ネットセキュリティ研究家

認証

セキュリティ強化:SPNEGOの脆弱性と対策

私たちは日々、様々な場面で「認証」を行っています。例えば、インターネット上のサービスを利用するために「ログイン」したり、会社のシステムにアクセスするために「IDとパスワードを入力」したりする行為は、まさに認証にあたります。 認証とは、簡単に言うと「アクセスしてきた相手が本当に本人かどうかを確認する仕組み」のことです。この仕組みがあることで、なりすましによる不正アクセスや情報漏えいを防ぐことができます。 認証を行うためには、様々な規格や技術が使われていますが、その中の一つに「SPNEGO」というものがあります。これは「Simple and Protected GSS-API Negotiation Mechanism」の略称で、クライアント(サービスを利用する側)とサーバー(サービスを提供する側)の間で、どのような認証方式を使うかを自動的に決めるための仕組みです。 例えば、あなたが会社のパソコンから社内システムにアクセスする場合を考えてみましょう。この時、あなたのパソコンと会社のシステムの間でSPNEGOが働くと、自動的に最適な認証方式が選択され、接続が確立されます。認証方式が何に決まったのかを、あなたが意識する必要はありません。 このようにSPNEGOは、私たちが意識することなく、安全な認証を実現するために役立っているのです。
認証

SPNEGO NEGOEX:認証をもっと柔軟に

インターネット上には、様々なサービスがあふれており、私たちは日々その恩恵を受けています。これらのサービスを利用する際、必ず必要となるのが「認証」です。認証とは、簡単に言うと、サービスを利用しようとしている人が、本当にその人本人であることを証明する仕組みです。 しかし、この認証には、サービス提供者を悩ませる大きな課題が存在します。それは、サービスの特性や扱う情報によって、最適な認証方式が異なってくるという点です。 例えば、ブログやニュースサイトのように、誰でも自由に閲覧できるサービスの場合、複雑な認証方式はユーザーにとって負担が大きくなってしまいます。このような場合は、比較的簡素なパスワード認証で十分な場合が多いでしょう。 一方、ネット銀行やオンラインショッピングなど、金銭や個人情報といった重要な情報を扱うサービスの場合、セキュリティレベルを高く保つ必要があります。そのため、パスワードに加えて、スマートフォンに送られてくるワンタイムパスワードを入力する二段階認証や、より高度な生体認証などを組み合わせた多要素認証を採用するケースが増えています。 このように、サービス提供者は、自社のサービスの特性やリスク、そしてユーザーの利便性を考慮した上で、最適な認証方式を選択する必要があるのです。
サイバー犯罪

潜む脅威:プロセス・インジェクションの仕組み

- プロセス・インジェクションとは コンピュータを不正に操作する攻撃者は、あの手この手であなたの大切な情報を狙っています。その中でも、「プロセス・インジェクション」と呼ばれる技術は、巧妙さと危険性を兼ね備えた攻撃手法として知られています。 あなたのコンピュータの中では、様々なプログラムが「プロセス」という形で実行されています。例えば、インターネットを閲覧するためのブラウザや、文章を作成するためのソフトウェアなども、すべてプロセスとして活動しています。 プロセス・インジェクションとは、攻撃者がこれらの正常に動作しているプロセスに対して、悪意のあるコードを注入する攻撃手法です。イメージとしては、運動会のリレーで、正規の走者に紛れて、こっそり違うチームの走者がバトンを受け取ってしまう様子に似ています。 こうして注入された悪意のあるコードは、あたかも正規のプログラムの一部として振る舞うため、セキュリティソフトの監視を潜り抜けてしまう可能性があります。セキュリティソフトは、怪しいプログラムを監視していますが、正規のプログラムの一部になりすましてしまえば、見破ることが難しくなるからです。 プロセス・インジェクションは、攻撃者にとって非常に強力な武器となりえます。なぜなら、この攻撃を成功させることで、あなたのコンピュータを乗っ取ったり、機密情報にアクセスしたりすることが可能になるからです。 このような危険な攻撃から身を守るためには、セキュリティソフトを最新の状態に保つことはもちろんのこと、怪しいウェブサイトへのアクセスを避けたり、不審なメールに添付されたファイルを開封しないなど、日頃からセキュリティ意識を高めておくことが重要です。
サイバー犯罪

