サイバー脅威情報を共有するTAXIIとは

サイバー脅威情報を共有するTAXIIとは

セキュリティを知りたい

先生、「TAXII」ってなんですか?セキュリティを高めるのに役立つって聞いたんですけど、よく分からなくて…

セキュリティ研究家

「TAXII」は、インターネット上で安全に脅威に関する情報をやり取りするための仕組みだよ。例えば、ある会社が見つけたコンピュータウイルスの情報を、他の会社と共有するときに役立つんだ。

セキュリティを知りたい

情報を共有する仕組み…インターネット上の掲示板みたいな感じですか?

セキュリティ研究家

う~ん、掲示板よりももっと厳重に管理された情報のやり取りって考えたらいいかな。特定の人たちだけがアクセスできる専用の回線みたいなイメージだね。情報をやり取りする相手や内容をきちんと管理することで、セキュリティを高めることができるんだよ。

TAXIIとは。

安全性を高めるための知識として、『TAXII』について説明します。『TAXII』は、『Trusted Automated Exchange of Intelligence Information』の略語で、インターネット上で安全に情報をやり取りするための仕組みである『HTTPS』を使って、サイバー攻撃に関する情報を共有するための決まり事です。『TAXII』は、攻撃に関する情報を集めて、情報をやり取りする装置同士で送受信を行います。また、『TAXII』の情報提供装置には、情報を受け取るための場所が用意されており、管理者はその場所に参加する人たちに情報を送ります。『TAXII』でやり取りされる情報は、『STIX』と呼ばれる形式で提供されます。

脅威インテリジェンスの共有の重要性

脅威インテリジェンスの共有の重要性

近年、悪意のある者が仕掛ける攻撃は、ますます巧妙化し複雑化しています。そのため、企業や団体は、自らの情報やシステムを守るための対策をより一層強化していく必要に迫られています。しかしながら、変化のスピードが速く、高度化する攻撃の手口や、守りを固めるべきシステムの弱点に関する情報を、自力で常に最新の状態に保つことは容易ではありません。

そこで重要となるのが、脅威に関する情報を異なる組織間で共有するという取り組みです。これは、いわば、セキュリティ対策における「情報戦」と言えるでしょう。攻撃側が様々な情報を駆使して攻撃を仕掛けてくるように、守る側も最新の情報を共有し、互いに協力することで、攻撃を未然に防いだり、被害を最小限に抑えたりすることが可能になります。

具体的には、新たに発見された攻撃の手口や、その攻撃によって悪影響を受ける可能性のあるシステムの脆弱性に関する情報などを共有します。これらの情報をいち早く入手することで、自らの組織が標的となる前に対策を講じることが可能になります。また、攻撃を受けた組織は、その経験を他の組織と共有することで、同様の被害の発生を防ぐことに貢献できます。

脅威情報の共有は、もはや一部の組織だけの取り組みではなく、セキュリティ対策の常識になりつつあります。組織の壁を越えて積極的に情報交換を行い、安全なデジタル社会の実現を目指していく必要があります。

課題 対策 効果
攻撃の巧妙化・複雑化、変化のスピードが速く、最新の情報取得が困難 脅威に関する情報を異なる組織間で共有(セキュリティ対策における「情報戦」) 攻撃の未然防止、被害の最小限化
具体的には、新たに発見された攻撃の手口や、システムの脆弱性に関する情報を共有 自組織が標的となる前に対策可能、同様の被害の発生を防ぐ

TAXIIの概要

TAXIIの概要

– TAXIIの概要-TAXII (Trusted Automated Exchange of Intelligence Information)は、サイバー攻撃に関する情報を安全かつ効率的にやり取りするための技術仕様-です。 昨今、サイバー攻撃は増加の一途を辿っており、その手口も巧妙化しています。このような状況下では、-攻撃に関する情報を組織の垣根を越えて共有し、いち早く対策を講じることが重要-となります。TAXIIは、このような情報共有を安全かつ確実に行うための枠組みを提供します。-TAXIIでは、やり取りされる情報はHTTPSという通信方式で保護されるため、情報漏洩のリスクを低減できます。-HTTPSは、ウェブサイトを閲覧する際などにも広く用いられている技術であり、高い信頼性を誇ります。さらに、-TAXIIは特定の企業や団体に依存しないオープンな規格であるため、様々な組織で利用しやすい-というメリットもあります。TAXIIを活用することで、組織は最新の脅威情報を入手し、自組織への攻撃を未然に防ぐ、あるいは被害を最小限に抑えることが可能となります。

