セキュリティ強化

事業継続の要!BCPで備えを万全に

- 予期せぬ事態への備え私たちは、常に様々なリスクに囲まれて生活しています。いつ起こるか分からない地震や洪水などの自然災害はもちろんのこと、近年では、大規模なシステム障害や感染症の流行など、私たちの生活や経済活動に大きな影響を与える可能性のある事態も想定しなければなりません。企業活動においても、こうした予期せぬ事態は、事業の継続を困難にする深刻な脅威となります。工場の操業停止や物流の途絶は、商品の製造や供給に支障をきたし、顧客からの信頼を失墜させかねません。また、従業員の安全確保や顧客情報の保護など、企業は、社会的責任を果たしながら、混乱を収束させ、一日も早く事業を復旧させることが求められます。このような事態に備え、事業への影響を最小限に抑え、迅速な復旧と事業の継続を図るための計画を立てておくことが重要です。いわゆる「事業継続計画(BCP)」と呼ばれるものです。BCPでは、想定される様々なリスクを洗い出し、それぞれの発生時における事業への影響度や発生頻度を分析します。そして、優先的に対応すべき事業や、必要な資源などを明確化し、具体的な対応手順を定めておくことが重要です。
脆弱性

セキュリティ対策の強い味方:JVNとは?

- 脆弱性情報の重要性インターネットの普及により、私たちの生活はより便利で豊かなものになりました。しかしその一方で、コンピュータやソフトウェアへの悪意ある攻撃のリスクも増大しています。攻撃者は、システムの弱点、つまり「脆弱性」を突き、情報を盗んだり、システムを破壊したりしようと試みます。このような攻撃から身を守るためには、常に最新の脆弱性情報を把握し、適切な対策を講じることが非常に重要です。 脆弱性情報は、ソフトウェア開発者やセキュリティ専門機関などから公開されており、ウェブサイトやメールマガジンなどで入手できます。脆弱性情報には、どのような脆弱性があるのか、その影響範囲、対策方法などが詳しく記載されています。これらの情報を入手することで、私たちは自身の利用しているシステムに潜む危険性を認識し、早急に対処することができます。具体的には、ソフトウェアのアップデートやセキュリティソフトの導入、パスワードの強化など、状況に応じた適切な対策を講じる必要があります。 脆弱性情報は、私たちが安全にインターネットを利用するための「羅針盤」と言えるでしょう。日頃から脆弱性情報に目を向け、セキュリティ対策を意識することで、私たちはサイバー攻撃の脅威から大切な情報やシステムを守ることができます。
脆弱性

Webサービスを守る!コードインジェクション対策入門

- コードインジェクションとはコードインジェクションとは、インターネット上で情報を扱う仕組みであるウェブアプリケーションの弱点をつき、悪意のあるプログラムの断片を埋め込むことで、本来とは異なる動きをさせる攻撃手法です。ウェブサイトやウェブサービスは、ユーザーからの情報を処理して様々な機能を提供しています。例えば、ユーザーが入力した検索キーワードを元にデータベースから情報を検索したり、ユーザーが入力したコメントを他のユーザーに表示したりするなどです。コードインジェクションは、このようなユーザーからの入力データを適切に処理せずに、プログラムの一部として誤って実行してしまう場合に発生します。例えば、ユーザーがコメント欄に悪意のあるプログラムの断片を含む文章を入力したとします。適切な処理が行われていない場合、この文章はプログラムの一部として認識され、実行されてしまいます。攻撃者はこの脆弱性を悪用し、機密情報であるパスワードや個人情報を盗み出したり、保存されているデータを書き換えたり、システムを乗っ取ったりするなど、様々な悪事を働く可能性があります。コードインジェクションは、ウェブアプリケーション開発者がセキュリティ対策を怠ると簡単に発生する可能性があります。そのため、ウェブアプリケーション開発者は、ユーザーからの入力データを適切に処理するなど、セキュリティ対策をしっかりと行う必要があります。
サイバー犯罪

