気づかぬうちに危険を招き入れるDLLサイドローディング

気づかぬうちに危険を招き入れるDLLサイドローディング

セキュリティを知りたい

先生、『DLLサイドローディング』ってなんですか?セキュリティの本で見たんですけど、よく分からなくて…

セキュリティ研究家

なるほど。『DLLサイドローディング』は、例えるなら、悪意のあるプログラムを仕込んだ偽物の部品をこっそり混ぜて、何も知らない人がその部品を使ってしまうように仕向ける攻撃手法だよ。

セキュリティを知りたい

偽物の部品ですか? なんでそんなことができるんですか?

セキュリティ研究家

プログラムは、たくさんの部品を組み合わせて動くんだ。その部品の中に、よく使うものを『DLL』と呼ぶ。攻撃者はこの『DLL』にそっくりな偽物を作って、本物の代わりに読み込ませてしまうんだね。そうすると、プログラムは悪意のあるプログラムを実行してしまうことになるんだよ。

DLLサイドローディングとは。

安全性を高めるために知っておくべきこととして、「DLLサイドローディング」という攻撃があります。これは、悪意のあるプログラムを組み込んだ不正なファイルを標的の機器に送り込み、その機器で使われているアプリケーションを通じて、不正なファイルを実行させる攻撃です。悪意のあるプログラムは、正規のアプリケーションを通じて実行されるため、セキュリティ対策ソフトによる検知を逃れる可能性があります。

アプリケーションの盲点を突く攻撃

アプリケーションの盲点を突く攻撃

私たちが日常的に利用しているスマートフォンやパソコン。その中で動作する様々なアプリケーションは、生活を便利にする一方で、犯罪者に狙われる危険性もはらんでいます。今回は、数ある攻撃手法の中でも、巧妙な方法として知られる「DLLサイドローディング」について詳しく解説していきます。

アプリケーションは、その機能を十分に発揮するために、開発者が用意したプログラム部品(DLLファイル)を必要とします。DLLサイドローディングは、この仕組みを悪用した攻撃です。

攻撃者は、正規のDLLファイルとそっくりな名前の悪意のあるDLLファイルをひこっそりと作成し、アプリケーションと同じ場所に仕掛けます。そして、アプリケーションが起動する際に、正規のDLLファイルの代わりに、悪意のあるDLLファイルを読み込ませてしまうのです。

悪意のあるDLLファイルが読み込まれてしまうと、アプリケーションは攻撃者の思い通りに操られてしまいます。例えば、パソコン内の重要な情報を盗み出したり、別の悪意のあるプログラムをインストールさせたりすることができてしまいます。

巧妙なことに、DLLサイドローディングは、アプリケーション自体には変更を加えないため、セキュリティ対策ソフトでも見つけることが難しい場合があります。

しかし、対策がないわけではありません。アプリケーションは、信頼できる提供元から入手するように心がけ、常に最新の状態に保つことが重要です。また、セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保ち、怪しいウェブサイトへのアクセスは控えるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、被害を防ぐことができます。

攻撃手法 概要 対策
DLLサイドローディング 正規のDLLファイルとそっくりな名前の悪意のあるDLLファイルを、アプリケーションと同じ場所に仕掛け、アプリケーション起動時に悪意のあるDLLファイルを代わりに読み込ませる攻撃 ・信頼できる提供元からアプリケーションを入手する
・アプリケーションを常に最新の状態に保つ
・セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保つ
・怪しいウェブサイトへのアクセスを控える

DLLサイドローディングとは

DLLサイドローディングとは

– DLLサイドローディングとはDLLサイドローディング攻撃とは、アプリケーションの重要な機能を担う「DLLファイル」を、悪意のある偽物のDLLファイルにすり替えてしまう攻撃のことです。アプリケーションは、様々な処理を行う際に、多くの機能を小さなプログラム部品のようにまとめたDLLファイルを利用します。必要な機能を呼び出す度に、対応するDLLファイルを読み込む仕組みになっています。しかし、アプリケーション自身は、本来読み込むべき正しいDLLファイルと、悪意のある偽物のDLLファイルを区別することができません。そのため、攻撃者が仕込んだ偽物のDLLファイルが先に読み込まれてしまうと、アプリケーションはそれを正しいものと認識し、含まれている悪意のあるコードを実行してしまうのです。例えば、メールソフトが特定の種類の添付ファイルを開く際に、本来読み込むべきDLLファイルの代わりに、攻撃者が用意した偽物のDLLファイルが読み込まれるとします。すると、メールソフトを操作しているユーザーの意図しないところで、偽物のDLLファイルに含まれた悪意のあるコードが実行されてしまいます。このように、DLLサイドローディング攻撃は、一見すると正規のアプリケーションの動作を装って、こっそりと悪意のあるコードを実行してしまうため、非常に危険な攻撃手法と言えるでしょう。

