セキュリティ強化

攻撃から学ぶ!オフェンシブ・セキュリティのススメ

- 守るだけでは不十分? 現代社会において、情報セキュリティは、企業が事業を続けていくために非常に重要なものとなっています。かつての情報セキュリティ対策といえば、ファイアウォールやウイルス対策ソフトのように、外部からの攻撃を防ぐことが中心でした。しかし、攻撃の手口は日々巧妙化しており、防御側が考えてもみなかったような、より複雑な攻撃が増加しています。そのため、従来のような、守りの姿勢だけのセキュリティ対策では、重要な情報資産を完全に守ることは難しくなってきています。 現代の情報セキュリティ対策には、万が一、攻撃によって情報が盗まれてしまった場合でも、被害を最小限に抑える対策も必要です。例えば、重要なデータは暗号化して、たとえ盗まれても解読できないようにしておくことが有効です。また、システムへのアクセス権限を適切に管理し、必要な人に必要な権限だけを与えることで、不正アクセスのリスクを減らすことができます。 さらに、従業員一人ひとりがセキュリティの重要性を認識し、適切な行動をとることも重要です。不審なメールに注意したり、パスワードを定期的に変更したりするなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、多くの攻撃を防ぐことができます。情報セキュリティは、企業全体で取り組むべき課題であり、守ることと並行して、被害を最小限に抑える対策も講じることで、より強固な情報セキュリティ体制を構築することができます。
セキュリティ強化

安全なソフトウェア開発の鍵:SDLCとは?

- ソフトウェア開発のライフサイクル ソフトウェア開発のライフサイクル(SDLC)とは、ソフトウェアを作る過程を一連の段階に分けて、開発全体をより効率的に進めるための手順のことです。 ソフトウェア開発は、規模の大小にかかわらず、複雑な作業になります。そこで、この複雑な作業を分析、設計、プログラミング、テスト、運用といった段階に分けることで、開発プロセス全体を把握しやすくし、管理を容易にします。 SDLCには、大きく分けて「ウォーターフォールモデル」と「アジャイル開発」という二つの代表的なモデルが存在します。 ウォーターフォールモデルは、滝の水が上から下に流れ落ちるように、各段階を順番に進めていくモデルです。それぞれの段階が明確に分かれており、前の段階に戻ってやり直すことが難しいという特徴があります。 一方、アジャイル開発は、短い期間で開発とテストを繰り返しながら、柔軟に進めていくモデルです。顧客の要望を反映しながら開発を進めることができるため、変化の激しい現代のソフトウェア開発に適しています。 このように、SDLCには様々なモデルが存在し、開発するソフトウェアやプロジェクトの規模、開発体制などに応じて最適なモデルを選択することが重要です。
IoT

重要インフラをサイバー攻撃から守る!ICSセキュリティ対策の基本

- ICSとは ICSとは、「産業制御システム」の略称で、工場や発電所、上下水道、ガス供給施設といった社会インフラなど、私たちの生活に欠かせない重要な施設において、生産工程や設備の監視、制御を行うシステムです。 これらのシステムは、私たちの生活を支える電気、ガス、水道などを安定的に供給するために、24時間365日休むことなく稼働しています。 従来、ICSは外部ネットワークから隔離された環境で運用され、外部からのサイバー攻撃を受けるリスクは低いと考えられていました。しかし、近年では、IoT技術の導入により、インターネットを介してICSを遠隔監視・制御するケースが増加しています。 これは、運用効率の向上やコスト削減といったメリットをもたらす一方で、サイバー攻撃のリスクを高めるという側面も持ち合わせています。 もし、ICSがサイバー攻撃によって機能停止に陥った場合、生産活動の停止や、インフラサービスの停止といった深刻な事態を引き起こす可能性があり、私たちの生活にも大きな影響を与えることが懸念されています。 そのため、ICSへのサイバー攻撃に対する対策は、企業だけでなく、社会全体にとっても重要な課題となっています。
サイバー犯罪

