わず、あらゆる企業にとってサイバー攻撃の脅威は無視できないものとなっており、いつ被害に遭ってもおかしくないという危機意識を持つことが重要。 |
企業が取るべき対策 | 従来のセキュリティ対策に加え、高度化するサイバー攻撃に対応できる最新の防御策を導入する必要があり、特にEDRは有効な手段として注目されている。 |
EDRとは | Endpoint Detection and Responseの略。パソコンやサーバーなどの端末における不審な挙動を常時監視し、脅威をいち早く発見、被害拡大前に迅速な対応を可能にするセキュリティ対策。 |
EDR導入の効果的な進め方 | セキュリティ対策の専門家の助言を得ながら、自社のシステム環境やセキュリティ要件に最適な製品を選び、適切な設定を行う。導入後も、最新の脅威情報や攻撃手法を把握し、システムのアップデートやセキュリティポリシーの見直しなど、継続的な改善 efforts を重ねることが重要。 |