Kimsuky:国家の後ろ盾を持つサイバー脅威から身を守るには
セキュリティを知りたい
「Kimsuky」って、最近ニュースで見たんですけど、どんなものなんですか?
セキュリティ研究家
「Kimsuky」は、人をだましてパソコンに悪いプログラムをしかける、サイバー攻撃のグループのことだよ。主に、国の秘密や大事な情報を盗むことを目的としているみたいだね。
セキュリティを知りたい
へえ、国の秘密を盗むんですか!怖いですね。具体的にどんなことをするんですか?
セキュリティ研究家
例えば、本物そっくりの偽物のメールを送って、だまされた人がメールのリンクをクリックすると、パソコンにウイルスが感染するんだ。他にも、よく利用するウェブサイトにこっそり罠を仕掛けて、そこを通った人の情報を盗むこともあるよ。
Kimsukyとは。
「キムスキー」は、北朝鮮とつながりがあるとされる、情報を盗み出すことを目的とした集団です。2012年から活動を始め、海外を対象に、機密情報や軍事情報の収集を行ってきました。近年では、仮想通貨の盗難を目的とした攻撃も増えているという報告があります。主な攻撃対象は、韓国、日本、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ諸国で、外交や朝鮮半島情勢、核開発や経済制裁に関する情報を狙っています。この集団は、SNSや標的型攻撃メール、偽のウェブサイトなどを使い、標的に近づき、情報を盗み出します。アメリカの非営利団体MITREによると、2014年に起きた韓国のエネルギー企業への攻撃は、キムスキーによるものだと考えられています。「アップルシード」「ベイビーシャーク」「ゴールドドラゴン」など、独自の技術や、広く使われている「コバルトストライク」「ピーエスエグゼック」といったツールを使って攻撃を行います。また、北朝鮮に関するアンケートを装った、罠をしかけたメールを送りつけ、添付された悪意のあるファイルを実行させて、情報を盗む手口も確認されています。アメリカのサイバーセキュリティ関連機関は、2020年にこの集団に関する警告を発しています。2023年には、ドイツと韓国の情報機関が、巧妙なメールを使って、悪意のあるソフトをパソコンにインストールさせ、メールアカウントを乗っ取る活動が確認されたとして、共同で注意を呼びかけました。さらに同年、韓国の外務省は、キムスキーを独自の制裁リストに追加しました。
Kimsukyとは
– KimsukyとはKimsukyは、2012年頃から活動を始めた、高度な技術を持つサイバー攻撃集団です。彼らは、北朝鮮と関係があるとされ、世界各国を標的に、機密情報の入手やサイバー空間における諜報活動を行っています。近年、その活動はさらに活発化し、暗号資産の窃取なども行っているという報告もあります。Kimsukyの主な標的は、韓国、日本、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ諸国など多岐に渡ります。彼らは、外交、安全保障、核政策、経済制裁など、国家にとって重要な機密情報を狙っています。Kimsukyは、標的に近づき情報を盗み出すために、様々な手口を用います。その中でも特に多いのが、標的型攻撃メールと呼ばれるものです。これは、実在する人物や組織を装い、受信者を騙して、ウイルスが仕込まれたファイルを開かせたり、偽のウェブサイトに誘導したりする攻撃です。Kimsukyから身を守るためには、以下の点に注意することが重要です。* 不審なメールは開かない。発信元が本物かどうかを確認する。* メールに添付されたファイルや、メール本文中のURLは安易にクリックしない。* セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ。* パスワードは定期的に変更し、推測されにくい複雑なものにする。Kimsukyは、高度な技術と巧妙な手口で私たちに近づいてきます。常に警戒心を持ち、適切な対策を講じることが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
攻撃者 | Kimsuky |
活動開始時期 | 2012年頃 |
関係が疑われる国家 | 北朝鮮 |
標的 | 韓国、日本、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ諸国など |
主な目的 | 機密情報の入手、サイバー空間における諜報活動、暗号資産の窃取 |
攻撃対象 | 外交、安全保障、核政策、経済制裁などに関する機密情報 |
主な攻撃手法 | 標的型攻撃メール |
対策 | * 不審なメールを開かない。発信元が本物かどうかを確認する。 * メールに添付されたファイルや、メール本文中のURLは安易にクリックしない。 * セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ。 * パスワードは定期的に変更し、推測されにくい複雑なものにする。 |