大物を狙う脅威:ホエーリングとは

- 巧妙化する標的型攻撃 インターネットの利用が当たり前になった現代において、悪意を持った人物による攻撃も、より巧妙かつ複雑化しています。特に、特定の個人や組織を狙い撃ちにする標的型攻撃は、その巧妙さゆえに、甚大な被害をもたらす危険性をはらんでいます。 標的型攻撃は、まるで獲物を狙うハンターのように、綿密な計画と入念な準備のもとで実行されます。攻撃者は、対象に関する情報を時間をかけて収集し、その人物の行動パターンや弱点を探ります。そして、その情報をもとに、巧妙に偽装したメールやウェブサイトなどを用いて、対象を罠に誘い込むのです。 標的型攻撃の中でも、社会的に高い地位にある人物や裕福な層を狙った攻撃は、「ホエーリング」と呼ばれています。これは、まるで大海原で巨大なクジラを狙う漁のように、高額な金銭や重要な機密情報を奪い取ることを目的としています。ホエーリングの被害者は、その社会的な立場上、多額の資金を管理していたり、機密性の高い情報にアクセスできる立場にあることが多いです。そのため、攻撃者にとって格好の標的となってしまうのです。 近年、標的型攻撃による被害は増加の一途をたどっており、その手口もますます巧妙化しています。そのため、一人ひとりがセキュリティに対する意識を高め、攻撃から身を守るための対策を講じることが重要です。
セキュリティ強化

JPCERT/CC:日本のサイバーセキュリティを守る守護者

- 日本のサイバーセキュリティの中核機関 日本のインターネット社会をサイバー攻撃の脅威から守るために、重要な役割を担っている組織があります。それが、JPCERT/CC(ジェーピーサート/シーシー)です。正式名称は「一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター」といい、日本のサイバーセキュリティ対策の中核を担う組織として、国内外で広く知られています。 JPCERT/CCは、日々変化するサイバー攻撃の手口に関する情報を国内外から収集し、分析しています。得られた情報は、最新の脅威として企業や私たち個人に向けて発信され、注意を促すとともに、安全対策の強化を呼びかけています。 また、実際にサイバー攻撃が発生した場合には、被害の拡大を防ぐための重要な役割も担います。発生源の特定や攻撃の手口を迅速に分析し、関係機関と連携して被害を最小限に抑える活動を行っています。 このようにJPCERT/CCは、情報収集から分析、そして対応まで、日本のサイバーセキュリティを包括的に支える重要な機関として、私たちが安心してインターネットを利用できる環境を守り続けています。
マルウェア

防衛産業を狙うサイバー攻撃に警戒を!

近年、世界中でサイバー攻撃の脅威が増大しています。特に、高度な技術と豊富な資源を持つ国家が関与していると疑われる攻撃は、深刻な被害をもたらす可能性があり、大きな懸念となっています。防衛やエネルギーといった重要な社会インフラを担う企業や組織が、これらの攻撃の標的となるケースが増えています。国家が背後にいる攻撃者は、金銭目的の犯罪者とは異なり、機密情報の窃取やシステムの機能麻痺、破壊などを企図しているケースが多く、その影響は極めて甚大です。もし、電力網や通信網、金融システムなどが攻撃によって停止に追い込まれれば、私たちの生活や経済活動は大きな混乱に陥る可能性があります。このような脅威から身を守るためには、私たち一人ひとりがサイバー攻撃に対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、複雑なパスワードを設定する、怪しいメールやウェブサイトを開かない、ソフトウェアを常に最新の状態に保つといった基本的な対策を徹底する必要があります。企業においては、最新のセキュリティ対策技術を導入するだけでなく、従業員へのセキュリティ教育を強化し、組織全体でセキュリティレベルの向上に取り組むことが重要です。サイバー攻撃は、もはや他人事ではありません。国家レベルでの対策強化はもちろんのこと、私たち一人ひとりが危機意識を持ち、日頃から対策を講じることで、安全で安心なデジタル社会を実現していく必要があるのです。
セキュリティ強化

クラウド時代の防御壁:Silverline WAFとは

今日では、インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなり、企業や組織にとって、ウェブサイトやウェブアプリケーションは事業の成功に不可欠な要素となっています。しかし、インターネットの利便性が高まる一方で、悪意のある攻撃の標的となる危険性も増大しています。ウェブサイトやウェブアプリケーションは、企業の重要な情報や顧客の個人情報などを扱うため、サイバー攻撃による被害は、経済的な損失だけでなく、企業の信頼失墜にもつながりかねません。 そこで、企業は、外部からの攻撃を未然に防ぐ、強固なセキュリティ対策を講じることが重要となります。ウェブサイトやウェブアプリケーションのセキュリティ対策としては、脆弱性を解消するためのソフトウェアの更新、不正アクセスを防ぐためのパスワード管理の徹底、ウェブサイトへの不正なアクセスを検知・遮断するセキュリティシステムの導入など、様々な対策があります。 これらの対策を適切に組み合わせることで、多層的な防御体制を構築し、サイバー攻撃のリスクを大幅に低減することができます。
その他

