広がる脅威から守る!TPRMのススメ

広がる脅威から守る!TPRMのススメ

セキュリティを知りたい

先生、「TPRM」って最近よく聞くんですけど、どんなものなんですか?

セキュリティ研究家

「TPRM」は、周りの組織による危険を防ぐためのものだよ。取引先や、グループ会社、システムを頼んでいる会社からの情報流出といった危険を、見つけて、考えて、対処していくんだ。

セキュリティを知りたい

周りの組織から情報が漏れることもあるんですか?

セキュリティ研究家

そうなんだ。例えば、システムを頼んでいる会社が攻撃されて、そこから自分の会社の情報が漏れることもある。だから、周りの組織の安全も大切なんだよ。

TPRMとは。

安全性を高めるための知恵として、『TPRM』というものがあります。これは、『第三者リスク管理』と言い換えられます。これは、自分たちの組織に関わる第三者を含めた危険を見つけて、その大きさを測り、対処していく流れのことを指します。インターネット上の安全を守る世界では、商品の流れや関連会社、グループ会社への攻撃や、コンピューター関係の会社やインターネット上のサービスに対する攻撃などが、この『TPRM』で管理すべき危険として挙げられます。

企業を守るために

企業を守るために

現代社会において、企業活動はますます複雑化し、多くの外部パートナーとの連携なしには事業を成り立たせることが難しくなっています。取引先や委託業者との電子データ交換、クラウドサービスの利用など、その形態も多岐にわたります。こうした外部パートナーとの連携は、企業にとって効率性や利便性を大幅に向上させる一方で、新たなリスクをもたらす可能性も孕んでいます。それが、サードパーティリスクと呼ばれるものです。

サードパーティリスクとは、取引先や委託業者など、外部パートナーのセキュリティ対策が不十分であるために発生する情報漏洩やシステム障害などのリスクを指します。ひとたび外部パートナーのセキュリティ対策に脆弱性が発見され、サイバー攻撃の標的となってしまうと、そこから自社システムへの不正アクセスや機密情報の窃取といった深刻な被害に繋がる可能性があります。企業は、自社のセキュリティ対策を万全にするだけでは十分ではなく、外部パートナーのセキュリティ対策状況を把握し、適切な対策を講じることが重要となります。

具体的には、契約締結前にセキュリティ基準を満たしているかを確認したり、定期的なセキュリティ監査の実施、セキュリティに関する情報共有などを実施する必要があります。また、万が一、外部パートナーにおいてセキュリティ事故が発生した場合に備え、インシデント対応計画を策定しておくことも重要です。

リスク 内容 対策
サードパーティリスク 取引先や委託業者など、外部パートナーのセキュリティ対策が不十分であるために発生する情報漏洩やシステム障害などのリスク
  • 契約締結前にセキュリティ基準を満たしているかを確認
  • 定期的なセキュリティ監査の実施
  • セキュリティに関する情報共有
  • インシデント対応計画の策定

TPRMとは

TPRMとは

– TPRMとは-# TPRMとは昨今、企業活動において、顧客データの分析やシステムの運用など、多くの業務を外部のパートナー企業に委託することが一般的になっています。しかし、それは同時に、自社の管理が及ばないところで、情報漏えいやセキュリティ侵害などのリスクが生じる可能性を高めることにもなります。 TPRM(Third Party Risk Managementサードパーティリスクマネジメント)とは、まさにこうした外部パートナー企業から生じるリスクを特定し、適切に管理するプロセスを指します。具体的には、まず、取引開始前に、パートナー企業のセキュリティ対策状況や、過去に情報漏えいなどの問題を起こしたことがあるかなどを調査し、リスクを洗い出す作業を行います。次に、洗い出したリスクが自社にとってどの程度の大きさの影響があるのかを評価します。そして、リスクの大きさや自社の許容範囲に応じて、セキュリティ対策の強化を要請したり、契約内容に情報セキュリティに関する条項を盛り込んだり、場合によっては取引を見送るといった対応策を講じます。TPRMは、決して一度実施すれば終わりではありません。外部環境やパートナー企業の状況は常に変化するため、定期的にリスクの評価と対応策の見直しを行う必要があります。また、万が一、情報漏えいなどの問題が発生した場合に備え、迅速に対応できる体制を構築しておくことも重要です。このように、TPRMは、企業が安全な事業活動を継続していく上で、非常に重要な取り組みと言えるでしょう。

TPRMの定義 TPRMのプロセス
外部パートナー企業から生じるリスクを特定し、適切に管理するプロセス 1. パートナー企業のリスク調査
2. リスクの評価
3. 対応策の実施
4. 定期的な見直しと改善

リスクの具体例

リスクの具体例

– リスクの具体例

企業が直面するセキュリティリスクは多岐に渡り、その影響は計り知れません。ここでは、具体的にどのようなリスクが存在するのか、いくつかの例を挙げて見ていきましょう。特に近年、企業間の連携が深まる中で、取引先などを経由した攻撃が増加傾向にあります。これは、サプライチェーン攻撃と呼ばれ、自社のセキュリティ対策が万全であっても、取引先のセキュリティが脆弱であれば、そこから侵入されてしまう可能性があることを意味します。

