ネットセキュリティ研究家

サイバー犯罪

二重支払い詐欺にご用心!

近年、インターネット上で個人間での売買を簡単に行えるフリーマーケットアプリが広く利用されるようになり、大変便利になりました。しかし、その一方で、アプリを通じて商品を購入する際の支払い方法である後払い決済サービスを悪用した「二重支払い詐欺」という犯罪行為が増加しており、社会問題となっています。 この二重支払い詐欺は、大変巧妙な手段で行われるため、被害に遭っていることに気づかないまま泣き寝入りしてしまうケースも少なくありません。そこで今回は、二重支払い詐欺の具体的な手口と、その被害から身を守るための効果的な対策方法について詳しく解説していきます。 まず、二重支払い詐欺とは、実際には支払いを行わずに、あたかも支払いを済ませたように装って商品をだまし取る行為です。犯人は、フリーマーケットアプリを通じて出品者と連絡を取り、商品を購入する意思を示します。そして、後払い決済サービスを利用して支払いを行うと見せかけますが、実際には支払いを完了せずに商品をだまし取ります。 被害から身を守るためには、出品者として、購入者の評価や取引履歴をよく確認することが重要です。また、後払い決済サービスを利用する際は、必ず正規のサービスを利用し、支払い状況をこまめに確認しましょう。 万が一、二重支払い詐欺に遭ってしまった場合は、速やかに警察に被害届を提出しましょう。また、利用していたフリーマーケットアプリの運営会社にも被害を報告することで、他のユーザーへの注意喚起や再発防止につながります。
サイバー犯罪

クラウドサービスを狙うEDoS攻撃から身を守るには

近年、多くの企業や個人が、従来の自社で管理する情報システムから、インターネットを通じてサービスを提供するクラウドサービスへと移行しつつあります。利便性の高いクラウドサービスですが、その利用拡大に伴い、悪意を持った攻撃者からの脅威も増大しています。クラウドサービスを狙った攻撃は年々増加しており、その手口も巧妙化しているため、セキュリティ対策の重要性はますます高まっています。 中でも、EDoS攻撃と呼ばれる攻撃は、クラウドサービスの特性を悪用した巧妙な手法を用いるため、その対策が急務となっています。EDoS攻撃は、標的となるサービスの資源を大量に消費させることで、正規の利用者がサービスを利用できなくすることを目的としています。クラウドサービスは、利用状況に応じて必要な資源を柔軟に調整できるという特性を持つため、攻撃者はこの仕組みを悪用し、大量のアクセスを発生させることで、サービスの停止や遅延を引き起こします。 EDoS攻撃から身を守るためには、クラウドサービス提供者と利用者の双方による対策が必要です。まず、クラウドサービス提供者は、セキュリティ対策ソフトの導入やシステムの監視体制の強化など、攻撃を検知し、迅速に対応できる体制を整える必要があります。一方、利用者は、強力なパスワードを設定する、怪しいリンクをクリックしないなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。また、クラウドサービスの利用状況を常に監視し、不審なアクセスがないかを確認することも大切です。
サイバー犯罪

二重恐喝:進化するランサムウェアの脅威

- 二重恐喝とは近年、従来の身代金要求型ウイルス(ランサムウェア)の攻撃が巧妙化し、「二重恐喝」と呼ばれる新たな脅威が増加しています。これは、従来型のランサムウェア攻撃と異なり、情報を人質に二重で脅迫を行う悪質な手口です。従来型のランサムウェアは、企業の重要なデータやシステムを暗号化し、その復号と引き換えに身代金を要求していました。一方、二重恐喝では、まず企業に侵入し、機密性の高い情報を探し出して外部のサーバーに盗み出します。そして、従来と同様に重要なデータやシステムを暗号化した後、盗み出した情報の暴露をちらつかせながら身代金を要求するのです。つまり、二重恐喝では、たとえ身代金を支払って暗号化を解除できたとしても、盗まれた情報が公開されるリスクがつきまといます。顧客情報や企業秘密など、一度でも外部に漏洩すれば、企業は経済的な損失だけでなく、社会的信用を失墜させる可能性もあるため、二重恐喝の被害は計り知れません。近年では、攻撃者はさらに巧妙化しており、盗み出した情報を闇サイトで競売にかけるケースも報告されています。このように、二重恐喝は企業にとって非常に深刻な脅威となっているため、強固なセキュリティ対策と、万が一の際の対応策を事前に検討しておくことが重要です。
サイバー犯罪