オーロラ作戦:国家規模のサイバー攻撃から学ぶ教訓

2010年に発生したオーロラ作戦は、世界中の企業に大きな衝撃を与えた、史上最大規模のサイバー攻撃として記憶されています。高度な技術を持つ攻撃グループは、Yahoo!やAdobe、Googleといった誰もが知るような有名企業を含む、30社以上もの企業を標的にしました。彼らの目的は、企業の機密情報を盗み出すことでした。このサイバー攻撃は、その規模の大きさだけでなく、国家の関与が疑われたことから、世界中に大きな波紋を広げました。 オーロラ作戦では、攻撃者はまず、標的となる企業の従業員に、巧妙に偽装されたメールを送信しました。このメールには、一見すると安全に見えるファイルが添付されていましたが、実際には悪意のあるプログラムが仕込まれていました。従業員がそのファイルを開くと、コンピュータがウイルスに感染し、攻撃者は企業のネットワークに侵入することができました。 一度ネットワークに侵入すると、攻撃者は数ヶ月もの間、潜伏して情報収集を行いました。そして、十分な情報を収集した後、機密データを盗み出しました。盗まれたデータには、顧客情報や企業秘密、知的財産などが含まれていました。 オーロラ作戦は、サイバー攻撃が企業にとって、いかに深刻な脅威となり得るかを、世界中に知らしめることになりました。この事件をきっかけに、多くの企業がセキュリティ対策を見直し、より強固な防御体制を構築するようになりました。
セキュリティ強化

企業のセキュリティ対策に!SCCM/MECMでできること

- SCCM/MECMとは SCCM/MECMは、組織内の多様なデバイスを一元管理する上で非常に有用なツールです。 SCCM(System Center Configuration Manager)は、マイクロソフトが開発したシステム管理製品です。2019年4月からはMECM(Microsoft Endpoint Configuration Manager)という名称に変更されましたが、現在でもSCCMと呼ばれることが多くあります。 企業では、パソコン、サーバー、モバイル端末など、様々な種類のデバイスを業務で使用しています。これらのデバイスを効率的に管理することは、企業にとって非常に重要です。SCCM/MECMを利用することで、ソフトウェアの配布や更新、セキュリティ対策、ハードウェア/ソフトウェアのインベントリ収集などを一元的に行うことができます。 例えば、新しいソフトウェアを配布する場合、従来は各デバイスに手動でインストールする必要がありました。しかし、SCCM/MECMを使用すれば、管理者が一括でソフトウェアを配布し、自動的にインストールさせることができます。また、OSやアプリケーションの更新も、SCCM/MECMを通じて自動的に行うことが可能です。 このように、SCCM/MECMは、企業のIT管理業務を効率化し、セキュリティを向上させる上で非常に重要な役割を果たしています。
プライバシー

英国の個人情報保護の砦:ICOとは?

- ICOの概要 ICOとは、Information Commissioner's Officeの略称で、「情報コミッショナー事務局」と呼ばれます。これは、イギリスにおいて、個人の情報保護と、情報公開に関する法律を監視する役割を持つ独立した機関です。日本で言うと、個人情報保護委員会に似た組織だと考えることができます。 ICOは、個人情報の適切な取り扱いを推進し、個人の権利を保護するために、様々な活動を行っています。例えば、企業や組織に対して、個人情報の取り扱いに関する指導や助言、苦情処理、調査、そして場合によっては法的措置などを講じています。 ICOは、個人情報保護法や情報公開法に基づいて、企業や組織に対して、個人情報の利用目的の明確化、安全な保管、不正アクセス対策などを義務付けています。また、個人には、自分の情報へのアクセス、訂正、削除を求める権利や、不適切な取り扱いに対して苦情を申し立てる権利を保障しています。 ICOは、ウェブサイトやパンフレットなどで、個人情報保護に関する情報を提供し、啓発活動にも力を入れています。イギリスで事業を行う企業や組織、そしてイギリスに住む人々は、ICOが発信する情報に注意を払い、個人情報の重要性について理解を深めることが重要です。
ネットワーク

