マルウェア

見破る!潜む脅威、ドロッパーの正体

- 悪意あるプログラムの運び屋インターネットの世界は、便利な一方で危険も潜んでいます。私たちのコンピュータに危害を加える悪意のあるプログラムは、日々進化を遂げています。その中でも特に注意が必要なのが、「ドロッパー」と呼ばれる種類のプログラムです。ドロッパーは、例えるなら、敵を城内に招き入れてしまう「トロイの木馬」のようなものです。一見、何の害もない普通のファイルやプログラムのように見えます。しかし、その実態は、他の危険なプログラムを密かに運び込むための入れ物なのです。ドロッパー自身は、直接的に攻撃を仕掛けてくるわけではありません。しかし、いったんコンピュータに入り込むと、外部から別の悪意のあるプログラムをダウンロードしたり、内部に隠していたプログラムをこっそりと展開したりします。そして、それらのプログラムによって、個人情報の盗難やコンピュータの遠隔操作など、深刻な被害を引き起こす可能性があるのです。ドロッパーは、巧妙に偽装されているため、見抜くことは非常に困難です。そのため、怪しいウェブサイトへのアクセスや、信頼できない送信元からのメール添付ファイルの開封は控えるなど、日頃から注意を払うことが重要です。また、セキュリティソフトを常に最新の状態に保ち、不審なプログラムの実行を防ぐことも大切です。
セキュリティ強化

ソフトウェアサプライチェーン攻撃対策の最新動向

- ソフトウェアサプライチェーン攻撃の脅威近年、企業が取り扱う情報量は増加の一途を辿っており、その保護の重要性はますます高まっています。それと同時に、攻撃者たちは巧妙で執拗な手法を用いて、機密情報や重要なシステムに侵入を試みています。 特に近年、その脅威を増しているのが「ソフトウェアサプライチェーン攻撃」です。ソフトウェアサプライチェーンとは、ソフトウェアが開発され、利用者の元に届くまでの、いわば「製品の供給網」全体を指します。 これは、コードを書くプログラマーだけでなく、開発に使用するツール、ソフトウェアを構成する部品やライブラリ、そしてそれらを開発・提供する企業や組織など、実に様々な要素が複雑に絡み合ったネットワークです。ソフトウェアサプライチェーン攻撃では、攻撃者はこの複雑なネットワークの隙を狙います。 例えば、開発に使用するツールに脆弱性を発見し、悪意のあるコードを埋め込むかもしれません。 あるいは、広く利用されているライブラリに不正なコードを混入させ、それを組み込んだソフトウェア全体を危険にさらす可能性もあります。 攻撃者は、サプライチェーンのどこかの段階に侵入することで、最終的に多くの利用者に影響を与えることを狙っているのです。ソフトウェアサプライチェーン攻撃は、その影響範囲の広さと、発見の困難さから、非常に大きな脅威となっています。 そのため、企業は、自社だけでなく、取引先や開発に関わる全ての関係者と連携し、サプライチェーン全体でセキュリティ対策を強化していくことが重要です。
認証

証明書認証:安全なアクセスを実現する技術

- 証明書認証とは証明書認証は、インターネット上でやり取りされる情報が、正しい相手のものであるか、改ざんされていないかを保証するための仕組みです。その仕組みは、ちょうど私たちが重要な書類に印鑑を押して、本人確認や改ざん防止をするのと似ています。証明書認証では、「電子証明書」と呼ばれる電子データを使います。この電子証明書は、インターネット上のパスポートのようなもので、発行元となる認証機関によって発行されます。認証機関は、証明書の所有者が実在し、信頼できることを保証する役割を担っています。電子証明書には、所有者の情報(氏名やメールアドレスなど)と、公開鍵と呼ばれる暗号化のための情報が記録されています。この公開鍵と対になる秘密鍵は、所有者だけが厳重に管理します。ウェブサイトにアクセスする際などに証明書認証が使われている場合、ウェブサイトからユーザーのパソコンに電子証明書の情報が送られます。ユーザーのパソコンは、受け取った情報と、予め登録されている認証機関の情報と照らし合わせて、証明書の正当性を確認します。もし、証明書が偽物だったり、改ざんされていたりした場合は、警告が表示され、接続が遮断されます。このように、証明書認証は、電子署名やウェブサイトの安全な通信などに広く利用されており、インターネットにおけるセキュリティ確保に重要な役割を担っています。
コンプライアンス