項目 内容
概要 サイバー攻撃に関する情報を組織間で安全かつ効率的に共有するための技術仕様
目的 攻撃情報の共有による迅速な対策
メリット – HTTPSによる情報漏洩リスクの低減
– 特定企業・団体に依存しないオープンな規格による利用のしやすさ
効果 最新の脅威情報の入手による攻撃の予防や被害の最小化

TAXIIの仕組み

TAXIIの仕組み

– TAXIIの仕組み

TAXII(タクシ)は、サイバーセキュリティにおける脅威情報を共有するための仕組みです。 具体的には、組織間で脅威に関する情報を効率的かつ安全に交換することを目的としています。

TAXIIでは、情報を提供する側を「TAXIIサーバ」、情報を受け取る側を「TAXIIクライアント」と呼びます。情報を発信する側と受け取る側を明確に分けることで、役割に応じたシステム構築や運用が可能になります。

TAXIIサーバの特徴は、「チャネル」と呼ばれる情報発信の単位を設けている点です。チャネルは、特定の種類の脅威情報や特定の業界に関する情報など、テーマごとに分けられています。クライアントは自身が関心のあるチャネルにのみ参加することで、必要な情報だけを選択して受け取ることが可能になります。膨大な量の脅威情報の中から必要な情報だけを受け取ることができるため、情報過多による負担を軽減できます。

このように、TAXIIは柔軟性と効率性に優れた脅威情報共有の仕組みとして、多くの組織で活用されています。

項目 内容
定義 サイバーセキュリティ脅威情報を共有するための仕組み
目的 組織間で脅威情報を効率的かつ安全に交換する
構成要素 – TAXIIサーバ (情報提供側)
– TAXIIクライアント (情報受信側)
特徴 – 情報発信の単位を「チャネル」としてテーマ別に分類
– クライアントは必要な情報を選択受信可能
– 情報過多による負担を軽減

STIXとの連携

STIXとの連携

– STIXとの連携脅威インテリジェンス情報を共有する際には、共通のフォーマットを用いることが重要です。異なる組織間で、それぞれ独自の形式で情報をやり取りしていると、情報の解釈の違いが生じたり、誤解が生じたりする可能性があります。そこで重要となるのがSTIX(Structured Threat Information Expression)です。STIXは、脅威インテリジェンス情報を構造化して表現するための標準化された枠組みです。 TAXIIでやり取りされる脅威インテリジェンス情報は、このSTIX形式で記述されます。STIXを用いることで、攻撃者に関する情報や、使用される攻撃インフラ、具体的な攻撃手法などの様々な情報を、共通の形式で表現し、共有することが可能になります。これにより、組織間での情報共有がスムーズになり、脅威への理解を深め、より効果的な対策を立てることができるようになります。例えば、ある組織が新たなマルウェアを発見し、その特徴や攻撃手法をSTIX形式で記述して共有したとします。すると、他の組織もその情報を容易に理解し、自身のシステムに同様の攻撃が行われていないか、対策は十分かなどを確認することができます。このように、STIXは脅威インテリジェンス情報を共有するための共通言語としての役割を果たし、セキュリティ対策の強化に大きく貢献します。