Webサイトを安全に!コーディングとセキュリティ

インターネット上に自分の家を建てることを想像してみてください。家の設計図を描き、間取りや外観を決めることは、ウェブサイトで言えばデザインやコンテンツを考えることに当たります。しかし、家を実際に建てるには、設計図に基づいて、柱を立て、壁を作り、屋根を葺く作業が必要です。ウェブサイトの場合、この作業が「コーディング」と呼ばれる工程です。 コーディングは、ウェブサイトの見た目を美しく整えたり、ボタンをクリックしたときに特定の動作をするようにしたり、裏側で様々な機能を動かすための指示をコンピュータに与える、いわばウェブサイトの骨組みを作る作業です。 しかし、家を建てる際に、強度が足りない柱を使ったり、鍵をかけずに窓を作ったりすると、泥棒に簡単に侵入されてしまう危険性があります。ウェブサイトも同じように、コーディングの段階でセキュリティ対策を怠ると、悪意のある攻撃者に侵入され、大切な情報を盗まれたり、ウェブサイトを改ざんされたりする危険があります。ウェブサイトを安全に、そして安心して利用するためには、建物を建てる時と同じように、セキュリティを考慮したコーディングを行うことが非常に大切です。
セキュリティ強化

進化するサイバー防衛:JCDCと日本の取り組み

現代社会は、あらゆるものがインターネットにつながる時代となり、私たちの生活はこれまで以上に便利になりました。しかし、それと同時に、悪意のある者によるサイバー攻撃のリスクも増大しています。 企業活動や国家安全保障を揺るがす深刻な脅威となり、その手口も巧妙化の一途をたどっています。 このような状況下では、政府機関や企業がそれぞれ単独で対策を講じるだけでは限界があります。そこで重要となるのが、官民が連携した取り組みです。政府機関は、国家レベルでのサイバーセキュリティ戦略を策定し、最新の脅威に関する情報を収集・分析して共有する役割を担っています。一方、民間企業は、自社のシステムやデータを保護するための技術的な対策を講じるだけでなく、政府機関と連携して、より効果的な対策を検討・実施していく必要があります。 具体的には、脅威情報の共有、インシデント対応訓練の実施、セキュリティ技術の開発、人材育成などの分野において、官民が協力して取り組むことが重要です。これらの取り組みを通じて、サイバー攻撃に対する防御力を強化し、安全なデジタル社会を実現していくことができます。官民連携の強化は、もはや選択ではなく、国家と社会を守るための必須条件と言えるでしょう。
セキュリティ強化

企業を守る!ペネトレーションテストのススメ

- はじめにと-# はじめにと現代社会において、情報システムは企業活動にとって欠かせないものとなっています。あらゆる業務が情報システムに依存し、顧客情報や企業秘密など、重要な情報がシステム内に保存されています。しかし、それと同時に、悪意を持った第三者によるサイバー攻撃の脅威も増大しており、企業はセキュリティ対策に一層真剣に取り組む必要性に迫られています。情報システムは、構築時の設計上のミスや、運用中の設定変更、あるいは使用しているソフトウェアの脆弱性など、様々な要因によってセキュリティ上の弱点が生じることがあります。このような弱点は、発見が遅れれば遅れるほど、悪用されるリスクが高まり、企業に甚大な被害をもたらす可能性があります。そこで、システムのセキュリティ上の弱点を事前に発見し、対策を講じるために有効な手段として「ペネトレーションテスト」が注目されています。ペネトレーションテストとは、擬似的に悪意のある攻撃者になってシステムに侵入を試み、脆弱性を洗い出すことで、システムのセキュリティ強度を評価する手法です。ペネトレーションテストを実施することで、潜在的なセキュリティリスクを具体的に把握し、適切な対策を講じることができます。これにより、サイバー攻撃による情報漏洩やシステムの停止といった被害を未然に防ぎ、企業の信頼と顧客の安全を守ることに繋がります。
ネットワーク

