意外と知らないCUI: あなたの情報資産を守るために

意外と知らないCUI: あなたの情報資産を守るために

セキュリティを知りたい

先生、「セキュリティを高めるための知識」で『CUI』っていう言葉が出てきたんだけど、難しくてよくわからないんだ。教えてください!

セキュリティ研究家

そうか。『CUI』は少し難しい言葉だよね。簡単に言うと、『CUI』は、国の安全を守るために、大切だけど、みんなに公開するほどではない情報を指すんだ。例えば、みんなの個人情報や、国の重要な施設の情報なんかが当てはまるね。

セキュリティを知りたい

なるほど!じゃあ、みんなに公開していい情報と『CUI』はどう違うの?

セキュリティ研究家

良い質問だね!例えば、学校のホームページに載っている情報はみんなが見られるよね?でも、『CUI』は、限られた人しか見ちゃいけない、特別な情報なんだ。だから、セキュリティを高めるためには、『CUI』をしっかり守ることが重要になるんだよ。

CUIとは。

安全性を高めるための知識として、「CUI」について説明します。「CUI」は英語の「Controlled Unclassified Information」の略で、日本語では「管理された非機密情報」や「管理された非格付け情報」などと訳されます。これは、アメリカ政府が定めた情報の区分の一つです。
CUIは、アメリカの各政府機関が扱う安全保障や原子力に関する情報のうち、機密扱いとまではいかないものの、適切に保護する必要のある情報を指します。
CUIに関する法律的な根拠は、2010年に発表された大統領令13556です。CUIは、2001年のアメリカ同時多発テロの際に、情報共有や連携がうまくいかなかったことを教訓として作られました。連邦政府、州政府、部族政府、そして各機関がそれぞれ独自に定めていた非機密情報の扱い方を統一し、より安全な情報管理を目指しています。
CUIに分類されるものとしては、重要な社会のしくみ、防衛、輸出管理、金融、移民、諜報活動、国際的な約束事、法律の執行、法律、自然や文化に関する資源、NATO、原子力、特許、個人のプライバシー、調達、企業秘密、暫定的なもの、統計、税金、輸送などがあります。
CUIの機密性を守るための情報セキュリティに関する基準書として、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が「NIST SP800-171」を発行しています。この基準書には、連邦政府以外の組織や企業がCUIを取り扱う際のセキュリティ要件が書かれています。例えば、アメリカの国防総省と契約している防衛関連の企業などは、この基準や、この基準に基づいて現在作られているCMMCという認証制度に従う必要があります。
日本の防衛省でも、2023年度から防衛産業におけるサイバーセキュリティ基準として、NIST SP800-171に準拠した規定が施行されました。
なお、防衛省が定める情報区分の中で、CUIと似たものに「注意」があります。

CUIとは

CUIとは

– CUIとはCUIとは、「管理された非機密情報」という意味で、アメリカ合衆国政府によって定められた情報区分のことを指します。機密情報のように厳重な管理は求められていませんが、漏洩した場合には国の安全や企業の利益、個人のプライバシー等に悪影響を及ぼす可能性がある情報です。私たちの身の回りにもCUIは存在しています。例えば、企業が保有する顧客情報や技術情報、金融機関が扱う口座情報、医療機関が管理する患者情報などが挙げられます。これらの情報は、機密情報と比べると公開されている範囲も広く、一見すると重要ではないように思えるかもしれません。しかし、これらの情報が悪用されると、企業活動の停滞や個人情報の漏洩、社会的な混乱を招く可能性があります。そのため、CUIは適切に管理し、漏洩や不正アクセスから守ることが重要です。具体的には、情報を扱う担当者への教育や、アクセス制限、暗号化などのセキュリティ対策を講じる必要があります。また、情報資産の重要度に応じて、適切な管理体制を構築することも大切です。CUIは、決して私たちにとって遠い存在ではありません。CUIへの理解を深め、適切な情報管理を心がけることが、安全な情報社会の実現につながると言えるでしょう。

CUIとは 特徴 リスク 具体例 対策
管理された非機密情報 (Controlled Unclassified Information) 機密情報ほどではないが、漏洩すると
国や企業、個人に悪影響を与える可能性がある情報
企業活動の停滞
個人情報の漏洩
社会的な混乱
顧客情報
技術情報
口座情報
患者情報
担当者教育
アクセス制限
暗号化
情報資産に応じた適切な管理体制の構築