項目 内容
課題 組織間で脅威インテリジェンス情報を共有する際に、フォーマットが統一されていないため、情報の解釈違いや誤解が生じる可能性がある。
解決策 STIX(Structured Threat Information Expression)を用いる。
STIXとは 脅威インテリジェンス情報を構造化して表現するための標準化された枠組み。
STIXのメリット – 攻撃者、攻撃インフラ、攻撃手法などの情報を共通の形式で表現し、共有することが可能になる。
– 組織間での情報共有がスムーズになり、脅威への理解を深め、より効果的な対策を立てることができる。
具体例 ある組織が新たなマルウェアを発見した場合、その特徴や攻撃手法をSTIX形式で記述して共有することで、他の組織は自身のシステムへの影響や対策を迅速に確認できる。

TAXIIの活用例

TAXIIの活用例

– TAXIIの活用例-脅威情報の共有をスムーズにするTAXII-TAXIIは、セキュリティ対策の要となる脅威情報を組織間で安全かつ効率的に交換するための仕組みです。では、具体的にどのような場面で活用されているのでしょうか?まず、セキュリティ対策製品やサービスを提供する企業が顧客に対して最新の脅威情報を配信する際に利用されています。日々新たに発見される脆弱性情報や攻撃の手口などの情報を、TAXIIを用いることで顧客のセキュリティシステムに直接提供します。これにより、顧客は常に最新の脅威情報を入手し、迅速な対策を講じることが可能となります。また、同業種や業界団体など、共通の脅威に直面する組織間で情報共有する際にもTAXIIは有効です。各組織が個別に脅威情報を収集するのではなく、TAXIIを通じて相互に共有することで、より網羅的な情報収集体制を構築できます。これは、近年増加傾向にある、特定の業界を狙った標的型攻撃への対策としても有効です。さらに、自社のセキュリティシステムにTAXIIのクライアント機能を実装することで、外部から提供される最新の脅威情報を自動的に取得し、防御体制を強化することができます。例えば、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策製品に、TAXIIクライアント機能を組み込むことで、最新の脅威情報に基づいたより精度の高い防御が可能となります。このように、TAXIIは様々な場面で活用され、セキュリティ対策の強化に貢献しています。脅威情報の共有と活用は、現代の複雑化するサイバー攻撃に対抗するために不可欠な要素と言えるでしょう。

活用場面 説明
セキュリティ対策製品・サービス提供企業 顧客に最新の脅威情報を配信
同業種・業界団体 共通の脅威に関する情報共有
自社セキュリティシステムへの実装 外部から最新の脅威情報を自動取得し、防御体制強化

まとめ

まとめ

近年の技術革新は目覚ましいものですが、その一方で、悪意のある者による犯罪も巧妙化しており、企業や組織はこれまでにない脅威に晒されています。日々発生する様々な脅威に対応するために、セキュリティ対策はもはや個々の組織で完結できるものではなく、同じ課題や脅威に直面する組織間で情報を共有し、共にセキュリティレベルを高めていくことが重要になっています。

このような背景から注目されているのが、脅威情報の共有を目的とした技術である「TAXII」です。TAXIIを用いることで、組織は最新の脅威情報を迅速かつ効率的に取得できるようになります。具体的には、世界中で観測された攻撃の手口や、新たに発見された脆弱性に関する情報などを共有することができます。

TAXIIは、セキュリティ対策をより効果的にし、組織の安全性を高めるための重要な鍵となります。脅威情報は、その情報量が膨大であるほど、分析や対策に時間を要し、効果が薄れてしまう可能性があります。TAXIIを活用することで、必要な情報を効率的に取得し、迅速な対応が可能になるため、より効果的なセキュリティ対策を実現できるようになります。

今後、サイバー攻撃の脅威はますます増加することが予想されます。組織は、最新の脅威情報を入手し、共有することで、変化し続ける脅威に迅速かつ効果的に対応していくことが求められます。

課題・背景 対策 効果
技術革新に伴い、サイバー攻撃が巧妙化し、組織は新たな脅威に直面している。 脅威情報の共有を目的とした技術「TAXII」の活用 – 最新の脅威情報を迅速かつ効率的に取得
– 世界中で観測された攻撃の手口や、新たに発見された脆弱性に関する情報などを共有
– より効果的なセキュリティ対策の実現
タイトルとURLをコピーしました