APT29:国家の後ろ盾を 持つサイバー脅威から身を守る

APT29:国家の後ろ盾を 持つサイバー脅威から身を守る

セキュリティを知りたい

先生、「APT29」って、セキュリティを高める上で、どんなことを知っておく必要があるんですか?

セキュリティ研究家

良い質問だね!「APT29」は、特に国家レベルで動いていると考えられている組織で、高度な技術を使って情報を盗み出すことを目的としているんだ。彼らを知ることは、高度なサイバー攻撃から身を守るための第一歩と言えるだろう。

セキュリティを知りたい

国家レベルですか?!一体どんなことをしてくるんですか?

セキュリティ研究家

例えば、特定の組織や個人のアカウントを狙って、パスワードを盗み出したり、システムに侵入して情報を盗み見たりするんだ。最近だと、マイクロソフトのメールアカウントがAPT29によって不正にアクセスされた事件がニュースになったよね。彼らは様々な手口を使うから、常に最新の情報を仕入れておく必要があるんだよ。

APT29とは。

安全性を高めるための情報として、「APT29」について説明します。「APT29」は、ロシアの諜報機関とのつながりが疑われている、国家レベルで高度な技術を使った攻撃を行う集団です。別名が多く、「IRONRITUAL」「IRONHEMLOCK」「NobleBaron」「DarkHalo」「StellarParticle」「NOBELIUM」「UNC2452」「YTTRIUM」「TheDukes」「CozyBear」「CozyDuke」「SolarStorm」「BlueKitsune」「UNC3524」「MidnightBlizzard」などとも呼ばれています。中でも、「APT29」はセキュリティ関連情報を扱う機関で使われている名称で、「CozyBear」はセキュリティ対策会社の呼び名、「NOBELIUM」はマイクロソフト社が以前使っていた名称で、比較的よく知られています。この集団は、欧米諸国の公的機関や研究機関などを狙って、機密情報などを盗み出す活動を行っています。2016年のアメリカ大統領選挙の前には、民主党の全国委員会のネットワークに侵入したとされ、2019年から2020年にかけては、SolarWindsという会社のソフトウェアを悪用した大規模なサイバー攻撃にも関与したとされています。さらに、2024年1月には、マイクロソフト社のメールアカウントが「APT29」によって不正にアクセスされました。複数の報道によると、「APT29」は、様々なパスワードを試す攻撃手法を使ってアカウントへの侵入に成功したとされています。

ステルス性の高い脅威、APT29とは

ステルス性の高い脅威、APT29とは

– ステルス性の高い脅威、APT29とは

APT29は、高度な技術と豊富な資金力を駆使し、特定の国の支援を受けていると疑われているサイバー攻撃集団です。その活動は、高度な持続的脅威(APT)として分類され、まさに影の存在のように、発見されることなく、長期にわたって執拗に攻撃を続けることを特徴としています。

APT29は、ロシアの対外情報機関との関連が指摘されており、「IRONRITUAL」や「CozyBear」など、複数の別名でも知られています。彼らは標的とする組織に深く潜り込み、何ヶ月、あるいは何年もかけて機密情報を探し出し、盗み出すことを目的としています。

彼らの攻撃は、標的のセキュリティ対策を巧みに回避する高度な技術を用いており、発見が極めて困難です。さらに、常に最新の攻撃手法を取り入れているため、従来のセキュリティ対策では太刀打ちできない可能性があります。APT29は、政府機関、防衛産業、シンクタンクなど、国家にとって重要な情報を保有する組織を標的とする傾向があり、その脅威は計り知れません。

脅威 特徴 活動 標的
APT29(IRONRITUAL/CozyBear) ステルス性が高い
高度な技術と資金力
特定国の支援(ロシア対外情報機関との関連が指摘)
高度な持続的脅威(APT)
長期にわたる執拗な攻撃
標的に深く潜り込み、機密情報を探し出し、盗み出す
最新の攻撃手法
標的のセキュリティ対策を巧みに回避
政府機関
防衛産業
シンクタンク
国家にとって重要な情報を保有する組織

