インターネットの住所表記CIDRとは?
セキュリティを知りたい
先生、「CIDR」ってなんですか?セキュリティを高めるのに役立つらしいんですけど、よく分かりません。
セキュリティ研究家
良い質問だね!「CIDR」は、インターネット上の住所みたいな「IPアドレス」の割り当て方の一つなんだ。簡単に言うと、住所をうまくまとめて管理する方法と言えるかな。
セキュリティを知りたい
住所をまとめて管理する? どうしてそうする必要があるんですか?
セキュリティ研究家
インターネット上の住所録(ルーティングテーブル)を小さくできるのと、無駄な住所を増やさずに済むからなんだ。セキュリティ対策の一つとしては、特定のまとまった住所だけにアクセスを許可する、なんてこともできるんだよ。
CIDRとは。
安全性を高めるための知識、『CIDR』について説明します。『CIDR』は『クラスを用いないドメイン間ルーティング』の略称です。従来のクラス分けに囚われずにIPアドレスを割り当てる方法です。この方法を使うことで、インターネット上の経路表の情報を減らし、IPv4アドレスの枯渇を防ぐことを目指しています。
IPアドレスの表記方法
インターネットに接続された機器は、それぞれ世界中で唯一の住所のようなものを持っています。この住所は「IPアドレス」と呼ばれ、機器同士が情報をやり取りする際に欠かせません。
コンピュータはこのIPアドレスを、0と1の数字の羅列で理解します。しかし、人間にとっては、この羅列は読み取るのも困難です。そこで、人間にも分かりやすいように、数字の間に「.」 (ドット) を入れて区切った表記方法が用いられます。これが「クラスフルアドレス」と呼ばれる、IPアドレスの表記方法の一つです。
例えば、「192.168.0.1」といった表記を見たことがあるかもしれません。これは、4つの数字のグループが「.」で区切られています。それぞれの数字は0から255までの範囲で、IPアドレスはネットワークの規模や用途に応じて、さまざまな組み合わせが使用されます。
しかし、インターネットの普及に伴い、このクラスフルアドレスではアドレスの不足が問題となってきました。そこで、より柔軟にアドレスを管理できる「CIDR」と呼ばれる表記方法が登場しました。現在では、CIDR表記が主流となっています。
項目 | 説明 |
---|---|
IPアドレス | インターネット上の機器に割り当てられた、世界中で唯一の住所のようなもの。0と1の数字の羅列でコンピュータが理解する。 |
クラスフルアドレス | 人間にもわかりやすいように、IPアドレスを「.」で区切った表記方法。例:192.168.0.1 |
CIDR | インターネットの普及によるアドレス不足に対応するため、より柔軟にアドレスを管理できる表記方法。現在主流。 |
CIDRの登場
– CIDRの登場インターネットの普及は、私たちの生活を大きく変えました。しかし、それと同時に、インターネットを支える技術にも大きな負担がかかるようになりました。その一つが、ウェブサイトやコンピュータの一つ一つに割り振られるIPアドレスの枯渇です。従来のIPアドレスの割り当て方式はクラスフルアドレスと呼ばれ、Aクラス、Bクラス、Cクラスのように、あらかじめ決められた規模のネットワークにしか割り当てることができませんでした。そのため、小さなウェブサイトでも多くのIPアドレスを必要とする場合や、巨大なネットワークには対応できないといった問題がありました。また、インターネット上のデータの経路を管理するルーティングテーブルと呼ばれる表も、IPアドレスが増えるとともに巨大化し、処理速度の低下や管理の煩雑さが課題となっていました。そこで登場したのがCIDR(Classless Inter-Domain Routing)です。CIDRは、従来のクラスに縛られずに、必要な数のIPアドレスを柔軟に割り当てることを可能にしました。これは、IPアドレスをネットワークアドレスとホストアドレスに分割し、ネットワークアドレスの長さを可変にすることで実現しました。この方式をクラスレスアドレスと呼びます。CIDRの導入により、IPアドレスの枯渇が緩和され、ルーティングテーブルの肥大化も抑制されました。これは、インターネットのさらなる発展を支える上で、非常に重要な技術革新と言えるでしょう。
従来のIPアドレス割り当て(クラスフルアドレス) | CIDR導入によるIPアドレス割り当て(クラスレスアドレス) |
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– クラスA,B,Cなど、規模が決まったネットワークに割り当て – 小規模Webサイトでも多くのIPアドレスが必要 – 巨大なネットワークに対応できない – ルーティングテーブルの肥大化 |
– クラスに縛られず、必要な数のIPアドレスを柔軟に割り当て可能 – IPアドレスをネットワークアドレスとホストアドレスに分割し、ネットワークアドレス長を可変 – IPアドレスの枯渇を緩和 – ルーティングテーブルの肥大化を抑制 |
CIDR表記
– CIDR表記
CIDR表記は、IPアドレスを効率的に管理するために用いられる表記法です。インターネット上の住所を特定するIPアドレスは、ネットワーク部とホスト部という二つの部分に分けて考えることができます。このCIDR表記では、IPアドレスの後に「/」(スラッシュ)と数字を組み合わせることで、ネットワークの規模を表現することができます。
例えば、「192.168.1.0/24」という表記を見てみましょう。この表記は、「192.168.1.0」から始まるネットワークを表しており、後ろの「/24」は、ネットワーク部に24ビットが割り当てられていることを示しています。IPアドレスは全部で32ビットなので、残りの8ビットがホスト部に割り当てられることになります。
