ネットセキュリティ研究家

マルウェア

潜む脅威:パッカー型マルウェアの実態

- ファイル圧縮の闇 -# ファイル圧縮の闇 ファイルを小さくまとめ、保管や送信を容易にする便利な圧縮技術ですが、その利便性の裏に、危険が潜んでいることを忘れてはなりません。近年、この技術を悪用し、コンピュータウイルスなどの悪意のあるプログラムを隠す事例が増加しています。一見すると、写真や文書など、何の変哲もない圧縮ファイルに見せかけて、その中にこっそりと危険なプログラムを仕込むことが可能です。 セキュリティソフトは、怪しいファイルがないか常に監視していますが、圧縮ファイルの中身までは詳しく調べることができません。そのため、悪意のある人物は、セキュリティソフトの監視の目を欺くために、圧縮技術を悪用するのです。巧妙に偽装された圧縮ファイルは、セキュリティソフトのチェックをすり抜け、まるで安全なファイルのように振る舞います。しかし、ひとたびパソコン上で解凍されると、隠されていた悪意のあるプログラムが活動を開始し、情報漏洩やシステムの破壊、あるいはパソコンの遠隔操作など、深刻な被害をもたらす可能性があります。 圧縮ファイルを受け取った際には、送信元が信頼できるかどうか、ファイルの中身が本当に安全かどうかを慎重に見極めることが重要です。怪しいと感じたら安易に開かずに、送信元に確認するなど、自衛意識を高め、安全を確保しましょう。
不正アクセス

日常に潜む脅威:アノマリー検知で不正アクセスを防ぐ

- 見えない脅威不正アクセス 現代社会において、インターネットは生活に欠かせないものとなりました。誰もが日常的に、情報収集や買い物、友人との交流などにインターネットを利用しています。しかし、便利なサービスの裏側では、個人情報や企業秘密など、膨大な量のデータがやり取りされており、これらの貴重な情報を狙った不正アクセスが後を絶ちません。 不正アクセスとは、許可を得ずに他人のシステムやネットワークに侵入し、情報を盗み見たり、改ざんしたり、悪用したりする行為を指します。不正アクセスを行う者の手口は巧妙化しており、気付かないうちに被害に遭っているケースも少なくありません。例えば、実在する企業や組織を装ったメールを送りつけ、本物とそっくりな偽のウェブサイトに誘導して、パスワードやクレジットカード情報などの重要な個人情報を入力させて盗み取る「フィッシング詐欺」や、コンピューターウイルスを仕込んだメールを送りつけ、メールを開いた途端にウイルスに感染させ、パソコンを遠隔操作して情報を盗み出すといった巧妙な手口も存在します。 不正アクセスによる被害は、個人だけでなく、企業にとっても深刻です。顧客情報の流出は、企業の信頼失墜に繋がり、多大な損害をもたらす可能性があります。また、機密情報の漏洩は、企業の競争力を著しく低下させる可能性も孕んでいます。 このような不正アクセスから身を守るためには、一人ひとりがセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、パスワードを定期的に変更することや、信頼できるセキュリティソフトを導入すること、不審なメールやウェブサイトにはアクセスしないことなどが挙げられます。また、OSやソフトウェアの更新は、セキュリティ対策として非常に重要です。最新の状態を保つことで、不正アクセスに対する脆弱性を減らすことができます。 インターネットは、私たちに多くの恩恵をもたらす一方で、目に見えない脅威も存在します。セキュリティ対策を万全にし、安全にインターネットを利用できるように心がけましょう。
暗号通貨