サイバー攻撃の犯人を追え!~アトリビューションの重要性~

インターネットの世界は、まるで広大な海のように、私たちに無限の可能性を提供してくれます。しかし、その広大な海には危険も潜んでいます。姿の見えないサイバー攻撃者が、まるで深海に潜む巨大なイカのように、日々悪意のある活動を行っているのです。私たちが安全な航海を続けるためには、こうした見えない敵の存在を認識し、適切な対策を講じる必要があります。 そこで重要になるのが「アトリビューション」という取り組みです。これは、サイバー攻撃の犯人を特定するための、いわば探偵のような捜査活動です。具体的には、誰が、どこから、どんな方法で、何の目的で攻撃を仕掛けてきたのかを、様々な情報を収集し分析することで解明していきます。 例えば、攻撃に使われたコンピューターやネットワークの特定、攻撃に使われたツールの分析、攻撃者の行動パターンや動機などの分析を行います。それはまるで、ジグソーパズルのピースを一つずつはめていき、犯人像を浮かび上がらせていくような作業です。アトリビューションによって、私たちは見えない敵の姿を捉え、その手口を理解することで、より効果的な対策を立てることができるようになるのです。
メール

時代遅れのPPAP:安全なファイル送信のために

- PPAPとは?-PPAPとは?-PPAPとは、「Password付きZIPファイルを送ります、Passwordを送ります、Angoka(暗号化)Protocol(プロトコル)」のそれぞれの単語の頭文字を繋げた言葉です。これは、電子メールでファイルをやり取りする際の手順を指しています。具体的には、まずパスワードで保護したZIP形式のファイルを電子メールで送り、その後、別の電子メールでパスワードを伝えるという方法です。一見すると、パスワードで保護することでセキュリティ対策をしているように思えますが、実際には多くのセキュリティ上の問題点が指摘されています。まず、パスワードで保護したZIPファイルとパスワードを別々の電子メールで送信する場合、仮にどちらかの電子メールが第三者に盗聴されてしまった場合、もう一方の電子メールも容易に解読されてしまう可能性があります。これは、鍵と鍵穴を別々に送っているようなものであり、セキュリティ上非常に危険な状態と言えるでしょう。さらに、PPAPで使用されるZIPファイルの暗号化方式には、脆弱性が発見されているものも存在します。そのため、悪意のある第三者によってZIPファイルが解読され、ファイルの内容が盗み見られてしまうリスクも考えられます。これらの問題点から、現在ではPPAPはセキュリティの専門家の間では推奨されない方法となっています。ファイルのやり取りを行う際には、PPAPではなく、より安全な方法を選択することが重要です。
セキュリティ強化

もう怖くない!EDRでサイバー攻撃からデバイスを守る

- EDRとは EDRとは、「Endpoint Detection and Response」の略で、パソコンやスマートフォンなど、会社や自宅のネットワークに接続された様々な機器を、サイバー攻撃の脅威から守るためのセキュリティ対策のことです。 従来のセキュリティ対策では、ウイルス対策ソフトのように、既に知られている攻撃の手口をパターンとして記憶しておき、それと照らし合わせて防ぐ方法が主流でした。しかし、サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、侵入を防ぐことが難しいケースも増えています。 EDRは、このような現状を踏まえ、「万が一、機器がサイバー攻撃を受けて侵入されてしまった場合でも、その影響を最小限に抑える」ことを目的とした対策として、近年注目を集めています。 EDRは、怪しいプログラムの実行を検知したり、不審な通信を監視したりすることで、早期に攻撃を発見します。そして、攻撃が確認された場合、感染したファイルを隔離したり、不正な通信を遮断したりすることで、被害の拡大を防ぎます。 このように、EDRは従来型のセキュリティ対策とは異なるアプローチで、より高度化するサイバー攻撃から機器を守ることができるため、企業や組織において積極的に導入が進められています。
ネットワーク

アップロードを理解して情報漏洩を防ごう

- アップロードとはアップロードとは、インターネットなどのネットワークを通じて、お手持ちのパソコンやスマートフォンといった端末から、サーバーと呼ばれる別のコンピュータにデータを送信することを指します。日頃から私たちが何気なく行っている操作の中にも、アップロードは多く存在します。例えば、旅行先で撮影した写真や動画をSNSに投稿する際、サーバーに対してデータを送信しています。また、オンラインストレージサービスにファイルを保存する際にも、自分の端末からサービスを提供する会社のサーバーへデータを送信しています。このように、アップロードはデジタルデータのやり取りにおいて欠かせないものです。普段意識することは少ないかもしれませんが、自分の端末から外部のサーバーへデータを送信しているという認識を持つことが大切です。
マルウェア

