サイバー攻撃対策の鍵!STIXで脅威情報を共有しよう

サイバー攻撃対策の鍵!STIXで脅威情報を共有しよう

セキュリティを知りたい

先生、「STIX」ってなんですか? セキュリティを高めるための知識として重要らしいんですけど、よくわかりません。

セキュリティ研究家

「STIX」は、攻撃者やマルウェアなどの脅威情報を分かりやすくまとめて、みんなで共有するための共通の書き方のことだよ。 例えば、悪さをする人の情報を共有するのに、みんなバラバラの書き方だと困るよね?そこで「STIX」を使うことで、誰が読んでも理解できるように情報を整理できるんだ。

セキュリティを知りたい

なるほど!共通の書き方があるんですね。でも、なんでそれがセキュリティを高めることに繋がるんですか?

セキュリティ研究家

脅威情報を「STIX」を使って共有することで、いち早く危険な攻撃やマルウェアの情報を知ることができるんだ。そうすれば、事前に対策をしたり、被害を防いだりすることができるよね。だからセキュリティを高めるために重要なんだよ。

STIXとは。

安全性を向上させるための知識として、『STIX』というものがあります。『STIX』は、正式には「脅威情報構造化記述形式」と呼ばれ、攻撃者を特定するための情報や、悪意のあるプログラムに関する情報など、脅威に関する情報を集めて分析し、共有するための共通の言葉として作られた規格です。この『STIX』は、『TAXII』(信頼できる情報自動交換)という、情報を共有するための仕組みを使って運用されています。サイバー脅威に関する情報を提供するサービスでは、通常、『STIX』形式で情報が記載されています。アメリカ合衆国土安全保障省は、国の機関や民間企業に向けて、『STIX』を使った脅威情報提供サービスを行っています。また、脅威情報提供サービスを提供する会社も、『STIX』を活用しています。

脅威情報共有の重要性

脅威情報共有の重要性

– 脅威情報共有の重要性近年、悪意のある攻撃を仕掛けてくる者の手口は、より巧妙かつ複雑化しており、企業や組織は常に最新の脅威情報を把握し、それらへの対策を継続的に講じることが不可欠となっています。しかし、日々生み出される膨大な量の脅威情報の中から、自組織にとって本当に必要な情報を選び出し、迅速に活用することは容易ではありません。そこで重要となるのが、脅威情報を関係者間で共有する取り組みです。自組織だけで脅威に対処しようとするのではなく、他の組織と情報を共有し、互いに協力することで、より効果的に攻撃を防ぐことができます。脅威情報共有の枠組みとして注目されているのが「STIX」です。これは、脅威情報を標準化された形式で記述・交換するための枠組みであり、組織間での情報共有をスムーズに行うことができます。STIXを用いることで、最新の攻撃の手口や脆弱性に関する情報などを、迅速かつ正確に共有することが可能となり、より効果的なセキュリティ対策の実施に繋がります。脅威情報共有は、セキュリティ対策においてもはや無視できない要素となっています。組織は、積極的に情報共有の取り組みへ参加し、最新の脅威情報を入手・活用することで、自組織の安全性をより確実なものにする必要があります。

脅威情報共有の重要性 具体的な対策
攻撃の手口が複雑化しており、最新の脅威情報把握と対策が不可欠 関係者間で脅威情報を共有する
膨大な脅威情報から必要なものを見つけ出すのが困難 脅威情報共有の枠組み「STIX」の活用
組織単独では効果的な攻撃防御が難しい 標準化された形式での情報交換

STIXとは

STIXとは

– STIXとはサイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、組織間で脅威に関する情報を共有し、迅速に対応することが重要となっています。しかし、従来の脅威情報の共有は、文章での報告が主流であり、情報を受け取る側が内容を理解するのに時間がかかったり、誤解が生じたりする可能性がありました。また、膨大な量の情報を効率的に分析することも困難でした。このような課題を解決するために生まれたのが-STIX (Structured Threat Information eXpression)- です。STIXは、サイバー脅威情報を構造化されたデータとして表現するための標準言語です。従来の文章による表現ではなく、共通のデータ形式で脅威情報を記述することで、組織間での共有や機械による自動処理を容易にします。具体的には、攻撃者の行動、マルウェアの特性、脆弱性情報などを、事前に定義された項目と関係性に基づいて記述していきます。例えば、マルウェアが使用する通信先やファイルのハッシュ値、攻撃が観測された日時などを特定の形式で記録することで、セキュリティシステムで直接読み込んで活用することが可能となります。STIXの利用により、セキュリティ対策の自動化、脅威分析の効率化、迅速なインシデント対応などが期待できます。