巧妙化する仮想通貨盗難:アドレス・ポイズニングにご用心

- アドレス・ポイズニングとは -# アドレス・ポイズニングとは アドレス・ポイズニングは、仮想通貨の取引において、利用者を欺いて攻撃者の口座に資産を送金させる悪質な攻撃手法です。2023年1月には、MetaMaskをはじめとする主要な仮想通貨ウォレット提供者が、本攻撃の増加をうけ、利用者に向けて注意喚起を行いました。 アドレス・ポイズニングでは、攻撃者はまず、正規の取引を装って、標的となる利用者のウォレットアドレスと、自身のコントロール下にあるウォレットアドレスに対して、少額の仮想通貨を送金します。 この時、取引履歴には、正規の取引と攻撃者の取引の二つが表示されることになります。 利用者がその後の取引で、過去の取引履歴を参照して送金先アドレスを選択する場合、見た目が似ているアドレスを誤って選択してしまう可能性があります。例えば、正規のアドレスと攻撃者のアドレスは、ほんの数文字しか違わない場合があり、注意して確認しないと見分けがつきません。 利用者が誤って攻撃者のアドレスを選択して送金してしまうと、攻撃者はその仮想通貨を盗み取ることができてしまいます。 アドレス・ポイズニングは、利用者の注意散漫や、取引履歴の見落としを突いた巧妙な攻撃手法といえます。 仮想通貨の取引を行う際には、アドレス・ポイズニングの危険性を認識し、送金先アドレスを慎重に確認することが重要です。特に、取引履歴からアドレスを選択する場合は、アドレス全体を注意深く確認し、安易にコピー&ペーストに頼らないようにしましょう。少しでも不審な点があれば、取引を中止し、信頼できる情報源で確認することが重要です。
ハードウェア

GPUの光と影:高度な処理能力が生むセキュリティリスク

- 画像処理の立役者 パソコンやスマートフォンで写真や動画を楽しむとき、そこには「GPU」と呼ばれる縁の下の力持ちが活躍しています。GPUは、画像や映像を処理し、私たちが普段目にしている滑らかで美しい表示を支える重要な役割を担っています。 従来、コンピューターの頭脳として計算処理全般を担っていたのは「CPU」と呼ばれる部品でした。しかし、CPUは汎用的な処理を得意とする一方、画像処理のような複雑で膨大な計算を処理するには限界がありました。 そこで登場したのがGPUです。GPUは、CPUとは異なり、大量のデータを同時に処理することに特化して設計されています。この並列処理能力により、複雑な画像処理も高速で行うことが可能となり、高画質ゲームやリアルな3DCGなど、従来のCPUでは難しかった表現を実現できるようになったのです。 近年、GPUの処理能力は飛躍的に向上しており、その進化はとどまるところを知りません。私たちの身の回りにあるデジタル機器の進化を支え、驚くほど美しいデジタル世界を体験させてくれるGPU。その影の活躍に、一度目を向けてみてはいかがでしょうか。
認証

政府が提供する信頼の証明書:GPKI

- 信頼の架け橋、GPKIとは -# 信頼の架け橋、GPKIとは GPKIは、「政府公開鍵基盤」と呼ばれる仕組みのことで、インターネット上で安全に情報をやり取りするための基盤を、日本政府が運営しています。 インターネットの世界では、日々膨大な量のデータが行き交っていますが、その中には、住所や氏名、クレジットカード情報といった、悪意のある第三者に盗み見られてしまうと大変な被害に繋がる重要な情報も含まれています。 このような重要な情報を守るための仕組みが、GPKIです。 GPKIは、インターネット上で情報をやり取りする際に、「電子署名」と「暗号化」といった技術を用いることで、情報の安全性を確保しています。「電子署名」は、送信者が確かに本人であること、また情報が途中で改ざんされていないことを証明する技術です。一方、「暗号化」は、送信者と受信者以外には内容が解読できないように、情報を特殊な方法で変換する技術です。 私たちがオンラインで買い物をしたり、行政サービスを受けたりする際に、安心して重要な情報を入力できるのは、GPKIのような仕組みが、陰ながら私たちの安全を守ってくれているおかげなのです。
認証

意外と知らない?管理者の権限とセキュリティリスク

- 管理者とは 「管理者」という言葉を耳にしたことはありますか?インターネットやコンピュータの世界では、システム全体にアクセスしたり、変更を加えたりできる特別な権限を持つアカウントを指します。 一般的な利用者は、自分のデータを見たり、ソフトを使ったりといった限られた範囲でしかコンピュータを操作できません。しかし、管理者はそれ以上のことができます。例えば、他の利用者のアカウントを作成・削除したり、システムの設定を変更したり、重要なデータにアクセスしたりできます。 まるで建物の管理者のように、システム全体を管理できる立場、それが管理者なのです。 管理者アカウントは、その強力な権限ゆえに、悪意のある第三者に狙われやすい存在でもあります。もしも悪意のある第三者に管理者アカウントを乗っ取られてしまうと、システム全体が危険にさらされてしまいます。システム全体に影響が及んでしまうため、管理者アカウントのセキュリティ対策は、一般のアカウント以上に重要と言えるでしょう。
データ保護