二重の脅威:二重ランサムウェア攻撃から身を守るには

近年、企業や組織を狙った巧妙な攻撃が増加しており、その脅威は深刻さを増しています。従来型の身代金要求型ウイルスは、暗号化したデータを人質に金銭を要求するものでしたが、最近はさらに巧妙化が進んでいます。二重ランサムウェア攻撃と呼ばれる新たな脅威は、企業にとってより深刻な被害をもたらす可能性があります。 二重ランサムウェア攻撃では、まず機密情報を盗み出した後、そのデータを暗号化するという二段構えの攻撃を行います。攻撃者は盗み出したデータの重要性に応じて、より高額な身代金を要求します。さらに、身代金の支払いを拒否した場合、盗み出したデータを闇サイトで公開したり、競合他社に売却したりするケースも確認されています。 このような攻撃から企業を守るためには、従来のセキュリティ対策に加え、より多層的な防御策を講じる必要があります。例えば、重要なデータへのアクセス制限を強化したり、従業員へのセキュリティ意識向上研修を実施したりすることが重要です。また、万が一攻撃を受けた場合に備え、データのバックアップ体制を整えておくことも欠かせません。
脆弱性

時代遅れの通信は危険!POODLE攻撃から身を守るには?

- POODLE攻撃とは インターネット上での情報のやり取りは、第三者に盗み見られないように暗号化されて行われています。 その暗号化に以前使われていたSSL3.0という古い通信方式に、弱点が見つかりました。 この弱点を突いた攻撃をPOODLE攻撃と呼びます。 SSL3.0は、現代のセキュリティ基準から見ると安全性が低く、POODLE攻撃によって、本来ならば秘密であるべき情報が盗み見られてしまう危険性があります。 例えば、インターネットショッピングの際にクレジットカード情報を入力する場面を考えてみましょう。 もし、利用しているショッピングサイトが古いSSL3.0を使っていた場合、あなたの使っているパソコンもSSL3.0で接続してしまうと、悪意のある第三者にクレジットカード情報を盗まれてしまう可能性があります。 POODLE攻撃から身を守るためには、ウェブサイトの運営者はSSL3.0を使わないように設定を変更し、利用者はインターネット閲覧に使うソフトがSSL3.0を使わない設定になっているかを確認することが重要です。 また、可能な限りTLS1.2以降といった、より安全な新しい通信方式を使うように心がけましょう。 セキュリティ対策は、私たちが安全にインターネットを利用するために欠かせないものです。 POODLE攻撃のような脅威から身を守るために、常に最新の情報を入手し、適切な対策を講じることが重要です。
セキュリティ強化

もはや他人事ではない!進化するサイバー攻撃から企業を守るEDRとは?

- 巧妙化するサイバー攻撃の脅威 近年、企業の重要な情報やシステムを狙ったサイバー攻撃は、増加の一途を辿っています。攻撃の手法も日々進化しており、その巧妙化はとどまるところを知りません。従来型のセキュリティ対策だけでは、もはや十分な防御は困難になりつつあります。 特に注意が必要なのは、従来のウイルス対策ソフトでは検知が難しい攻撃の増加です。例えば、パソコンやサーバーのOSが標準で備えている機能を悪用した攻撃は、一見すると通常の操作と区別がつかず、セキュリティ対策ソフトでも見抜くことが困難です。そのため、企業は従来の対策を見直し、新たな防御策を講じる必要性に迫られています。 具体的には、怪しいメールの添付ファイルを開かない、不審なウェブサイトにアクセスしないなど、基本的な情報セキュリティ対策を従業員一人ひとりが徹底することが重要です。また、セキュリティソフトの最新状態を保つことはもちろん、OSやソフトウェアの脆弱性を解消するためのアップデートを定期的に実施することも欠かせません。 サイバー攻撃は、いつどこからやってくるか分かりません。常に最新の情報を収集し、潜在的な脅威への対策を怠らないことが、企業の大切な情報資産を守る上で最も重要と言えるでしょう。
データ保護