攻撃手法 概要 対策
DLLサイドローディング 正規のDLLファイルとそっくりな名前の悪意のあるDLLファイルを、アプリケーションと同じ場所に仕掛け、アプリケーション起動時に悪意のあるDLLファイルを代わりに読み込ませる攻撃 ・信頼できる提供元からアプリケーションを入手する
・アプリケーションを常に最新の状態に保つ
・セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保つ
・怪しいウェブサイトへのアクセスを控える

なぜ危険なのか

なぜ危険なのか

– なぜ危険なのか

DLLサイドローディング攻撃は、正規のプログラムを悪用して、あたかも正常に動作しているように見せかけるため、非常に危険です。

セキュリティソフトは、プログラム自体が悪意のあるものでない限り、その動作を制限することはありません。しかし、DLLサイドローディング攻撃では、悪意のあるプログラムを、正規のプログラムの一部であるかのように偽装して実行します。そのため、セキュリティソフトは、これが攻撃であると認識することができず、結果として、悪意のあるプログラムの実行を許してしまいます。

また、利用者自身も、いつも通りにプログラムが起動し、動作しているように見えるため、攻撃を受けていることに気づくことは難しいでしょう。画面表示やプログラムの動作に、一見したところ不審な点は見られず、普段と変わらない感覚で利用してしまうため、被害に遭っているという認識を持つことは困難です。

このように、DLLサイドローディング攻撃は、セキュリティソフトや利用者を欺き、その危険性を認識させないまま、こっそりと悪意のあるプログラムを実行してしまう、非常に巧妙で危険な攻撃と言えるでしょう。

攻撃手法 危険性
DLLサイドローディング攻撃 – 正規プログラムを悪用し、悪意のあるプログラムを隠蔽
– セキュリティソフトでは検知が困難
– 利用者も攻撃を受けていることに気づきにくい

具体的な攻撃の手口

具体的な攻撃の手口

– なぜ危険なのか

DLLサイドローディング攻撃は、正規のプログラムを悪用して、あたかも正常に動作しているように見せかけるため、非常に危険です。

セキュリティソフトは、プログラム自体が悪意のあるものでない限り、その動作を制限することはありません。しかし、DLLサイドローディング攻撃では、悪意のあるプログラムを、正規のプログラムの一部であるかのように偽装して実行します。そのため、セキュリティソフトは、これが攻撃であると認識することができず、結果として、悪意のあるプログラムの実行を許してしまいます。

また、利用者自身も、いつも通りにプログラムが起動し、動作しているように見えるため、攻撃を受けていることに気づくことは難しいでしょう。画面表示やプログラムの動作に、一見したところ不審な点は見られず、普段と変わらない感覚で利用してしまうため、被害に遭っているという認識を持つことは困難です。

このように、DLLサイドローディング攻撃は、セキュリティソフトや利用者を欺き、その危険性を認識させないまま、こっそりと悪意のあるプログラムを実行してしまう、非常に巧妙で危険な攻撃と言えるでしょう。

攻撃手法 危険性
DLLサイドローディング攻撃 – 正規のプログラムを悪用するため、セキュリティソフトに検知されにくい。
– 利用者も攻撃を受けていることに気づきにくい。

身を守るためには

身を守るためには

– 身を守るためには

昨今、巧妙に仕組まれた攻撃が増加しており、その手口は日々進化しています。悪意のあるプログラムが密かに埋め込まれ、知らないうちに個人情報が盗み取られる危険性も高まっています。

こうした攻撃から身を守るためには、信頼できる提供元からのみソフトウェアをダウンロードすることが何よりも重要です。見慣れないウェブサイトや、心当たりのないメールに添付されたファイルからソフトウェアをインストールするのは大変危険です。

また、オペレーティングシステムやアプリケーションは、常に最新の状態に保つように心がけましょう。最新の状態を保つことで、セキュリティ上の弱点の修正が行われ、攻撃のリスクを減らすことができます。

さらに、セキュリティ対策ソフトを導入し、常に最新の状態を保つことも大切です。セキュリティ対策ソフトは、悪意のあるプログラムを検知し、動作を止めることができます。ただし、セキュリティ対策ソフトを導入すれば万全というわけではありません。日々新しい攻撃手法が生み出されていることを意識し、過信することなく、日頃からセキュリティに関する情報を収集し、自衛意識を高めておくことが重要です。

対策 内容
ソフトウェアのダウンロード 信頼できる提供元からのみダウンロードする。
見慣れないウェブサイトや心当たりのないメールに添付されたファイルからのインストールは避ける。
OSとアプリケーションのアップデート 常に最新の状態に保つ。
セキュリティ対策ソフト 導入し、常に最新の状態に保つ。
情報収集と自衛意識 セキュリティに関する情報を収集し、日頃から自衛意識を高めておく。
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