RC5: 強力なデータ保護の守護者

- 教訓と未来 かつては革新的な技術として広く普及したRC4暗号化方式ですが、その後の研究と時間の経過により、様々な脆弱性が明らかになりました。そして現在では、推奨されない過去の技術となってしまいました。このRC4の栄枯盛衰は、情報セキュリティの世界が常に変化し続けるということを如実に示しています。 どんなに強固な技術やシステムであっても、時間の経過とともに、新たな攻撃手法や脆弱性が発見される可能性は避けられません。つまり、一度構築したセキュリティ対策を放置していては、いずれは時代遅れとなり、効果を発揮しなくなってしまうのです。 情報セキュリティを維持し続けるためには、常に最新の情報や技術動向に目を向け、自身のシステムや環境が抱えるリスクを把握しておくことが重要です。そして、必要に応じてシステムの更新やセキュリティ対策の強化といった対応を継続していく必要があります。情報セキュリティとは、一度構築したら終わりではなく、変化への対応を続ける終わりのない旅と言えるでしょう。
データ保護

ランサムウェアから守る!データ保護の鉄則「3-2-1ルール」

- データ消失の脅威 -# データ消失の脅威 現代社会において、顧客情報や企業秘密といったデータは、企業にとって欠かすことのできない、まさに命綱とも言える存在です。これらのデータは、企業活動の基盤となるだけでなく、顧客との信頼関係を築く上でも非常に重要です。しかし、このような重要なデータは、常に様々な危険にさらされていることを忘れてはなりません。 コンピューターウイルスやシステムの故障、人のミス、そして地震や洪水などの自然災害は、データ消失を引き起こす可能性のあるほんの一例です。特に近年、「ランサムウェア」と呼ばれる身代金要求型ウイルスによる攻撃が増加しており、企業活動に甚大な被害をもたらすケースが後を絶ちません。ランサムウェアは、感染したコンピューター内のデータを暗号化し、その解除と引き換えに金銭を要求する悪質なプログラムです。もし感染してしまうと、データへのアクセスが完全に遮断され、業務が完全に停止に追い込まれる可能性も出てきます。 このような事態を避けるためには、「備えあれば憂いなし」の言葉通り、日頃から適切な対策を講じることが重要です。具体的には、ウイルス対策ソフトの導入や最新の状態への更新、定期的なデータのバックアップ、そして従業員へのセキュリティ意識向上のための教育などが必要です。これらの対策を組み合わせることで、データ消失のリスクを最小限に抑え、企業の貴重な財産を守ることができるのです。
データ保護

もはや過去の遺物?RC4暗号の栄枯盛衰

- かつての栄光 -# かつての栄光 1987年、RSAセキュリティに所属する著名な暗号学者、ロナルド・リベスト氏によって画期的な暗号方式が開発されました。その名は「Rivest Cipher 4」、開発者の名を冠したこの暗号は、後に「RC4」として広く知られることとなります。 RC4は、データストリームを1ビット、もしくは1バイトずつ逐次的に暗号化する「ストリーム暗号」と呼ばれる方式を採用していました。これは、当時主流であった、データをブロック単位で処理する「ブロック暗号」と比較して、処理速度が速く、限られた計算資源でも効率的に動作することが大きな利点でした。特に、処理能力の低い機器や、大容量データの暗号化に適していたRC4は、その登場から瞬く間に世界中に普及していきました。 開発当初、RC4の設計は秘密のベールに包まれていましたが、そのシンプルさと効率性の高さから、ソフトウェアやネットワークプロトコルなど、様々な分野で広く利用されるようになりました。
セキュリティ強化

