DDoS攻撃代行の危険性:合法を装う「ストレッサー」の実態

DDoS攻撃代行の危険性:合法を装う「ストレッサー」の実態

セキュリティを知りたい

先生、『ストレッサー』ってなんですか?セキュリティを高めるために知っておいた方がいいんですよね?

セキュリティ研究家

良い質問ですね。『ストレッサー』は、ウェブサイトなどに大量のアクセスを送りつけて、パンクさせてしまう攻撃に使われるサービスのことです。セキュリティテストをうたっていますが、実際は攻撃に使われることが多く危険です。

セキュリティを知りたい

じゃあ、わざとサイトをダウンさせるサービスってことですか?

セキュリティ研究家

そうです。サイトを運営している人にとっては、とても困るサービスです。セキュリティを高めるには、こういう攻撃があることを知っておくことが大切です。

ストレッサーとは。

ウェブサイトやネットワーク機器の安全性を高めるための豆知識として、「ストレッサー」について説明します。「ストレッサー」や「IPストレッサー」と呼ばれるものは、大量のデータを送りつけて相手のサービスを妨害する「DDoS攻撃」を行うためのインターネット上のサービスです。彼らは、本来はセキュリティ対策や負荷対策のためのテストサービスと謳いながら、実際には、お金を払った人に特定のウェブサイトや機器への攻撃をさせています。ストレッサーは、攻撃用の多数のコンピュータネットワークを構築し、標的の機器に大量のデータを送信することで過負荷状態にして、サービスを停止させてしまいます。同じようなサービスを提供する「ブーター」が犯罪組織に悪用されているため、ストレッサー業者は自分たちのサービスは合法だと主張しています。しかし実際には、ブーターやストレッサーは、自作自演の攻撃を仕掛けて対策を持ちかけたり、金銭をだまし取ったりする事件も過去にあり、現在でも警察による取り締まりの対象となっています。ブーターとストレッサーをまとめて、「雇われDDoS業者」と呼ぶこともあります。2023年には、イギリスの国家犯罪対策庁が、各国と協力して、偽のブーターやストレッサーのサービスを立ち上げて、利用者を摘発する「おとり捜査」を行ったことを公表しました。

ストレッサーとは

ストレッサーとは

– ストレッサーとは

ストレッサーとは、ウェブサイトやオンラインサービスに大量のトラフィックを送りつけて、過負荷状態に陥らせるDDoS攻撃を請け負うサービスのことです。

表向きは、ウェブサイトやサーバーの負荷テストを行うためのツールとして宣伝されていることもあります。負荷テストは、システムの性能限界を測ったり、アクセス集中時にも問題なく動作するかを確認するために、意図的に大量のアクセスを発生させる正当な技術です。しかし、ストレッサーはこれを悪用し、攻撃を依頼してきたユーザーの代わりに、標的となるウェブサイトやサーバーにDDoS攻撃を仕掛けることが目的となっています。

ストレッサーの利用は違法となるケースがほとんどです。たとえ軽い気持ちで利用したとしても、犯罪に手を染めてしまう可能性があり、また、料金を支払うことで、高度な技術を持たない人でも簡単にDDoS攻撃を実行できてしまうという点で、非常に危険なサービスと言えるでしょう。

DDoS攻撃を受けると、ウェブサイトやオンラインサービスはアクセス過多になり、本来の利用者に対してサービスを提供できなくなってしまいます。これは、企業にとっては大きな損失に繋がりかねず、また、サービスの停止は社会全体に影響を及ぼす可能性も秘めています。

ストレッサーは、その危険性について十分に理解しておくべき存在です。

ストレッサーとは 特徴 危険性
DDoS攻撃を請け負うサービス ウェブサイトやサーバーへの負荷テストを謳っていることもある

攻撃を依頼したユーザーの代わりにDDoS攻撃を行う
利用は違法となるケースが多い

料金を支払うことで、誰でも簡単にDDoS攻撃を実行できる

企業の損失、社会全体への影響など

ストレッサーの仕組み

ストレッサーの仕組み

– ストレッサーの仕組みストレッサーとは、インターネット上で悪意のある攻撃を行うために使われるツールです。 その仕組みは、まるで大勢の人間が一度に特定の店に押し寄せる様子に似ています。店は通常通りの営業ができなくなり、混乱が生じてしまいます。ストレッサーは、攻撃用のサーバー群であるボットネットを操ります。ボットネットとは、ウイルスなどに感染した多数のコンピュータを、あたかもロボットのように遠隔操作できる状態にしたものです。 攻撃者は、このボットネットを介して、標的となるサーバーに対して大量のアクセス要求を送りつけます。 これは、大勢の人間が一斉に特定のウェブサイトにアクセスしようとする状況を想像してみてください。ウェブサイトは、通常想定しているアクセス数をはるかに超える要求を処理できなくなり、機能が停止してしまいます。 結果として、標的となったウェブサイトやサービスはアクセス不能となり、業務に大きな支障が生じます。 ウェブサイトで商品を販売している企業であれば、販売機会の損失という経済的な損害を受けることになります。また、重要な情報を発信する公共機関のウェブサイトが攻撃を受ければ、市民生活にも影響が及ぶ可能性があります。ストレッサーによる攻撃は、インターネット社会全体の安全を脅かす深刻な問題です。

