巧妙化するなりすましメール:ラテラルフィッシングの脅威

巧妙化するなりすましメール:ラテラルフィッシングの脅威

セキュリティを知りたい

「ラテラルフィッシング」って、普通のフィッシング詐欺と何が違うんですか?

セキュリティ研究家

良い質問ですね!普通のフィッシングは、偽物のメールで騙そうとするものが多いですが、「ラテラルフィッシング」は、実在する会社の人のアカウントを乗っ取って、本物そっくりのメールを送ってくる点が違います。

セキュリティを知りたい

えー!じゃあ、見分けられないじゃないですか!

セキュリティ研究家

そうですね、見分けるのは難しいです。だから、会社は「多要素認証」といって、パスワード以外のもので確認する仕組みを導入したり、怪しい行動を監視したりする対策をしているんです。

ラテラルフィッシングとは。

「企業や組織を狙った巧妙な攻撃から身を守るには、『ラテラルフィッシング』という言葉を覚えておきましょう。これは、信頼できる組織のメールアカウントをだまし取って乗っ取り、そこから別の組織へ攻撃を広げていく手口です。なりすましではなく、実在する人のアカウントを使うため、見破るのが難しく、従来の対策ソフトでは防ぎきれません。乗っ取られたアカウントは、さらに別の組織への攻撃メールに使われたり、組織内部への侵入の足掛かりにされたりする危険性があります。組織のメールシステムを悪用して、組織内の別の人へ攻撃を仕掛けてくる場合もあるのです。このように、攻撃が横に広がっていくことから、『ラテラルフィッシング』と呼ばれています。対策としては、一人ひとりが複雑なパスワードを設定するのはもちろんのこと、万が一パスワードが盗まれてしまった場合に備えて、複数の認証方法を組み合わせるなど、組織に合った対策を講じることが重要です。また、たくさんのログイン試行や、いつもと違う場所や時間帯でのログインなど、怪しい動きをいち早く見つける仕組みを導入することで、不正アクセスされてしまった場合でも、素早く対応できるようにしておくことが大切です。」

信頼を悪用する新たな脅威

信頼を悪用する新たな脅威

– 信頼を悪用する新たな脅威

近年、悪意のある人物によるインターネットを介した攻撃は、より巧妙化しています。
従来の手口では、攻撃者は送信元の電子メールアドレスを偽装していました。
しかし、最近の攻撃では、攻撃者は実在する企業や組織の電子メールアカウントを不正に乗っ取り、そこから攻撃メールを送信してくるケースが増加しています。

このような攻撃は「ラテラルフィッシング」と呼ばれ、受信者は送信元を信頼してしまいやすいため、被害に遭う可能性が非常に高くなります。

例えば、あなたが普段利用している通販サイトのメールアカウントが攻撃者に乗っ取られたとします。
攻撃者は、そのアカウントからあなたへ、会員情報更新や購入履歴確認などを促すメールを送信してきます。
メールには、本物そっくりの偽のウェブサイトへのリンクが貼られており、あなたがそのリンクをクリックし、個人情報やクレジットカード情報を入力してしまうと、攻撃者の手に渡ってしまいます。

ラテラルフィッシングから身を守るためには、以下の点に注意することが重要です。

* 身に覚えのないメールや、不自然な点があるメールは開かない。
* メール本文中のリンクをクリックする際は、送信元やリンク先を十分に確認する。
* 不安な場合は、送信元の企業や組織に直接問い合わせる。

これらの対策を講じることで、ラテラルフィッシングの被害を未然に防ぐことができます。

攻撃手法 特徴 対策
ラテラルフィッシング
  • 実在する企業や組織のメールアカウントを不正に乗っ取り、攻撃メールを送信する
  • 受信者は送信元を信頼してしまいやすいため、被害に遭う可能性が非常に高い
  • 身に覚えのないメールや、不自然な点があるメールは開かない
  • メール本文中のリンクをクリックする際は、送信元やリンク先を十分に確認する
  • 不安な場合は、送信元の企業や組織に直接問い合わせる

被害の連鎖を防ぐ

被害の連鎖を防ぐ

昨今、取引先になりすまして攻撃を仕掛けるという、巧妙な手口の犯罪が増加しています。これは、まるで水面に石を投げ入れた時に波紋が広がるように、被害が次々と連鎖していくことから、「ラテラルフィッシング」と呼ばれています。

まず、攻撃者は、企業とその取引先との関係性に着目します。そして、取引先企業の従業員になりすまし、実在する担当者名や企業ロゴなどを悪用したメールを送りつけ、アカウント情報を盗み取ろうとします。

受信者は、普段からやり取りのある相手からのメールだと疑うことなく、添付ファイルを開いたり、偽のウェブサイトにアクセスしてしまう可能性が高くなります。その結果、個人情報や会社の機密情報が盗み出されたり、コンピューターウイルスに感染させられたりするなど、深刻な被害が発生してしまうのです。

特に、取引先企業が多い大企業や、顧客との信頼関係が重要な金融機関などは、この「ラテラルフィッシング」の標的になりやすいと言えるでしょう。そのため、企業は、従業員に対して、セキュリティ意識向上のための研修を実施したり、怪しいメールを見分けるための訓練を行ったりするなど、対策を強化していく必要があります。

攻撃手法 特徴 被害 対策
ラテラルフィッシング 取引先になりすまし、実在する担当者名や企業ロゴなどを悪用したメールを送信 個人情報や会社の機密情報の盗難、コンピューターウイルス感染 従業員へのセキュリティ意識向上研修、怪しいメールの見分け方訓練