今こそ警戒!:メッセージアプリのスパムにご用心

- メッセージアプリのスパムとは?近年、LINEやFacebookメッセンジャーといったインスタントメッセージアプリが普及し、私たちのコミュニケーション手段として欠かせないものとなりました。その一方で、便利なコミュニケーションツールであるメッセージアプリにおいても、迷惑行為であるスパムの問題は後を絶ちません。メッセージアプリにおけるスパムとは、アプリを通じて送られてくる迷惑なメッセージのことを指します。 具体的には、身に覚えのない広告や出会い系サイトへの誘導、フィッシング詐欺を目的としたURLが記載されたメッセージなどが挙げられます。これらのメッセージは、個人情報や金銭を騙し取ろうとする悪意のある人物によって送られてくるケースがほとんどです。スパムメッセージの特徴としては、不自然な日本語が使われていたり、URLのリンクをクリックするように促すものなどがあります。また、登録した覚えのないサービスからのお知らせを装い、個人情報を入力させようとする巧妙なものも存在します。メッセージアプリでスパム被害に遭わないためには、身に覚えのないメッセージに安易に返信したり、URLをクリックしたりしないことが重要です。また、アプリのセキュリティ設定を見直し、知らないユーザーからのメッセージをブロックするなどの対策も有効です。
マルウェア

巧妙化する脅威:Arkeiによる情報窃取から身を守るには

近年、インターネットが生活に欠かせないものとなるにつれて、金銭や個人情報を狙った悪意のある攻撃が増加しています。中でも、特に警戒が必要なのが、情報窃取を目的とした悪意のあるソフトウェアの存在です。この種の悪質なソフトウェアは、気付かれないうちにコンピュータに侵入し、保存されているパスワード、クレジットカード情報、オンライン上の通貨を保管する電子上の財布など、重要な情報をこっそりと盗み出します。そして、盗み出した情報は、攻撃者によって不正に利用されたり、闇市場で売買されたりする可能性があります。 情報漏えいは、被害を受けた個人だけでなく、企業にとっても大きな損失につながる可能性があります。企業の場合は、顧客情報や企業秘密の漏えいは、信頼失墜や経済的な損失だけでなく、法的責任を問われる可能性も孕んでいます。 このような脅威から身を守るために、不審なメールの添付ファイルを開封しない、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入する、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。また、パスワードを使い回さず、複雑なパスワードを設定することも効果的です。情報窃取の手口は巧妙化しており、その脅威は年々深刻化しています。一人ひとりがセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。
ネットワーク

プロキシサーバー:役割と注意点

- プロキシサーバーとはインターネットを利用する際、私たちの端末は世界中の様々なサーバーと直接データのやり取りを行っています。この時、端末の情報が相手に伝わってしまうため、セキュリティ上のリスクが存在します。プロキシサーバーは、私たちの端末とインターネットの間に立つ仲介役のような役割を果たします。私たちがウェブサイトを閲覧したい場合、直接ウェブサイトに接続するのではなく、プロキシサーバーに接続します。そして、プロキシサーバーが代わりにウェブサイトにアクセスし、情報を受け取ってから私たちに渡してくれます。このように、プロキシサーバーを経由することで、ウェブサイトからは私たちの端末の情報を直接見ることができなくなります。これが、プロキシサーバーを利用する大きなメリットの一つです。プロキシサーバーは、企業や組織内で利用されることが多いですが、個人でも利用できるサービスがあります。セキュリティ対策の一つとして、プロキシサーバーの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
セキュリティ強化

