認証

セキュリティ対策の基本: 識別符号の重要性

- 識別符号とは識別符号とは、コンピューターやシステムを利用する一人ひとりに割り当てられる、その人を特定するための符号のことです。ウェブサイトのアカウントを作成する際に設定するユーザー名やIDも、この識別符号にあたります。識別符号は、コンピューターの世界で「あなた」が誰なのかを判別し、適切なサービスを提供するために必要不可欠です。例えば、インターネットバンキングを利用する際に入力するIDとパスワードは、あなたが正規の利用者であることを確認し、あなたの預金情報を他の誰にも見られないように保護する役割を担っています。識別符号は、不正アクセス禁止法という法律でも重要な要素として位置付けられています。この法律は、他人の識別符号を勝手に使ってコンピューターにアクセスすることを禁じており、違反者には厳しい罰則が科せられます。システム管理者は、この識別符号を用いて、誰がどの情報にアクセスできるのかを細かく設定します。これはアクセス管理と呼ばれ、情報漏えいや不正アクセスを防ぐための重要なセキュリティ対策の一つです。このように、識別符号は、私たちが安全に安心してコンピューターやインターネットを利用するために、なくてはならないものです。
その他

サイバー空間における攻防:OCOとは?

- サイバー空間上の新たな戦場現代の戦争は、もはや戦場が陸海空に限定されず、サイバー空間という新たな領域にまで広がっています。戦闘機や戦車といった物理的な兵器が存在しないこの世界では、目に見えない電子のやり取りが勝敗を分ける重要な要素となります。国家間の対立においては、敵国の重要インフラに対するサイバー攻撃が現実の戦闘行為に匹敵する影響力を持つようになりました。電力網や通信システム、金融機関など、私たちの生活を支える重要な社会基盤が攻撃対象となる可能性があり、その被害は計り知れません。また、テロ組織によるサイバー攻撃も増加の一途を辿っています。彼らは、従来型のテロ活動に加え、サイバー空間を利用した資金調達や情報収集、プロパガンダ活動などを行っています。標的は国家機関だけでなく、企業や一般市民にまで及び、私たちの日常生活にも大きな脅威を与えています。サイバー空間上の脅威は、目に見えにくく、私たち一般市民にとっては実感しづらい側面があります。しかし、インターネットやコンピュータが社会のあらゆる場所に浸透している現代社会において、誰もがサイバー攻撃の被害者になり得るという認識を持つことが重要です。
認証

OAuthで安全な連携:サービス連携のセキュリティ強化

- OAuthとはOAuthは、異なるウェブサイトやアプリケーションの間で、安全に情報を共有するための仕組みです。従来の方法では、あるサービスを利用する際に、別のサービスのIDやパスワードを入力する必要がありました。しかし、この方法は、あなたの大切な情報が悪意のある第三者に漏えいしてしまう危険性がありました。OAuthを使うと、IDやパスワードを直接サービスに渡すことなく、必要な情報だけを安全に共有できます。例えれば、あなたの代わりに鍵の管理人をおくようなイメージです。あなたは、サービスAを利用したいとします。サービスAは、あなたの許可を得て、鍵の管理人を通してサービスBに情報の提供を依頼します。この時、鍵の管理人は、あなたに代わってサービスBにアクセスし、必要な情報だけを受け取ってサービスAに渡します。このように、OAuthは、あなたに代わって鍵の管理人が間に入ることで、IDやパスワードを直接サービスに渡すことなく、安全に情報連携を実現します。これにより、あなたの大切な情報が漏えいするリスクを減らしながら、便利にサービスを利用できるようになります。
サイバー犯罪

知っていますか?辞書攻撃の脅威

- 辞書攻撃とは辞書攻撃とは、ウェブサイトやシステムへの不正アクセスを試みるサイバー攻撃の一つです。攻撃者は、パスワードなどの認証情報を突破するために、あらゆる可能性のある文字の組み合わせを記したリスト、いわば「辞書」を用います。この「辞書」には、一般的な単語やフレーズ、誕生日、ペットの名前など、人がパスワードとして使いそうなものが網羅されています。さらに、過去のデータ漏洩で流出したパスワードや、よく使われるパスワードの組み合わせなども含まれている可能性があります。攻撃者は、この「辞書」に記載された単語や文字列を一つずつ、あるいは少し変化を加えながら自動的に入力し、正しいパスワードを突き止めようとします。コンピュータの処理能力の向上により、膨大な数の組み合わせを高速で試行することが可能になったため、辞書攻撃は依然として大きな脅威となっています。特に、推測しやすいパスワードや、複数のサービスで同じパスワードを使い回している場合は、辞書攻撃の格好の標的となってしまいます。セキュリティ対策としては、複雑なパスワードを設定すること、異なるサービスで同じパスワードを使い回さないことが重要です。また、パスワードマネージャーの利用や二段階認証の導入も有効な対策となります。
セキュリティ強化