ネットワークの門番:ゲートウェイの役割と重要性

私たちの身の回りには、家庭やオフィスで使われる比較的小規模なネットワークと、世界中に広がるインターネットのような巨大なネットワークが存在します。異なる広さのネットワークは、まるで異なる言語を使用しているかのように、そのままでは直接やり取りを行うことができません。 異なるネットワークを接続し、情報を正しくやり取りするために重要な役割を担うのが「ゲートウェイ」です。 例えば、自宅のパソコンでインターネットを閲覧する場合を考えてみましょう。パソコンは家庭内のネットワークに接続されていますが、インターネットにアクセスするためには、家庭内ネットワークとインターネットをつなぐゲートウェイが必要になります。 ゲートウェイは、異なるネットワーク間でデータのパケットを受け渡しする「通訳者」のような役割を果たします。具体的には、ゲートウェイは一方のネットワークから受け取ったデータのパケットの宛先を確認し、必要に応じてデータ形式を変換したり、適切な経路を選択したりして、もう一方のネットワークに送信します。 このように、ゲートウェイは私たちが意識することなく、異なるネットワーク間の通信を陰ながら支えているのです。
データ保護

BIで経営を強化!データ分析がもたらす未来予測

- BIとは何か? 「BI」とは、「ビジネスインテリジェンス」の略称で、企業活動の中で生まれてくる膨大なデータを、収集して分析し、経営判断に役立つ情報へと変換する技術や手法のことを指します。 日々蓄積されていく膨大なデータは、そのままでは宝の山とは言えず、価値を見出すことが難しいのが現状です。BIは、これらのデータを分析し、分かりやすく可視化することで、企業の現状把握、問題点の発見、そして未来予測といった、経営判断に欠かせない情報を提供します。 例えば、顧客の購買履歴や商品の売上データなどをBIツールで分析すれば、どのような顧客層にどのような商品が人気なのか、どの地域で売上が伸び悩んでいるのかといったことが分かります。 BIは、過去のデータから現在の状況を把握するだけでなく、未来予測を行うための強力なツールとしても注目されています。過去のデータに基づいて将来の売上や需要を予測することで、企業はより的確な経営戦略を立てることができます。 このように、BIは企業にとって、データに基づいた的確な判断を行い、競争を勝ち抜くために不可欠な要素になりつつあります。
セキュリティ強化

クラウド時代の防御壁:Silverline Web Application Firewallとは

- はじめにと題して 今日では、誰もがインターネットを使う時代となり、暮らしを便利にする様々なサービスが生まれています。しかし、便利なサービスの裏側では、悪意のある攻撃者による脅威も増大しています。特に、多くの利用者を抱えるウェブアプリケーションは、攻撃の格好の標的となっています。もし、企業が提供するサービスが攻撃を受けてしまったら、顧客の大切な情報が漏洩したり、サービスが停止したりするなど、大きな被害が発生する可能性があります。 そこで、企業は顧客とサービスを守る盾となる、強固なセキュリティ対策が必要となります。そのための有効な手段の一つとして、近年注目を集めているのが「クラウド型のウェブアプリケーションファイアウォール」、略してWAFです。 WAFは、ウェブアプリケーションへの不正なアクセスを遮断する、まさに門番のような役割を担っています。 この資料では、ウェブアプリケーションを狙った攻撃の実態や、従来型のセキュリティ対策では対処が難しい点、そして、クラウド型WAFがなぜ有効な対策となるのかについて詳しく解説していきます。
IoT

安心できるIoT社会を目指して:セキュリティガイドライン解説

- はじめIoTとセキュリティの深い関係近年、私たちの身の回りには、インターネットに接続する機器があふれています。家電製品や自動車、病院の医療機器まで、様々な「モノ」がインターネットにつながることで、私たちの生活はより便利で快適なものへと変化しています。この、あらゆる「モノ」がインターネットにつながる仕組みを、-「モノのインターネット」-と呼びます。これは、英語では「Internet of Things」といい、その頭文字をとって「IoT」とよく呼ばれています。 IoTは、私たちの生活に多くの恩恵をもたらす一方で、新たな課題も生み出しています。それは、セキュリティの問題です。インターネットにつながる機器が増えるということは、それだけ、悪意のある攻撃者の侵入経路が増えることを意味します。もし、セキュリティ対策が不十分なままIoT機器を利用した場合、あなたの大切な個人情報が盗み見られたり、機器が勝手に操作されてしまう危険性があります。 IoTを安全に利用するためには、IoT機器を作る開発者だけでなく、私たち一人ひとりがセキュリティについて正しい知識を身につけ、適切な対策を講じることが重要です。 この資料では、IoTセキュリティの基礎知識から具体的な対策方法まで、分かりやすく解説していきます。安心・安全なIoT社会を実現するために、一緒に学びを深めていきましょう。
セキュリティ強化

