認証

IEEE 802.1xでネットワークアクセスを保護しよう

今日では、インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなり、電気や水道と同じように、家庭や職場、公共の場所など、あらゆる場所でWi-Fiを通じてインターネットに接続することが当たり前になっています。しかし、便利な一方で、誰でも簡単にネットワークに接続できるようになったことで、不正アクセスや情報漏洩といったセキュリティ上のリスクも増大しているのが現実です。 安全なネットワーク環境を構築し、安心してインターネットを利用するためには、接続しようとする機器やユーザーが誰であるかを正確に確認し、許可された者だけにアクセスを制限することが非常に重要になります。 このような不正アクセスからネットワークを守るための有効な手段の一つとして、IEEE 802.1x という認証プロトコルがあります。これは、ネットワークに接続する際に、ユーザー名とパスワードなどを使って本人確認を行う仕組みです。 IEEE 802.1x を導入することで、不正なアクセスを未然に防ぎ、ネットワーク全体のセキュリティレベルを向上させることができます。 また、アクセス制御と同時に、通信内容を暗号化するなどのセキュリティ対策も組み合わせることで、より強固なネットワークを構築することができます。
クラウド

これからのセキュリティの要!SASEとは?

- SASEの概要近年、働く場所や使う端末が多様化し、従来のオフィス中心のネットワーク構成では、セキュリティ対策が難しくなってきています。以前は、会社のネットワーク内部は安全な場所と考え、外部からの侵入を防ぐことに重点を置いていました。しかし、クラウドサービスの利用や自宅など会社以外の場所での仕事が増えたことで、この考え方が通用しなくなってきました。そこで登場したのがSASE(サッシー)です。これは、「Secure Access Service Edge」の略で、2019年8月にガートナーという調査会社によって提唱された、新しいセキュリティの考え方です。SASEは、利用者がどこでどんな端末を使っていても、安全に会社のデータやシステムにアクセスできるようにすることを目指しています。従来のセキュリティ対策では、会社のネットワークの出入り口にセキュリティ対策機器を設置して、外部からの侵入を防いでいました。しかし、SASEでは、利用者一人ひとりのアクセス状況に応じて、必要なセキュリティ対策を必要な時にだけ適用するという方法をとります。例えば、利用者が危険性の高いウェブサイトにアクセスしようとした場合には、アクセスをブロックしたり、警告を表示したりします。また、利用者が重要なデータにアクセスしようとした場合には、本人確認を強化したり、アクセスログを記録したりします。このように、SASEは、従来のセキュリティ対策ではカバーしきれなかった、様々な場所や端末からのアクセスに対して、柔軟かつ効果的なセキュリティ対策を提供することができます。
サイバー犯罪

見えない脅威に備える:フットプリンティングとは

- フットプリンティングの概要フットプリンティングとは、攻撃者が標的への攻撃を計画する際に、事前に情報収集を行う行為を指します。これは、まさに敵地に侵入する前に、周辺地図を作成し、警備の状況や建物の構造を把握するようなものです。インターネットや情報技術の発展に伴い、企業や組織に関する情報は、ウェブサイトや公開データベースなど、様々な場所に散らばっています。フットプリンティングは、これらの断片的な情報を収集・分析することで、標的の全体像を把握し、攻撃の糸口を探ることを目的としています。例えば、攻撃者は標的のウェブサイトから、使用しているシステムやソフトウェア、ネットワーク構成などの技術情報を収集することがあります。また、従業員の氏名や役職、連絡先などの個人情報を、ソーシャルメディアや求人情報サイトなどから収集することもあります。これらの情報は、攻撃者が標的に侵入するための脆弱性を発見したり、ソーシャルエンジニアリングなどの標的型攻撃を仕掛けるために悪用されたりする可能性があります。フットプリンティングは、標的に気付かれることなく実行できるため、攻撃の準備段階として非常に重要な意味を持ちます。そのため、組織はフットプリンティングによる情報漏洩のリスクを認識し、適切な対策を講じる必要があります。
その他