米国防契約を締結する際の必須知識:DFARSの概要

- DFARSとは米国国防総省との取引において、守るべき規則があります。それが「防衛連邦調達規則補足」、英語ではDFARSと略記されるものです。これは、アメリカの連邦政府機関全体で適用される調達規則であるFAR(連邦調達規則)を、国防に関する事項に特化して補足したものです。国防総省と契約を結ぶあらゆる企業や団体は、このDFARSの規則に従うことが必須となります。DFARSが定める規則の中で、特に重要なもののひとつに、情報の保護に関するものがあります。これは、機密情報として指定されてはいないものの、適切に保護する必要がある情報である「管理対象防衛情報」、英語では「Covered Defense Information」を略してCDIと呼ばれます。CDIを扱う契約には、DFARSの規則が適用され、情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策を適切に実施することが求められます。もしも、DFARSの規則に従わずにセキュリティ対策が不十分な場合、国防総省との契約を失ってしまう可能性もあります。そのため、国防総省と契約を結んでいる、あるいは、結ぶ予定のある企業や団体は、DFARSの内容を十分に理解し、必要なセキュリティ対策を講じることが重要となります。
サイバー犯罪

暗号資産泥棒「ドレイナー」にご用心!

近年、インターネット上でやり取りできる財産ともいえる暗号資産が注目を集めています。この暗号資産の世界では、エアドロップと呼ばれる無料配布イベントが頻繁に開催されています。企業が宣伝を兼ねて行う場合や、新規プロジェクトで認知度を高めるために行う場合など、エアドロップの目的はさまざまです。誰でも参加できる上、無料で暗号資産をもらえる可能性があるため、大変魅力的に思えるでしょう。 しかし、この魅力的なイベントには、落とし穴が潜んでいることがあります。一見すると、通常のエアドロップと見分けがつかないほど巧妙に作られた罠が仕掛けられている場合があるのです。 その罠とは、「ドレイナー」と呼ばれる悪質なプログラムのことです。ドレイナーは、あたかも無料の暗号資産がもらえるかのように装って、ユーザーを騙し、暗号資産を盗み取ることを目的としています。 仕組みはこうです。まず、攻撃者はドレイナーを仕込んだ偽のエアドロップを宣伝します。そして、ユーザーがそのエアドロップを受け取ろうと、自分のウォレットを接続した瞬間、ドレイナーが作動します。ドレイナーは、ユーザーがエアドロップを受け取るために必要な手続きを承認させようとしますが、その裏で、ユーザーのウォレットから暗号資産を盗み出すための悪意のある命令を実行します。 そのため、ユーザーが何も疑わずに手続きを承認してしまうと、ウォレット内の暗号資産がすべて盗まれてしまう危険性があるのです。
セキュリティ強化

作戦の秘密は厳守!OPSECで情報漏えいを防ごう

- OPSECとはOPSEC(オペレーション・セキュリティ)は、日本語では「作戦保全」と訳され、私たちの計画や活動に関する情報を守るための取り組みです。これは軍事作戦に限らず、企業活動や日常生活など、あらゆる場面で重要性を増しています。私たちの行動や情報は、時に思わぬ形で外部に漏れてしまうことがあります。もしも、新しい事業計画や重要な会議の内容が競合相手に知られてしまったら、大きな損害を被る可能性もあります。 OPSECは、このような事態を防ぎ、私たちの活動が危険にさらされるリスクを減らすことを目的としています。具体的には、日頃から情報管理を徹底することが重要です。公開してよい情報とそうでない情報を明確に区別し、取り扱いには十分な注意が必要です。特に、インターネットやSNSでの情報発信は要注意です。何気ない一言が、悪意のある者に利用され、重要な情報が漏洩する可能性もあります。OPSECは、特別な知識や技術が求められる複雑なものではありません。むしろ、日々の行動や意識の積み重ねが重要です。 情報漏洩のリスクを常に意識し、適切な対策を講じることで、私たち自身の安全を守り、活動の成功に繋げることができるのです。
脆弱性

見落としがちな脅威:書式文字列攻撃とは?