Advanced Port Scanner:利便性とリスク

コンピュータネットワークを管理する上で、ネットワーク上の機器やその状態を把握することは非常に重要です。ネットワーク管理者は、ネットワークの接続状況や稼働状況を監視し、問題が発生した場合には迅速に原因を特定し対処する必要があります。このようなネットワーク管理業務を効率的に行うために活用できるのが、「ポートスキャナー」と呼ばれるツールです。 ポートスキャナーは、ネットワークに接続されている機器に対して、特定のポートへの接続を試みることで、そのポートが開いているかどうか、どのようなサービスが動作しているのかを調査することができます。 例えば、「Advanced Port Scanner」というポートスキャナーは、ネットワーク管理者にとって非常に便利なツールです。このツールを使用することで、ネットワーク上の機器を特定し、開いているポートや実行中のサービスに関する情報を取得することができます。この情報は、セキュリティ上の脆弱性を発見し、適切な対策を講じるために役立ちます。例えば、長い間更新されていない古いサービスが動作している場合や、本来開いているべきではないポートが外部に開放されている場合など、セキュリティ上のリスクとなる可能性があります。このような問題を早期に発見し修正することで、ネットワーク全体の安全性を高めることができます。 ポートスキャナーは、ネットワーク管理者にとって必須のツールと言えるでしょう。しかし、使い方によってはネットワークに負荷をかけたり、セキュリティ上のリスクを生み出す可能性もあるため、注意が必要です。
脆弱性

サイバー攻撃の踏み台?!オープンリゾルバにご用心

私たちが日々訪れるウェブサイト。そのアドレスは、普段目にする「example.com」のような分かりやすい文字列で表されています。しかし、コンピュータが理解できる言葉は数字の羅列であるIPアドレスです。インターネットはこのような、人間とコンピュータの言葉の違いを翻訳する仕組みで成り立っています。 この翻訳を陰ながら支えているのがDNSサーバーです。DNSサーバーは、インターネット上の住所録のような役割を担っています。ウェブサイトの名前(ドメイン名)と、それに対応するIPアドレスが記録されており、私たちがウェブサイトへアクセスする際に、名前からIPアドレスを瞬時に探し出してくれます。 例えば、「example.com」というウェブサイトにアクセスしたいと考えたとします。この時、皆さんのコンピュータはまずDNSサーバーに「example.com」のIPアドレスを問い合わせます。DNSサーバーは「example.com」のIPアドレスをデータベースから探し出し、コンピュータに回答します。コンピュータは受け取ったIPアドレスを元に、ウェブサイトのサーバーに接続し、情報を取得します。 このように、DNSサーバーは私たちが意識することなく、インターネットを支える重要な役割を担っています。インターネットの仕組みを理解する上で、DNSサーバーの存在は欠かせません。
セキュリティ強化

安全なソフトウェア利用のために!SCAのススメ

- ソフトウェア・コンポジション分析とは 今日のソフトウェア開発において、開発期間の短縮や作業効率の向上は重要な課題です。その解決策の一つとして、世界中の開発者によって作成され、無償で公開されているソフトウェア部品を活用するケースが増えています。このような誰もが利用できるソフトウェア部品はオープンソースソフトウェアと呼ばれ、近年多くのソフトウェア開発現場で積極的に採用されています。 しかし、オープンソースソフトウェアの利用は利便性を高める一方で、セキュリティ上のリスクも孕んでいることを忘れてはなりません。悪意のある者が作成したソフトウェア部品や、脆弱性を修正しないまま放置されたソフトウェア部品を組み込んでしまうと、思わぬセキュリティ事故に繋がってしまう可能性があります。 そこで重要となるのがソフトウェア・コンポジション分析(SCA)です。SCAとは、開発中のソフトウェアの中に、どのようなオープンソースソフトウェアが使われているのかを洗い出し、それぞれのソフトウェア部品について詳細な情報を収集し分析する作業を指します。具体的には、ソフトウェア部品の名前やバージョン、開発者、ライセンス情報、既知の脆弱性の有無などを調査します。 SCAを実施することで、開発者は自社製品に潜むセキュリティリスクを早期に発見し、対策を講じることができます。ソフトウェアの安全性を確保するためにも、SCAは非常に重要なプロセスと言えるでしょう。
サイバー犯罪