知っていますか?エンタープライズ向け製品

- エンタープライズとは「エンタープライズ」は、企業活動や事業を指す言葉として広く使われていますが、情報技術の分野では、少し異なる意味合いを持つことがあります。一般的に、「エンタープライズ」は、大企業や中堅企業、官公庁や地方自治体といった、組織規模の大きな団体を指します。これらの組織は、多数の従業員を抱え、複雑な業務プロセスや膨大なデータを扱うため、高い信頼性や強固なセキュリティ、そして安定した性能が求められます。情報技術の分野において、「エンタープライズ向け」という表現は、これらの組織のニーズに合わせて特別に設計された製品やサービスを指す際に使われます。例えば、「エンタープライズ向けソフトウェア」は、多くのユーザーが同時にアクセスしても安定して動作するよう設計されていたり、機密性の高い情報を扱うため強固なセキュリティ機能が搭載されていたりします。一方、個人向けに販売されている製品やサービスは、「コンシューマー向け」と呼ばれることがあります。コンシューマー向け製品は、使いやすさや低価格を重視して設計されることが多いのに対し、エンタープライズ向け製品は、機能の豊富さや信頼性、セキュリティの堅牢性などが重視されます。そのため、一般的にエンタープライズ向け製品は、コンシューマー向け製品よりも高価であることが多いです。このように、「エンタープライズ」は、単に企業や事業を指すだけでなく、情報技術の分野では、大規模な組織やそのニーズを指す言葉としても使われています。
コンプライアンス

重要インフラを守る!IEC 62443とは?

私たちの生活に欠かせない電気、ガス、水道といった社会を支える重要なインフラストラクチャ。これらのシステムは、常にサイバー攻撃の脅威にさらされています。もし攻撃が成功すれば、私たちの生活に甚大な影響が及ぶ可能性も否定できません。このような事態を防ぐために重要なのが、国際電気標準会議(IEC)が定めたIEC 62443という国際基準です。 IEC 62443は、工場やプラントで使われる制御システムや、それらを監視するシステムなど、産業オートメーションおよび制御システム(IACS)のセキュリティ対策を強化するための枠組みを提供します。この基準は、システムを設計する段階から、実際に運用する段階、さらには機器やソフトウェアを提供するサプライチェーン全体にわたるセキュリティ対策を包括的に網羅している点が特徴です。具体的には、システムを構成する機器やソフトウェアの安全性を確保すること、ネットワークのセキュリティ対策を強化すること、万が一の事態に備えた復旧体制を構築することなどが求められます。 IEC 62443は、重要インフラストラクチャをサイバー攻撃から守るための強力な武器となります。この基準を遵守することで、企業は自社のシステムの安全性を高め、社会全体の安定に貢献することができます。
ネットワーク

家庭内ネットワークのセキュリティ対策:Advanced IP Scannerから学ぶ脆弱性

- 便利なネットワーク管理ツール -# あなたのネットワークを見える化する「アドバンストIPスキャナー」 「アドバンストIPスキャナー」は、家庭内ネットワークの管理を簡単にする便利なツールです。このツールを使うと、パソコン、スマートフォン、プリンターなど、ネットワークに接続されている機器を一覧で確認できます。 例えば、新しく購入したスマートスピーカーを無線LANに接続する際に、機器が持つ固有の番号であるIPアドレスを調べたい場合などに役立ちます。 また、ネットワーク上に接続されている機器の数を確認することで、知らない間に不正な機器が接続されていないか、セキュリティ上の問題がないかをチェックすることもできます。 さらに、「アドバンストIPスキャナー」は、接続されている機器の製造元や機種名なども表示してくれるため、機器の管理に役立ちます。 家庭内ネットワークのセキュリティ対策は、まず現状把握から始めましょう。「アドバンストIPスキャナー」は、そのための第一歩を踏み出す便利なツールと言えるでしょう。
セキュリティ強化