項目 内容
ストレッサーの定義 インターネット上で悪意のある攻撃を行うためのツール
仕組み ボットネットと呼ばれる、ウイルス感染した多数のコンピュータを遠隔操作し、標的サーバーへ大量のアクセス要求を送る
影響 標的のウェブサイトやサービスがアクセス不能となり、業務停止や経済的損失、市民生活への影響も
例え 大勢の人間が一度に店に押し寄せ、混乱が生じる状況と同じ

合法性を強調するも

合法性を強調するも

– 合法性を強調するもストレッサー業者は、サービス内容を「セキュリティテスト」や「負荷テスト」と謳い、利用規約などで合法性を強調しています。しかし、実際には悪意のある攻撃に利用されるケースが後を絶たず、犯罪に繋がっていることは明白です。本来、セキュリティテストや負荷テストは、システムの脆弱性を発見し、改善することで、より安全で安定したシステム運用を実現するために実施されます。しかし、ストレッサー業者が提供するサービスは、これらの正当な目的で行われることは稀です。ストレッサー業者のサービスは、攻撃者が標的のシステムに過剰な負荷をかけ、サービスを停止させるDDoS攻撃に悪用されるケースが問題となっています。標的となるシステムは、ウェブサイトやオンラインサービスなど多岐にわたり、業務妨害や情報漏洩など、深刻な被害をもたらします。違法なDDoS攻撃ツールを提供しているという点において、ストレッサー業者は、多数のコンピュータを不正に操作し、攻撃に加担させるブーターと全く変わらない危険なサービスと言えるでしょう。

項目 内容
ストレッサー業者の主張 – セキュリティテストや負荷テストと謳い合法性を強調
実際 – 悪意のある攻撃に利用されるケースが多い
– 本来のセキュリティテストや負荷テストとは異なる
ストレッサー業者による問題点 – DDoS攻撃に悪用される
– ウェブサイトやオンラインサービスなど、様々なシステムが標的になる
– 業務妨害や情報漏洩など、深刻な被害をもたらす
ストレッサー業者とブーターの共通点 – 多数のコンピュータを不正に操作し、攻撃に加担させる点で共通している

雇われDDoS業者の実態

雇われDDoS業者の実態

インターネット上における嫌がらせ行為の一つに、大量のデータを送りつけてサーバーをダウンさせる攻撃があります。これは「サービス拒否攻撃」と呼ばれ、略して「DoS攻撃」として広く知られています。
この攻撃をさらに悪質化させたものが「DDoS攻撃」です。これは、多数の端末を巻き込み、攻撃対象に一斉にデータを送りつけることで、より大規模な攻撃を可能にします。
近年、このDDoS攻撃を請け負う「雇われDDoS業者」の存在が問題視されています。彼らは「ストレッサー」や「ブーター」などと呼ばれ、金銭と引き換えに、攻撃対象を指定したDDoS攻撃の実行を請け負います。
このような行為は、世界中の司法機関から厳しく取り締まりの対象となっています。2023年には、イギリスの国家犯罪対策庁が、偽のDDoS攻撃代行サービスを囮にした捜査を行い、多くの犯罪者を検挙しました。この事件は、DDoS攻撃が犯罪組織にとって重要な資金源となっているという実態を浮き彫りにしました。
インターネットは、今や私たちの生活に欠かせないものです。しかし、その一方で、目に見えない脅威が潜んでいることも忘れてはなりません。自分を守るため、そして誰かを傷つけないためにも、正しい知識を身につけ、安全にインターネットを利用していくことが重要です。

攻撃の種類 説明 備考
DoS攻撃 (サービス拒否攻撃) 大量のデータを送りつけることで、サーバーをダウンさせる攻撃
DDoS攻撃 (分散型サービス拒否攻撃) 多数の端末を巻き込み、一斉にデータを送りつけることで、より大規模な攻撃を可能にする 近年、DDoS攻撃を請け負う「雇われDDoS業者」の存在が問題視されている

私たちができる対策

私たちができる対策

– 私たちができる対策

インターネット上には、不正アクセスツールや、攻撃を代行するサービスなど、悪意のあるサービスが存在します。これらのサービスは、一見手軽に目的を達成できる手段のように思えるかもしれません。しかし、これらのサービスを利用することは、犯罪に加担する行為となり得ることを、私たちは深く認識しなければなりません。

ウェブサイトやシステムの脆弱性を悪用するツールやサービスに頼るのではなく、正規の手段でセキュリティ対策を行うことが重要です。具体的には、複雑なパスワードを設定する、ソフトウェアを常に最新の状態に保つ、怪しいウェブサイトへのアクセスを控えるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することから始めましょう。

もし、自社のシステムのセキュリティに不安を感じたら、安易に攻撃ツールに手を出すのではなく、専門知識を持ったセキュリティ専門業者に相談することを強く推奨します。専門業者は、システムの脆弱性診断や適切なセキュリティ対策の提案など、安全を確保するためのサポートを提供してくれます。

インターネットは、私たちにとって便利なツールであると同時に、危険も潜んでいることを忘れてはなりません。セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を講じることで、安全で快適なインターネット環境を築いていきましょう。

私たちができる対策 詳細
悪意のあるサービスを利用しない 不正アクセスツールや攻撃代行サービスは犯罪であり、利用は犯罪に加担する行為になります。
正規の手段でセキュリティ対策を行う
  • 複雑なパスワードを設定する
  • ソフトウェアを常に最新の状態に保つ
  • 怪しいウェブサイトへのアクセスを控える
セキュリティ専門業者に相談する システムの脆弱性診断や適切なセキュリティ対策の提案を依頼できます。
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