企業の防御力を強化!ペネトレーションテストのススメ

- はじめ 現代社会において、企業は顧客情報や企業秘密など、多くの重要な情報を扱うようになりました。これらの情報は、企業にとってまさに命綱とも言えるものであり、その保護は企業活動の根幹を支える重要な要素となっています。しかし、近年、技術の進歩に伴い、悪意を持った攻撃者によるサイバー攻撃の脅威は増大の一途を辿っています。 巧妙化する攻撃手法は、従来のセキュリティ対策では防ぎきれないケースも増え、企業はかつてない危機に直面しています。もしも、重要な情報が攻撃者の手に渡ってしまった場合、企業は経済的な損失はもちろんのこと、社会的な信用を失墜し、事業の継続さえ危ぶまれる事態になりかねません。 このような状況を打破するために、企業は自社のセキュリティ対策が本当に有効であるのか、多角的な視点から検証する必要があります。そこで、近年注目を集めているのがペネトレーションテストです。これは、攻撃者の視点に立ってシステムの脆弱性を洗い出し、対策を講じることで、より強固なセキュリティ体制を構築することを目的としています。
セキュリティ強化

現代暗号の基礎!ケルクホフスの原理

- ケルクホフスの原理とは? 情報を守るための技術である暗号は、私たちの生活において非常に重要な役割を担っています。インターネットで買い物をしたり、大切な情報をやり取りしたりする際に、情報を盗み見られることから守ってくれるのが暗号です。 この暗号の安全性を考える上で、「ケルクホフスの原理」と呼ばれる重要な考え方があります。これは、19世紀のオランダの言語学者であり、暗号の研究者でもあったオーギュスト・ケルクホフスによって提唱されました。 ケルクホフスの原理は、「暗号方式の仕組み自体が敵に知られてしまっても、鍵が秘密である限り、その暗号は安全であるべき」という原則です。 例えば、皆さんが毎日使っている家の鍵を想像してみてください。家の鍵の仕組み(鍵穴の形や鍵の構造)は、広く知られています。しかし、実際に家の中に入れるのは、その鍵を持っている人だけです。これは、鍵自体が秘密情報だからです。 暗号も同じように、たとえ暗号の仕組みが敵に知られてしまっても、鍵さえしっかり守られていれば、情報は守られるべきなのです。 ケルクホフスの原理は、暗号の安全性を考える上で、今も昔も変わらない重要な原則です。そして、私たちが安心して暮らしていくためにも、この原理を理解し、情報を守ることの大切さを意識することが重要です。
ネットワーク

「見える化」の脅威:Shodanが映し出す無防備な世界

皆さんは普段、インターネットで様々な情報を検索する際に、「検索エンジン」と呼ばれるサービスを利用していますよね。有名なものでは「〇〇検索」や「△△検索」などがありますが、これらはウェブサイトの中から、入力したキーワードに合致する情報を表示してくれます。 では、今回ご紹介する「Shodan」は、一体どのような検索エンジンなのでしょうか? 「Shodan」は、インターネットに接続されている、パソコンやサーバー、ルーターといった機器を探し出すための検索エンジンです。私たちが普段使う検索エンジンがウェブサイトを対象としているのに対し、「Shodan」はウェブサイトはもちろんのこと、世界中のあらゆる機器を検索対象としているという点が、大きな違いです。 「Shodan」は、機器自身が発信している情報をもとに、その機器の種類や設置場所、使用されているソフトウェアの種類やバージョン、さらには、セキュリティ対策の状況などの情報を収集します。その情報はまるで、インターネット上に無数に存在する機器を一つ一つ覗き込む「目」のようです。 「Shodan」は、セキュリティの専門家などが、インターネット上の機器の脆弱性を発見し、サイバー攻撃から守るために活用されています。
IoT

Society5.0実現の鍵!IoT-SSFとは?