セキュリティテストの新潮流:OASTとは

インターネットの普及により、私たちの生活やビジネスにおいてWebアプリケーションは欠かせないものとなりました。顧客情報を扱うシステムやオンラインショップ、社内の情報共有ツールなど、様々な場面で利用されています。しかし、利便性が高まる一方で、Webアプリケーションはサイバー攻撃の対象となりやすく、セキュリティ対策が重要となっています。 Webアプリケーションに対する攻撃は、不正なプログラムコードを送り込むことでシステムを乗っ取ったり、個人情報などの重要な情報を盗み出したりすることを目的としています。このような攻撃からWebアプリケーションを守るためには、多層的なセキュリティ対策が必要です。 まず、ユーザーのアクセスを制限するために、強力なパスワードを設定し、パスワードの使い回しを避けることが重要です。さらに、二段階認証を導入することで、セキュリティレベルを向上させることができます。 また、Webアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃を防ぐためには、システムの最新状態を保つことが重要です。開発元から提供されるセキュリティアップデートを速やかに適用することで、既知の脆弱性を突いた攻撃を防ぐことができます。 さらに、Webアプリケーションでやり取りされるデータを暗号化することも重要です。通信経路を暗号化することで、万が一、第三者に通信内容を盗聴されたとしても、データの内容を解読されることを防ぐことができます。 Webアプリケーションのセキュリティ対策は、企業にとって重要な課題です。これらの対策を講じることで、安全なWebアプリケーションの運用を実現することができます。
サイバー犯罪

ドメイン乗っ取りにご用心!

- ドメインハイジャッキングとは インターネット上の住所ともいえるドメインは、ウェブサイトを運営する上で欠かせないものです。ドメインハイジャッキングとは、このドメインを本来の所有者になりすまして不正に乗っ取り、ウェブサイトを乗っ取ってしまう攻撃です。これは、あなたの家の住所を勝手に書き換えられてしまうようなもので、大変危険なサイバー攻撃の一つです。 ドメインハイジャッキングの被害は、ウェブサイトの内容を改ざんされるだけにとどまりません。攻撃者は、ウェブサイトの管理者権限を奪い、パスワードなどの重要な情報を盗み取ったり、フィッシング詐欺サイトに誘導するなど、様々な悪質な行為を行う可能性があります。 あなたのウェブサイトがもしもドメインハイジャッキングの被害に遭ってしまったら、顧客や利用者の信頼を失墜するだけでなく、金銭的な損失を被る可能性もあります。そのため、ドメインハイジャッキングからウェブサイトを守るための対策を講じておくことが重要です。
マルウェア

知っていますか?自動送金システムの脅威

近年、インターネットを通じて銀行取引を行うオンラインバンキングは、時間や場所を問わず利用できる利便性から、多くの人に利用されています。しかし、その利便性の裏側では、巧妙化する様々な脅威が存在することを忘れてはなりません。中でも、近年大きな問題として深刻化しているのが「自動送金システム」を用いた犯罪です。 まるでSF映画に登場するような近未来的な響きを持つこのシステムは、残念ながら現実のものとなっています。これは、利用者のオンラインバンキングのアカウント情報やパスワードを不正に取得し、外部から不正なプログラムを送り込むことで、ユーザーが気づかないうちに銀行口座からお金を自動的に送金してしまうという、極めて悪質なものです。 具体的な手口としては、偽のウェブサイトに誘導して個人情報を入力させる「フィッシング詐欺」や、コンピュータウイルスを仕込んだメールを送りつける「メール詐欺」など、様々な方法が用いられています。一度でもこれらの罠にかかってしまうと、自身の銀行口座が悪意のある第三者に支配され、大切な預金を根こそぎ奪われてしまう可能性も否定できません。 このような脅威から身を守るためには、セキュリティソフトの導入やOS・アプリの最新状態の維持はもちろんのこと、不審なメールやウェブサイトには決してアクセスしない、オンラインバンキングのパスワードを定期的に変更するなど、利用者一人ひとりが高いセキュリティ意識を持って自己防衛に努めることが重要です。
メール

