ネットワークの基礎知識~トランスポート層を理解する~

ネットワークの基礎知識~トランスポート層を理解する~

セキュリティを知りたい

先生、「トランスポート層」って、セキュリティを高めるのにどう関係しているんですか?

セキュリティ研究家

良い質問だね!「トランスポート層」は、データのやり取りを安全に行うための大切な役割を担っているんだ。例えば、データが正しく送達されたかを確認したり、データが盗み見られないように暗号化したりする機能があるんだよ。

セキュリティを知りたい

へえー、そうなんですね!具体的に、どんな風に暗号化してるんですか?

セキュリティ研究家

「トランスポート層」では、よく「TLS」や「SSL」といった技術が使われているんだ。これらは、データを送受信する時に特別な鍵を使って暗号化することで、第三者からの盗聴や改ざんを防いでいるんだよ。

トランスポート層とは。

安全性を高めるための大切な知識である「トランスポート層」について説明します。「トランスポート層」とは、コンピュータや通信の分野で使われる言葉で、データのやり取りを層に分けて考える「TCP/IP参照モデル」の4つの層のうち、3番目の層にあたります。この層は、上の層である「アプリケーション層」からの要求を受けて、下の層である「インターネット層」に指示を出す役割を担います。ただし、実際に使われる場面は、ネットワークの2層目と3層目に対する試験を行う場合に限られると言っていいでしょう。

トランスポート層とは

トランスポート層とは

– トランスポート層とは

インターネット上で私たちが日々利用している様々なサービス。例えば、ウェブサイトの閲覧、メールの送受信、動画の視聴など、これらはすべて、目には見えないデータのやり取りによって成り立っています。このデータのやり取りをスムーズに行うために、コンピュータネットワークにおいて重要な役割を担っているのが「トランスポート層」です。

インターネット上のデータ通信は、複数の層に分かれて行われています。その中でも、トランスポート層は、アプリケーション層とネットワーク層の間に位置し、両者の橋渡し役を担っています。

アプリケーション層は、私たちが直接操作するソフトウェア(ブラウザやメールソフトなど)が動作する層で、ウェブサイトの表示やメールの送信といった指示を出します。一方、ネットワーク層は、データの送受信先であるIPアドレスを基に、ネットワーク上での経路選択などを行います。

トランスポート層は、アプリケーション層からの指示を受け、データの分割や再構成、順序制御、信頼性確保などを行いながら、ネットワーク層を経由してデータを送受信します。

例えば、大きなデータを分割して送信したり、ネットワークの混雑状況に応じてデータの送信速度を調整したりすることで、円滑なデータ通信を実現しています。

このように、トランスポート層は、私たちが意識することなく利用しているインターネットの様々なサービスを支える、重要な役割を担っているのです。

役割
アプリケーション層 Webサイトの表示やメールの送信などの指示を出す。私たちが直接操作するソフトウェア(ブラウザやメールソフトなど)が動作する。
トランスポート層 アプリケーション層とネットワーク層の橋渡し。データの分割・再構成、順序制御、信頼性確保を行いながらデータを送受信する。
ネットワーク層 データの送受信先であるIPアドレスを基に、ネットワーク上での経路選択を行う。

トランスポート層の役割

トランスポート層の役割

– トランスポート層の役割

インターネット上で私たちが日々利用している様々なサービス。例えば、ウェブサイトの閲覧やメールの送受信、動画の視聴などは、ネットワークを通じて膨大な量のデータがやり取りされることで成り立っています。このデータのやり取りを陰ながら支え、円滑な通信を実現するために重要な役割を担っているのが「トランスポート層」です。

トランスポート層は、アプリケーション層とネットワーク層の間に位置し、主にデータの分割と再構成、順序制御、信頼性確保といった役割を担っています。

まず、データの分割と再構成について説明します。インターネット上では、サイズの大きなデータを一度に送ることはできません。そこで、トランスポート層は、アプリケーションから受け取ったデータをネットワーク層で扱いやすい大きさに分割します。そして、受信側では、分割されたデータを元の形に再構成します。この一連の処理により、サイズの大きなデータでも効率的に送受信することができます。