項目 内容
STIXの定義 サイバー脅威情報を構造化されたデータとして表現するための標準言語
STIXの目的 組織間での脅威情報の共有を容易にし、機械による自動処理を可能にする
従来の課題 文章での情報共有による、理解の遅れや誤解、膨大な情報の非効率な分析
STIXの特徴 攻撃者の行動、マルウェアの特性、脆弱性情報などを事前に定義された項目と関係性に基づいて記述
STIXのメリット セキュリティ対策の自動化、脅威分析の効率化、迅速なインシデント対応

STIXがもたらすメリット

STIXがもたらすメリット

– STIXがもたらすメリットSTIXは、セキュリティ対策に多くの利点をもたらします。まず、セキュリティ対策システムとの連携を容易にする点が挙げられます。STIXは、脅威情報を標準化された形式で記述するため、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)などのシステムに容易に取り込むことができます。これにより、脅威情報の分析や対応を自動化し、より効率的にセキュリティ対策を実施することが可能となります。また、組織間の情報共有を促進する効果も期待できます。従来、組織間で脅威情報を共有する際には、それぞれの組織が独自の形式で情報を記述していたため、情報の解釈や共有に時間がかかっていました。しかし、STIXを用いることで、異なる組織間でも共通の言語で脅威情報を交換できるため、スムーズな情報共有と連携した対策が可能となります。さらに、STIXは柔軟性が高く、新たな脅威や攻撃手法にも対応しやすいという特徴も持ち合わせています。これは、セキュリティ対策において非常に重要な要素であり、進化し続けるサイバー攻撃から組織を守るために大きく貢献します。このようにSTIXは、セキュリティ対策の効率化、組織間の連携強化、そして将来への対応力向上といった多くのメリットをもたらします。

メリット 詳細
セキュリティ対策システムとの連携を容易にする STIXは脅威情報を標準化するため、SIEMなどのシステムに容易に取り込むことができ、分析や対応の自動化を促進します。
組織間の情報共有を促進する 共通の言語で脅威情報を交換できるため、スムーズな情報共有と連携した対策が可能となります。
柔軟性が高く、新たな脅威や攻撃手法にも対応しやすい 進化し続けるサイバー攻撃から組織を守るために大きく貢献します。

STIXの活用事例

STIXの活用事例

– STIXの活用事例STIXは、セキュリティ対策の現場において様々な場面で活用されています。-# セキュリティ対策の強化セキュリティ対策を担う企業では、日々新たに発見される脅威に関する情報をいち早く顧客に提供し、顧客のシステムやデータを保護することが求められます。こうした企業では、STIX形式で最新の脅威情報を提供することで、顧客企業におけるセキュリティ対策の強化を支援しています。顧客企業は、受け取った情報を自社のセキュリティシステムに取り込むことで、最新の脅威への対策を迅速に実施することが可能になります。-# 脅威情報の共有と連携近年、業界団体や政府機関が主導して、組織の垣根を越えた脅威情報の共有が進められています。これは、攻撃者が高度化し、ある組織だけで対策することが困難になっているためです。STIXは、異なる組織間で脅威情報を共有するための共通言語としての役割を担っており、業界全体や国家レベルでのセキュリティ対策の底上げに貢献しています。-# 企業内での情報伝達企業内においても、STIXはセキュリティ対策チーム間で脅威情報を共有する際に役立ちます。従来は、文章や表計算ソフトを用いて脅威情報が共有されていましたが、情報の内容が曖昧になったり、更新が追いつかなくなるなどの問題がありました。STIXを用いることで、脅威情報を正確かつ効率的に共有することが可能となり、より迅速で効果的なセキュリティ対策を実施できるようになります。