- 書式文字列攻撃の概要書式文字列攻撃とは、プログラムのセキュリティ上の欠陥を突いた攻撃手法の一つです。一見何でもない普通の文字列を入力として利用しますが、実際にはプログラムの動作に影響を与える特殊な文字列を含んでいます。この特殊な文字列を「書式文字列」と呼びます。プログラムは、ユーザーからの入力を受け取り、それを元に処理を行うことがよくあります。例えば、ユーザーの名前を入力すると、プログラムはその名前を表示したり、データベースに保存したりします。しかし、悪意のある攻撃者が、プログラムが想定していない書式文字列を入力すると、プログラムは本来とは異なる動作をしてしまう可能性があります。例えば、攻撃者は書式文字列を使って、プログラムのメモリ上に保存されている重要な情報を盗み見たり、プログラムの動作を改ざんして、攻撃者にとって都合の良いようにプログラムを操作したりすることができてしまいます。書式文字列攻撃は、1999年頃に発見され、当時大きな注目を集めました。今日でも、この攻撃手法は依然として有効であり、多くのソフトウェアで発見されています。書式文字列攻撃からシステムを守るためには、プログラムが受け取る入力データを適切にチェックし、危険な文字列を無効化する必要があります。また、最新のセキュリティパッチを適用して、システムを常に最新の状態に保つことも重要です。
サイバー犯罪

今更聞けない?DDoS攻撃の仕組みと防御

- DDoS攻撃とはDDoS攻撃(分散型サービス拒否攻撃)は、特定のサーバーやネットワークに対して、大量のアクセスやデータを送りつけることによって、システムを過負荷状態に陥れる攻撃です。 その結果、標的となったサービスは正常に機能することができなくなり、利用者はサービスを利用できなくなってしまいます。例えとして、お店を想像してみてください。 お店に本来のお客さんが入れないよう、大勢の人間を送り込んで入り口を塞いでしまったらどうなるでしょうか。 お店は営業を続けることができず、本来のお客さんはサービスを受けられなくなってしまいます。DDoS攻撃は、これと同じことがインターネット上で起こっている状況を指します。DDoS攻撃の標的は、ウェブサイトやオンラインサービス、企業ネットワークなど、インターネットに接続されたあらゆるものが対象となりえます。 攻撃者は、世界中に散らばった多数のコンピュータを不正に操り、攻撃に加担させるため、攻撃元を特定しにくく、対策が難しいという特徴があります。 また、近年では攻撃の手法も巧妙化しており、セキュリティ対策ソフトだけでは防ぎきれないケースも増えています。DDoS攻撃は、企業活動や人々の生活に大きな影響を与える可能性があるため、その脅威を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。
セキュリティ強化

国家規模のサイバー防衛拠点:ドリームポートとは

- ドリームポートサイバーセキュリティのハブドリームポートは、アメリカのサイバーセキュリティ体制を強化するために設立された、他に類を見ない革新的な施設です。メリーランド州コロンビアに位置し、政府機関、民間企業、学術機関といった、様々な組織が一堂に会する場となっています。この施設の最大の特徴は、サイバー脅威への対策において、組織の壁を越えた連携を促進することです。参加組織はドリームポートに集結することで、最新の脅威に関する情報共有、共同での訓練や演習、新たなセキュリティ技術の開発などを実施することができます。ドリームポートは、米サイバー軍(USCYBERCOM)によって設立され、非営利団体MISIによって運営されています。このユニークな協力体制により、政府の持つ機密性の高い情報や資源と、民間企業の技術力や柔軟性を組み合わせた、効果的なサイバーセキュリティ対策の実現を目指しています。ドリームポートの存在は、アメリカ国内だけでなく、国際的なサイバーセキュリティ対策においても重要な役割を担うと期待されています。世界中の国々が、ますます複雑化するサイバー脅威に直面する中で、ドリームポートのような組織間連携の枠組みが、効果的な対策を講じるための鍵となるでしょう。
セキュリティ強化