次に、順序制御について説明します。ネットワークの状況によっては、データの到着順序が前後してしまう場合があります。これを防ぐために、トランスポート層は、分割されたデータに番号を振り、受信側では番号順にデータを並べ替えることで、順番通りにデータが相手に届くように制御します。

最後に、信頼性確保について説明します。ネットワークの状況によっては、データが途中で失われたり、正しく届かなかったりする可能性があります。トランスポート層は、データが相手に正しく届いたかどうかを確認する仕組みを備えており、届いていない場合は再送するなどして、確実にデータが届くようにします。

このように、トランスポート層は、私たちが意識することなく、安定したデータ通信を行うために重要な役割を担っています。

役割 説明
データの分割と再構成 大きなデータを扱いやすい大きさに分割して送信し、受信側で元の形に再構成する。
順序制御 分割されたデータに番号を振り、受信側で順番通りに並べ替える。
信頼性確保 データが正しく届いたかを確認し、届いていない場合は再送する。

代表的なプロトコル:TCPとUDP

代表的なプロトコル:TCPとUDP

– 代表的なプロトコルTCPとUDPインターネット上で情報をやり取りする際、情報を小さなデータの塊に分割し、宛先情報などを付与して送受信します。このデータの送受信を効率的かつ確実に行うためのルールが、プロトコルと呼ばれるものです。

トランスポート層と呼ばれる層で利用される代表的なプロトコルとして、TCPとUDPの二つがあります。

TCPは、信頼性を重視したプロトコルです。データの順番通りに届いているか、データが欠落していないかなどを確認しながら送受信を行うため、確実にデータを相手に届けることができます。その反面、確認作業などを行うため、UDPと比較して通信速度は遅くなる傾向があります。TCPは、Webサイトの閲覧やメールの送受信など、データの正確性が求められる場面で利用されます。

一方、UDPは、速度を重視したプロトコルです。データの送達確認や順序制御を行わないため、TCPよりも高速な通信が可能です。しかし、データが順番通りに届かなかったり、データが欠落したりする可能性があります。UDPは、動画ストリーミングやオンラインゲームなど、多少のデータ損失が許容される場面で利用されます。

このように、TCPとUDPはそれぞれ異なる特性を持っているため、用途に応じて使い分けられています。

項目 TCP UDP
特徴 信頼性重視 速度重視
データ送達確認 あり なし
データ順序制御 あり なし
速度 遅い 速い
用途 データの正確性が求められる場面
(Webサイト閲覧、メール送受信など)
多少のデータ損失が許容される場面
(動画ストリーミング、オンラインゲームなど)

まとめ

まとめ

今回は、ネットワークにおいてデータの送受信を担う重要な層であるトランスポート層について詳しく解説しました。

トランスポート層は、私たちが普段インターネットを利用する際には意識することのない裏側で、安定したデータ通信を実現するために重要な役割を担っています。

特に、TCPとUDPはトランスポート層における代表的なプロトコルとして、それぞれ異なる特性を持っています。TCPはデータの信頼性を重視し、確実にデータを送受信する必要がある場合に用いられます。一方、UDPは速度を重視し、多少データが欠落する可能性があってもリアルタイム性を求められる場合に適しています。

例えば、Webサイトの閲覧やファイルのダウンロードには、データの信頼性が求められるためTCPが使用されます。一方、動画のストリーミングやオンラインゲームなど、リアルタイム性が求められる場面ではUDPが活用されています。

この記事が、トランスポート層についての理解を深め、それぞれのプロトコルが持つ役割や重要性を認識する一助となれば幸いです。

プロトコル 特徴 用途
TCP データの信頼性を重視 Webサイトの閲覧、ファイルのダウンロードなど
UDP 速度を重視 動画のストリーミング、オンラインゲームなど
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