複雑化する攻撃への対策

複雑化する攻撃への対策

– 複雑化する攻撃への対策近年、巧妙化する攻撃手法の中でも、特に「なりすまし」による被害が増加しています。これは、特定の個人や組織になりすまして情報を盗み取ろうとするもので、従来の対策では防ぎきれないケースも少なくありません。そこで、より強固な対策として、「多要素認証」の導入が推奨されています。従来の対策では、主にパスワードを用いて本人確認を行っていました。しかし、パスワードは漏洩のリスクがあるため、これだけに頼るのは危険です。そこで、パスワードに加えて、スマートフォンに送信される確認コードや、生体認証など、複数の要素を組み合わせて本人確認を行う「多要素認証」を導入することで、セキュリティを大幅に向上させることができます。例えば、仮にパスワードが漏洩してしまったとしても、多要素認証を導入していれば、他の要素による確認が必須となるため、不正アクセスを防ぐことができます。このように、多要素認証は、セキュリティ対策の底上げに非常に有効な手段と言えるでしょう。また、組織全体でセキュリティ意識を高めることも重要です。怪しいメールやウェブサイトを見分けるための訓練や、セキュリティに関する最新情報の共有など、組織全体で対策を進めることが大切です。

従来の対策 強化された対策 具体的な方法 メリット
パスワードによる認証 多要素認証 パスワード + スマートフォンへの確認コード + 生体認証など パスワード漏洩時の不正アクセス防止
セキュリティ意識向上 怪しいメール・ウェブサイトの見分け方訓練、セキュリティ最新情報の共有 組織全体のセキュリティレベル向上

組織全体での意識改革

組織全体での意識改革

– 組織全体での意識改革昨今、巧妙に仕組まれた詐欺メールによって、企業の機密情報が盗み取られる事件が後を絶ちません。このような巧妙な詐欺メールは「なりすましメール」とも呼ばれ、実在する人物や組織を装って受信者を騙し、金銭をだまし取ったり、重要な情報を盗み取ったりします。このような脅威から組織を守るためには、組織全体でセキュリティ意識を高めることが何よりも重要です。セキュリティ対策は、一部の担当者だけが意識していればいいというものではありません。組織で働く一人ひとりが、セキュリティの重要性を認識し、日頃から対策を講じることが重要です。具体的には、まず従業員一人ひとりが、怪しいメールを見分ける方法を学ぶ必要があります。件名で不自然な日本語が使われていないか、送信元のメールアドレスが正しいか、本文に不審な点はないかなどを注意深く確認することが重要です。また、怪しい添付ファイルは開かない、本文中のURLを安易にクリックしないなど、基本的な対策を徹底する必要があります。さらに、不審なメールを受け取った場合の報告や相談の体制を整えておくことも大切です。怪しいと感じたら、自分で判断せず、上司や情報システム部門に報告し、適切な指示を仰ぐようにしましょう。定期的にセキュリティに関する研修を実施することも効果的です。最新の詐欺の手口や対策方法を共有することで、従業員のセキュリティ意識を常に高く保つことができます。情報セキュリティは、常に進化し続けるものです。常に最新の情報を入手し、組織全体で共有していくことが重要です。

対策 詳細
従業員一人ひとりの意識改革 怪しいメールを見分ける方法を学ぶ
– 不自然な日本語の件名
– 送信元のメールアドレスの確認
– 本文中の不審な点
– 怪しい添付ファイルは開かない
– 本文中のURLを安易にクリックしない
報告・相談体制の整備 不審なメールを受け取った場合、上司や情報システム部門に報告
定期的なセキュリティ研修の実施 最新の詐欺の手口や対策方法を共有

早期発見と迅速な対応

早期発見と迅速な対応

– 早期発見と迅速な対応昨今、巧妙化するインターネット上の脅威から情報資産を守るためには、万が一の侵入を完全に防ぐことは難しいという前提に立つ必要があります。そのため、侵入を許してしまった場合でも、被害を最小限に抑えるための早期発見と迅速な対応がこれまで以上に重要となっています。早期発見のためには、怪しい動きをいち早く察知することが重要です。そのために、セキュリティ対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保つ必要があります。また、システムの利用状況を記録したログを分析するセキュリティ監視体制の強化も有効です。怪しいアクセスや送信されてきたメールなど、普段と異なる兆候を見逃さないように、常に注意を払う必要があります。もしも、不審なアクセスやメールなどを発見した場合には、躊躇せずに、すぐに対応することが大切です。怪しい通信を遮断したり、怪しいメールを開封しないようにしたりするなど、状況に応じて適切な対処を行いましょう。組織として、セキュリティに関する問題が発生した場合の対応手順を事前に決めておくことも重要です。問題発生時には、誰が、どのような手順で対応するのかを明確化し、関係者への連絡体制を構築しておくことで、冷静かつ迅速な対応が可能となります。さらに、万が一、情報漏えいなどの被害が発生した場合に備え、日頃からデータのバックアップ体制を整えておくことも重要です。バックアップがあれば、被害を受けたデータを復旧させることが可能となり、被害を最小限に抑えることができます。

ポイント 説明
早期発見の重要性 侵入を完全に防ぐことは困難であるため、被害を最小限に抑えるために、早期発見と迅速な対応が重要です。
早期発見のための対策 – セキュリティ対策ソフトの導入
– セキュリティ監視体制の強化
– 不審なアクセスやメールなど、普段と異なる兆候を見逃さないようにする
迅速な対応 – 怪しい通信の遮断
– 怪しいメールの開封禁止
– その他、状況に応じた適切な対処
組織としての事前対策 – セキュリティに関する問題発生時の対応手順を決定
– 関係者への連絡体制の構築
データのバックアップ – 情報漏えいなどの被害発生に備え、日頃からデータのバックアップ体制を整える
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