開発者必見!AppScanでWebアプリのセキュリティ対策

インターネットが日常生活に欠かせないものとなった現代において、企業活動においてもウェブサイトやウェブサービスは必要不可欠な存在となっています。しかし、便利な反面、ウェブアプリケーションは攻撃者にとって格好の標的となりやすく、セキュリティ対策を怠ると大きなリスクに晒されることになります。セキュリティ対策が不十分なままウェブアプリケーションを公開してしまうと、情報漏洩やサービスの停止など、企業に深刻な損害をもたらす可能性があります。 ウェブアプリケーションの脆弱性として代表的なものは、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションなどがあります。クロスサイトスクリプティングとは、悪意のあるスクリプトをウェブサイトに埋め込み、サイト訪問者のブラウザ上で実行させてしまう攻撃です。これにより、個人情報が盗み取られたり、サイトを改ざんされたりする危険性があります。SQLインジェクションとは、データベースに悪意のあるSQL文を送り込み、不正にデータを取得したり、改ざんしたりする攻撃です。機密情報が漏洩したり、サービスが正常に動作しなくなるなどの深刻な被害が発生する可能性があります。 これらの脆弱性を突かれないためには、開発段階からセキュリティ対策を施すことが重要です。具体的には、入力値の検証を適切に行う、最新のセキュリティ対策を施したフレームワークやライブラリを使用する、定期的にセキュリティ診断を実施するなどの対策が有効です。また、万が一、脆弱性を発見した場合には、速やかに修正プログラムを適用するなどの対応が必要です。
メール

なりすましメール対策の必須知識!SPFレコードを設定してメールの安全性を高めよう

近年、巧妙な手口を使ったインターネット上の攻撃が増加しており、その一つになりすましメールが挙げられます。特に、実在する会社や組織を装ったメールが増えており、見た目は本物と見分けがつかないほど精巧になっています。このようなメールは、受け取った人を騙して、名前や住所、クレジットカード番号などの個人情報を盗み取ったり、パソコンやスマートフォンにウイルスを感染させたりする危険があります。 なりすましメールは、送信元の表示名を変えて本物のメールのように見せかけたり、メールの本文に企業のロゴやウェブサイトへのリンクを巧妙に埋め込んだりすることで、受信者を騙そうとします。そのため、普段からその会社や組織からメールを受け取っている人でも、だまされてしまうことがあります。 このような状況から、会社や組織は、自社の評判や顧客の信頼を守るために、なりすましメール対策を急ぐ必要があります。具体的には、従業員に対して、不審なメールの見分け方や対処法を教育したり、セキュリティ対策ソフトを導入したりすることが重要です。また、顧客に対しても、なりすましメールへの注意喚起を行うことが大切です。
ネットワーク

セキュリティ対策の基礎:プロービングとは?

- プロービングとはプロービングとは、まるで泥棒が下見をするように、コンピュータネットワークに侵入する前に、そのシステムやネットワークの情報を探る行為です。例えるなら、家の鍵穴をこっそり覗いて、ピッキングで開けられそうかどうかを確認するようなものです。セキュリティ対策の観点からは、このプロービングという行為自体が、本格的な攻撃の準備段階である可能性があり、注意が必要です。プロービングは、様々な方法で行われます。よく知られているものとしては、ポートスキャンがあります。これは、システム上で開いているポート(サービスへの出入り口)をくまなく探り、そこでどんなサービスが動いているのかを特定する行為です。攻撃者は、この情報を元に、システムの脆弱性を見つけ出し、攻撃を仕掛ける可能性があります。また、OSフィンガープリンティングと呼ばれる手法も存在します。これは、システムが使っている基本ソフト(OS)の種類やバージョンを特定する技術です。まるで、家の外から窓ガラスの種類を確認して、家の構造を推測するようなものです。攻撃者はこの情報を悪用し、特定の基本ソフトに有効な攻撃を仕掛ける可能性があります。このように、プロービングは、攻撃者がシステムの弱点を探るための重要な情報収集活動として位置づけられます。そのため、セキュリティ対策においては、プロービングを検知し、未然に防ぐことが非常に重要です。
セキュリティ強化