二次漏えいから情報を守る

- 情報漏えいの深刻なリスク企業にとって、顧客情報や企業秘密などの重要な情報が外部に漏れてしまうことは、会社の信頼を大きく失墜させ、最悪の場合、事業の継続すら危ぶまれる深刻な問題です。情報漏えいは、社員による故意の持ち出しや、悪意のある第三者による不正アクセスなど、様々な要因で発生する可能性があります。情報漏えいの発生源は、大きく分けて「内部」と「外部」の二つに分類できます。内部からの漏えいとは、社員や元社員、取引先など、企業と何らかの関係を持つ人物が情報を持ち出すケースです。うっかりミスや、不正な利益を得る目的で行われるなど、その背景は様々です。一方、外部からの漏えいとは、インターネットを介した不正アクセスや、ウイルス感染などによって情報が盗み出されるケースを指します。情報漏えいは、その経路も様々です。例えば、紛失や盗難による情報漏えいは、パソコンやUSBメモリなどの記録媒体を、適切に管理していなかった場合に起こりえます。また、インターネットを介した情報漏えいには、不正アクセスやウイルス感染のほか、フィッシング詐欺など、手口は多岐にわたります。このように、情報漏えいの発生源や経路は多岐にわたるため、企業はあらゆる可能性を考慮した上で、組織全体で情報セキュリティ対策を徹底する必要があります。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本!こまめなアップデートを

- アップデートとは日々何気なく使っているパソコンやスマートフォン、そしてその中で動くソフトウェア。これらを最新の状態に保つためのものが、アップデートです。アップデートによって、新しい機能が追加されて私たちの生活がより便利になったり、動作が軽快になって使い心地が向上したりします。しかし、アップデートには、それ以上に重要な役割があります。それは、私たちの大切な情報や機器を、悪意のある攻撃から守ることです。インターネット上には、システムのわずかな弱点を見つけ出し、そこを突いて攻撃を仕掛けてくる者が後を絶ちません。彼らが使う手口は日々進化しており、私たちが知らない間に危険にさらされる可能性もあります。アップデートは、まるで家の壁を補強したり、最新のセキュリティシステムを導入したりするように、発見された弱点に対する修正を施し、新たな攻撃手法に対する防御策を講じることで、私たちの安全を維持します。もしもアップデートを怠ると、まるで古い鍵のかかっていない家に住み続けるようなもので、危険にさらされやすくなってしまいます。常に最新の状態を保つことで、安心して快適に、そして安全にデジタル社会を生きていくことができるのです。
脆弱性

危険な脆弱性PoCにご用心!

- 概念実証を意味するPoC 新しい事業やサービスを始める時、誰もが画期的なアイデアを思い付くわけではありません。本当にそのアイデアが実現可能なのか、採算が取れるのか、疑問が残ることも多いでしょう。そんな時に役立つのが「PoC」と呼ばれる手法です。これは「概念実証」を意味する英語の頭文字を取った言葉で、新しい考え方やサービスが実際に形になるかどうかを試すことを指します。 例えば、新しい商品のアイデアを思い付いたとします。しかし、それが本当に消費者に受け入れられるのか、製造コストに見合うのか、判断に迷うこともあるでしょう。このような場合、PoCを実施することで、実際に試作品を作ったり、小規模な市場調査を行ったりすることで、疑問の答えを探ることができます。 PoCの目的は、あくまでもアイデアが実現可能かどうかを検証することです。そのため、完璧な製品やサービスを作る必要はありません。むしろ、素早く、低コストで検証を行うことが重要です。PoCの結果次第では、当初のアイデアを修正したり、場合によっては断念したりする勇気も必要です。 このように、PoCは新しい事業やサービスを成功に導くための、重要なプロセスと言えます。
暗号通貨

進化するセキュリティ:楕円曲線暗号とは?