主な攻撃手法
– 主な攻撃手法
Kimsukyは、標的の警戒心を解き、自ら罠に誘い込む巧妙な方法を用いて攻撃を仕掛けてきます。 特に、「ソーシャルエンジニアリング」と呼ばれる、人間の心理的な隙や行動の癖を突いた手法を多用します。
例えば、実在の人物や組織を装ったメールを送りつけ、受信者を騙して偽のウェブサイトに誘導したり、悪意のあるソフトウェアが仕込まれたファイルを開かせたりします。 このようなメールは一見すると本物と見分けがつかず、巧妙に作成されているため、受信者が安易にリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いてしまったりする可能性があります。
また、Kimsukyは、「水飲み場攻撃」と呼ばれる手法も用います。これは、標的がよくアクセスするウェブサイトを事前に改ざんしておき、サイトを訪れたユーザーの端末に気づかれないようにマルウェアを感染させる攻撃です。
さらに、Kimsukyは、独自のマルウェアや不正アクセス用のプログラムを開発・使用することで、セキュリティ対策ソフトによる検知を回避しようとします。
このように、Kimsukyは、様々な手法を組み合わせることで、より巧妙かつ執拗に攻撃を仕掛けてきます。
攻撃手法 | 説明 |
---|---|
ソーシャルエンジニアリング | 人間の心理的な隙や行動の癖を突いた手法 例: ・実在の人物や組織を装ったメール ・偽のウェブサイトへの誘導 ・悪意のあるソフトウェアが仕込まれたファイル |
水飲み場攻撃 | 標的がよくアクセスするウェブサイトを事前に改ざん サイトを訪れたユーザーの端末に気づかれないようにマルウェアを感染させる |
独自のマルウェア・不正アクセス用プログラム | セキュリティ対策ソフトによる検知の回避 |
標的となる組織と情報
– 標的となる組織と情報Kimsukyという組織は、特定の目的を持った情報を狙って様々な組織に攻撃を仕掛けています。その主な標的となるのは、国の政治や行政に関わる機関、専門的な知識を提供する調査機関、情報を発信する報道機関、国の防衛に関わる産業、そしてエネルギー関連の企業など多岐に渡ります。Kimsukyが特に強い関心を示すのは、外交や安全保障、朝鮮半島情勢、核兵器開発、経済制裁に関する情報です。これらの情報は、国家間の力関係や、国の重要な意思決定に大きく関わるため、Kimsukyにとって喉から手が出るほど欲しいものなのです。Kimsukyは、このような情報を保有する組織や個人に狙いを定め、あの手この手で情報を盗み出します。そして、手に入れた情報は、北朝鮮の外交戦略や政策決定に利用されている可能性があります。これは、国際社会にとって大きな脅威と言えるでしょう。
攻撃者 | 標的 | 目的 |
---|---|---|
Kimsuky | – 政治機関 – 調査機関 – 報道機関 – 防衛産業 – エネルギー関連企業 |
– 外交・安全保障情報 – 朝鮮半島情勢 – 核兵器開発 – 経済制裁 |
具体的な攻撃事例
– 具体的な攻撃事例近年、国家の支援を受けたハッカー集団によるサイバー攻撃が世界中で多発しており、日本もその標的となっています。今回は、数多くの攻撃事例が報告されているKimsukyによる具体的な攻撃手法について解説します。Kimsukyは、標的とする組織や個人の機密情報を盗み出すことを目的としており、その手口は非常に巧妙化しています。2014年には、韓国のエネルギー企業に対してサイバー攻撃を仕掛け、重要なインフラの運用に関わる機密情報などを盗み出したとされています。近年では、より巧妙な手法を用いた攻撃が確認されています。例えば、北朝鮮問題に関心の高い人物などを標的として、北朝鮮に関するアンケートに答えるように誘導するフィッシングメールを送り付けます。このメールには、HTMLヘルプファイル形式(.chm)の悪意のある添付ファイルが仕込まれており、ファイルを開いた途端、マルウェアに感染してしまい、パソコン内の情報が盗み出されてしまうのです。さらに、2023年には、ドイツと韓国の情報機関が共同で、KimsukyがGoogle Chromeの拡張機能を悪用した新たな攻撃を行っていると発表しました。この攻撃では、標的に対して、偽のウェブサイトに誘導するフィッシングメールを送りつけます。そして、そのウェブサイト上で、悪意のあるChrome拡張機能をインストールさせます。この拡張機能は、Gmailアカウントにアクセスする権限を持っており、インストールしてしまうと、メールの内容やアカウント情報が盗み取られてしまう危険性があります。このように、Kimsukyは、時代に合わせて常に攻撃の手口を巧妙化させています。怪しいメールやウェブサイトには決してアクセスしないなど、一人ひとりがセキュリティ意識を高めていくことが重要です。