企業を守るIT-BCP:事業継続のために知っておくべきこと

- IT-BCPとは IT-BCPとは、企業が地震や洪水などの自然災害、あるいは火災や事故、近年増加しているサイバー攻撃といった予期せぬ事態に見舞われたとしても、事業全体に大きな影響を与えることなく、重要な業務を継続または早期に復旧できるようにするための計画です。 現代社会において、企業活動の多くはITシステムに依存しており、もしもの事態に備えることは企業の存続を左右する重要な課題となっています。そのため、IT-BCPの重要性はかつてないほどに高まっています。 IT-BCPを策定するにあたっては、まず自社の業務を分析し、特に重要度の高い業務やシステムを特定します。次に、それらが停止した場合、事業全体にどのような影響が及ぶのかを分析します。影響の大きさは業務やシステムによって異なるため、それぞれに応じた対策を講じる必要があります。 具体的には、重要度の高いシステムには、データのバックアップ体制の構築や、別の場所へのデータセンターの設置などが考えられます。また、システムが停止した場合でも業務を継続できるよう、代替手段をあらかじめ用意しておくことも重要です。そして、実際に incident が発生した場合に、誰がどのような手順で復旧作業を行うのかを明確に定めておく必要があります。 このように、IT-BCPは企業の事業継続を支える重要な取り組みです。平時からしっかりと準備しておくことが、企業の安定と成長に繋がります。
その他

Webサービスの裏側 – Apache Tomcatとは?

私たちが日々利用するインターネット上のサービス、例えばショッピングサイトやオンラインバンキング、動画配信サービスなど、実に様々なものが存在します。これらのサービスの多くは、「Webサービス」と呼ばれる技術によって支えられています。 Webサービスとは、インターネットを通じて、アプリケーション同士がデータのやり取りを行うことを可能にする技術です。 このWebサービスの開発において、世界中で広く利用されているプログラミング言語が「Java」です。 Javaは、特定のコンピュータ環境に依存せず、様々な環境で動作するプログラムを作成できるという汎用性の高さが特徴です。 そのため、Webサービスのように、様々な環境で使用されることが想定されるシステムの開発に適しています。 実際に、Javaは多くのWebサービス開発の現場で採用されており、数多くの実績を積み重ねてきました。 その結果、Javaで開発されたWebサービス用のツールやライブラリが豊富に存在し、開発者の間で共有されています。 これらのツールやライブラリを活用することで、より効率的かつ安全なWebサービスの開発が可能となります。 このように、JavaはWebサービスの開発において、なくてはならない重要な役割を担っていると言えるでしょう。
セキュリティ強化

セキュリティの鍵!:インシデント対応を円滑にする「プレイブック」のススメ

- 予期せぬ事態への備え現代社会において、企業や組織にとって情報は生命線ともいえる重要なものです。しかし、技術の進歩とともに巧妙化するサイバー攻撃は、もはや他人事ではなく、いつ、どこで、どのような被害に遭うとも限りません。もしも、自社のシステムが攻撃を受け、情報漏えいやサービスの停止といった事態に陥った場合、迅速かつ適切な対応を取らなければ、被害は拡大し、企業の信頼失墜、経済的な損失など、取り返しのつかない事態を招きかねません。このような事態を避けるためには、「もしも」の事態を想定し、事前に対応手順を定めておくことが重要です。セキュリティ対策の「虎の巻」ともいえる「プレイブック」には、具体的な対応手順や担当者の役割分担、関係機関への連絡先などが詳細に記載されます。例えば、不正アクセスを検知した場合、まずはネットワークを遮断し、被害の拡大を防止します。次に、ログやアクセス記録などの証拠を保全し、原因究明を行います。同時に、関係機関への報告や顧客への告知など、状況に応じた対応を取ることになります。プレイブックの存在は、いざという時に冷静さを保ち、適切な行動を取るための道しるべとなるだけでなく、日頃からの訓練を通じて、組織全体のセキュリティ意識向上にもつながります。平時からの備えが、企業の未来を守る上で極めて重要といえるでしょう。
マルウェア

スマホを狙う脅威!SOVAとは?