要注意!身近に潜むセキュリティリスク:OABの脆弱性

- オフラインでも使えるアドレス帳の落とし穴電子郵便を使う上で、宛先を探すために欠かせないアドレス帳。インターネットに接続していない状態でもスムーズに宛先を探せるように、マイクロソフト社の提供する電子メールシステムには、「オフラインアドレス帳」と呼ばれる機能があります。この機能は、普段利用している組織全体のアドレス帳の内容を、個々の端末に複製して保存することで、オフライン環境でも利用できるようにする便利なものです。しかし、利便性の裏側には、セキュリティ上のリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。オフラインアドレス帳は、組織全体のアドレス帳を個々の端末に複製するため、端末の紛失や盗難が発生した場合、組織全体のアドレス情報が漏洩する危険性があります。これは、顧客情報や取引先情報など、重要な情報資産が詰まったアドレス帳が、第三者の手に渡る可能性があることを意味します。また、オフラインアドレス帳は、更新のタイミングで端末とサーバー間で情報のやり取りが発生します。この際、通信経路が適切に保護されていない場合、悪意のある第三者に情報を盗聴されるリスクがあります。盗聴によって、組織全体のアドレス情報が漏洩するだけでなく、なりすましメールなどのサイバー攻撃に悪用される可能性も考えられます。オフラインアドレス帳の利用は、利便性とセキュリティリスクを天秤にかけ、慎重に判断する必要があります。特に、機密性の高い情報を取り扱う組織や、顧客情報などを多く扱う組織では、オフラインアドレス帳の利用を制限するなどの対策を検討する必要があるでしょう。
脆弱性

知っていますか?潜む脅威「Nデイ脆弱性」

- 脆弱性とは 情報システムやソフトウェアは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、これらのシステムは完璧ではなく、設計や開発、運用の中で、意図せず作り込まれてしまう欠陥や弱点が存在することがあります。これらの弱点は「脆弱性」と呼ばれ、悪用されるとシステムに侵入されたり、重要な情報が盗まれたりするなど、深刻な被害につながる可能性があります。 例えるなら、家は安全な場所であるべきですが、窓の鍵のかけ忘れや、壁のひび割れがあると、泥棒に侵入されてしまうかもしれません。これと同じように、情報システムも、脆弱性があると、攻撃者にとって格好の標的となってしまうのです。 脆弱性は、プログラムのミスや、設定の誤り、古いソフトウェアの使用など、様々な原因で発生します。攻撃者はこれらの脆弱性を悪用し、システムに侵入したり、情報を盗み出したり、サービスを妨害したりします。 セキュリティ対策として、脆弱性を早期に発見し、修正することが重要です。そのためには、システムの定期的な点検や、最新の情報への更新など、日頃からの注意が必要です。
IoT

重要なインフラを守る!分散制御システムDCSとは

- 製造現場の頭脳、分散制御システムとは? 製造業やプラントなどの産業分野では、製品の製造工程は非常に複雑で、様々な工程を経て完成します。これらの工程を正確かつ安全に制御するために、「分散制御システム(DCS)」と呼ばれるシステムが欠かせません。 従来の制御システムは、一箇所に集約されたコンピュータが全ての機器を制御する「中央集権型」と呼ばれるものでした。一方、DCSは、現場の各機器に専用の制御装置を配置し、それぞれの装置が自律的に動作するという特徴を持っています。 このように制御を分散させることには、多くの利点があります。例えば、一部の機器に障害が発生した場合でも、他の機器は影響を受けずに正常に動作し続けるため、システム全体を停止させることなく、安定稼働を維持することができます。また、現場の状況に合わせて柔軟に制御を変更できるため、生産効率の向上にも繋がります。 DCSは、現代の製造現場において「頭脳」として機能し、製品の品質や生産性の向上に大きく貢献しています。今後も、製造現場の進化に合わせて、DCSはさらに高度化していくことが予想されます。
サイバー犯罪