攻撃者 | 標的 | 目的 |
---|---|---|
Kimsuky | – 政治機関 – 調査機関 – 報道機関 – 防衛産業 – エネルギー関連企業 |
– 外交・安全保障情報 – 朝鮮半島情勢 – 核兵器開発 – 経済制裁 |
対策と予防策
– 対策と予防策
昨今、巧妙な手口で個人情報や機密情報を狙うサイバー攻撃が増加しており、誰もが被害に遭う可能性があります。そのため、日頃からセキュリティ対策を意識し、攻撃から身を守る予防策を講じることが重要です。
まず、受信したメールやメッセージ内のリンクをクリックする前に、送信元が信頼できるかどうかを確認しましょう。特に、見覚えのない送信元からのメールや、普段は来ないような内容のメッセージには注意が必要です。また、メールに添付されたファイルを開く際は、送信元に加えてファイルの種類やサイズも確認し、不審な点があれば開かずに削除するのが安全です。
パソコンやスマートフォンを安全に使い続けるためには、OSやソフトウェアを常に最新の状態に更新することが不可欠です。最新の状態を保つことで、新たに発見された脆弱性を修正し、攻撃のリスクを低減することができます。
さらに、アカウントのパスワードは定期的に変更し、推測されにくい複雑なものを設定しましょう。パスワードを使い回すと、万が一、一つのアカウントが漏洩した場合、他のアカウントも危険にさらされる可能性があります。また、パスワードに加えて、スマートフォンへの通知や指紋認証などによる多要素認証を有効にすることで、より強固なセキュリティ対策を実現できます。
セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも有効な対策の一つです。セキュリティソフトは、コンピューターウイルスや不正アクセスなどからデバイスを保護する役割を担っています。
インターネットを利用する際は、アクセスするウェブサイトの信頼性を確認することも大切です。アドレスバーに表示されるURLを確認したり、サイトの運営者情報を確認したりすることで、偽のウェブサイトや悪意のあるウェブサイトへのアクセスを防ぐことができます。
これらの対策と予防策を講じることで、サイバー攻撃から身を守り、安全なデジタルライフを送ることができます。
対策 | 具体的な内容 |
---|---|
不審なメール・メッセージへの対応 | ・送信元と内容を必ず確認 ・不審な点があればリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたりしない |
OS・ソフトウェアのアップデート | ・OSやソフトウェアは常に最新の状態に更新 |
パスワード管理 | ・パスワードは定期的に変更 ・推測されにくい複雑なパスワードを設定 ・パスワードを使い回さない |
多要素認証 | ・パスワードに加えて、スマートフォンへの通知や指紋認証などを有効化 |
セキュリティソフトの導入 | ・セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態を維持 |
ウェブサイトの信頼性確認 | ・URLや運営者情報を確認し、偽サイトや悪意のあるサイトへのアクセスを回避 |
最新情報の入手
– 最新情報の入手常に変化する脅威に対応するために情報セキュリティの世界は日進月歩であり、サイバー攻撃の手口も日々進化しています。Kimsukyのような高度な攻撃グループは、絶えず新たな手法を開発し、セキュリティ対策の隙を突いてきます。そのため、私たちも常に最新の情報を入手し、彼らの一歩先を行く対策を講じる必要があります。では、どのように最新情報を入手すればよいでしょうか? まず、セキュリティ関連のニュースサイトやブログをチェックする習慣を付けましょう。これらの媒体では、最新のサイバー攻撃の動向や新たな脆弱性情報などが発信されています。具体的には、IPA(情報処理推進機構)やJPCERT/CC(コンピュータ緊急対応チーム協議会)などの公的機関、あるいはセキュリティベンダー企業が運営するブログなどを購読するのがおすすめです。また、これらの機関が発行するセキュリティに関するレポートや注意喚起にも注意を払いましょう。これらの資料では、特定の攻撃グループや攻撃手法の詳細な分析、具体的な対策方法などが解説されています。これらの情報源を活用することで、最新の脅威動向を把握し、自らの身を守るための知識を深めることができます。最新情報の入手を習慣化し、常に変化する脅威に対応できるよう備えましょう。
情報源 | 情報の内容 |
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