OODAループでセキュリティ対策を強化

- 意思決定プロセス、OODAループとは 世の中では絶えず様々な出来事が起こり、私達は変化への対応を迫られます。そのような状況下で、迅速かつ的確に判断し行動するために有効なフレームワークとして、OODAループがあります。これは、観測、方向づけ、決心、行動という4つの段階を繰り返すことで、状況の変化に柔軟に対応し、最善の行動を選択することを目的としたものです。 元々は軍事戦略の一環として考案されました。刻一刻と状況が変化する戦場において、敵よりも早く状況を把握し、行動に移すことは、勝利への鍵となります。このOODAループを応用することで、パイロットは複雑な空中戦においても、優位に立つことができたのです。 今日では、このOODAループは軍事分野だけでなく、ビジネスや日常生活など、様々な場面で応用されています。特に、情報セキュリティの分野においては、日々進化するサイバー攻撃の脅威からシステムを守るために、このOODAループが大変重要視されています。攻撃者は常に新しい方法でシステムへの侵入を試みてきます。そのため、攻撃者の行動をいち早く察知し、状況を分析して対策を講じ、迅速に対応することが求められます。OODAループは、このような状況下において、セキュリティ担当者が効果的に対応するための指針となるのです。
データ保護

安全な暗号化に必須! 初期化ベクトルの役割と重要性

- 暗号化における共通の課題現代社会において、インターネットを介した情報通信は日常生活に欠かせないものとなっています。私達が日々利用するオンラインサービスやアプリケーションでは、個人情報や機密情報など、重要なデータが大量にやり取りされています。このような状況下において、情報の機密性を保持するために重要な技術が暗号化です。暗号化とは、情報を第三者が理解できないように変換する技術であり、たとえ情報が漏洩した場合でも、内容を解読できないように保護することができます。しかし、暗号化は万能な解決策ではありません。暗号化を行う際に注意すべき点の一つに、同じ鍵を用いて同じ情報を繰り返し暗号化しないということが挙げられます。もし、同じ鍵で同じ情報を繰り返し暗号化してしまうと、暗号文に一定のパターンが生じてしまう可能性があります。これは、攻撃者にとって暗号を解読するための大きなヒントとなり、セキュリティ上のリスクとなります。例えば、あなたが毎日同じ時間に、同じ内容のメッセージを暗号化して送信する場合を考えてみましょう。この場合、攻撃者は暗号文のパターンを分析することで、メッセージの内容を推測できる可能性があります。暗号化の安全性は、使用する暗号アルゴリズムの強度と鍵管理の適切さに依存します。そのため、安全な暗号化を行うためには、強力な暗号アルゴリズムを使用することはもちろんのこと、鍵管理にも十分注意する必要があります。特に、同じ鍵を繰り返し使用することは避け、定期的に鍵の更新を行うことが重要です。
セキュリティ強化

セキュリティテストツール interactsh の悪用にご注意を

- セキュリティテストツール interactsh とは セキュリティテストツール interactsh (interact.sh) は、ProjectDiscovery によって開発された、誰でも無償で利用できるセキュリティテストツールです。このツールは、主に Web アプリケーションの開発者やセキュリティ担当者が、開発したアプリケーションに潜む脆弱性を発見し、修正するために使用されます。 interactsh は、Web アプリケーションに対して擬似的な攻撃を仕掛け、その応答を分析することによって、セキュリティ上の弱点を見つけ出します。具体的には、攻撃者が悪用する可能性のある、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションといった脆弱性を検出することができます。このように、開発者は interactsh を使用することで、悪意のある攻撃者による被害が発生する前に、問題を修正することができます。 しかし、interactsh はその強力な機能ゆえに、悪意のあるユーザーによって悪用される可能性も孕んでいます。悪意のあるユーザーは、interactsh を使用して、Web アプリケーションへの攻撃を実際に行ったり、機密情報を入手したりする可能性があります。そのため、interactsh を利用する際は、倫理的なハッキングの原則を遵守し、許可された範囲内で使用することが重要です。また、最新版の interactsh を使用することで、既知の脆弱性を悪用した攻撃から身を守ることができます。
サイバー犯罪