- SOVAの概要 SOVAは、スマートフォンを不正に操作して利用者の金銭を狙う「バンキング型トロイの木馬」と呼ばれる悪質なプログラムです。特に、Androidを搭載したスマートフォンが標的となるケースが多く報告されています。 このSOVAは、利用者が気付かないうちに端末に侵入し、内部に保存されているオンラインバンキングのログイン情報やパスワード、クレジットカード情報など、金銭に直結する重要な情報を盗み出すことを目的としています。 SOVAは、その巧妙な手口で利用者を騙し、情報を盗み出します。例えば、実在する銀行や金融機関のアプリを装ってインストールを促し、本物と見分けがつかないような偽のログイン画面を表示して、利用者が入力したIDやパスワードを盗み取ります。また、画面上に表示された情報をこっそり記録する機能も備えており、クレジットカード番号やセキュリティコードなども危険にさらされます。 さらに、SOVAは感染した端末を遠隔から操作し、利用者に気付かれることなく不正な送金を指示するなど、さらなる被害を引き起こす可能性も秘めています。 SOVAは常に進化しており、その脅威は日々深刻化しています。スマートフォンを利用する際は、不審なアプリをインストールしない、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入するなど、自衛の意識を高めることが重要です。
セキュリティ強化

ビジネスの安全を守る!ISO27001とは?

- 情報セキュリティの重要性 現代社会において、企業にとって情報は最も重要な資産の一つと言えるでしょう。顧客情報、技術情報、財務情報など、企業活動を円滑に進める上で欠かせない情報は、業種を問わずその重要性を増しています。 しかし、このような重要な情報を狙った脅威もまた、日々深刻化しています。巧妙化するサイバー攻撃や内部不正のリスクの高まりは、企業にとって看過できない問題となっています。標的型攻撃メールによる情報搾取、不正アクセスによるデータの改ざんや破壊、紛失した記憶媒体からの情報漏洩など、その手口は多岐に渡り、企業は常にこれらの脅威に晒されていると言えるでしょう。 情報漏洩が発生した場合、企業は経済的な損失だけでなく、社会的信用の失墜、顧客離れなど、大きなダメージを受ける可能性があります。個人情報保護法などの法令違反による罰金、顧客からの損害賠償請求、セキュリティ対策の強化といった経済的負担に加え、企業イメージの低下は、その後の事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。 このような事態を防ぐためには、情報セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。従業員一人ひとりが情報セキュリティの重要性を認識し、パスワード管理の徹底、不審なメールの報告、ソフトウェアのアップデートなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、多くの情報漏洩のリスクを低減することができます。 情報セキュリティは、企業の安定的な事業継続のために必要不可欠な要素です。経営層から従業員まで、情報セキュリティへの意識を高め、安全な情報環境を構築していくことが重要です。
サイバー犯罪

リモート操作ツールのリスクと対策

- サポート詐欺にご用心最近、電子機器の操作に不慣れな方を狙った悪質な行為が増えています。犯人は、パソコンやスマートフォンなどの不具合を解決するサポートデスクを装い、巧みに言葉巧みに利用者を騙そうとします。例えば、インターネットを閲覧中に突然、画面に「ウイルスに感染しました」などと表示され、解決するには今すぐ電話を掛けてくださいと指示するメッセージが表示されることがあります。不安になった利用者が慌てて電話をかけると、相手は親切な言葉遣いで対応し、安心させようとします。そして、問題を解決するために特別なソフトウェアをインストールするよう指示してきます。しかし、これは巧妙な罠です。指示に従ってソフトウェアをインストールしてしまうと、それは実際にはリモート操作ツールであることが多く、あなたのデバイスを自由に操作できるようになってしまいます。犯人はこのツールを使って、個人情報やクレジットカード情報などの重要なデータを盗み取ったり、他の犯罪に悪用したりします。このようなサポート詐欺から身を守るためには、以下の点に注意することが大切です。* -不審なメッセージや電話には安易に応じない-* -公式のサポート窓口以外には、個人情報や金融情報を絶対に教えない-* -身に覚えのないソフトウェアのインストールは絶対にしない-もし、不審な電話やメッセージを受けたり、誤ってソフトウェアをインストールしてしまった場合は、すぐに利用しているデバイスのインターネット接続を遮断し、信頼できるセキュリティ対策ソフト会社や警察に相談してください。日頃からセキュリティ対策を万全にし、サポート詐欺の被害に遭わないように気をつけましょう。
その他