手軽さと危険性:ブーターによるDDoS攻撃の実態

インターネットが生活の一部として欠かせないものとなった現代において、様々なサイバー攻撃が大きな問題となっています。中でも、ウェブサイトやオンラインサービスを停止させてしまうDDoS攻撃は、社会全体に混乱を引き起こす可能性を秘めた、悪質な攻撃手法の一つです。従来、DDoS攻撃を行うには高度な技術や知識が求められていましたが、近年では「ブーター」と呼ばれるオンラインプラットフォームが登場したことにより、攻撃が容易になってきています。ブーターは、DDoS攻撃を請け負う、いわばサイバー攻撃の代行サービスのようなもので、利用者は料金を支払うだけで、攻撃したいウェブサイトやサーバーへの攻撃を依頼することができます。まるで宅配サービスを頼むような手軽さでDDoS攻撃が可能となってしまったことで、技術を持たない攻撃者でも簡単に攻撃を実行できてしまうようになり、脅威はますます深刻化しています。 DDoS攻撃は、大量のデータを標的のサーバーに送りつけることで、サーバーの処理能力を超過させ、機能停止に追い込みます。ブーターを利用した攻撃では、世界中に散らばる多数のコンピューターに感染したボットネットと呼ばれるものが悪用され、攻撃者が指示を出すことで、一斉に標的への攻撃を開始します。 このブーターの存在は、サイバーセキュリティにおける大きな課題となっています。誰でも容易にDDoS攻撃に参加できる環境が整ってしまっているため、攻撃の増加に歯止めがかかりません。また、攻撃者の特定も困難となるケースが多く、法執行機関による摘発も容易ではありません。このような状況を改善するためには、技術的な対策だけでなく、利用者に対するセキュリティ意識の向上や、ブーターを提供する側の責任追及など、多角的な対策が求められます。
セキュリティ強化

セキュリティ対策自動化のススメ:SCAPとは

- セキュリティ対策の自動化 今日の社会では、会社の活動は情報システムなしでは成り立ちません。しかし、情報システムの重要性が高まるのと同時に、悪意のある攻撃の危険性も増大しており、安全対策は企業にとって避けて通れない課題となっています。 安全対策を万全に行うには、専門的な知識や時間、そしてそれを担当する人材が必要となります。多くの企業が対策に頭を悩ませているのが現状です。そこで近年、注目を集めているのが、安全対策の自動化です。人の手で行っていた作業を機械化することで、効率的に危険に対処し、より堅牢な安全体制を築くことが可能となります。 例えば、従来は担当者が一つ一つ確認していたセキュリティソフトの更新や、システムの脆弱性診断を自動で行うことができます。また、怪しいアクセスを自動で検知し、遮断するシステムを導入することで、被害を未然に防ぐことも可能です。 安全対策の自動化は、企業にとって多くのメリットをもたらします。まず、人為的なミスを減らし、セキュリティレベルを一定に保つことができます。また、担当者の負担を減らし、他の業務に集中することが可能となります。 安全対策の自動化は、企業の規模や業種を問わず、あらゆる組織にとって重要な取り組みと言えるでしょう。
セキュリティ強化

オープンセキュリティ:協調による堅牢なセキュリティ体制の構築

- オープンセキュリティとは 従来の情報セキュリティは、システムの弱点やセキュリティ対策の内容を隠すことで、攻撃を防ぐという「隠蔽によるセキュリティ」が一般的でした。しかし、技術の進歩や攻撃方法の巧妙化により、隠すだけでは限界があることが分かってきました。 オープンセキュリティは、このような状況を踏まえ、情報セキュリティの分野において、システムやソフトウェアの設計、開発、運用の情報を公開し、多くの人に見てもらうことで、セキュリティの向上を目指す考え方です。 具体的には、プログラムの設計図にあたるソースコードを公開したり、システムの脆弱性に関する情報を広く共有したりします。 このように情報をオープンにすることで、様々なメリットが生まれます。 * 世界中の技術者から、システムの脆弱性に関する指摘や改善提案が得られるため、より安全なシステムを構築できます。 * セキュリティ対策の内容がオープンになることで、企業や組織は、自社のセキュリティ対策が適切かどうかを客観的に評価できます。 * 情報公開によって、セキュリティに関する意識が高まり、より安全な情報システムの利用や開発が促進されます。 オープンセキュリティは、従来の「隠蔽によるセキュリティ」から、「開かれた環境でのセキュリティ」への転換を意味しており、これからの情報セキュリティにおいて重要な考え方と言えるでしょう。
セキュリティ強化

