セキュリティ対策の基礎!リスクアセスメントのススメ

セキュリティ対策の基礎!リスクアセスメントのススメ

セキュリティを知りたい

「アセスメント」って、セキュリティを高めるために大切って聞いたんだけど、具体的に何をすることなの?

セキュリティ研究家

良い質問だね!「アセスメント」は、簡単に言うと「危険になりそうなことをあらかじめ調べて、その危険度を評価すること」だよ。

セキュリティを知りたい

うーん、例えばどんなことを調べるの?

セキュリティ研究家

例えば、会社の重要な情報が入ったコンピューターに、誰かが勝手にアクセスできないか、パスワードが簡単に推測できないかなどを調べて、その危険性を評価するんだ。そうすることで、事前に対策を打てるようになるんだよ。

アセスメントとは。

安全性を高めるための知識の一つに、「アセスメント」というものがあります。アセスメントは、本来は英語で「課税」や「査定」「税額」といった意味を持つ言葉ですが、情報技術の分野では「評価する」「査定する」という意味合いで使われることが多くなっています。例えば、安全対策の一つとして使う場合は、起こりうる事故や攻撃による危険性を事前に調べて、評価することを「セキュリティリスクアセスメント」と言います。 CSIRTと呼ばれる、組織の情報セキュリティ対策を行うチームを作る際には、必ずこの評価結果に基づいて活動方針を作る必要があります。

リスクアセスメントとは

リスクアセスメントとは

– リスクアセスメントとは

情報システムやネットワークは、企業にとって欠かせないものとなっています。しかし、これらのシステムは常に、不正アクセスや情報漏えいといった様々な脅威にさらされています。このような脅威から大切な情報を守るためには、適切な対策を講じる必要があります。

リスクアセスメントは、情報資産やシステムが抱えるリスクを分析し、評価するプロセスです。具体的には、まず、どのような情報資産がどのような脅威にさらされているのかを洗い出します。顧客情報や技術情報といった機密情報はもちろんのこと、システムの停止によって業務に支障が出る可能性も考慮する必要があります。

次に、それぞれの脅威が現実になった場合、どの程度の損害が発生するのか、その影響度を評価します。情報漏えいによる顧客離れや、システム停止による機会損失など、金銭的な損失だけでなく、社会的信用の失墜といった目に見えない損失も考慮することが重要です。

さらに、それぞれの脅威が発生する可能性はどのくらいあるのか、その発生確率を評価します。過去の事例や業界の動向などを参考に、総合的に判断します。

リスクアセスメントの結果に基づいて、費用対効果を考慮しながら、適切な対策を講じることが重要です。例えば、影響度が大きく、発生確率も高いリスクに対しては、重点的に対策を講じる必要があります。

ステップ 内容 詳細
1. リスク特定 情報資産と脅威を洗い出す – 顧客情報、技術情報などの機密情報
– システム停止による業務への支障
2. リスク分析 脅威による損害の影響度を評価 – 金銭的損失(顧客離れ、機会損失など)
– 社会的信用の失墜
3. リスク評価 脅威の発生確率を評価 – 過去の事例
– 業界の動向
4. 対策 リスクアセスメント結果に基づき、費用対効果を考慮して対策 – 影響度と発生確率の高いリスクに重点的に対策

リスク特定の重要性

リスク特定の重要性

– リスク特定の重要性

情報セキュリティにおいて、先手を打って対策を講じることは非常に大切です。そのためには、まずどのような危険が存在し、何が狙われる可能性があるのかを把握しなければなりません。

リスク特定とは、まさにこの「潜在的な危険を洗い出す」プロセスを指します。システムや情報資産、そしてその周囲を取り巻く環境を詳しく調査し、どのようなリスクが潜んでいるのかを明らかにします。

例えば、顧客の個人情報が大量に保管されたデータベースを運用している企業の場合、外部からの不正アクセスによって情報が漏洩するリスクが考えられます。また、システム障害によってサービスが停止し、顧客に迷惑をかけるリスク、地震や洪水などの自然災害によってデータセンターが被害を受け、業務が継続できなくなるリスクなども想定されます。

このように、リスクは多岐に渡る可能性があります。重要なのは、「もしも~が起こったら?」という視点を持ち、あらゆる可能性を考慮しながら、網羅的にリスクを洗い出すことです。

リスク特定は、セキュリティ対策の最初のステップであり、その後の対策の効果を左右する重要なプロセスと言えます。

リスク対象 リスクの内容 リスク発生時の影響
顧客の個人情報が大量に保管されたデータベース 外部からの不正アクセスによる情報漏洩 顧客の個人情報漏洩による損害、企業の信頼失墜など
システム システム障害によるサービス停止 顧客へのサービス提供の停止による機会損失、企業の信頼失墜など
データセンター 地震や洪水などの自然災害による被害 業務の停止、データの損失など

影響度と発生確率の評価

影響度と発生確率の評価

– 影響度と発生確率の評価

セキュリティ対策において、あらゆるリスクに同じレベルで対応するのは効率的ではありません。そこで重要となるのが、リスクごとに「影響度」「発生確率」を評価することです。