2進数では、8ビットは「11111111」と表現され、10進数では256と等しくなります。つまり、「/24」のネットワークには、256個の異なるIPアドレスが存在することになります。この場合、「192.168.1.0」から「192.168.1.255」までのアドレスがこのネットワークに属することになります。
このように、CIDR表記を用いることで、ネットワークの規模をひと目で把握することができます。これは、インターネットの構造を理解する上で非常に重要な要素となります。
CIDR表記 | 意味 | ネットワークアドレス | 利用可能なIPアドレス数 |
---|---|---|---|
192.168.1.0/24 | ネットワーク部に24ビット、ホスト部に8ビット 할당 | 192.168.1.0 | 256 |
CIDRのメリット
– CIDRのメリットインターネットの利用者が増えるにつれて、ウェブサイトやメールなど様々なサービスを提供するサーバーも増加してきました。それに伴い、それぞれのサーバーを識別するためのIPアドレスの需要も増加の一途を辿っています。しかし、IPアドレスは有限であるため、効率的に利用することが求められます。そこで登場したのがCIDR(Classless Inter-Domain Routing)です。CIDRの導入により、従来のクラスフルアドレスにおけるIPアドレスの無駄が大幅に削減されました。従来のクラスフルアドレスでは、Aクラス、Bクラス、Cクラスといったように、あらかじめ決められたクラスごとにアドレスが割り当てられていました。しかし、それぞれのクラスで利用できるアドレス数は決まっているため、実際には必要としていないアドレスまで割り当てられてしまい、多くのアドレスが無駄になっていたのです。CIDRでは、クラスという概念をなくし、必要な数のアドレスだけを割り当てることができるようになりました。例えば、小規模なネットワークを運用する場合、従来のクラスCアドレスでは254個のアドレスが割り当てられていましたが、CIDRでは32個や64個といったように、より少ない数のアドレスを割り当てることができます。また、CIDRはルーティングテーブルの肥大化抑制にも大きく貢献しています。ルーティングテーブルとは、ルータがデータのパケットを適切な宛先に転送するために参照する経路情報の表のことです。CIDRを導入する前は、ルーティングテーブルにはネットワークアドレスごとに個別のエントリが必要でしたが、CIDRでは複数のネットワークアドレスをまとめて一つのエントリとして扱うことが可能になりました。これにより、ルーティングテーブルのエントリ数を減らし、ルータの処理負荷を軽減することができるのです。このように、CIDRはIPアドレスの効率的な利用を実現し、インターネットの安定稼働に欠かせない技術となっています。
CIDR導入前の課題 | CIDR導入によるメリット |
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IPアドレスの無駄 – クラスごとにアドレス数が決まっているため、必要以上のアドレスが割り当てられていた。 |
IPアドレスの効率的な利用 – クラスの概念をなくし、必要な分だけのアドレス割り当てが可能になった。 |
ルーティングテーブルの肥大化 – ネットワークアドレスごとに個別のエントリが必要で、ルータの負荷が増加。 |
ルーティングテーブルの肥大化抑制 – 複数のネットワークアドレスをまとめて一つのエントリとして扱えるため、ルータの負荷が軽減。 |
CIDRの将来
– CIDRの将来インターネットの住所ともいえるIPアドレスは、ウェブサイトやメールなど、様々なサービスを利用する上で欠かせないものです。中でも現在広く使われているIPv4アドレスは、その数が限られているため、枯渇が深刻な問題となっています。このような状況の中、限られたIPv4アドレスを効率的に利用するために開発されたのがCIDR(Classless Inter-Domain Routing)という技術です。CIDRは、従来のクラス分けによるアドレス割り当てをやめ、ネットワークの規模に応じて柔軟にアドレスを割り当てることを可能にしました。これにより、アドレス空間の無駄を減らし、IPv4アドレスの枯渇を遅らせる効果が生まれました。しかし、根本的な解決策として期待されているのは、より多くのアドレス空間を持つIPv6への移行です。IPv6は、事実上無制限のアドレス空間を持ち、IPv4アドレス枯渇問題の解決策となるだけでなく、セキュリティや通信速度の面でも優れた点が多くあります。IPv6への移行が進むにつれて、IPv4アドレスを節約するための技術であるCIDRの重要性は、将来的には低下していくと考えられます。しかし、CIDRは、現在のインターネットを支える重要な技術であることに変わりはありません。また、CIDRで培われた技術や考え方は、IPv6時代にもネットワーク管理や設計の基礎として重要な役割を果たしていくでしょう。インターネットの仕組みを理解し、より安全かつ快適にインターネットを利用するためにも、CIDRの仕組みやIPv6への移行について関心を持ち続けることが大切です。
項目 | 内容 |
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CIDRとは | クラスレス・インタードメイン・ルーティング 従来のクラス分けに代わり、ネットワーク規模に応じた柔軟なアドレス割り当てを行う技術 |
メリット | アドレス空間の無駄を減らし、IPv4アドレスの枯渇を遅らせる効果 |
将来性 | IPv6への移行が進むにつれて重要性は低下していく見込み ただし、CIDRで培われた技術や考え方は、IPv6時代にもネットワーク管理や設計の基礎として重要 |