Webブラウザのセキュリティ強化:プラグインのリスクと対策

- プラグインとはインターネットを閲覧する際に使用するソフト、例えばインターネット閲覧ソフト(ブラウザ)には、標準で備わっている機能以外にも、もっと多くの機能を追加できることをご存知でしょうか?その追加機能を実現するのが「プラグイン」です。プラグインは、ブラウザの基本機能を拡張するための追加プログラムのようなものです。例えば、ウェブサイトで動画を視聴したり、音楽を聴いたり、オンラインゲームを楽しんだりする際に、必要な機能を提供するのがプラグインです。ブラウザ単体では実現できない機能を補うことで、より快適にインターネットを利用できるようになります。しかし、便利なプラグインですが、セキュリティの観点からは注意が必要です。悪意のあるプラグインをインストールしてしまうと、パソコンにウイルスが侵入したり、個人情報が盗み取られたりする危険性があります。信頼できる提供元からのみプラグインをインストールし、常に最新の状態に保つことが重要です。また、使用していないプラグインは、無効化または削除することで、セキュリティリスクを減らすことができます。
マルウェア

見えない罠!クリップボードハイジャッカーにご用心

インターネットの普及により、私達は日々膨大な量の情報を扱うようになりました。ウェブサイトの住所を複製して閲覧ソフトに貼り付けたり、資料の一部を複製して別の書類に貼り付けたりと、複製&貼り付け機能はもはや欠かせないものとなっています。 しかし、この便利な機能の裏には、目に見えない脅威が潜んでいることをご存知でしょうか? それが、今回ご紹介する「貼り付け場所を乗っ取る悪意のあるプログラム」です。 私達が何気なく利用している複製&貼り付け機能ですが、その仕組みは、コピーしたデータを一旦、装置内の「クリップボード」と呼ばれる一時的な保管場所に保存するというものです。 このクリップボードは、異なるソフト間でデータのやり取りをする際にも利用されます。 例えば、文書作成ソフトで作成した文章の一部を複製し、電子メールソフトに貼り付けて送信するといった場合です。 悪意のあるプログラムは、このクリップボードの仕組みに目を付けました。 クリップボードの内容を監視し、そこに保存されたデータが、装置を操作するための特別な文字列や、個人情報を含む重要な情報だった場合、こっそりと別の内容に書き換えてしまうのです。 利用者は、何も知らずに書き換えられたデータを貼り付けてしまいます。 その結果、意図せず危険なウェブサイトにアクセスさせられたり、個人情報を盗み取られたりする危険性があります。 便利な機能の裏に潜む、目に見えない脅威から身を守るためには、セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことが重要です。 また、信頼できないウェブサイトからのダウンロードや、不審な添付ファイルを開封することは避けましょう。 日頃から情報セキュリティへの意識を高め、安全なインターネット利用を心がけましょう。
セキュリティ強化

SOCとは? 企業を守るセキュリティの砦

- SOCの概要SOC(Security Operation Center)は、企業や組織の情報を守ることを専門とする組織です。情報セキュリティ機器やサーバー、ネットワーク機器などは、日々膨大な量の記録を生成しています。SOCは、これらの記録を1日24時間、1年365日体制で監視し分析することで、不正アクセスなどの攻撃の兆候を早期に発見します。近年、悪意のある攻撃は増加を続けており、その巧妙化も深刻化しています。従来型の対策では、侵入を防ぐことが難しい状況も出てきています。このような状況下において、SOCは企業にとって必要不可欠な存在になりつつあります。SOCは、単に攻撃を検知するだけでなく、インシデント対応やセキュリティ対策の改善など、組織全体のセキュリティレベル向上に貢献します。具体的には、以下の様な活動を行います。* -セキュリティ情報の収集・分析- विभिन्नセキュリティ機器から集めた情報を分析し、攻撃の兆候をいち早く発見します。* -インシデント対応- 不正アクセスなどのセキュリティ事案が発生した場合、迅速な初動対応、被害拡大の防止、原因究明、再発防止策の実施などを行います。* -セキュリティ対策の改善- 過去の攻撃事例や最新の脅威情報を分析し、組織のセキュリティ対策の改善策を提案します。SOCの構築には、専門的な知識やスキルを持った人材、高度なセキュリティ機器、効率的な運用体制が必要です。しかし、SOCを構築することで、組織はより安全な情報環境を実現し、事業継続性を高めることができます。
セキュリティ強化