今更聞けない!DDoS攻撃の手口と対策

- DDoS攻撃とはDDoS攻撃とは、「分散型サービス拒否攻撃」とも呼ばれ、インターネットを通じてサービスを提供する事業者にとって、非常に脅威となる攻撃です。攻撃者は、多数のコンピュータを不正に支配下に置き、それらを踏み台にして、標的となるサーバーに対して、大量のアクセスリクエストを一斉に送りつけます。通常、私たちがウェブサイトを閲覧したり、オンラインサービスを利用したりする際には、サーバーに対してアクセスリクエストを送信し、その応答を受け取ることでサービスが成り立っています。しかし、DDoS攻撃では、サーバーの処理能力をはるかに超えるアクセスが集中するため、サーバーはパンク状態に陥り、本来のサービスを提供できなくなってしまいます。これは、お店で例えると、大規模なお店の入り口に、一度に大量の人が押し寄せ、お店の中に入れない、また、お店からも出られない状態となり、お店の営業が完全に麻痺してしまうようなものです。DDoS攻撃の標的は、ウェブサイト、オンラインゲーム、金融機関のシステムなど、インターネットに接続されたあらゆるシステムが考えられます。攻撃を受けることによって、企業は、サービスの停止による売上損失、顧客からの信頼喪失、復旧のための費用負担など、大きな損害を被ることになります。近年では、攻撃規模の巨大化、巧妙化が進んでおり、その対策はますます重要性を増しています。
サイバー犯罪

知らずに感染?!ドライブバイダウンロードの脅威

インターネットは、今や私たちの生活に欠かせないものとなりました。しかし、便利な反面、危険も潜んでいます。その一つが「ドライブバイダウンロード」と呼ばれるサイバー攻撃です。 「ドライブバイダウンロード」とは、悪意のあるプログラムを仕込んだウェブサイトにアクセスしただけで、ユーザーが何も操作しなくても、自動的にそのプログラムがダウンロードされ、パソコンやスマートフォンにインストールされてしまう攻撃手法です。まるで、車で通り過ぎるだけで、車内に何かを投げ込まれるようなもので、ユーザーは自分が攻撃されていることにすら気づかない場合がほとんどです。 攻撃者は、ウェブサイトの脆弱性を利用したり、不正な広告を掲載したりして、悪意のあるプログラムを仕込みます。そして、そのウェブサイトにアクセスしたユーザーの端末に、プログラムを送り込みます。このプログラムは、ユーザーの情報を盗み出したり、端末を遠隔操作したりするなど、様々な悪事を働く可能性があります。 ドライブバイダウンロードから身を守るためには、まず、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。セキュリティの脆弱性を修正する更新プログラムが公開されたら、速やかに適用しましょう。また、信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも大切です。さらに、怪しいウェブサイトへのアクセスは避け、不審な広告はクリックしないように注意しましょう。
サイバー犯罪

知らない間に加害者に?住宅用プロキシとサイバー攻撃

- 住宅用プロキシとはインターネットを利用する際、私たちの端末はネットワーク上で自分の場所を示すための住所のようなものを持っています。これをIPアドレスと呼びます。ウェブサイトを見たり、メールを送ったりする際に、このIPアドレスは相手に伝わります。ウェブサイト側はこのIPアドレスを見ることで、アクセスしてきた人がどこの誰なのかをある程度特定することができます。住宅用プロキシとは、本来のIPアドレスを隠して、あたかも一般家庭からインターネットに接続しているかのように見せかける技術です。例えば、会社やカフェのインターネット回線を利用してウェブサイトを見ている場合でも、住宅用プロキシを経由することで、自宅からアクセスしているように見せかけることができます。なぜこのような技術が使われるかというと、ウェブサイトによっては、アクセス元の場所や環境によって表示内容を変えたり、アクセスを制限したりすることがあるためです。例えば、動画配信サービスの中には、特定の国からのアクセスしか受け付けていないものがあります。このような場合、住宅用プロキシを利用することで、本来アクセスできない地域からでもサービスを利用できる可能性があります。しかし、住宅用プロキシを利用する際には注意が必要です。悪意のある第三者が運営するプロキシを経由してしまうと、個人情報が盗み取られたり、意図しない情報に誘導されたりする可能性があります。信頼できるプロキシサービスを利用することが重要です。
認証