- 楕円曲線暗号とは -# 楕円曲線暗号とは 楕円曲線暗号(ECC)は、私たちが日々利用する情報通信の安全を守る、高度な暗号方式の一つです。従来の暗号方式と比較して、同等の安全性をより短い鍵で実現できるため、処理速度が向上し、機器にかかる負担も軽減できます。 楕円曲線暗号は、その名の通り、楕円曲線と呼ばれる数学的な理論に基づいています。この曲線を用いることで、複雑な計算問題を生成し、暗号化と復号を行います。この計算問題を解くことは非常に困難であるため、第三者が不正に情報を入手することは極めて困難です。 楕円曲線暗号は、私たちの身近なスマートフォンやパソコン、インターネット通信など、幅広い分野で情報セキュリティの要として活躍しています。例えば、インターネットバンキングやオンラインショッピングなど、個人情報やクレジットカード情報など、重要な情報を扱うサービスにおいて、情報の盗聴や改ざんを防ぐために利用されています。 このように、楕円曲線暗号は、現代社会における情報セキュリティにおいて不可欠な技術と言えるでしょう。
マルウェア

プログラムを見えにくくする技術 – 難読化とは?

- 難読化とは -# 難読化とは 難読化とは、コンピュータプログラムのソースコードを、その動作を変えずに、人間にとって理解しにくい形に変換する技術のことです。 例えるなら、日本語の文章を、意味はそのままに、わざと読みにくい言い回しや複雑な単語に置き換えるようなものです。 難読化を行うことで、プログラムの中身を覗き見ようとする人が現れても、コードの構造や内容を容易に理解することができなくなります。 これは、まるで暗号を解読するように、高度な知識と技術、そして多くの時間が必要となるため、結果として、攻撃者によるプログラムの解析や改ざんを阻止する効果があります。 -# なぜ難読化が必要なのか コンピュータプログラムは、その多くがソースコードと呼ばれる形で記述されており、これは人間が理解できるテキストファイルとして存在しています。 もし、悪意のある攻撃者がこのソースコードを手に入れてしまうと、プログラムの仕組みを分析し、セキュリティ上の弱点を見つけ出したり、プログラムの動作を変更したりすることが可能になります。 特に、不正なソフトウェアの中には、その開発者が、解析や改ざんを防ぐために、難読化技術を用いてソースコードを保護している場合があります。 このように、難読化は、プログラムのセキュリティ対策として、特に、重要な情報や機能を不正アクセスから守るために有効な手段となります。
セキュリティ強化

広がる脅威から守る!アタックサーフェスの重要性

- 攻撃の足がかりとなるもの 情報システムを狙う攻撃者は、まるで家に侵入しようとする泥棒のように、様々な場所を調べて侵入経路を探します。そして、侵入に利用できそうな箇所を見つけると、そこを足がかりにしてシステム内部への侵入を試みます。この、攻撃者が侵入経路として利用可能な箇所全体を「攻撃対象領域」と呼びます。 では、具体的にどのような箇所が攻撃対象領域になりうるのでしょうか? 家の例で考えると、ドアや窓は誰でも侵入経路として思い浮かびますよね。しかし、それだけではありません。換気扇や郵便受け、場合によっては屋根の隙間なども、侵入に利用されてしまう可能性があります。つまり、外部からアクセス可能な箇所は、全て攻撃対象領域になりうるのです。 情報システムにおいても同様です。企業が公開しているウェブサイトや顧客向けサービスを提供するアプリケーション、ネットワークに接続するためのポートなど、様々な箇所が攻撃対象領域となりえます。さらに、従業員が業務で使用するパソコンやスマートフォン、USBメモリなどの外部記憶装置も、攻撃者が侵入経路として利用する可能性があります。 このように、攻撃対象領域は多岐に渡る可能性があります。セキュリティ対策を講じる上では、自社の情報システムにおいて、どのような箇所が攻撃対象領域となりうるのかを把握することが重要です。
IoT

重要インフラを支えるPLC:サイバー攻撃から守るために

- 産業の心臓部、PLCとは? PLCは、「Programmable Logic Controller(プログラマブルロジックコントローラ)」の略称で、工場や発電所など、様々な産業設備で中心的な役割を担う小型のコンピュータです。まるで人間の頭脳のように、温度や圧力、流量といった様々な情報をセンサーで受け取り、あらかじめ設定されたプログラムに従って機器の動作を制御します。 例えば、工場のベルトコンベアを動かしたり、タンク内の水位を調整したり、あるいはロボットアームを動かして製品を組み立てたりといった作業を、PLCは自動で行うことができます。従来、これらの作業は人間が手動で行っていましたが、PLCの登場によって自動化が進み、生産効率の向上、品質の安定化、そして人手不足の解消に大きく貢献してきました。 PLCは、私たちの生活を支える様々な製品の製造や、電気、ガス、水道といった重要なインフラの安定稼働に欠かせない存在と言えるでしょう。スマートフォンや自動車、食品や医薬品など、私たちの身の回りにあるほとんどの製品は、PLCによって制御された産業設備によって作られています。PLCは、まさに現代社会を陰ながら支える「縁の下の力持ち」といえるでしょう。
セキュリティ強化