見落とすな!ドメインシャドーイングの脅威

インターネットが生活の基盤として広く普及するにつれて、犯罪者たちはあの手この手で人を騙し、金銭や情報を盗み取ろうと企んでいます。中でも、サイバー攻撃は日々巧妙化しており、セキュリティ対策ソフトを潜り抜けてしまうような、高度な手法も増えています。近年、企業や組織にとって特に脅威となっているのが「ドメインシャドーイング」と呼ばれる攻撃です。これは、正規のウェブサイトのドメイン名に酷似した偽のドメインを取得し、本物そっくりの偽サイトを構築することで、利用者を騙して重要な情報を入力させたり、ウイルスに感染させたりする攻撃です。例えば、あなたが普段利用している銀行のウェブサイトに似せた偽サイトに誘導され、そこでうっかりログイン情報を入力してしまったとします。すると、あなたの大切な口座情報が犯罪者の手に渡り、不正送金などの被害に遭ってしまうかもしれません。ドメインシャドーイングは、巧妙に仕組まれているため、見破ることが非常に困難です。そのため、普段からウェブサイトのアドレスをよく確認する、セキュリティソフトを最新の状態に保つなど、基本的な対策を徹底することが重要です。また、不審なメールやウェブサイトは安易に開かない、身に覚えのない請求には応じないなど、日頃から警戒心を高く持つことが大切です。
セキュリティ強化

自衛隊サイバー防衛隊:日本のサイバーセキュリティを守る守護者

近年、インターネットやコンピュータネットワークを通じて、企業や政府機関などを標的にした攻撃が増加しており、世界中で深刻な問題となっています。 特に、国家やそれに準ずる組織による攻撃は、高度な技術と豊富な資源を駆使しているため、その脅威は極めて深刻です。彼らは、機密情報や軍事技術の窃取、あるいは電力網や金融システムといった社会インフラの機能麻痺などを目的として、執拗な攻撃を仕掛けてきます。 我が国も例外ではなく、防衛省や自衛隊もこれらの攻撃の標的となり得ます。もし、防衛システムや兵器の制御システムがサイバー攻撃によって妨害されれば、国の安全保障に重大な影響が及ぶ可能性も否定できません。 このような事態を避けるため、我が国はサイバーセキュリティ対策を強化し、あらゆる攻撃から国益を守らなければなりません。具体的には、最新の技術を取り入れたシステムの構築、専門知識を持った人材の育成、そして国民一人ひとりがセキュリティ意識を高めるための啓発活動などが重要となります。
セキュリティ強化

サイバー空間を守り抜く: DCOとは?

電気や水道のように、インターネットやコンピュータネットワークは私たちの生活に欠かせないものとなりました。その一方で、利便性と引き換えに、目に見えないサイバー攻撃の危険性に常にさらされているという現実があります。私たちの大切な情報やシステムを守るためには、このような脅威から身を守る対策が必須です。 特に国家レベルでは、国民の生活、経済活動、安全保障に直結する重要な情報やシステムが攻撃対象となる可能性があり、強固な防御体制の構築が急務です。 では、目に見えない脅威から身を守るためには、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか? まず、一人ひとりがセキュリティ意識を高め、パスワードの管理や不審なメールへの対応など、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。 さらに、企業や組織では、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなどのセキュリティ対策を導入するだけでなく、従業員へのセキュリティ教育を定期的に実施し、セキュリティ意識の向上を図る必要があります。 そして、国家レベルでは、サイバー攻撃に対する法整備や、サイバーセキュリティに関する専門機関の設置、国際的な連携強化など、総合的な対策を進める必要があります。 目に見えない脅威から大切な情報やシステムを守るためには、私たち一人ひとりの意識と行動、そして社会全体での取り組みが重要です。
マルウェア