例えば、取引先企業のシステムに不正アクセスを行い、そこから自社のシステムに侵入するといったケースが考えられます。また、業務委託している企業のセキュリティ対策が不十分なために、顧客情報などの機密情報が漏洩してしまうリスクも存在します。近年、多くの企業が導入を進めているクラウドサービスも、そのセキュリティレベルによっては大きなリスクとなります。信頼できるサービス提供者を選定し、適切な設定を行うことが重要です。

これらのリスクは、企業の規模や業種に関わらず、誰にとっても他人事ではありません。自社のセキュリティ対策はもちろんのこと、取引先や委託先のセキュリティ状況も把握し、サプライチェーン全体でセキュリティレベルを高めていくことが重要と言えるでしょう。

リスク 説明
サプライチェーン攻撃 取引先など、関係機関を介した攻撃 ・取引先のシステムに不正アクセスし、自社システムに侵入
・業務委託先のセキュリティ不備による顧客情報漏洩
クラウドサービスのセキュリティリスク 利用するクラウドサービスのセキュリティレベルが低い場合に発生するリスク サービス提供者のセキュリティ対策不足によるデータ漏洩

TPRMの重要性

TPRMの重要性

– TPRMの重要性

今日のビジネス環境において、企業は多くの外部パートナーと連携し、複雑なサプライチェーンを構築しています。このため、自社だけのセキュリティ対策をいくら強化しても、取引先企業のセキュリティ対策に抜け穴があれば、そこから攻撃を受け、企業の情報資産が危険にさらされる可能性があります。 企業がどれほどセキュリティ対策を施していても、取引先企業のセキュリティ体制が脆弱であれば、そこが突破口となり、全体が危険にさらされる可能性があるのです。

近年、このようなサプライチェーンの脆弱性を突いたサイバー攻撃が増加しており、大きな被害をもたらしています。こうした攻撃から企業を守るために、TPRM(第三者リスク管理)の重要性がますます高まっています。

TPRMとは、取引先企業のリスクを特定し、評価、管理する一連のプロセスを指します。具体的には、取引開始前のセキュリティ評価、契約内容の明確化、定期的なセキュリティ監査、インシデント発生時の対応などを行い、サプライチェーン全体としてのセキュリティレベル向上を目指します。

TPRMを適切に実施することで、企業はサプライチェーン全体のリスクを可視化し、適切な対策を講じることができます。その結果、サイバー攻撃による被害を最小限に抑え、企業の信頼と顧客の情報を守ることができます。

課題 対策 効果
取引先のセキュリティ対策の脆弱性によるリスク TPRM(第三者リスク管理)の実施

  • 取引開始前のセキュリティ評価
  • 契約内容の明確化
  • 定期的なセキュリティ監査
  • インシデント発生時の対応
  • サプライチェーン全体のリスクの可視化
  • 適切なセキュリティ対策の実施
  • サイバー攻撃による被害の最小限化
  • 企業の信頼と顧客情報の保護

まとめ

まとめ

現代のビジネスにおいて、異なる企業と協力し、互いの強みを生かしながら目標を達成する、いわゆるパートナーシップは欠かせない戦略となっています。しかし、その一方で、外部との連携が増えるほど、セキュリティ上のリスクも増大するという側面も否定できません。顧客情報や企業秘密といった重要な情報が、パートナー企業を通じて漏洩してしまうリスクは、近年ますます深刻化しています。
このような状況の中、TPRM(第三者リスク管理)は、企業が安全なビジネス環境を構築し、持続的な成長を実現するために不可欠な取り組みとして注目されています。TPRMとは、取引先や委託先など、外部の第三者によって引き起こされる可能性のあるリスクを特定し、評価、管理する一連のプロセスを指します。具体的には、セキュリティ対策のレベルや情報管理体制などを事前に審査することで、潜在的なリスクを洗い出し、適切な対策を講じることで、情報漏えいやセキュリティ事故を未然に防ぐことを目指します。
TPRMは、企業にとって単なる義務ではなく、企業の信頼を守り、競争力を維持するための戦略的な投資と言えるでしょう。企業は、TPRMの重要性を深く認識し、経営戦略の一環として、積極的に取り組んでいくべきです。

テーマ ポイント
パートナーシップのリスク 企業間連携の増加に伴い、顧客情報や企業秘密漏洩のリスクが高まっている。
TPRMの重要性 第三者リスクを管理し、安全なビジネス環境を構築するために不可欠。情報漏えいやセキュリティ事故の予防につながる。
TPRMとは 取引先など、第三者によるリスクを特定・評価・管理するプロセス。事前にセキュリティ対策レベルや情報管理体制を審査し、適切な対策を講じる。
TPRMの効果 企業の信頼を守り、競争力を維持するための戦略的な投資。
タイトルとURLをコピーしました