Imperva: クラウド時代における最強の盾

- Impervaとは現代社会において、企業が扱うデータやアプリケーションソフトウェアは、まさに企業の生命線と言えるほど重要なものとなりました。しかし同時に、悪意を持った攻撃者にとって格好の標的となり、日々サイバー攻撃の脅威にさらされています。こうした中、Impervaは企業データやアプリケーションソフトウェアをサイバー攻撃から守る、頼もしい守護者のような存在として知られています。Impervaは、特に近年急増しているWebアプリケーションへの攻撃から企業を守るWAF(Webアプリケーションファイアウォール)分野において、世界トップクラスのシェアを誇っています。WAFとは、Webアプリケーションへの不正アクセスを検知し、攻撃をブロックするシステムです。ImpervaのWAFは、その高度な技術力と信頼性から、世界中の多くの企業に選ばれています。なんとその数は4000社以上、あのフォーチュン500企業に名を連ねるような大企業でも20%以上がImpervaの製品を導入しているというから驚きです。Impervaが提供するサービスは、大きく分けて二つの形態があります。一つは、インターネット経由でサービスを利用するクラウドサービス型で、「Incapsula」という製品名で提供されています。クラウドサービス型の大きなメリットは、導入が容易で、低コストで利用できる点です。もう一つは、専用の機器を導入するハードウェアアプライアンス型です。こちらは、クラウドサービス型よりも強固なセキュリティを求める企業におすすめです。このようにImpervaは、企業のニーズや規模に合わせて、最適なセキュリティ対策を提供しています。
サイバー犯罪

スマホ無料アプリの落とし穴!その無料、本当に安全?

近年、私たちの生活に欠かせないものとなったスマートフォン。その利便性を支えているのが、数多く開発されているアプリです。特に無料で利用できるアプリは手軽で、多くの人が利用しています。しかし、その手軽さの裏に危険が潜んでいることを忘れてはなりません。無料アプリの中には、私たちの個人情報や金銭を狙う悪意のあるものが存在する可能性があるのです。 無料アプリは、開発費用を広告収入で賄っている場合が多くあります。しかし、中には、表示される広告を不正にクリックさせて収益を得ようとする悪質なアプリも存在します。また、アプリを利用するために個人情報や連絡先へのアクセスを求められ、それを悪用されるケースもあります。さらに悪質なケースでは、スマートフォンに保存されている写真や動画、クレジットカード情報などを盗み取ろうとするアプリも存在します。無料アプリを利用する際は、安易に個人情報を提供したり、不審なアクセス許可を求めるアプリをインストールしたりしないよう、注意が必要です。 では、どのようにして安全なアプリを見極めれば良いのでしょうか。まず、公式のアプリストアからダウンロードすることが大切です。公式ストアでは、アプリの審査が行われていますが、非公式なサイトからダウンロードした場合は、悪質なアプリである可能性が高まります。また、アプリのレビューや評価を確認することも重要です。他の利用者のコメントを参考に、信頼できるアプリかどうかを判断しましょう。さらに、アプリに求められるアクセス許可の内容を確認することも重要です。例えば、メモ帳アプリが連絡先へのアクセスを求めてきたら、それは不自然と言えるでしょう。アプリを利用する際には、常にセキュリティを意識し、危険から身を守るように心がけましょう。
IoT

社会を支えるSCADAシステムとサイバーセキュリティ

- SCADAシステムとは SCADAシステムは、私たちの暮らしに欠かせない電気、ガス、水道などの社会インフラを監視し、制御を行う重要なシステムです。「監視制御とデータ収集」を意味するSupervisory Control And Data Acquisitionの頭文字をとってSCADAシステムと呼ばれています。工場の生産ラインの制御やビルの電力管理など、様々な分野で活用されています。 では、SCADAシステムは具体的にどのような仕組みで動いているのでしょうか? SCADAシステムは、センサーや制御装置と接続され、常に変化するデータをリアルタイムで収集・分析しています。そして、集めたデータに基づいて、システム全体の最適化を行います。例えば、電力網においては、電力の供給量や電圧を監視し、需要に応じて発電所の出力調整を行います。 このように、SCADAシステムは私たちの生活を支える重要な役割を担っています。私たちの暮らしは、SCADAシステムによって陰ながら支えられていると言えるでしょう。
メール