影響度とは、そのリスクが実際に起こってしまった場合、組織にどれほどの損害を与えるのかを指します。情報漏洩であれば、顧客数やデータの種類、規模によって損害額は大きく変わりますし、システム停止であれば、停止時間や影響範囲によって業務への影響度合いは大きく異なります。

一方、発生確率は、そのリスクが起こる可能性の高さを示します。最新のセキュリティ対策が施されているシステムへの不正アクセスと、対策が古いシステムへの不正アクセスでは、発生確率は大きく異なるでしょう。

これらの評価は、過去の事例や統計データ、専門家の意見などを参考に、可能な限り数値で表す「定量化」を行います。しかし、全ての事象を数値化することは難しいため、「高い」「低い」「ほぼありえない」といった言葉で表現する「定性化」も活用されます。

影響度と発生確率を評価することで、限られた資源を有効活用し、より効率的かつ効果的なセキュリティ対策を実施することが可能となります。

項目 説明 評価方法
影響度 リスクが現実になった場合の損害の大きさ
(例:情報漏洩時の顧客数、システム停止時間)
定量化(数値化)
定性化(言葉による表現)
発生確率 リスクが起こる可能性の高さ
(例:セキュリティ対策の有無による不正アクセスリスク)
定量化(数値化)
定性化(言葉による表現)

対策の検討と実施

対策の検討と実施

– 対策の検討と実施

情報資産のリスクを分析した後は、その結果をもとに適切な対策を検討し、実行に移す段階に入ります。適切な対策は、リスクの大きさや種類、そして組織の置かれている状況によって異なってきます。

対策には大きく分けて、技術的な対策と非技術的な対策の二つがあります。

技術的な対策とは、情報セキュリティに関する機器やソフトウェアを導入することで、セキュリティの脅威から情報資産を守る対策です。例えば、外部からの不正アクセスを遮断する「ファイアウォール」、コンピュータウイルスなどの不正なプログラムの侵入を防ぐ「ウイルス対策ソフト」、ネットワークを流れるデータを監視し、不正なアクセスを検知する「侵入検知システム」などがあります。

一方、非技術的な対策は、人の行動やルールに焦点を当てた対策です。具体的には、組織の情報セキュリティに関する方針や行動指針を定めた「セキュリティポリシー」の策定、従業員に対するセキュリティ意識向上のための「教育」の実施、情報資産へのアクセス権限を必要最小限に制限する「アクセス制御」などが挙げられます。

これらの対策は、単独で実施するのではなく、組み合わせて効果を発揮するように設計することが重要です。また、対策を実施する際には、費用対効果を考慮する必要があります。費用を抑えつつ、最大限の効果が得られるような対策を検討することが大切です。

対策の種類 説明
技術的対策 情報セキュリティに関する機器やソフトウェアを導入することで、セキュリティの脅威から情報資産を守る対策 – ファイアウォール
– ウイルス対策ソフト
– 侵入検知システム
非技術的対策 人の行動やルールに焦点を当てた対策 – セキュリティポリシーの策定
– 従業員に対するセキュリティ教育の実施
– アクセス制御

継続的な見直し

継続的な見直し

– 継続的な見直し

情報セキュリティの世界は常に変化し続けています。新しい技術が登場したり、攻撃の手口が巧妙化したりすることで、昨日まで安全だったものが、今日は危険にさらされる可能性もあるのです。そのため、一度行ったセキュリティ対策を、その後もずっと放置しておくことは大変危険です。

リスクアセスメントも、一度実施したらそれで終わりではありません。システムの構成変更や、新しいソフトウェアの導入など、企業活動に伴ってシステムを取り巻く環境は変化します。また、新たな脆弱性が発見されたり、これまでとは異なる攻撃手法が登場したりすることもあります。このような変化によって、セキュリティ上のリスクは時間の経過とともに変化するため、定期的にリスクアセスメントを見直すことが重要です。

具体的には、少なくとも年に一度は、あるいはシステムに大きな変更を加えたタイミングなどで、リスクアセスメントを再度実施 するようにしましょう。その際には、前回の評価結果を参考にしながら、変化した点を中心に評価を行い、必要があれば対策を修正・追加する必要があります。

このように、継続的にリスクアセスメントを実施し、状況の変化に合わせてセキュリティ対策を更新していくことが、企業の大切な情報資産を守る上で非常に重要となります。

情報セキュリティ対策のポイント 詳細
継続的な見直し 情報セキュリティの世界の変化は早く、セキュリティ対策は一度行ったら終わりではありません。定期的にリスクアセスメントを見直し、状況の変化に合わせてセキュリティ対策を更新していく必要があります。
リスクアセスメントの実施頻度 少なくとも年に一度、またはシステムに大きな変更を加えたタイミングで実施する
リスクアセスメントの内容 前回の評価結果を参考に、変化した点を評価し、必要があれば対策を修正・追加する
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