知っていますか?レインボーテーブル攻撃からパスワードを守る方法
セキュリティを知りたい
先生、「レインボーテーブル攻撃」ってなんですか?セキュリティの本で見たんですけど、よく分からなくて…
セキュリティ研究家
「レインボーテーブル攻撃」は、簡単に言うと、たくさんのパスワードと、そのパスワードを複雑にしたものをセットにした表を使って、盗んだ複雑なパスワードから元のパスワードを割り出す攻撃のことだよ。
セキュリティを知りたい
なるほど。でも、パスワードを複雑にすれば、そんな表で調べても分からないですよね?
セキュリティ研究家
その通り!複雑にするだけではダメなんだ。「ソルト」という仕組みを使うと、同じパスワードでも複雑にした結果が毎回変わるから、表を作っても意味がなくなるんだよ。
レインボーテーブル攻撃とは。
安全性を高めるための豆知識として、「レインボーテーブル攻撃」について説明します。レインボーテーブル攻撃とは、複雑な計算によって元のデータが分からなくされた状態から、元のデータを推測する攻撃の一種です。特別な方法を使って、パスワードと、そのパスワードを複雑な計算で変換したデータの組み合わせを記録したデータベース(レインボーテーブルと呼びます)を作り、盗み出したデータと照らし合わせることで、本来のパスワードを特定します。この攻撃を防ぐ手段としては、パスワードを複雑な計算で変換する際に、「SALT」と呼ばれる技術が使われています。コンピューターの性能が上がった現在では、この攻撃が使われる頻度は減ってきています。
レインボーテーブル攻撃とは
– レインボーテーブル攻撃とはレインボーテーブル攻撃とは、不正に入手したパスワード情報から、本来のパスワードを突き止めるための攻撃手法の一つです。ウェブサイトやシステムにログインする際のパスワードは、安全性を高めるために、そのままの形で保存されることはなく、複雑な計算によって意味のない文字列に変換されて保管されています。この変換処理はハッシュ化と呼ばれ、これにより、仮にデータが漏洩した場合でも、パスワードが直接盗み見られるリスクを減らすことができます。しかしながら、レインボーテーブル攻撃では、このハッシュ化されたパスワードから元のパスワードを割り出す試みが行われます。攻撃者は、事前に膨大な量のパスワードとそのハッシュ値を計算し、巨大なデータベースを作成します。このデータベースは、その規模の大きさから「レインボーテーブル」と呼ばれます。攻撃者は、盗み出したハッシュ値と、このレインボーテーブルを照合することで、元のパスワードを特定しようとします。レインボーテーブル攻撃は、特に推測しやすい単純なパスワードを使用している場合に有効です。そのため、パスワードの安全性を高めるためには、辞書に載っているような単語や、誕生日などの安易な文字列の使用を避け、複雑で長いパスワードを設定することが重要です。また、ウェブサイトやサービスごとに異なるパスワードを設定することも効果的です。
攻撃手法 | 説明 | 対策 |
---|---|---|
レインボーテーブル攻撃 | ハッシュ化されたパスワードを、事前に計算されたハッシュ値と照合して、元のパスワードを割り出す攻撃手法。 | – 推測しやすい単純なパスワードの使用を避ける – 辞書に載っているような単語や、誕生日などの安易な文字列の使用を避ける – 複雑で長いパスワードを設定する – ウェブサイトやサービスごとに異なるパスワードを設定する |
レインボーテーブル攻撃の仕組み
– レインボーテーブル攻撃の仕組みレインボーテーブル攻撃は、パスワードを盗み出す攻撃手法の一つです。この攻撃では、攻撃者はまず、一般的に使われるパスワードや、誕生日や電話番号などから推測しやすいパスワードを大量に用意します。そして、それぞれのパスワードに対して、実際に使われているシステムと同じハッシュ関数を用いてハッシュ値を計算します。 この計算済みのパスワードとハッシュ値のペアを大量に蓄積したデータベースを「レインボーテーブル」と呼びます。攻撃者は、標的のシステムからパスワードのハッシュ値を盗み出そうとします。システムによっては、セキュリティ対策が不十分で、パスワードのハッシュ値がそのまま保存されている場合もありますし、より複雑な処理が加えられている場合もあります。攻撃者は、入手したハッシュ値と、事前に作成したレインボーテーブルを照合します。もし、レインボーテーブルの中に一致するハッシュ値が見つかれば、それに対応するパスワードが、盗み出そうとしたパスワードである可能性が非常に高くなります。このようにして、攻撃者は元のパスワードを特定し、システムへの不正アクセスを試みます。レインボーテーブル攻撃から身を守るためには、パスワードの複雑化は当然のことながら、システム側で適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。例えば、パスワードにソルトと呼ばれるランダムなデータを追加してハッシュ化したり、ハッシュ関数を定期的に変更したりすることで、レインボーテーブル攻撃をより困難にすることができます。
攻撃手法 | レインボーテーブル攻撃 |
---|---|
概要 | 事前に計算したハッシュ値と盗み出したハッシュ値を照合してパスワードを特定する攻撃 |
攻撃手順 | 1. 攻撃者が、パスワードの候補とそのハッシュ値を大量に計算し、レインボーテーブルを作成 2. 標的システムからパスワードのハッシュ値を盗み出す 3. 盗み出したハッシュ値と、レインボーテーブルを照合し、一致するハッシュ値があれば、対応するパスワードを特定 |
対策 | – パスワードの複雑化 – システム側での適切なセキュリティ対策(ソルトの追加、ハッシュ関数の定期的な変更など) |
レインボーテーブル攻撃への対策:SALTの重要性