活用場面 内容
セキュリティ対策の強化 セキュリティ企業が顧客に最新の脅威情報をSTIX形式で提供し、顧客のセキュリティ対策強化を支援
脅威情報の共有と連携 業界団体や政府機関が主導し、組織間で脅威情報を共有。STIXは共通言語としての役割を担う
企業内での情報伝達 セキュリティ対策チーム間で脅威情報を正確かつ効率的に共有。迅速で効果的な対策実施が可能に

TAXIIとの連携

TAXIIとの連携

– TAXIIとの連携脅威情報を標準的に記述するSTIXと密接に連携しているのが、TAXII(Trusted Automated Exchange of Intelligence Information)です。TAXIIは、その名の通り、STIXで記述された脅威情報を安全に交換するためのプロトコルです。従来の脅威情報の共有は、メールや電話といった方法に頼ることが多く、情報共有の速度や効率性に課題がありました。また、情報のフォーマットが統一されていないため、受け取った情報を分析システムに自動的に取り込むことが難しいという問題もありました。そこで、STIXとTAXIIを組み合わせることで、これらの課題を解決することができます。STIXで記述された脅威情報は、TAXIIによって自動的に、かつ安全に交換されるため、より効率的かつ迅速な情報共有が実現できます。例えば、ある企業が新たなマルウェアを発見した場合、その情報をSTIX形式で記述し、TAXIIサーバーに送信します。すると、そのTAXIIサーバーに接続している他の企業や組織は、自動的にその情報を受信し、自社のセキュリティ対策に役立てることができます。このように、STIXとTAXIIは、脅威情報の共有をより安全かつ効率的に行うための重要な技術として注目されています。

項目 内容
TAXII(Trusted Automated Exchange of Intelligence Information)とは STIXで記述された脅威情報を安全に交換するためのプロトコル
従来の情報共有の課題 – メールや電話に依存し、速度と効率性に課題
– 情報フォーマットが統一されておらず、自動処理が困難
STIXとTAXIIの連携によるメリット – 自動的かつ安全な脅威情報交換
– 効率的かつ迅速な情報共有
利用例 – 新たなマルウェア発見の情報共有
– セキュリティ対策への活用
重要性 脅威情報の共有をより安全かつ効率的に行うための重要な技術

まとめ

まとめ

昨今、悪意のある第三者によるインターネットを介した攻撃やデータの不正取得といった、いわゆるサイバー攻撃の脅威は、日に日に深刻さを増しています。こうした状況下において、組織が自身の防衛壁を強固なものとするだけでなく、異なる組織間でサイバー攻撃に関する情報を共有し、連携した対策を講じることが不可欠となっています。

そうした中、STIX(Structured Threat Information eXpression)は、組織の垣根を越えて脅威情報を共有するための共通言語として、重要な役割を担っています。STIXは、サイバー攻撃に関する情報を構造化されたデータとして表現するための標準規格であり、これにより、異なる組織間での情報交換が円滑に行えるようになります。

STIXを用いることで、組織は最新のサイバー攻撃の手口や、新たに発見された脆弱性に関する情報などを、リアルタイムで入手することが可能となります。そして、これらの情報を元に、自組織のセキュリティ対策を迅速に見直し、強化することができます。

今後、サイバー攻撃の脅威はさらに深刻化することが予想され、それに伴い、STIXの重要性はますます高まっていくと考えられます。多くの組織がSTIXを導入し、脅威情報共有の輪が広がっていくことで、より安全なサイバー空間の実現に繋がることが期待されます。

サイバー攻撃の脅威への対策 説明
組織間連携の必要性 サイバー攻撃の脅威に対抗するために、組織間の情報共有と連携した対策が重要。
STIXの役割 組織間で脅威情報を共有するための共通言語として機能し、異なる組織間での情報交換を円滑にする。
STIXのメリット 最新のサイバー攻撃の手口や脆弱性に関する情報をリアルタイムで入手可能にする。
今後の展望 サイバー攻撃の脅威の深刻化に伴い、STIXの重要性はさらに高まり、多くの組織での導入が期待される。
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