見えない脅威:エンベロープ情報とセキュリティ

- エンベロープ情報とは エンベロープ情報とは、電子メールのヘッダー部分に含まれる、いわば手紙の「表書き」のような情報です。 手紙を送る際、私たちは封筒に宛先や差出人を書き込みますよね。電子メールにも、これと同じように、メールの送信や受信に必要な情報が記された部分が存在します。これがエンベロープ情報です。 具体的には、送信者のメールアドレス、宛先のメールアドレス、メールの送信日時などが記録されています。 エンベロープ情報は、メールの本文を読むことなく確認することができます。そのため、誰が誰に、いつメールを送ったのかといった情報は、メールを開封せずとも把握することが可能です。 例えば、メール転送サービスなどでは、このエンベロープ情報を利用してメールを適切な宛先に届けています。また、迷惑メールフィルターでも、エンベロープ情報に含まれる送信元アドレスなどを基に、迷惑メールの判定を行うことがあります。
ネットワーク

Webサーバのセキュリティ対策:IISを安全に運用するために

- IISとはインターネット・インフォメーション・サービス(IIS)は、マイクロソフトが開発し、Windowsサーバーに標準搭載されているウェブサーバソフトウェアです。IISは、ウェブサイトの公開やファイルのダウンロードなど、インターネットを通じて様々なサービスを提供する際に欠かせない役割を担っています。IISは、HTMLファイルや画像ファイル、動画ファイルなど、様々な種類のファイルをウェブサイト訪問者に配信することができます。また、ASP.NETなどのサーバーサイドスクリプトを実行することで、動的なウェブサイトを構築することも可能です。さらに、FTPやSMTPなどのプロトコルにも対応しており、ファイル転送や電子メール送信などの機能も提供します。IISは、その汎用性の高さから、世界中の多くのウェブサイトで利用されています。小規模な個人サイトから、大規模な企業サイトまで、幅広いニーズに対応できる柔軟性を備えています。IISは、セキュリティ機能も充実しており、ファイアウォールやアクセス制御、SSL/TLS暗号化などの機能を提供することで、ウェブサイトを不正アクセスや情報漏洩などの脅威から保護します。しかし、IISを利用する際には、セキュリティ対策を適切に行うことが重要です。IISの設定ミスや脆弱性を突かれてしまうと、ウェブサイトが改ざんされたり、重要な情報が盗まれたりする可能性があります。そのため、IISを利用する場合は、常に最新の状態に保ち、セキュリティ対策をしっかりと行うように心がけましょう。
セキュリティ強化

ソフトウェアの部品表、SBOMとは

- ソフトウェアの複雑化とセキュリティリスク現代社会において、ソフトウェアは家電製品から自動車、社会インフラに至るまで、あらゆる場面で利用され、私たちの生活に欠かせないものとなっています。もはやソフトウェアなしに日常生活を送ることは想像もできないほど、私たちは深く依存しています。しかし、それと同時にソフトウェアの構造は複雑化の一途を辿っており、セキュリティリスクも増大しているという現状があります。かつては限られた開発者によって開発されていたソフトウェアは、今日では世界中の開発者が共同で開発するオープンソースソフトウェアや、特定の機能を提供する外部の企業が開発したソフトウェア部品であるサードパーティ製のコンポーネントを広く利用する形が一般的です。これは開発効率の向上や開発コストの削減に大きく貢献してきましたが、反面、ソフトウェアの構造を複雑化させ、セキュリティ上の課題を生み出す要因ともなっています。特に、オープンソースソフトウェアやサードパーティ製のコンポーネントは、その開発元や利用状況を完全に把握することが困難な場合があります。そのため、意図せず脆弱性を含むソフトウェアを採用してしまい、セキュリティ上のリスクを抱え込んでしまう可能性も否定できません。また、ライセンスに関しても、使用許諾条件をよく確認せずに利用してしまうと、意図せず法的な問題に発展してしまう可能性もあります。ソフトウェアの複雑化は、現代社会における利便性と引き換えに生まれた新たな課題といえます。私たちはソフトウェアの恩恵を享受する一方で、その潜在的なリスクを正しく理解し、適切なセキュリティ対策を講じる必要性が高まっていると言えるでしょう。
サイバー犯罪