セキュリティ対策の新常識?!アウトオブバンド認証のススメ

アウトオブバンド認証とは? アウトオブバンド認証(OOB認証)は、普段私たちが利用しているIDやパスワードによる認証に加えて、異なる通信経路を使って本人確認を行うことで、セキュリティを強化する対策です。 例えば、インターネットバンキングにログインする際に、あらかじめ登録しておいたスマートフォンにショートメッセージで一時的なパスワードが届き、そのパスワードを入力することで本人確認を行う方法があります。 また、認証アプリを使って承認操作を行う方法も、アウトオブバンド認証の一つです。 このように、普段利用している通信経路とは別の方法で認証を行うため、万が一IDやパスワードが盗まれてしまった場合でも、不正アクセスを防ぐ強力な手段となります。 アウトオブバンド認証は、二段階認証、あるいは多要素認証と呼ばれるセキュリティ対策の一つであり、近年その重要性が高まっています。 インターネット上でのサービス利用が増加する中、セキュリティ対策はますます重要になっています。アウトオブバンド認証は、比較的簡単に導入できるセキュリティ対策であるため、ぜひ活用を検討してみてください。
セキュリティ強化

DDWで深まる脅威インテリジェンス

インターネットは、私たちに便利な暮らしをもたらしてくれると同時に、目に見えない危険もはらんでいます。それはまるで、海に浮かぶ氷山のようなものです。私たちが普段見ているウェブサイトは、氷山のほんの一角、海面から出ている部分に過ぎません。水面下には、さらに広大な世界が広がっているのです。普段私たちがアクセスできない、ディープウェブと呼ばれる領域には、企業の機密情報や政府の内部資料など、公開されていない情報が眠っています。そして、そのさらに奥深くには、違法な情報やサービスがやり取りされるダークウェブと呼ばれる、危険な領域が存在するのです。 ダークウェブは、麻薬や武器の密売、金融犯罪、個人情報の売買など、あらゆる犯罪の温床となっています。アクセスするためには、特別なソフトウェアや知識が必要となるため、一般の人々が足を踏み入れることは稀です。しかし、だからこそ、犯罪者たちはその闇に身を潜め、悪事を働いているのです。ダークウェブの存在は、インターネットの影の部分を象徴していると言えるでしょう。私たちが安全にインターネットを利用するためには、このような危険な領域が存在することを認識し、常にセキュリティ対策を講じておく必要があるのです。
セキュリティ強化

ネットワーク監視強化:Zeek拡張機能「gait」で脅威を捕捉

近年の巧妙化するサイバー攻撃から企業の安全を守るには、ネットワークの監視は必要不可欠です。しかし、日々発生する膨大なネットワークトラフィックの中から、本当に危険な兆候を見つけることは容易ではありません。 そこで有効な手段となるのが、ネットワーク監視ツール「Zeek」の拡張機能である「gait」です。Zeekは、ネットワーク上を流れるパケットの詳細な情報を記録する強力なツールですが、「gait」は、そのZeekの機能をさらに拡張し、より深い分析を可能にします。 具体的には、「gait」はSSL通信のログやネットワーク接続情報に、接続元の端末や経由しているプロキシサーバーなどのメタデータを付加します。このメタデータは、まるで足跡のように、ネットワーク上の通信経路をたどるための手がかりとなります。 例えば、ある端末が不審なサーバーと通信している場合、「gait」によって記録されたメタデータを辿ることで、その通信が社内のどの端末から発生し、どのプロキシサーバーを経由しているのかを特定することができます。これにより、攻撃者が社内ネットワークのどこに侵入し、どのように活動しているのかを把握することが容易になり、迅速な対処が可能となります。 このように「gait」は、膨大なネットワークトラフィックの中からセキュリティ上の脅威を効率的に検出するための強力なツールとなります。セキュリティ担当者は、「gait」を活用することで、より的確に攻撃を検知し、企業の安全を守ることができるでしょう。
コンプライアンス