企業を守るEASMのススメ

- はじめにと昨今、悪意を持った第三者によるインターネットを介した攻撃は、巧妙化の一途を辿っており、企業はセキュリティ対策に頭を悩ませています。特に、組織外部からの攻撃に対して、自社のシステムのどこに脆弱性があるのかを把握することは容易ではありません。 企業は、顧客情報や機密情報といった重要な情報を守るため、ファイアウォールや侵入検知システムなど、様々なセキュリティ対策を講じています。しかし、攻撃手法は日々進化しており、既存の対策だけでは十分とは言えない状況になりつつあります。 そこで、近年注目されているのがEASM(External Attack Surface Management)です。 EASMとは、企業や組織の外部から見えるシステムやアプリケーションを網羅的に把握し、攻撃者が狙う可能性のある脆弱性を発見・分析するものです。 EASMを活用することで、企業は自社のセキュリティ対策の現状を客観的に把握し、より効果的な対策を講じることが可能となります。
その他

セキュリティ対策の基礎:アセンブリ言語とは?

コンピュータの中心的な処理装置であるCPUは、機械語と呼ばれる特殊な言語で命令を受け取ります。この機械語は、0と1の数字の並び、あるいは16進数と呼ばれる表現方法で記述されるため、私たち人間には理解するのが非常に困難です。そこで、この機械語を人間にも理解しやすい形に変換したものがアセンブリ言語です。 アセンブリ言語は、CPUに対する命令を、人間が読んでも意味がわかるような記号、ニーモニックを使って表現します。例えば、データを移動する命令は"MOV"、加算する命令は"ADD"といった具合です。 このアセンブリ言語を用いることで、プログラムが具体的にどのような動きをするのかを、人間が理解しやすくなります。これは、プログラムの誤りを発見したり、修正したりする際に役立ちます。また、CPUの動作をより深く理解するためにも、アセンブリ言語は有効な手段となります。
サイバー犯罪

内部不正を防ぐための基礎知識

- 内部不正とは企業の成長を妨げ、社会的な信用を失墜させるリスクをはらむ内部不正。その実態は一体どのようなものなのでしょうか。内部不正とは、会社や組織に所属する人間が、業務を通じて知り得た機密情報や重要な情報を不正に持ち出したり、外部に漏らしたり、消したり、壊したりする行為を指します。つまり、普段から会社の情報にアクセスできる立場にある従業員や退職した従業員、取引先関係者など、組織内部の人間によって引き起こされる不正行為のことを指します。内部不正は、大きく分けて「情報漏えい」「資金横領」「不正アクセス」の3つに分類されます。情報漏えいは、顧客情報や技術情報など、会社の重要な情報を不正に持ち出したり、外部に漏らしたりする行為です。顧客情報が漏えいした場合、企業は顧客からの信頼を失い、大きな損害を被る可能性があります。また、技術情報が競合他社に渡れば、会社の競争力が低下する恐れがあります。資金横領は、会社の金銭を不正に取得する行為です。横領が発覚した場合、企業は財務的な損失を被るだけでなく、社会的信用も失墜する可能性があります。不正アクセスは、本来アクセス権限を持たない情報にアクセスする行為です。不正アクセスによって情報が書き換えられたり、消去されたりすると、会社の業務に支障をきたす可能性があります。内部不正は、企業にとって大きな脅威です。しかし、内部不正は決して他人事ではありません。企業は、内部不正のリスクを正しく認識し、適切な対策を講じる必要があります。
サイバー犯罪

パスワード不要!?パス・ザ・チケット攻撃にご用心

- はじめにと近年、企業や組織を標的とした悪意のある攻撃は、増加の一途をたどっています。その巧妙さも増しており、情報セキュリティ対策は企業にとって避けることのできない喫緊の課題となっています。企業は、様々な脅威から重要なシステムやデータを保護することが求められています。今回は、パスワードなどの認証情報そのものを盗まれなくても、認証を突破されてしまう可能性のある「パス・ザ・チケット攻撃」について詳しく解説していきます。 パス・ザ・チケット攻撃とは、攻撃者が正規ユーザーの認証情報を不正に入手し、それを利用してシステムにアクセスする攻撃です。従来の攻撃では、パスワードを盗み出すために複雑な技術が使われていましたが、パス・ザ・チケット攻撃では、認証情報そのものを盗み出す必要がありません。 この攻撃は、正規ユーザーになりすましてシステムにアクセスするため、検知が非常に困難です。そのため、企業は、パス・ザ・チケット攻撃に対する適切な対策を講じることが重要です。具体的な対策としては、多要素認証の導入やアクセス権の適切な管理などが挙げられます。
認証

インターネット時代の信頼の要:PKIとは?