DeFiユーザー必見!フラッシュローン攻撃から資産を守る方法

- フラッシュローン攻撃とは近年、新しい金融システムとして注目を集めている分散型金融。従来の金融機関を通さず、誰でも簡単に暗号資産の運用や取引ができるという利点があります。しかし、その利便性と引き換えに、新たな脅威も生まれてきています。その一つが、「フラッシュローン攻撃」と呼ばれる巧妙な攻撃手法です。フラッシュローン攻撃は、その名の通り、まるで「閃光」のように瞬時に実行されます。攻撃者は、まず膨大な額の暗号資産を、担保なしで借り入れます。ただし、これは一般的なローンとは大きく異なります。なぜなら、借りたお金は、全て、その取引が完了する前に返済しなければならないからです。一体なぜ、そんな無理のある条件で借りるのでしょうか? それは、この短時間の間に、借りたお金を元手に市場を操作し、巨額の利益を生み出すためです。具体的には、攻撃者はまず、ターゲットとなる暗号資産を大量に買い占めます。これにより、市場では一時的にその暗号資産の価格がつり上がります。そして、その高騰した価格を利用して、事前に用意しておいた大量の暗号資産を売却し、大きな利益を得ます。その後、価格操作で得た利益から借り入れた資金を返済することで、あたかも最初から何もなかったかのように攻撃は完了します。このように、フラッシュローン攻撃は、分散型金融システムの特性を悪用した、高度で複雑な攻撃手法といえます。
ネットワーク

インターネットの安全を守る裏方!IETFってどんな組織?

- インターネットの標準化とは? 私たちは毎日、ウェブサイト閲覧やメールの送受信、動画視聴など、様々な目的でインターネットを利用しています。世界中の人々が、これほどまでに多様な方法でインターネットを活用できるのはなぜでしょうか? その答えは、インターネットにおける情報のやり取りに関する共通のルール、すなわち「標準」が定められているからです。 インターネットは、世界中の様々な企業が開発したパソコン、スマートフォン、ネットワーク機器など、多種多様な機器が相互に接続されて構成されています。 もし、それぞれの機器がバラバラのルールで情報をやり取りしていたら、互いに理解し合うことができず、インターネットとして機能しません。 インターネットの標準化とは、こうした機器間の通信ルールを統一することであり、異なるメーカーの機器であっても、問題なく情報を送受信できるようにするためのものです。 この標準化のおかげで、私たちは世界中の人々と繋がり、膨大な情報にアクセスすることができるのです。
セキュリティ強化

安全なアプリケーション開発のために:SASTとは

- アプリケーションの脆弱性をコードレベルで検出近年、情報技術の進歩に伴い、ソフトウェアは私たちの生活のあらゆる場面で利用されるようになりました。それと同時に、悪意のある攻撃者によるサイバー攻撃のリスクも増加しており、ソフトウェアのセキュリティ対策の重要性がますます高まっています。堅牢なソフトウェアを開発するためには、設計段階から運用に至るまで、あらゆるフェーズでセキュリティを考慮する必要があります。ソフトウェア開発の初期段階において、セキュリティ上の問題点を早期に発見し、修正することは、開発コストの削減と安全なソフトウェアの提供の両面において非常に重要です。この初期段階でのセキュリティ対策として有効な手段の一つに、「静的アプリケーションセキュリティテスト(SAST)」と呼ばれる手法があります。SASTは、実際にソフトウェアを動作させることなく、プログラムの設計図とも言えるソースコードを解析することで、脆弱性の有無を検査します。これは、人間が設計図を目視で確認するのと同様に、SASTツールがソースコードを分析し、セキュリティ上の欠陥となりうる箇所を自動的に検出します。SASTを用いることで、開発者は開発の初期段階で潜在的な脆弱性を把握し、修正することができます。このように、SASTは、安全なソフトウェア開発を効率的に行うための強力なツールと言えるでしょう。
セキュリティ強化

現代社会における必須知識!エンドポイントセキュリティ対策とは?