サイバーセキュリティ対策強化:OFAC規制と犯罪組織のつながり

- OFAC規制の概要OFAC規制とは、アメリカ合衆国財務省外国資産管理室(OFAC)が定める、特定の国や団体、個人との取引を制限する規制です。これは、国際的な安全保障や外交政策目標を達成するために設けられており、対象となる国や地域、個人、団体との取引が制限されます。具体的には、イラン、キューバ、北朝鮮など、アメリカ合衆国が国家安全保障上の脅威とみなす国々や、テロ活動や麻薬密売に関与する個人や団体が制裁対象となります。 これらの対象は、SDNリスト(Specially Designated Nationals and Blocked Persons List)として公表され、アメリカ合衆国の個人や企業は、リストに掲載された対象との取引が原則として禁止されます。OFAC規制は、アメリカ合衆国の個人や企業だけでなく、アメリカ合衆国に支店や子会社を持つ外国企業や、アメリカ合衆国ドル建ての取引を行う外国企業にも適用される可能性があります。 つまり、日本企業であっても、アメリカ合衆国との取引やアメリカ合衆国ドル建ての取引を行う場合には、OFAC規制に注意する必要があります。OFAC規制に違反した場合には、巨額の罰金や禁錮刑が科される可能性があります。そのため、企業は、取引相手が制裁対象に該当するかどうかを事前に確認するなど、適切な対応をとることが重要です。具体的には、取引相手の氏名や住所、国籍などを元に、OFACのウェブサイトなどで確認する必要があります。
マルウェア

ドメイン生成アルゴリズム:マルウェアの巧妙な隠れ蓑

コンピュータウイルスなどの悪意のあるソフトウェア、いわゆるマルウェアは、単独で動く場合もあれば、外部と連携して悪事を働く場合もあります。外部との連携に欠かせないのがC2サーバと呼ばれるもので、マルウェアにとって司令塔のような役割を担っています。 マルウェアは、感染したコンピュータの中で情報を盗んだり、そのコンピュータを操って他のコンピュータへ攻撃したりと、様々な悪事を働きます。しかし、もしマルウェアが単独で動くだけなら、できることには限界があります。そこで登場するのがC2サーバです。 C2サーバは、マルウェアの製作者が外部に設置したサーバーで、マルウェアはインターネットを通じてこのC2サーバと通信を行います。この通信を通じて、マルウェアはC2サーバから新たな指示を受け取ったり、盗み出した情報をC2サーバへ送信したりします。 例えば、マルウェアが感染したコンピュータの中から、クレジットカード番号やパスワードなどの重要な情報を見つけたとします。この時、マルウェアはこれらの情報をC2サーバへ送信します。すると、マルウェアの製作者はその情報を受け取り、不正に利用することが可能になります。 このように、C2サーバと連携することで、マルウェアはより巧妙に、そして大規模な被害をもたらすことができるようになります。マルウェアへの対策を考える上では、C2サーバの存在を意識することが重要です。
セキュリティ強化

見えない脅威を可視化する: DDIで標的型攻撃から防御

- 増加する巧妙なサイバー攻撃 近年、インターネット利用の広がりに伴い、企業や個人がサイバー攻撃の標的となるケースが増加しています。特に、従来のセキュリティ対策では検知が難しい、特定の組織や個人を狙い撃ちにする標的型攻撃や、未知の脆弱性を突いたゼロデイ攻撃が増加しており、深刻な被害をもたらす可能性があります。 従来のセキュリティ対策は、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなど、既知の攻撃パターンと照らし合わせて脅威を検知するものが主流でした。しかし、これらの対策は、あらかじめ登録されたパターンに合致しない、巧妙化された攻撃や未知の攻撃には対応できません。標的型攻撃では、攻撃者は綿密な情報収集を行い、組織や個人のセキュリティ上の弱点を見つけ出し、その組織や個人に合わせた巧妙な方法で攻撃を仕掛けてきます。ゼロデイ攻撃では、ソフトウェアの開発者も気付いていない脆弱性を突いてくるため、既存のセキュリティ対策では防ぐことができません。 こうした巧妙化するサイバー攻撃から身を守るためには、従来のセキュリティ対策に加え、ネットワーク上の通信内容や端末の挙動を監視し、不審な兆候を早期に発見・対処する対策が重要となります。近年注目されているDDI(DNS Data Insights)のようなセキュリティ対策は、ネットワーク上の通信内容を分析することで、悪意のあるドメインへのアクセスや不審なデータ送信などを検知し、攻撃を未然に防いだり、被害を最小限に抑えたりすることが可能となります。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本!修正プログラムでリスク軽減