CUIの背景

CUIの背景

– CUIの背景

CUIが制定された背景には、2001年の米国同時多発テロ事件が大きく影響しています。この未曾有の事態において、政府機関間や関係機関の情報共有がうまく機能しなかったことが、事件後の検証で明らかになりました。テロを未然に防ぐためには、組織の壁を超えて、情報を共有し、分析することが不可欠だったにもかかわらず、当時のアメリカには、その仕組みが十分に整っていなかったのです。

この事件を教訓に、アメリカ政府は、機密情報に限らず、国家の安全や国民の生活を守るために重要な情報は適切に保護しなければならないという意識を強めました。そして、従来の機密情報の区分に加えて、新たにCUIという枠組みを設け、より広範囲な情報を適切に管理しようという動きが始まりました。

CUIは、政府機関だけでなく、民間企業や団体との情報共有も視野に入れた制度です。現代社会において、様々な脅威から国家や国民を守るためには、官民が連携し、情報を共有することが重要となっています。CUIは、安全な情報共有の基盤となり、より強固な国家 security体制の構築に貢献することが期待されています。

背景 詳細
米国同時多発テロ事件 (2001年)
  • 政府機関間や関係機関の情報共有の不備が露呈。
  • 組織の壁を超えた情報共有と分析の必要性が認識された。
教訓と対応
  • 国家安全保障や国民生活の保護のため、機密情報に限らず重要な情報の適切な保護の必要性が高まった。
  • 従来の機密情報の区分に加え、より広範囲な情報を管理するCUIという枠組みを導入。
CUIの目的
  • 政府機関だけでなく、民間企業や団体との情報共有を視野に入れた制度。
  • 官民の情報共有を促進し、国家 security 体制の強化を目指す。

CUIの種類

CUIの種類

– CUIの種類

CUI (Controlled Unclassified Information 管理対象外の重要情報)は、国の重要な資産や活動を保護するために、適切に管理する必要がある情報の総称です。

一口にCUIといっても、その対象は多岐に渡り、大きく分けて重要インフラ、防衛、輸出管理、金融、移民といったカテゴリーに分類されます。

それぞれのカテゴリーは、さらに詳細なサブカテゴリーに分けられています。例えば、「重要インフラ」であれば、電気、ガス、水道といったエネルギー関連や、鉄道、航空、船舶といった交通網など、私たちの生活に欠かせない社会インフラに関する情報が含まれます。

また、「防衛」に関する情報には、軍事技術や作戦計画、兵器の設計図など、国の安全保障に関わる機密性の高い情報が含まれます。

このように、CUIは扱う情報の種類や機密性に応じて、適切な保護レベルが設定されています。特に、重要インフラや防衛に関する情報は、テロやサイバー攻撃の標的となる可能性が高いため、厳重なセキュリティ対策が求められます。

CUIを適切に保護することは、国の安全や国民の生活を守る上で非常に重要です。そのため、CUIを取り扱う際には、その種類や機密性に応じた適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

CUIカテゴリー 説明
重要インフラ 国民生活や社会経済活動の基盤となる重要インフラに関する情報 エネルギー(電気、ガス、水道など)、交通(鉄道、航空、船舶など)、通信、金融
防衛 国の安全保障に関わる機密性の高い情報 軍事技術、作戦計画、兵器の設計図など
輸出管理 国際的な安全保障の観点から輸出が規制される技術や製品に関する情報 武器、軍事技術、大量破壊兵器関連技術など
金融 金融システムの安定や国家経済の安全に影響を与える可能性のある情報 金融機関の機密情報、市場取引情報、政府の経済政策など
移民 個人のプライバシーや国家の安全に関わる移民に関する情報 パスポート情報、ビザ情報、犯罪歴など

CUIを守る重要性

CUIを守る重要性

– CUIを守る重要性CUI(機密性が高い情報)は、企業の競争力や国家の安全保障に直結する重要な情報資産です。もし、CUIが漏えいしてしまうと、企業は大きな損失を被る可能性があります。顧客からの信頼を失い、経済的な損失を被るだけでなく、企業の存続さえ危ぶまれる事態になりかねません。また、国家レベルでは、CUIの漏えいが国家安全保障上の脅威となり、国民の生活にも影響が及ぶ可能性があります。 例えば、企業が開発した新製品の設計図や、顧客の個人情報、企業の財務情報などがCUIに該当します。これらの情報が悪意のある第三者に渡ってしまうと、製品のコピーや販売妨害、個人情報の悪用、詐欺などに悪用される危険性があります。また、国家の安全保障に関わる機密情報や防衛に関する情報などが漏えいした場合、国家の安全が脅かされ、国民の生命や財産に危険が及ぶ可能性も考えられます。このように、CUIを適切に保護することは、企業や組織にとって、その存続と信頼を守るための非常に重要な責務と言えるでしょう。