- 公開鍵基盤PKIとは インターネット上で安全に情報をやり取りするために、「公開鍵基盤(PKI)」という仕組みが欠かせません。インターネットショッピングやオンラインバンキングなど、個人情報やクレジットカード情報など、重要な情報を取り扱う場面では、このPKIが活躍します。 PKIは、「公開鍵暗号方式」という技術を基礎としています。この方式では、情報を暗号化する「公開鍵」と、暗号化された情報を復号する「秘密鍵」という、2つの鍵のペアを用います。誰でもアクセスできる「公開鍵」に対して、「秘密鍵」は本人だけが厳重に管理します。 例えば、あなたがネットショッピングでクレジットカード情報を入力する際、ウェブサイトはあなたに公開鍵を渡します。あなたは、その公開鍵を使ってクレジットカード情報を暗号化し、ウェブサイトに送信します。ウェブサイトは、受信した暗号化された情報を、自分だけが持つ秘密鍵を使って復号します。 このように、公開鍵で暗号化された情報は、対応する秘密鍵を持つ人だけが復号できるため、第三者に情報が漏えいすることを防ぎ、高い安全性を確保することができるのです。
データ保護

個人情報保護の強化に! E2EEで実現する安全なメッセージング

- E2EEとはE2EEは、「エンド・ツー・エンド暗号化」と呼ばれる技術の略称で、インターネット上でやり取りされる情報に対する強力なセキュリティ対策です。デジタル社会において、プライバシー保護はますます重要になっており、その中心的な役割を担う技術の一つと言えるでしょう。普段私たちがインターネット上でメッセージを送信する際、その情報は様々な経路を経由して相手に届けられます。もし、これらの情報が暗号化されていない状態で送信された場合、第三者に盗み見られる危険性があります。E2EEは、このようなリスクから情報を守るために開発されました。この技術の最大の特徴は、送信者と受信者だけが情報を復号できるという点にあります。情報を暗号化してから送信することで、たとえ情報が第三者に盗み見られたとしても、暗号化されたままの状態であるため、内容を理解することはできません。これは、まるで手紙を特別な鍵のかかった箱に入れて送るようなもので、正しい鍵を持っている人だけが中身を見ることができるのです。E2EEは、個人情報や機密情報、企業秘密などを扱う際に特に有効です。インターネットバンキングやオンラインショッピングなど、私たちの日常生活においても、すでに様々な場面で活用されています。今後、デジタル化がさらに進むにつれて、E2EEの重要性はますます高まっていくと考えられます。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基礎!リスクアセスメントのススメ

- リスクアセスメントとは 情報システムやネットワークは、企業にとって欠かせないものとなっています。しかし、これらのシステムは常に、不正アクセスや情報漏えいといった様々な脅威にさらされています。このような脅威から大切な情報を守るためには、適切な対策を講じる必要があります。 リスクアセスメントは、情報資産やシステムが抱えるリスクを分析し、評価するプロセスです。具体的には、まず、どのような情報資産がどのような脅威にさらされているのかを洗い出します。顧客情報や技術情報といった機密情報はもちろんのこと、システムの停止によって業務に支障が出る可能性も考慮する必要があります。 次に、それぞれの脅威が現実になった場合、どの程度の損害が発生するのか、その影響度を評価します。情報漏えいによる顧客離れや、システム停止による機会損失など、金銭的な損失だけでなく、社会的信用の失墜といった目に見えない損失も考慮することが重要です。 さらに、それぞれの脅威が発生する可能性はどのくらいあるのか、その発生確率を評価します。過去の事例や業界の動向などを参考に、総合的に判断します。 リスクアセスメントの結果に基づいて、費用対効果を考慮しながら、適切な対策を講じることが重要です。例えば、影響度が大きく、発生確率も高いリスクに対しては、重点的に対策を講じる必要があります。