NotPetya:ランサムウェアに見せかけられた破壊兵器

- NotPetyaとはNotPetyaは、2017年に世界中で大きな被害をもたらした、非常に悪質なソフトウェアです。見た目は、お金を要求してパソコンを人質にした後、お金と引き換えに元に戻す身代金要求型ウイルスに見せかけていますが、実際には感染したパソコンを完全に壊してしまうことを目的とした「ワイパー」と呼ばれる種類のソフトウェアです。NotPetyaに感染すると、まずハードディスクの起動に必要な領域であるマスターブートレコード(MBR)が書き換えられ、パソコンを起動できなくなります。次に、画面上に身代金を要求するメッセージが表示されますが、これは偽装です。実際には、お金を支払っても壊されたファイルは元に戻りません。NotPetyaは、ウクライナの企業を狙った攻撃をきっかけに世界中に拡散し、多くの企業が業務に大きな支障をきたしました。この事例は、サイバー攻撃が企業活動に壊滅的な影響を与える可能性を示す深刻な事例となりました。重要なデータはこまめにバックアップを取り、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入するなど、日頃から対策をしておくことが重要です。
ネットワーク

進化する防御壁:次世代ファイアウォールとは

インターネットは私たちの生活を大きく変え、情報へのアクセスや人との繋がりを容易にしました。しかし、その利便性が高まる一方で、悪意のある攻撃者からの脅威も増大しています。従来型の攻撃に加え、巧妙化・複雑化する新たな脅威からシステムを守るためには、従来の防御壁だけでは限界があります。これまでの防御壁は、家の塀のように、外部からの侵入を防ぐことしかできませんでした。しかし、現代の攻撃者は、まるで家の鍵を偽造したり、窓から侵入を試みるかのように、巧妙な手段で防御を突破しようとします。 そこで登場したのが、次世代の防御壁です。これは、家の周りに監視カメラやセンサーを設置し、侵入者を早期に発見・排除するだけでなく、侵入経路を分析して、その後の対策を強化するようなものです。具体的には、アプリケーションの利用状況を把握して不正なアクセスを遮断したり、怪しい動きをいち早く察知して侵入を未然に防いだりします。さらに、世界中で発生している攻撃の情報を収集・分析し、最新の脅威情報に基づいて防御システムを常に強化することで、未知の攻撃にも対応できるようになります。このように、次世代の防御壁は、多層的な防御機能を備えることで、現代のサイバー攻撃からシステムを強力に保護します。
サイバー犯罪

悪用されるケースも!? リバースプロキシツールfrpとは

- frpの概要 frp(FastReverseProxy)は、自宅や社内ネットワークなど、通常インターネットから直接アクセスできない場所にあるサーバーを、外部に公開するための便利なツールです。これは、オープンソースのリバースプロキシとして機能し、複雑な設定なしに、安全かつ簡単にサーバーを公開できます。 インターネットから自宅のサーバーにアクセスしようとすると、通常はルーターの設定変更やグローバルIPアドレスの取得など、専門的な知識が必要となります。しかし、frpを使うことで、これらの面倒な手順を踏むことなく、誰でも簡単にサーバーを外部に公開することが可能になります。 frpは、クライアントとサーバーの2つの要素で構成されます。公開したいサーバーにfrpのクライアントを、インターネット上に公開されているサーバーにfrpのサーバーをそれぞれ設置します。すると、クライアントとサーバーが通信を行い、あたかも外部から直接アクセスしているかのように、ローカルサーバーへのアクセスが可能になります。 frpは、ウェブサイトの公開やリモートデスクトップ接続など、様々な用途に活用できます。このツールを使うことで、自宅サーバーの運用がより便利になり、様々な可能性が広がります。
データ保護

DB2:進化し続けるIBMのデータベース管理システム

- DB2とはDB2は、アメリカの巨人企業であるIBM社が開発・販売を行っている、データベース管理システム(DBMS)です。正式名称はIBM Db2といいますが、一般的にはDB2という名前で知られています。1983年に初めて世に出てから、長い年月にわたり、数多くの企業で利用され続けてきました。その信頼性の高さや処理能力の高さから、企業の根幹を支える重要なシステムや、重要なデータを扱うシステムで多く採用されています。 DB2は、膨大な量のデータを効率的に管理し、高速で処理することに非常に優れています。そのため、企業が成長していくために欠かせないデータの基盤として、重要な役割を担っています。DB2は、企業の様々な業務システムに組み込まれており、顧客管理、販売管理、在庫管理、会計処理など、多岐にわたる業務で利用されています。 DB2は、高い信頼性と性能を備えているため、企業は安心して重要なデータを預けることができます。また、DB2は、長年にわたり開発・改良が続けられており、最新の技術にも対応しています。そのため、企業は、DB2を利用することで、常に最新の技術を活用したデータ管理システムを構築・運用することができます。
マルウェア