- エンドポイントとはインターネットは、世界中のコンピューターやサーバーなどが繋がることで成り立っています。その中で、私たちが実際に情報発信や受信を行う際に使用する端末のことを「エンドポイント」と呼びます。私たちの身の回りにあるエンドポイントの代表例としては、スマートフォンやパソコン、タブレットなどが挙げられます。これらの機器は、インターネットを通じて様々な情報にアクセスしたり、私たち自身も情報を発信したりすることを可能にします。企業においても、エンドポイントは重要な役割を担います。社員が業務で使用するパソコンや、顧客情報などを保管するサーバーも、インターネットに接続されている場合はエンドポイントとして認識されます。これらの機器は、企業の重要な情報資産を扱うため、セキュリティ対策は特に重要です。しかし、エンドポイントは利便性を提供してくれる一方で、外部からの攻撃に晒される危険性も孕んでいます。インターネットに接続されているということは、悪意のある第三者からアクセスされる可能性も秘めているということです。そのため、エンドポイントに対するセキュリティ対策は、個人と企業の双方にとって非常に重要な課題となっています。
サイバー犯罪

知っていますか?意外と怖いフラグル攻撃

- フラグル攻撃とはフラグル攻撃は、インターネット回線を通じて、特定の対象に大量のデータを送りつけることで、その対象のネットワークを麻痺させる攻撃です。これは、サービス妨害攻撃、いわゆるDoS攻撃の一種であり、特にUDPという通信方式の弱点を利用して、ネットワークに過剰な負荷をかけて機能を停止させようとするものです。フラグル攻撃の特徴は、偽の送信元アドレスを持ったデータを大量に送りつける点にあります。インターネット上では、データのやり取りをする際、送信元と送信先の住所にあたる「IPアドレス」を使用します。フラグル攻撃では、このIPアドレスを攻撃対象のネットワーク内のアドレスに偽装します。攻撃者は、大量のデータを、偽装したIPアドレスを使って、特定のネットワークに送りつけます。ネットワーク内の機器は、データが送られてくると、そのデータに記載された送信元アドレスに向けて応答を返そうとします。しかし、送信元アドレスは偽装されているため、実際には存在しない機器に応答を送り続けることになります。その結果、ネットワーク上には大量の無駄なデータが溢れかえり、ネットワークの処理能力を超えてしまいます。これが、ネットワークの速度低下やサービス停止といった深刻な影響をもたらすのです。フラグル攻撃から身を守るためには、ファイアウォールなどで、不審なデータのパケットを遮断することが有効です。また、ネットワーク機器のセキュリティ設定を見直し、UDPの通信を制限することも重要です。ネットワーク管理者は、フラグル攻撃の仕組みを理解し、適切な対策を講じる必要があります。
ネットワーク

Advanced Port Scanner: セキュリティリスクと対策

- 便利なネットワークツールとその裏に潜む危険ネットワーク管理者やセキュリティ専門家にとって、ネットワーク上の機器や開いているポートを調べてくれるツールは、とても便利です。これらのツールは、稼働中のサービスに関する詳しい情報も教えてくれるため、日々の業務を円滑に進める上で欠かせません。しかし、このような便利な反面、使い方によっては危険な道具にもなり得るということを忘れてはなりません。ネットワークをスキャンするツールは、本来はセキュリティ対策のために作られたものです。しかし、その機能が悪意のある人物の手に渡れば、システムの弱点を探るための道具として悪用される可能性があります。例えば、攻撃者はこれらのツールを使って、不用意に開かれたままのポートや、脆弱性のあるサービスを見つけ出し、そこを突破口としてシステムへの侵入を試みるかもしれません。便利なツールは、使い方を間違えると重大なセキュリティリスクに繋がってしまうのです。そのため、これらのツールを利用する際は、細心の注意を払う必要があります。信頼できる提供元からツールを入手し、常に最新の状態に保つようにしましょう。また、ツールの設定を適切に行い、必要最低限の範囲でのみ使用することが重要です。セキュリティ対策は、攻撃者が使う可能性のあるツールとその危険性について理解することから始まります。便利なツールを正しく安全に利用し、ネットワークの安全性を確保しましょう。