セキュリティ担当者を救う?SOARのススメ

- セキュリティ対策の自動化とは 近年、悪意のある攻撃による企業の情報漏洩やサービス停止といった被害が後を絶ちません。こうした状況を受け、企業はセキュリティ対策の強化が急務となっています。しかし、対策に必要な時間や費用、専門知識を持つ人材の不足など、多くの企業が課題を抱えているのが現状です。 そこで近年注目されているのが、セキュリティ対策の一部を自動化する仕組みです。この仕組みはセキュリティ orchestration, automation and response の頭文字をとってSOARと呼ばれ、様々なセキュリティ対策を自動化することで、企業の負担軽減とセキュリティレベルの向上を両立させることを目指しています。 SOARを導入することで、例えば、セキュリティ機器が怪しい動きを検知した場合に、自動的にその動きを遮断したり、担当者に通知して対処を促したりすることが可能になります。 これにより、従来は人手で行っていた作業を自動化し、セキュリティ担当者はより高度な分析や対応に集中できるようになります。 SOARは、あくまでもセキュリティ対策の一部を自動化するものであり、全ての脅威を完全に防ぐことはできません。しかし、適切に導入し運用することで、企業のセキュリティ体制を強化し、攻撃による被害を最小限に抑えることが期待できます。
プライバシー

プライバシーマーク取得のススメ:個人情報保護の重要性

- プライバシーマークとは 個人情報の重要性が高まる現代において、企業が顧客や従業員の情報を適切に管理することは、信頼関係を築き、事業を継続していく上で非常に重要です。 プライバシーマーク(Pマーク)は、企業や団体が個人情報を適切に取り扱っていることを証明するマークです。このマークは、私たち消費者が安心して個人情報を預けられる企業を見分けるための目安となります。 この制度は、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)に基づいて、経済産業省が定めた「JISプライバシーマーク制度」に基づいています。 Pマークを取得するためには、企業は個人情報保護に関する体制を整備し、適切な運用を行っていることを審査機関である日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)に認められる必要があります。具体的には、個人情報の収集、利用、保管、提供、削除などの各段階において、適切なルールを定め、それを遵守していることを示す必要があります。 つまり、Pマークは、企業が個人情報保護に積極的に取り組んでいる姿勢を示す、信頼の証と言えるでしょう。
マルウェア

スマホ決済の落とし穴:Anubisにご用心

近年、スマートフォンを使って銀行取引やオンライン決済をすることが当たり前になりました。とても便利な半面、目に見えない脅威が潜んでいることを忘れてはいけません。その脅威の一つとして、今回は「Anubis」と呼ばれる不正プログラムについて解説します。 Anubisは、Androidスマートフォンに感染する不正プログラムの一種で、銀行を狙った「バンキング型トロイの木馬」と呼ばれるものです。このAnubisは、利用者が気づかないうちに、スマートフォンに保存されている大切な情報を盗み出す機能を持っています。2016年に初めて発見されて以来、その手口は巧妙化し、世界中の銀行や金融機関を狙い続けています。 Anubisは、一見すると便利なアプリを装って配布されているケースが多く、利用者がそのアプリをインストールしてしまうと、スマートフォンに感染してしまいます。感染すると、Anubisはスマートフォンの画面上に偽のログイン画面などを表示し、利用者が入力したIDやパスワードなどの情報を盗み取ります。さらに、SMSメッセージを盗み見して、二段階認証を突破しようとするなど、非常に悪質な機能も備わっています。 Anubisは目に見えず、その脅威を認識することが難しい点が、より一層危険度を高めていると言えるでしょう。
セキュリティ強化

情報セキュリティの基礎知識:ISMSとは?

