Webセキュリティの落とし穴:パス・ザ・クッキー攻撃とは?
セキュリティを知りたい
先生、「パス・ザ・クッキー攻撃」ってなんですか? セキュリティの本で見かけたんですけど、難しくてよく分からなかったんです。
セキュリティ研究家
「パス・ザ・クッキー攻撃」は、ウェブサイトにログインしたときに使われる「クッキー」っていう小さなデータを盗んで、他人のふりをする攻撃だよ。 例えば、ネットショッピングでログインした状態のクッキーを盗まれちゃうと、勝手に買い物されちゃう可能性もあるんだ。
セキュリティを知りたい
えー!こわい! クッキーって、盗まれやすいんですか?
セキュリティ研究家
そうなんだ。だから、怪しいサイトを見たり、安全じゃないWi-Fiを使ったりしないことが大切だよ。あと、パスワードをこまめに変えるのも効果的だよ!
パス・ザ・クッキー攻撃とは。
はじめに
– はじめにより近年、誰もが気軽にインターネットに接続し、様々なサービスを利用できるようになりました。インターネットショッピングやオンラインバンキングなど、多くのサービスがWebアプリケーションを通して提供されています。
こうした便利なWebアプリケーションですが、その裏では常にサイバー攻撃の脅威にさらされています。攻撃者はあの手この手で、利用者の情報を盗み取ろうと企んでいるのです。
中でも、「パス・ザ・クッキー攻撃」と呼ばれる攻撃は、Webアプリケーション利用者の重要な情報である認証情報を悪用するもので、近年被害が増加しています。そこで今回は、この「パス・ザ・クッキー攻撃」の実態について詳しく解説し、その対策方法について考えていきましょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
インターネットの危険性 | 悪意のある攻撃や情報漏えいのリスク増加 |
セキュリティ対策の重要性 | セキュリティ意識の向上と適切な対策の実施 |
技術的な対策例 | パケットフィルタリング |
セキュリティ意識向上の具体例 | – 最新情報や知識の習得 – パスワードの定期的な変更 – 不審なメールへの注意 |
セキュリティ対策の効果 | – 自身の情報資産の保護 – 社会全体の安全性の向上 |
パス・ザ・クッキー攻撃の概要
パス・ザ・クッキー攻撃の概要
インターネット上で個人情報などを扱う機会が増え、Webサイトのセキュリティ対策はますます重要になっています。その中でも今回は、「パス・ザ・クッキー攻撃」という巧妙な攻撃手法について解説します。
Webサイトでは、ユーザーがログインした際に、その状態を記憶しておくために「クッキー」と呼ばれる小さなデータを利用します。クッキーは、ユーザーが再度同じサイトを訪れた際に、パスワードの再入力などを省略できる便利な機能を提供します。
しかし、この便利なクッキーが悪意のある第三者に盗まれてしまうと大変危険です。攻撃者は盗んだクッキーを利用することで、本来のユーザーになりすまし、Webサイトに不正にログインできてしまうのです。これが「パス・ザ・クッキー攻撃」です。
例えば、無料Wi-Fiなどセキュリティが脆弱なネットワーク環境でインターネットを利用する際、悪意のある第三者によってクッキーが盗聴される可能性があります。また、フィッシングサイトなど偽のWebサイトにアクセスしてしまった場合にも、クッキーを盗まれる危険性があります。
項目 | 内容 |
---|---|
攻撃手法 | パス・ザ・クッキー攻撃 |
概要 | Webサイトで利用される「クッキー」を盗むことで、本来のユーザーになりすましてWebサイトに不正ログインする攻撃 |
クッキーの役割 | ユーザーがログインした状態を記憶しておき、パスワード再入力を省略するなど利便性を提供する |
危険性 | クッキーが悪意のある第三者に盗まれると、ユーザーになりすまされてしまう |
攻撃の例 | セキュリティが脆弱な無料Wi-Fiでのインターネット利用時や、フィッシングサイトへのアクセス時などにクッキーが盗聴される可能性がある |
攻撃の仕組み
– 攻撃の仕組み
インターネット上で悪意を持った行動をする者は、まるで鍵を開けるように、様々な方法で私たちの情報に侵入しようと試みます。その侵入経路の一つとして、ウェブサイトの情報を記録する小さなデータ「クッキー」が悪用されることがあります。
攻撃者は、まずウェブサイトに仕組まれた小さな欠陥を見つけ出し、そこを突くことでクッキーを盗み出そうとします。例えば、ウェブサイトのセキュリティ上の隙間を突いて悪意のあるプログラムを埋め込む「クロスサイトスクリプティング」や、私たちとウェブサイトの通信経路にこっそり入り込む「中間者攻撃」といった巧妙な手段が使われます。
盗み出したクッキーを自分のものとして利用することで、攻撃者は本来アクセスできないはずの情報に不正にアクセスできてしまうのです。ウェブサイトは、クッキーの情報をもとにアクセスしてきた相手が本人かどうかを判断しています。そのため、盗まれたクッキーを提示された場合、ウェブサイトは攻撃者を正規の利用者と勘違いし、個人情報などの重要な情報を含むページへのアクセスを許してしまいます。これは、まるで合鍵を使って他人の家に侵入するようなものです。
このように、クッキーの盗難は、私たちが気づかないうちに重要な情報が漏洩する危険性をはらんでいます。
攻撃の手口 | 概要 | 例 |