進化を続ける脅威:Nokoyawaランサムウェアの最新動向

- ノコヤワランサムウェアとはノコヤワランサムウェアは、2022年に初めてその存在が確認された、比較的新しい種類の脅威です。しかし、その危険性は発見以降日に日に深刻化しており、企業や組織、個人の間で急速に感染を広げています。 このランサムウェアは、従来のものと同様に、感染したコンピュータ上に保存されているファイルを探し出し、複雑な暗号化アルゴリズムを用いてそれらを暗号化します。暗号化されたファイルは拡張子が変更され、アクセスや使用が不可能になります。 ノコヤワランサムウェアの最も恐ろしい点は、ファイルの暗号化を行う前に、機密性の高い情報を窃取するという点です。具体的には、個人情報や金融情報、企業秘密などがその対象となります。そして、攻撃者は盗み出した情報を人質に、身代金の支払いを要求してきます。 身代金の要求に応じなかった場合、盗まれた情報は闇サイトで公開されたり、競合他社に売却されたりする可能性があります。これは、金銭的な損失だけでなく、企業の評判失墜や競争力の低下、個人情報漏洩による深刻な被害など、計り知れない影響をもたらす可能性があります。
認証

ドメインコントローラとそのセキュリティ対策

- ドメインコントローラの役割 企業内ネットワークにおいて、社員の情報やアクセス権を一元管理することは、セキュリティと業務効率の観点から非常に重要です。Windows Server環境では、この重要な役割を担うのが「Active Directory」という仕組みであり、その中核となるサーバーが「ドメインコントローラ」です。 ドメインコントローラは、いわば企業のセキュリティシステムの司令塔と例えることができます。社員一人ひとりのアカウント情報(ユーザー名やパスワード)やアクセス権限、さらにはコンピュータのセキュリティ設定など、組織にとって極めて重要な情報が保管されています。 社員がパソコンにログインする際、ドメインコントローラはユーザー名とパスワードの照合を行い、アクセス権限に基づいて利用可能なリソースを決定します。これにより、許可された社員だけが適切な情報やシステムにアクセスできるようになり、情報漏洩や不正アクセスのリスクを大幅に低減することができます。 このように、ドメインコントローラは企業内ネットワークのセキュリティと円滑な運用に欠かせない重要な役割を担っています。
セキュリティ強化

守るべきものを見極める:情報資産管理の重要性

- 情報資産とは情報資産とは、企業にとって価値のある情報やデータ、システムなどを指します。顧客情報や財務データ、技術資料といった具体的なデータはもちろんのこと、企業のブランドイメージや従業員の知識、経験なども含まれます。例えば、長年積み重ねてきた顧客との取引履歴や顧客リストは、企業にとって非常に重要な情報資産です。これらの情報は、顧客のニーズを分析し、効果的なマーケティング戦略を立案する上で欠かせません。また、企業の売上や利益に直結する財務データや、競合他社に知られると不利益を被る可能性のある技術資料なども、厳重に保護すべき情報資産といえます。情報資産は、形のない情報だけでなく、それらを扱うシステムや機器、ソフトウェアなども含みます。顧客情報を管理するデータベースや、財務データを処理する会計システム、重要な技術資料を保管するサーバーなどが挙げられます。これらのシステムや機器が正常に稼働することで、企業は円滑に事業を継続することができます。このように、情報資産は企業の競争優位性を築き、事業を円滑に進める上で欠かせないものです。そのため、情報資産を適切に管理し、サイバー攻撃や情報漏洩などの脅威から保護することは、企業にとって非常に重要な課題となります。
コンプライアンス

企業を守るeディスカバリー対策

- eディスカバリーとはeディスカバリーとは、裁判や調査が行われる際に、電子データを含む関連情報を見つけ出し、集め、内容を確認し、分析し、提出するという、一連の流れ全体を指します。近年、企業活動において電子データの重要性が増しており、eディスカバリーは企業にとって非常に重要なプロセスとなっています。従来の紙媒体だけでなく、電子メール、文書ファイル、データベース、ウェブサイト、ソーシャルメディアなど、様々な種類の電子データが対象となるため、膨大な情報量を効率的に扱うための専門的な知識や技術が求められます。eディスカバリーのプロセスは、大きく分けて以下のようになります。1. -情報の特定- 裁判や調査の対象となる情報が、どこにあるのか、どのような形式で保存されているのかを特定します。2. -情報の収集- 特定された情報を、適切な方法で収集します。3. -情報のレビュー- 収集した情報が、裁判や調査に必要かどうかを判断し、不要な情報は除きます。4. -情報の分析- 必要な情報の内容を分析し、裁判や調査で活用できる形にまとめます。5. -情報の提出- 分析した情報を、裁判所や調査機関に提出します。eディスカバリーは、専門性の高い複雑なプロセスであるため、弁護士や専門業者などの協力を得ながら進めることが一般的です。
セキュリティ強化