APT29の主な標的

APT29の主な標的

– APT29の主な標的

APT29は、高度な技術と持続的な活動で知られるサイバースパイ集団であり、その攻撃対象は多岐にわたります。彼らが主に狙いを定めるのは、西側諸国の政府機関、軍事組織、防衛産業に関わる企業、そして影響力を持つ政策を研究する機関や高等教育機関などです。

これらの組織は、国家機密や機密性の高い技術情報、あるいは国際社会における優位性を保つための重要な情報資産を保有しているため、APT29にとって格好の標的となっています。APT29は、これらの組織から機密情報や知的財産を盗み出すことで、自国の利益を図ったり、国際的な影響力を高めようとしていると考えられています。

近年、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、APT29は、ウイルス対策や治療薬開発に取り組む研究機関に対しても攻撃を仕掛けているという報告があります。これは、彼らがパンデミックに乗じて、医療分野における機密情報や知的財産を不正に取得しようとしている可能性を示唆しており、国際社会から強い非難を浴びています。

APT29の主な標的 備考
西側諸国の政府機関 国家機密や機密性の高い技術情報などを保有
軍事組織 国家機密や機密性の高い技術情報などを保有
防衛産業に関わる企業 機密性の高い技術情報や知的財産を保有
影響力を持つ政策を研究する機関 国際社会における優位性を保つための重要な情報資産を保有
高等教育機関 国際社会における優位性を保つための重要な情報資産を保有
ウイルス対策や治療薬開発に取り組む研究機関 医療分野における機密情報や知的財産を保有

APT29による攻撃の手口

APT29による攻撃の手口

– APT29による攻撃の手口

APT29は、高度な技術を持つサイバー攻撃集団であり、その侵入経路は多岐にわたります。彼らは、標的に合わせて攻撃手法を巧妙に変えるため、セキュリティ対策が非常に困難です。

一般的な攻撃の入り口として、巧妙に偽装した電子メールを用いることが多くあります。実在する企業や組織を装い、受信者を騙して偽のウェブサイトに誘導し、パスワードなどの重要な情報を入力させようとします。また、メールに添付されたファイルを開かせることで、コンピュータウイルスに感染させるケースも確認されています。

さらに、ソフトウェアやハードウェアの脆弱性を突いた攻撃も得意としており、セキュリティ対策ソフトでは検知できないような、高度な技術を用いることもあります。

APT29は、標的のシステムに侵入した後、長期間にわたり潜伏し、機密情報を探し出す特徴があります。そして、目的の情報を見つけ出すと、それを外部に送信したり、システムに損害を与えたりします。

2024年1月のMicrosoft社への攻撃では、大量のパスワードを自動入力する攻撃によって、アカウントへの不正アクセスに成功したと報告されています。この事件は、APT29の攻撃の執拗さと高度さを改めて認識させるものでした。

APT29の攻撃から身を守るためには、セキュリティソフトの導入はもちろんのこと、不審なメールやウェブサイトに安易にアクセスしないなど、一人ひとりのセキュリティ意識を高めることが重要です。

攻撃手法 詳細 対策
巧妙に偽装した電子メール 実在する企業や組織を装い、偽のウェブサイトに誘導し、パスワードなどの重要情報を入力させようとする。
メールに添付されたファイルを開かせることで、コンピュータウイルスに感染させるケースも。
不審なメールやウェブサイトに安易にアクセスしない
セキュリティソフトを導入する
ソフトウェアやハードウェアの脆弱性を突いた攻撃 セキュリティ対策ソフトでは検知できないような、高度な技術を用いる。 セキュリティソフトを導入する
OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ
長期間にわたり潜伏し、機密情報を探し出す 標的のシステムに侵入した後、長期間にわたり潜伏し、機密情報を探し出す。
目的の情報を見つけ出すと、それを外部に送信したり、システムに損害を与えたりする。
セキュリティソフトを導入する
定期的にセキュリティログを監視する
大量のパスワードを自動入力する攻撃 2024年1月のMicrosoft社への攻撃では、大量のパスワードを自動入力する攻撃によって、アカウントへの不正アクセスに成功したと報告されている。 強力なパスワードを使用する

