見落とされがちな脅威:隠れチャネルとは?
- 正規の通信路を悪用する隠れチャネル
コンピュータの世界では、データのやり取りに、メールやファイル転送といった誰もが使う方法が使われます。しかし、悪意を持った攻撃者は、これらの正しい方法を悪用し、本来送るべきではない情報をこっそり送信することがあります。これが「隠れチャネル」と呼ばれる巧妙な手法です。
例えば、一見すると問題のないメールの件名や送信時間を細工することで、秘密のメッセージを伝えることができます。さらに、デジタル画像のわずかな色の違いに情報を埋め込む「ステガノグラフィー」といった技術を使う場合もあります。
このような通信は、システム管理者であっても、正規の通信と見分けるのが難しく、発見が遅れてしまうため、セキュリティ上、非常に危険です。なぜなら、悪意のあるプログラムや機密情報が、気付かれずに外部に送信されてしまう可能性があるからです。
隠れチャネルへの対策としては、通信内容の深い検査や、送信元と受信先の関係性の確認、普段とは異なる通信パターンを検知する異常検知システムの導入などが考えられます。