アプリケーションの安全性を見守るDAST:攻撃シミュレーションで脆弱性を検出

- DASTとは DASTは、「動的アプリケーションセキュリティテスト」の略称で、開発されたアプリケーションの安全性を評価する上で欠かせないテスト手法です。 このテストは、アプリケーションを外部から攻撃する「ブラックボックステスト」に分類されます。 DASTの特徴は、実際に攻撃を仕掛けるように動作することで、隠れた脆弱性を発見することにあります。 従来のソースコードを解析する静的テストとは異なり、DASTは実際にアプリケーションを動作させるため、より実践的なセキュリティテストといえます。 DASTは、開発の最終段階やリリース後など、アプリケーションが実際に稼働する環境で実施することが効果的です。 例えるならば、DASTは泥棒が侵入を試みるようにアプリケーションの防御をかいくぐろうとします。 もし、アプリケーションにセキュリティ上の弱点があれば、DASTはそこを突いて侵入を試みます。 このようにして、DASTは開発者が想定していなかった脆弱性を発見することができます。 DASTは、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションといった一般的な攻撃から、より複雑なビジネスロジックの脆弱性まで、幅広い脅威を検出することができます。 近年、Webアプリケーションのセキュリティ対策はますます重要になってきており、DASTは開発者にとって必要不可欠なツールとなっています。
サイバー犯罪

使われなくなったサブドメインに潜む危険

インターネット上で情報を発信したり、サービスを提供したりする際に欠かせないのがウェブサイトです。ウェブサイトへアクセスするには、インターネット上の住所にあたるドメインが必要です。ドメインは「example.com」のように、人間にとって分かりやすい文字列で表されます。 ドメインは、ウェブサイトの顔とも言える重要な要素です。ウェブサイトの信頼性を左右するだけでなく、ユーザーがウェブサイトを覚えやすくするのにも役立ちます。 信頼できるドメインを取得するためには、信頼できるレジストラと呼ばれるドメイン登録業者を選ぶことが重要です。また、ドメインを取得したら、適切に管理する必要があります。ウェブサイトの目的やターゲットに合ったドメインを選ぶことが大切です。 例えば、企業がウェブサイトを開設する場合、会社名やブランド名を含むドメインを取得することが一般的です。これは、ユーザーに分かりやすく、信頼感を与えるとともに、ブランドイメージの向上にもつながります。 ウェブサイトを運営する上で、ドメインは重要な役割を果たします。信頼できるドメインを取得し、適切に管理することで、ウェブサイトの信頼性と安全性を高めることができます。
サイバー犯罪

セッションIDの盗用にご用心!

インターネットの世界では、私たちがウェブサイトを閲覧したり、サービスを利用したりする裏側で、常に情報交換が行われています。その際、円滑なやり取りを実現するために「セッション」と呼ばれる仕組みが使われています。ウェブサイトにログインすると、その人専用の通行証である「セッションID」が発行されます。このセッションIDは、私たちが誰かをウェブサイトに認識させるための重要な役割を担っています。 例えば、インターネットショッピングで商品をカートに入れたり、オンラインバンキングで取引を行う際に、ウェブサイトはセッションIDを通じて私たちを特定し、それぞれの情報と照らし合わせています。つまり、セッションIDは私たちの個人情報と密接に関係しており、万が一、第三者に盗まれてしまうと、個人情報が漏洩したり、悪用されたりする危険性があります。 セッションIDを盗み取る攻撃は「セッションID盗用」と呼ばれており、気付かないうちに被害に遭っている可能性もあるため、注意が必要です。私たちが普段利用しているウェブサイトの裏側では、このような仕組みで情報管理が行われていることを理解し、セキュリティに対する意識を高めることが大切です。