多要素認証を導入する

APT29から身を守るためには

APT29から身を守るためには

– APT29から身を守るためには

-# APT29から身を守るためには

APT29のような高度な技術を持つ攻撃者から完全に身を守ることは、容易なことではありません。しかし、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、攻撃の被害に遭う可能性を低くすることは可能です。

個人でできる対策としては、まず多要素認証を導入しましょう。これは、パスワードに加えて、スマートフォンなどに送られてくる確認コードなど、複数の要素を組み合わせて認証を行うことで、不正アクセスのリスクを大きく減らすことができます。次に、使用しているソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。ソフトウェアの更新には、セキュリティ上の脆弱性を修正するものが含まれていることが多く、最新の状態を保つことで、攻撃者がその脆弱性を突いてくることを防ぐことができます。また、不審なメールやリンクを開かないように注意することも大切です。これらのメールやリンクは、一見正規のものに見えても、実際は攻撃者が仕込んだ罠である可能性があります。安易に開かずに、送信元を確認したり、公式な連絡経路を通じて確認するなど、慎重に対応しましょう。

組織全体で取り組むべき対策としては、セキュリティに関する意識向上のための訓練を定期的に実施することが重要です。従業員一人ひとりがセキュリティの重要性を理解し、日頃から適切な行動をとることで、組織全体のセキュリティレベルを高めることができます。さらに、最新の脅威情報を収集し、その情報に基づいたセキュリティ対策を講じることが重要です。APT29のような高度な攻撃者は、常に新しい攻撃手法を開発しています。最新の脅威情報を把握し、対策を強化することで、新たな攻撃にも対応できる体制を整えることが重要です。

対策対象 対策内容
個人 – 多要素認証の導入
– ソフトウェアの最新化
– 不審なメールやリンクを開かない
組織 – セキュリティに関する意識向上のための訓練の実施
– 最新の脅威情報の収集と対策

常に警戒を怠らず、最新情報を入手

常に警戒を怠らず、最新情報を入手

– 常に警戒を怠らず、最新情報を入手

インターネット上には、悪意のある人物が仕掛けた罠が数多く存在します。個人や企業を狙った攻撃も後を絶ちません。巧妙化するサイバー攻撃から身を守るためには、常に最新の情報を把握し、セキュリティ対策を強化していく必要があります。

サイバー攻撃の手口は日々進化しており、昨日まで有効だった対策が、今日は通用しないということも珍しくありません。かつて猛威を振っていたコンピューターウイルスは、今では対策ソフトで容易に検知・駆除できます。しかし、攻撃者はさらに巧妙な手口を編み出し、次々と新たな脅威を生み出しているのです。例えば、実在の人物や組織になりすまし、メールの受信者を騙して重要な情報を盗み出す「フィッシング詐欺」や、コンピューターシステムに侵入し、機密情報などを盗み出す「標的型攻撃」などは、その巧妙さから大きな被害をもたらすケースが増えています。

このような状況下では、常に最新の情報を入手し、適切な対策を講じることが重要です。政府機関やセキュリティ関連企業は、日々変化する脅威情報やセキュリティ対策に関する情報を発信しています。これらの情報を積極的に収集し、自身の状況に合った対策を実践していくようにしましょう。具体的には、政府機関のウェブサイトやセキュリティソフトベンダーのブログなどを定期的にチェックする、セキュリティに関するニュースレターを購読する、などが考えられます。

サイバー攻撃は、いつ、どこで、誰を狙うか分かりません。常日頃からセキュリティに対する意識を高め、自分自身を守ることの重要性を認識しましょう。

脅威 対策
日々進化するサイバー攻撃(ウイルス、フィッシング詐欺、標的型攻撃など)
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