インターネットに接続された機器は、常に危険にさらされています。まるで、鍵のかかっていない家に住んでいるようなものです。犯罪者は、常に侵入する隙を狙っています。その侵入経路となるのが、ソフトウェアの欠陥です。 修正プログラムは、その欠陥を塞ぐための鍵のようなものです。 修正プログラムを適用することで、犯罪者から大切な家である機器や、そこに保管されている写真や書類などの重要なデータを守ることができます。 しかし、鍵を交換しても、古い鍵を使い続けていては意味がありません。犯罪者は、古い鍵の複製を持っている可能性があります。 修正プログラムも同様に、常に最新のものに更新することが重要です。新しい鍵を手に入れたら、すぐに交換するようにしましょう。 修正プログラムは、ソフトウェア会社が無料で提供していることがほとんどです。 定期的にソフトウェアの更新を確認し、修正プログラムが公開されていれば、速やかに適用するようにしましょう。 セキュリティ対策ソフトを導入することも、効果的な対策の一つです。 安心で安全なデジタルライフを送るために、修正プログラムを適切に管理しましょう。
セキュリティ強化

セキュリティデータ統合の鍵:OCSFとその可能性

- セキュリティデータの課題 現代社会において、企業は日々増加の一途をたどるサイバー攻撃の脅威にさらされています。企業は、貴重な情報資産を守るため、様々なセキュリティ対策を講じています。例えば、侵入者を検知するシステム、不正アクセスを防ぐシステム、ウイルスを検知・駆除するシステムなど、多岐にわたるセキュリティ製品やサービスが導入されています。 しかし、これらのセキュリティ対策によって生成されるログやイベントデータは、製品やサービスごとに形式が異なっています。そのため、セキュリティ担当者は、日々生成される膨大な量のデータを統合して分析し、自社にとって本当に危険な攻撃を特定し、迅速に対応しなければなりません。これは、セキュリティ担当者にとって大きな負担となっています。 セキュリティデータの形式が統一されていないという問題は、データの「サイロ化」と呼ばれ、セキュリティ対策における大きな課題となっています。データがサイロ化していると、全体像を把握することが困難になり、迅速かつ効果的な脅威の検知・対応を阻害する要因となります。 セキュリティデータの課題を解決するためには、異なる形式のデータを統合し、分析しやすい形に変換する必要があります。このためには、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)などの技術を活用し、セキュリティデータの一元管理を実現することが重要です。
サイバー犯罪

ドメインパーキングの落とし穴:悪用の危険性と対策

- ドメインパーキングとは ウェブサイトを運営する際、まず必要なのがインターネット上の住所となる「ドメイン」です。 このドメインを取得したものの、すぐにウェブサイトを開設する準備が整っていない、あるいは将来的に使う予定のドメインをただ持ちたい、といった場合に利用できるのが「ドメインパーキング」です。 ドメインパーキングとは、簡単に言うと、まだ本格的に運用していないドメインを、駐車場のように一時的に運用することを指します。 具体的には、取得したドメインにアクセスした人が、ただ空白のページを見るのではなく、簡単なメッセージや広告が表示されるように設定します。 この広告はドメインパーキングを提供するサービスによって自動的に表示され、ドメイン所有者は表示された広告に応じた収益を得ることが可能です。 ウェブサイト開設の準備中や、将来的な利用のためにドメインを確保しておく場合に、ドメインパーキングは有効な選択肢となりえます。 一方で、ただドメインを取得しただけで放置してしまうと、そのドメインは第三者に取得されてしまう可能性もあります。 ドメインパーキングは、未活用のドメインを有効活用する方法として、また、ドメインの取得を維持するための手段として、検討する価値があります。