---|---|---|
クッキーの盗難 | Webサイトの脆弱性を突いて、クッキーを盗み出す攻撃 | クロスサイトスクリプティング、中間者攻撃 |
多要素認証の迂回
– 多要素認証の迂回
近年、不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策として、パスワードに加えてもう一つの要素を用いる多要素認証が広く普及しています。この追加要素は、スマートフォンに送信される一時的な暗証番号や、指紋認証、顔認証など、様々な形をとります。
多要素認証は強固なセキュリティ対策として有効ですが、それでも完全に安全というわけではありません。「パス・ザ・クッキー」攻撃は、この多要素認証をくぐり抜けてしまう可能性を秘めた、危険な攻撃手法なのです。
パス・ザ・クッキー攻撃では、攻撃者は既に認証を済ませた利用者の端末から、「クッキー」と呼ばれる小さなデータファイルを盗み出します。クッキーには、ウェブサイトにログインした状態を保持するための情報が含まれており、攻撃者はこれを悪用することで、あたかも正規の利用者になりすましてウェブサイトにアクセスできてしまうのです。
つまり、たとえ多要素認証を設定していても、攻撃者にクッキーを盗まれてしまうと、追加の認証を突破され、重要な情報が盗み見られる危険性があります。
攻撃手法 | 概要 | 対策 |
---|---|---|
パス・ザ・クッキー攻撃 | 認証済みユーザーのクッキーを盗み出して悪用し、ウェブサイトへ不正アクセスする。 | – クッキーの盗難対策 (HTTPS通信の徹底など) – クッキーの有効期限設定 – 多要素認証の導入 |
具体的な攻撃ツール
– 具体的な攻撃ツールウェブサイトやウェブサービスの利用者のアカウント情報を不正に取得するために悪用される攻撃ツールには、様々な種類が存在します。なかでも、「パス・ザ・クッキー攻撃」と呼ばれる攻撃手法で悪用される代表的なツールとして、「Raccoon Stealer」「CookieMiner」「Evilnum」「Grandoreiro」「QakBot」「XCSSET」などが挙げられます。これらのツールは、コンピュータウイルスなどの不正プログラムの一種である「マルウェア」に分類され、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンに侵入し、利用者の情報を盗み出すという特徴があります。例えば、オンラインサービスにログインした際に、ブラウザに保存される「クッキー」と呼ばれる小さなデータファイルを盗み出すことで、攻撃者は本来アクセスできないはずのアカウントに不正にログインすることが可能になります。具体的には、盗み出したクッキー情報を利用して、オンラインバンキングに不正アクセスし、預金の不正送金を行うといった犯罪行為や、通販サイトになりすまして商品を不正に購入するといった犯罪行為などが考えられます。これらの攻撃ツールは、日々進化を遂げており、その手口も巧妙化しています。そのため、利用者は常に最新の情報を入手し、セキュリティ対策ソフトの導入やOS・ソフトウェアのアップデートなどを実施することで、自らを危険から守ることが重要です。
攻撃手法 | 概要 | 対策 |
---|---|---|
パス・ザ・クッキー攻撃 | 認証済みユーザーのクッキーを盗み出して悪用し、ウェブサイトへ不正アクセスする。 | – クッキーの盗難対策 (HTTPS通信の徹底など) – クッキーの有効期限設定 – 多要素認証の導入 |
対策
– 対策インターネット上で個人情報等を盗み見ようとする攻撃から身を守るためには、いくつもの対策を組み合わせることが重要です。まず、ウェブサイトやウェブサービスを提供する側は、システムに潜む脆弱性を解消することが重要です。ウェブサイトの機能に影響を及ぼすような攻撃や、データベースから情報を不正に取得しようとする攻撃など、様々な攻撃の手口に対応した対策を施す必要があります。そして、常に最新のソフトウェアを使用することで、新たな脆弱性が発見された際にすぐに対応できるようにしておくことが大切です。加えて、ウェブサイトと利用者の間の通信経路を暗号化する技術を導入することで、盗み見を防ぐことが有効です。これにより、仮に悪意のある第三者に通信内容を盗み見られたとしても、解読が困難になります。さらに、利用者自身も、怪しいウェブサイトへのアクセスや、身に覚えのない添付ファイルを開くといった行為は控えるべきです。このような基本的な対策を徹底することで、被害に遭うリスクを大幅に減らすことができます。セキュリティ対策は、利用者と提供者の双方による協力体制があってこそ、より強固なものとなるのです。
対策対象 | 対策内容 | 効果 |
---|---|---|
ウェブサイト・ウェブサービス提供側 | システムの脆弱性解消 | ウェブサイトへの攻撃や情報漏えいを防ぐ |
ウェブサイト・ウェブサービス提供側 | 常に最新のソフトウェアを使用する | 新たな脆弱性に対応可能にする |
ウェブサイト・ウェブサービス提供側 | 通信経路の暗号化 | 盗み見による情報漏えいを防ぐ |
利用者 | 怪しいウェブサイトへのアクセスを控える | ウイルス感染やフィッシング被害を防ぐ |
利用者 | 身に覚えのない添付ファイルを開かない | ウイルス感染やマルウェアへの感染を防ぐ |