2段階認証でアカウントを強力に保護

- 2段階認証とは -# 2段階認証とは インターネット上の様々なサービスでアカウントを使う時、IDやパスワードを入力してログインするのが一般的です。しかし、パスワードは盗まれたり、推測されたりする可能性があり、これだけではアカウントを十分に保護できません。2段階認証は、パスワードに加えてもう一つの要素を用いることで、このようなリスクを大幅に減らし、アカウントへの不正アクセスを強力に防ぐ仕組みです。 イメージとしては、自宅の玄関を思い浮かべてみましょう。パスワードは玄関の鍵のようなものです。しかし、鍵だけだと、複製されたり、壊されてしまう可能性がありますよね?そこで、2段階認証の出番です。2段階認証は、もう一つの鍵、例えば、スマホに届く確認コードや、指紋認証、専用の機器を使うことで、より強固なセキュリティを実現します。たとえ、誰かがあなたのパスワードを盗み見たり、推測したりしても、この「もう一つの鍵」がなければ、あなたのアカウントにログインすることはできません。 2段階認証は、オンラインバンキング、ショッピングサイト、SNSなど、様々なサービスで利用できるようになってきています。設定は少し手間がかかるかもしれませんが、あなたの大切な情報や資産を守るためには非常に有効な手段です。ぜひこの機会に、2段階認証を設定して、安全なデジタルライフを送りましょう。
認証

パスワードレス認証:未来のセキュリティ

- パスワードレス認証とは -# パスワードレス認証とは パスワードレス認証とは、従来のパスワードを入力してシステムにログインする方法に代わる、より安全性の高いログイン方法です。パスワードの代わりに、スマートフォンやセキュリティキーといった物理的なデバイスを認証に利用したり、指紋認証や顔認証といった生体情報を利用したりします。 従来のパスワード認証は、覚えやすくするために単純なパスワードを使い回ししてしまったり、フィッシング詐欺によってパスワードを盗まれてしまうリスクがありました。パスワードレス認証では、このようなパスワードに関連するリスクを大幅に減らすことができます。 例えば、スマートフォンに届いた通知を承認したり、指紋センサーにタッチするだけでログインできるため、ユーザーは複雑なパスワードを記憶する必要がなく、利便性も向上します。 パスワードレス認証は、セキュリティの強化と利便性の向上を両立できる、次世代の認証方法として注目されています。
サイバー犯罪

犯罪の温床「16shop」の終焉:国際的な摘発がもたらす教訓

- フィッシングの脅威と「サービスとしてのプラットフォーム」 インターネットが広く普及した現代において、電子メールやウェブサイトを悪用したフィッシング詐欺が急増しています。フィッシング詐欺とは、本物そっくりの偽のウェブサイトに利用者を誘導し、個人情報や認証情報を盗み取ろうとする行為です。だまされないように注意が必要なのは、これらの偽サイトは非常に巧妙に作られており、見分けがつきにくいということです。 フィッシング詐欺によって盗み取られた情報は、銀行口座からの不正な送金など、金銭的な被害に直結する可能性があります。さらに、個人情報の悪用によって、なりすまし被害などの二次被害が発生する可能性も高いため、非常に危険な犯罪と言えます。 近年、このようなフィッシング詐欺を容易にする「サービスとしてのプラットフォーム(PhaaS)」が横行し、大きな問題となっています。PhaaSとは、フィッシング詐欺に必要なツールやサービスを、インターネット上で誰でも簡単に利用できるようにしたものです。 PhaaSを利用すれば、高度な技術を持たない犯罪者でも、簡単にフィッシングサイトを構築したり、攻撃を実行したりすることが可能になります。そのため、PhaaSはサイバー犯罪のハードルを著しく低下させており、フィッシング詐欺の増加の一因であると指摘されています。 フィッシング詐欺から身を守るためには、不審なメールやウェブサイトのリンクは安易にクリックしない、セキュリティソフトを導入する、ウェブサイトのセキュリティ証明書を確認するなど、基本的な対策を徹底することが重要です。
マルウェア

.NETを狙った攻撃から身を守ろう

.NETとは、マイクロソフト社が開発した、様々な種類のアプリケーションを開発するための、広く普及している強力な開発環境です。 Windowsだけでなく、LinuxやmacOSでも動作するため、多くの開発者から支持を得ています。開発者はC#やVBといったプログラミング言語を使って、ウェブサイトの構築からスマートフォンアプリ、ゲーム開発まで、多様なアプリケーションを.NETで開発できます。 .NETが登場したことで、開発者は従来よりも効率的に、質の高いソフトウェアを開発できるようになりました。 しかし、その人気と汎用性の高さゆえに、.NETはサイバー攻撃者の標的にもなりつつあります。