- Society5.0とIoTセキュリティ Society5.0という言葉をご存知でしょうか。これは、現実世界とインターネットの世界を密接に繋ぎ合わせ、経済発展と社会問題の解決を同時に目指す、人間中心の新しい社会を指します。 このSociety5.0の実現には、IoT(Internet of Things)が欠かせない要素となります。IoTとは、身の回りの様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報をやり取りすることで、互いに制御し合う仕組みのことです。 例えば、工場の機械の稼働状況をインターネット経由で監視したり、自宅の家電製品を外出先から操作したりすることが可能になります。このようにIoTは、私たちの生活を便利にする可能性を秘めています。 しかし、その一方で、多くのモノがインターネットに接続されるということは、それだけサイバー攻撃の危険性が高まるという側面も持ち合わせています。もし、あなたの家の家電がサイバー攻撃を受けたら、どうなるでしょうか? プライバシーが侵害されたり、最悪の場合、家電が誤作動を起こし、火災などの危険に繋がる可能性も否定できません。 そのため、Society5.0を実現するためには、IoT機器のセキュリティ対策が非常に重要になります。 IoT機器メーカーは、セキュリティ対策を施した製品開発を積極的に行い、利用者は、パスワードを定期的に変更するなど、セキュリティ意識を高めることが重要です。 Society5.0は、私たちに便利な社会を約束する一方で、新たな課題も突きつけています。IoTセキュリティへの意識を高め、安全なSociety5.0の実現を目指しましょう。
マルウェア

潜む脅威: ペイロードの危険性

- ペイロードとは ペイロードは、本来「荷物」や「積荷」といった意味を持つ言葉ですが、情報セキュリティの分野では異なる意味で使われます。ここでは、セキュリティにおけるペイロードの意味と、それがなぜ危険なのかを詳しく解説します。 情報セキュリティの世界において、ペイロードとは、攻撃者が仕込んだ悪意のあるプログラムやコードのことを指します。これは、例えるなら爆弾における火薬のようなもので、攻撃の目的を達成するための核となる部分です。ペイロードは、それ自体ではただのデータに過ぎませんが、実行されるとコンピュータにさまざまな悪影響を及ぼします。 例えば、パソコンのデータを勝手に消去したり、暗号化して身代金を要求するランサムウェア、個人情報や機密情報を盗み出すスパイウェア、他のコンピュータへ攻撃を仕掛ける踏み台として悪用するボットなど、その種類は多岐に渡ります。 ペイロードは、一見無害に見えるファイルやメールに巧妙に隠されていることが多く、気付かないうちに実行してしまう危険性があります。そのため、怪しいファイルを開いたり、不審なリンクをクリックしたりしないように注意することが大切です。また、セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも有効な対策となります。
セキュリティ強化

BISO:ビジネスとセキュリティの架け橋

- ビジネスとセキュリティの溝その深淵を埋めるために現代社会において、企業が競争力を持ち続け、成長していくためには、情報セキュリティの確保はもはや選択肢ではなく、必須事項となっています。しかしながら、利益の追求を第一とする事業部門と、情報セキュリティの確保を至上命題とするセキュリティ部門の間には、しばしば深い溝が存在します。事業部門は、日進月歩のビジネスの世界において、スピード感を持って行動し、他社の一歩先を行くために、常に新しい技術やサービスの導入に意欲的です。革新的なサービスをいち早く市場に投入し、顧客を獲得することが彼らの使命だからです。一方、セキュリティ部門は、企業の情報をあらゆる脅威から守ることを使命としています。そのため、新しい技術やサービスがもたらす潜在的なリスクを徹底的に洗い出し、石橋を叩いて渡るような慎重な対応を重視します。この、まるで速度と安全性のせめぎ合いのような状況は、企業全体のセキュリティ体制を揺るがす深刻な問題を引き起こす可能性があります。両者の溝を埋めるためには、共通の目標を明確にすることが重要です。それは、企業の持続的な成長と顧客からの信頼の確保です。この共通目標を達成するためには、セキュリティは単なるコストではなく、企業価値を高める投資であるという認識を、両者が共有しなければなりません。そのためには、セキュリティ部門は、事業部門が理解しやすい言葉でリスクと対策の効果を説明し、事業目標達成への協力を積極的に行う姿勢を見せるべきです。一方、事業部門は、セキュリティ部門の専門知識に敬意を払い、セキュリティ対策の重要性を理解し、積極的に協力する必要があります。両者が互いの立場を理解し、積極的に対話することで、初めてビジネスとセキュリティの溝は埋まり、強固なセキュリティ体制を築き上げることができるのです。
ネットワーク