区分 情報漏えいによるリスク 具体的な情報漏えいの例
企業
  • 顧客からの信頼喪失
  • 経済的損失
  • 企業の存続危機
  • 新製品の設計図
  • 顧客の個人情報
  • 企業の財務情報
国家
  • 国家安全保障上の脅威
  • 国民生活への影響
  • 国家の機密情報
  • 防衛に関する情報

NIST SP 800-171

NIST SP 800-171

– NIST SP 800-171重要情報を守るためのセキュリティ対策

企業や組織にとって、顧客情報や技術情報など、重要情報を守ることは非常に重要です。特に、近年増加しているサイバー攻撃からこれらの情報を守るためには、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

重要な情報の保護対策として、米国国立標準技術研究所(NIST)が発行する「NIST SP 800-171」が国際的に広く参照されています。この基準は、アメリカ合衆国連邦政府機関以外のシステムや組織が、連邦政府の機密情報を取り扱う際に求められるセキュリティ要件を定めたものです。具体的には、アクセス制御、暗号化、リスクアセスメントなど、多岐にわたるセキュリティ対策が規定されています。

NIST SP 800-171は、アメリカだけでなく、日本国内においても重要なセキュリティ基準として認識されています。例えば、防衛省では、NIST SP 800-171を参考に、防衛産業におけるサイバーセキュリティ基準を策定しています。この基準では、アメリカの機密情報に準ずる情報として「注意」区分を設け、その保護レベルをNIST SP 800-171に準拠させています。

このように、NIST SP 800-171は、重要情報を保護するための国際的な基準として、世界中で広く採用されています。企業や組織は、この基準を参考に自社のセキュリティ対策を見直し、より強固なセキュリティ体制を構築していくことが重要です。

NIST SP 800-171とは 概要
目的 アメリカ合衆国連邦政府機関以外のシステムや組織が、連邦政府の機密情報を取り扱う際に求められるセキュリティ要件を規定
対象 企業や組織
内容 アクセス制御、暗号化、リスクアセスメントなど、多岐にわたるセキュリティ対策
国際的な影響力 アメリカだけでなく、日本を含む世界中で、重要情報を保護するためのセキュリティ基準として参照されている

私たちができること

私たちができること

– 私たちができること

重要な情報が漏えいしてしまうことを防ぐには、企業や組織の取り組みだけでなく、私たち一人ひとりの意識と行動が欠かせません。 なぜなら、情報を持つ私たち自身が、その情報の見方や扱い方を理解し、責任ある行動をとることが重要だからです。

まずは、どのような情報が大切で、守るべきなのかを知ることから始めましょう。普段何気なく目にしている情報の中にも、取り扱いを間違えると、自分や周りの人に迷惑をかけてしまうものが多くあります。個人情報や企業秘密など、具体的な例を挙げて、どのような情報が大切なのかを学び、適切に扱う意識を高めることが大切です。

そして、日頃からできる対策として心がけたいのが、パスワードの管理です。同じパスワードを使い回したり、簡単なものに設定したりすることは大変危険です。推測されにくい、複雑なパスワードを設定し、定期的に変更することが重要です。また、インターネットを使う際には、不審なメールやウェブサイトには細心の注意を払い、不用意に情報を入力したり、ファイルを開いたりしないようにしましょう。

一人ひとりの小さな心がけが、大きな事故を防ぐことに繋がります。私たち一人ひとりが情報の重要性を認識し、適切な対策を実践することで、安全で安心できる情報社会を築いていきましょう。

情報漏えい対策 具体的な行動
重要な情報の認識
  • 個人情報や企業秘密など、守るべき情報を理解する
  • 情報の適切な扱い方を学ぶ
パスワード管理の徹底
  • 同じパスワードの使い回しは避ける
  • 推測されにくい複雑なパスワードを設定する
  • パスワードを定期的に変更する
インターネット利用時の注意
  • 不審なメールやウェブサイトを開かない
  • 不用意に情報を入力したり、ファイルを開いたりしない
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