近年、インターネット上ではログイン情報などを狙った攻撃が増加しており、その対策はますます重要になっています。パスワードを安全に保管するためには、ハッシュ化と呼ばれる技術が用いられますが、悪意のある第三者は「レインボーテーブル」と呼ばれる手法を用いて、ハッシュ化されたパスワードの解読を試みます。
レインボーテーブル攻撃から貴重なパスワードを守るためには、「SALT(ソルト)」と呼ばれる技術が有効です。ソルトとは、パスワードをハッシュ化する際に、パスワードごとに異なるランダムなデータを付け加える仕組みです。
パスワードにソルトを加えてハッシュ化することで、たとえ同じパスワードを使っていても、生成されるハッシュ値は全く異なるものになります。これは、料理に例えると、同じ食材を使っても、塩加減を変えることで異なる味が生まれるのと似ています。
もしソルトを使わずにハッシュ化のみを行った場合、レインボーテーブルを用いることで、攻撃者は比較的容易に元のパスワードを割り出すことができてしまいます。しかし、ソルトを使うことで、レインボーテーブルとハッシュ値を照合しても、元のパスワードを特定することが極めて困難になります。
このように、ソルトはレインボーテーブル攻撃に対する効果的な対策として機能します。システム管理者は、ユーザーのパスワードを保護するために、ソルトを適切に設定することが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
レインボーテーブル攻撃 | ハッシュ化されたパスワードを、事前に計算されたハッシュ値と照合して、元のパスワードを解読する攻撃手法。 |
ハッシュ化 | パスワードを元の値に戻せないような文字列に変換するセキュリティ対策。 |
SALT(ソルト) | パスワードをハッシュ化する際に、パスワードごとに異なるランダムなデータを付け加えることで、レインボーテーブル攻撃からパスワードを守る技術。 |
ソルトのメリット | 同じパスワードでも異なるハッシュ値を生成するため、レインボーテーブル攻撃によるパスワード解読を困難にする。 |
その他の防御策
その他の防御策
パスワードを盗み見られてしまった場合でも、事前に対策をしておくことで被害を最小限に抑えることが可能です。
その方法の一つに、「ソルト」と呼ばれる仕組みがあります。ソルトとは、パスワードに付け加えるランダムなデータのことです。
パスワードにソルトを加えて保存しておけば、万が一、パスワードが盗み見られたとしても、元のパスワードを推測することをより困難にすることができます。
パスワードの強度を高めることも、攻撃から身を守る上で非常に大切です。
攻撃者は、あらかじめ用意した膨大な数のパスワード候補を用いて、盗み出したデータと照合し、正しいパスワードを特定しようと試みます。
そのため、推測されにくい、長く複雑なパスワードを設定することで、攻撃を困難にすることができます。
パスワードに加えて、他の認証要素を組み合わせる「多要素認証」も有効な対策です。
多要素認証とは、例えば、パスワードの入力に加えて、スマートフォンに送信される確認コードの入力や、指紋認証などを組み合わせることで、セキュリティを強化する認証方式です。
たとえパスワードが漏洩した場合でも、多要素認証を導入することで、アカウントへの不正アクセスを防ぐことが期待できます。
対策 | 説明 |
---|---|
ソルト | パスワードにランダムなデータを追加して保存することで、パスワードが漏洩した場合でも、元のパスワードを推測することを困難にする。 |
パスワードの強度を高める | 長く複雑なパスワードを設定することで、攻撃者がパスワードを特定することを困難にする。 |
多要素認証 | パスワードの入力に加えて、スマートフォンに送信される確認コードの入力や、指紋認証などを組み合わせることで、セキュリティを強化する。 |
まとめ
– まとめレインボーテーブル攻撃は、事前に計算されたハッシュ値とパスワードの対応表を用いて、盗み出したパスワードのハッシュ値から元のパスワードを割り出す攻撃手法です。 これは非常に強力な攻撃ですが、適切な対策を講じることで、その脅威を大幅に軽減できます。システム管理者は、パスワードのハッシュ化にソルト(SALT)と呼ばれるランダムなデータを追加することで、レインボーテーブル攻撃を困難にすることができます。 ソルトは、パスワードごとに異なる値を用いることが重要です。 また、強力なパスワードポリシーを設定し、ユーザーに複雑なパスワードの使用を促すことも有効です。 パスワードの最小文字数や使用できる文字の種類を制限することで、推測されにくいパスワードを作成することができます。ユーザーは、パスワードの使い回しを避け、サービスごとに異なるパスワードを設定することが重要です。 また、パスワード管理ソフトを利用することで、複雑なパスワードを安全に管理することができます。 加えて、二段階認証や多要素認証などの追加認証を設定することで、仮にパスワードが漏洩した場合でも、アカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。レインボーテーブル攻撃は脅威となりうる攻撃ですが、システム管理者とユーザーが協力して対策を講じることで、そのリスクを大幅に減らすことができます。
対策 | 説明 |
---|---|
ソルトの利用 | パスワードのハッシュ化にソルトと呼ばれるランダムなデータを追加する。ソルトはパスワードごとに異なる値を用いる。 |
強力なパスワードポリシーの設定 | パスワードの最小文字数や使用できる文字の種類を制限することで、推測されにくいパスワードの作成を促す。 |
パスワードの使い回し回避 | サービスごとに異なるパスワードを設定する。 |
パスワード管理ソフトの利用 | 複雑なパスワードを安全に管理する。 |
二段階認証/多要素認証の利用 | パスワードが漏洩した場合でも、アカウントへの不正アクセスを防ぐ。 |