国防総省の「グレー・ネットワーク」構想:安全な情報アクセスを実現する仕組みとは

今日の戦闘は、目まぐるしく変わる状況の中で、素早く的確に状況を判断し、行動することが求められます。最前線で戦う兵士や指揮官にとって、刻一刻と変化する戦況を把握し、適切な判断を下すためには、リアルタイムの情報へのアクセスが欠かせません。この情報は、作戦の成功だけでなく、兵士一人ひとりの命を守る上でも非常に重要です。しかし、重要な軍事情報へのアクセスは、常に危険と隣り合わせです。特に、通信インフラが脆弱な戦場や災害派遣の現場では、情報の漏洩や不正アクセスを防ぐことが非常に困難になります。機密情報が敵の手に渡れば、作戦の失敗や、さらに多くの犠牲者を出してしまうリスクも高まります。そのため、いかなる状況下でも、重要な情報を守りながら、必要な情報にアクセスできるような、強固なセキュリティシステムの構築が急務となっています。
セキュリティ強化

Security Onion: 強力なセキュリティ対策を無料で実現

- Security OnionとはSecurity Onionは、ネットワーク上の脅威を監視し、攻撃から身を守るための様々な機能を備えた、無料で利用できるLinuxディストリビューションです。企業や組織の規模に関わらず、誰でも簡単に導入して、高度なセキュリティ対策を実現できます。従来のセキュリティ対策では、検知が難しい巧妙化するサイバー攻撃が増加しています。Security Onionは、このような攻撃から貴重な情報資産を守るために開発されました。Security Onionの特徴は、侵入検知システム(IDS)、侵入防御システム(IPS)、ログ管理、セキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)など、セキュリティ対策に必要なツール群があらかじめパッケージされている点です。これらのツールは連携して動作するように設定されており、導入後すぐに利用を開始できます。また、Security Onionは、初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応できるように設計されています。直感的に操作できるWebインターフェースが用意されているため、専門知識がなくても簡単に利用できます。さらに、コマンドラインインターフェースも用意されており、より詳細な設定や分析を行うことも可能です。Security Onionは、常に最新のセキュリティ脅威に対応するために、定期的にアップデートが提供されています。これにより、常に最新のセキュリティ対策を維持することができます。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の鍵!侵害指標IoCとは?

- 侵入の痕跡、侵害指標IoCとは -# 侵入の痕跡、侵害指標IoCとは 「IoC」とは、「Indicator of Compromise」の略称で、日本語では「侵害指標」と表します。これは、コンピューターやネットワークシステムにおいて、不正なアクセスや攻撃が行われたことを示す兆候となるデータや情報のことを指します。 例えるならば、泥棒が家に侵入した際に残していく足跡や指紋のようなものです。犯人が侵入した事実を示す物的証拠と同じように、IoCもまた、攻撃者がシステムに侵入したことを示す証拠となるのです。 具体的には、以下のようなものがIoCとして挙げられます。 * 見慣れない実行ファイルの存在 * 通常とは異なる通信先の記録 * 不審なプログラムの起動や動作 * システム設定の不正な変更 * 大量のデータ送受信 これらの痕跡は、単独では断定的な証拠とならない場合もありますが、複数のIoCが確認された場合には、システム侵害の可能性が非常に高くなります。 そのため、日頃からシステムやネットワークの監視を行い、IoCを早期に発見することが、サイバー攻撃から身を守る上で非常に重要となります。
ハードウェア

意外と知らない?BIOSの役割とセキュリティ

- コンピュータの心臓部、BIOSとは? コンピュータの電源ボタンを押してから、普段使い慣れたOSが立ち上がるまで、実は様々なプログラムが裏側で働いています。その中でも、特に重要な役割を担っているのがBIOS(Basic Input Output System)です。 BIOSは、例えるなら、コンピュータという建物を建てるための基礎工事や、電気・水道などのインフラ整備を行う、縁の下の力持ちのような存在です。 マザーボード上に搭載された小さなチップに収められたBIOSは、電源投入と同時に、まずコンピュータ自身に搭載された部品が正常に動作するかを確認します。 そして、ハードディスクやUSBメモリなどの記憶装置の中から、OSが格納されている場所を探し出し、OSをメモリに読み込むことで、コンピュータを起動へと導きます。 その他にも、BIOSはキーボードやマウス、ディスプレイといった周辺機器の制御や、起動時の処理速度の調整、日付と時刻の管理など、コンピュータが正常に動作するために欠かせない様々な処理を行っています。 まさに、コンピュータの心臓部と呼ぶにふさわしい存在と言えるでしょう。