- ISMSの概要情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS Information Security Management System)は、企業や組織が保有する重要な情報資産を、様々な脅威から守り、安全性を確保するための仕組みです。現代社会において、顧客情報や企業秘密などの情報漏えいは、企業の信頼を失墜させ、大きな損失をもたらす可能性があります。情報漏えい対策は、もはや避けては通れない、経営上の重要課題として認識されています。ISMSは、単にセキュリティ対策ソフトを導入すれば良いというものではありません。組織全体で情報セキュリティに対する意識を高め、各自が責任を持って情報資産を取り扱うための、マネジメントシステムを構築することが重要です。ISMSでは、リスクアセスメントを通じて組織にとって重要な情報資産を特定し、適切なセキュリティ対策を実施します。さらに、ISMSは一度構築したら終わりではなく、定期的な見直しと改善を繰り返しながら、変化する脅威やリスクに対応していくことが求められます。この継続的な改善こそが、ISMSの大きな特徴と言えるでしょう。ISMSを適切に運用することで、組織の情報セキュリティレベルは向上し、情報漏えいなどのリスクを最小限に抑えることが可能になります。
プライバシー

忘れられた監視計画:クリッパーチップ

- 政府による暗号化への介入1990年代初頭、アメリカでは「クリッパーチップ」と呼ばれる暗号化技術が提案されました。これは、政府機関が法的な手続きを経て通信内容を傍受できるように設計されたものでした。しかし、この試みは国民のプライバシーと国家の安全保障のどちらを優先すべきかという、長く複雑な議論を巻き起こすことになりました。クリッパーチップの導入を推進した側は、犯罪捜査やテロ対策において、暗号化された通信の傍受は必要不可欠であると主張しました。当時、技術の進歩により、個人間の通信は容易かつ秘匿性高く行えるようになってきており、悪意のある者たちがその技術を悪用するリスクが高まっていると懸念されていました。しかし、反対派は、クリッパーチップは個人のプライバシーを著しく侵害すると反論しました。政府が個人の通信記録にアクセスできるようになれば、濫用の可能性は否定できません。また、暗号化技術に政府が介入すれば、そのシステムの安全性そのものが低下し、むしろ犯罪に利用されやすくなるという指摘もありました。この議論は、国民の間でも大きく意見が分かれました。プライバシーの保護と安全保障の確保、どちらも重要な社会の価値観であり、どちらを優先すべきか、明確な答えはありませんでした。結局、クリッパーチップは広く普及することなく、提案は失敗に終わりました。しかし、この問題は現代社会においても重要な意味を持ち続けています。インターネットやモバイル通信が普及した現代では、プライバシーと安全保障のバランスはますます複雑になっています。クリッパーチップの議論は、技術の進歩と社会の価値観のバランスをどのように取っていくのか、私たちに問い続けています。
脆弱性

SOAP配列の落とし穴:セキュリティリスクと対策

- SOAP配列とはインターネット上で異なるコンピュータ同士が情報をやり取りする際に使われる技術の一つに、SOAP(ソープ)という技術があります。SOAPでは、やり取りする情報をまるで封筒に入れた手紙のように、決まった形式に整えて送受信します。 このSOAPメッセージの中に、複数の情報をまとめて扱うための仕組みが、SOAP配列です。SOAP配列を使うと、例えば、顧客の名前、住所、電話番号といった複数の情報を、一つにまとめて送受信できます。 もしSOAP配列を使わずに、これらの情報を一つずつ送受信しようとすると、その分だけ処理の回数が増えてしまい、効率が悪くなってしまいます。SOAP配列を使うことで、処理回数を減らし、効率的にデータの送受信を行うことができます。 例えば、オンラインショップで顧客情報を扱う場合を考えてみましょう。顧客の名前、住所、電話番号などを個別にやり取りするのではなく、SOAP配列としてまとめて送受信することで、システムの負担を減らし、よりスムーズなサービス提供が可能になります。 このように、SOAP配列は、Webサービスにおいて大量の情報を効率的に扱うために欠かせない技術と言えるでしょう。