デジタル鑑識の入門に最適:SANS SIFT Workstation

近年、悪意のある者をはじめとした、様々な脅威によって私達の大切な情報が危険にさらされる場面が増えてきました。インターネットの普及により、私達の生活はより便利で豊かなものになりましたが、その一方で、目に見えない危険と隣り合わせの状態とも言えます。そこで、デジタルの世界における事件やトラブルを解決するために重要な役割を担うのがデジタル鑑識です。 デジタル鑑識とは、コンピューターやスマートフォンなどのデジタルデバイスに残された情報を収集し、分析する技術のことです。まるで、現実世界の事件現場を調査するように、デジタルの世界でも、証拠となるデータを探し出し、事件の真相を解明していきます。 しかしながら、デジタル鑑識は、専門的な知識や技術が必要とされるため、多くの人にとって、その詳細を知ることは難しいでしょう。そこで今回は、デジタル鑑識をこれから学びたいと考える方々に向けて、SANS SIFT Workstationというツールをご紹介します。このツールは、デジタル鑑識に必要な機能が全て揃っており、初心者の方でも、比較的容易に扱うことができます。
クラウド

進化するID管理:IDaaSでセキュリティと利便性を両立

- IDaaSとはIDaaSは「Identity as a Service」の短縮形で、利用者の本人確認やアクセス権の管理をインターネットを通じて提供するサービスです。従来の組織内だけに構築されたシステムでの本人確認やアクセス管理とは異なり、近年普及が進むインターネット上の様々なサービスやソフトウェアの利用に適した仕組みです。組織ではこれまで、従業員一人ひとりに社内システムを利用するためのアカウントを発行し、システムへのアクセス権を設定するのが一般的でした。しかし、近年多くの組織で業務効率化やコスト削減のためにインターネット経由で利用できるサービスやソフトウェアを導入するケースが増えています。それに伴い、従来の組織内システムとは別に、それぞれのサービスやソフトウェアごとにアカウントを発行し、アクセス権を設定する必要があり、管理の負担増加が課題となっています。IDaaSを利用すれば、組織は従業員のアカウントを一元管理し、利用するサービスやソフトウェアへのアクセスを一括で制御できます。このため、管理者の負担を軽減できるだけでなく、従業員にとっても、サービスやソフトウェアを利用するたびにIDやパスワードを入力する手間が省けます。近年、多くの組織でインターネット経由で利用できる様々なサービスが利用されるようになり、IDaaSはますます注目を集めています。IDaaSは、セキュリティの強化と利便性の向上を両立できる、これからの時代に不可欠なサービスと言えるでしょう。
認証

WindowsのSAMデータベース:その重要性と保護対策

- SAMデータベースとは SAMデータベースとは、「Security Account Manager」の略称で、WindowsというOSにとって、心臓部と言える非常に重要な要素です。 このデータベースは、簡単に言うと、コンピューターへのアクセスを管理する門番のような役割を担っています。 例えば、皆さんが会社で働いているとしましょう。会社には、従業員名簿があり、それぞれの従業員は、自分のIDカードとオフィスの鍵を持っていますよね。SAMデータベースは、まさにこの従業員名簿、IDカード、オフィスの鍵をまとめて保管しているようなものです。 SAMデータベースには、ユーザーのアカウント情報、つまりユーザー名やパスワード、そしてそのユーザーがシステムに対してどのような操作を許可されているのかといったアクセス権などが、厳重に保管されています。 そして、誰かがコンピューターにログインしようとすると、SAMデータベースはその人が登録されているユーザーかどうか、パスワードは正しいかどうかなどを確認し、許可されたユーザーだけがコンピューターのリソースにアクセスできるようにしているのです。 このようにSAMデータベースは、Windowsのセキュリティを守る上で非常に重要な役割を果たしています。
その他

エンタープライズって? あなたが知るべき情報セキュリティ

- エンタープライズとは「エンタープライズ」という言葉は、ビジネスの場面で頻繁に耳にする言葉ですが、特に情報技術の分野では特別な意味を持っています。一般的には、大規模な会社や中堅規模の会社を指す場合に用いられます。では、なぜ情報技術の分野で「エンタープライズ」という言葉が重要視されるのでしょうか?それは、大企業や中堅企業が、膨大な量の情報を扱い、複雑なネットワークを構築し、そして数多くの利用者を抱えているという特徴を持つからです。このような環境下では、情報漏えいやシステム障害といったリスクが非常に高くなります。顧客情報や企業秘密といった重要な情報資産を守るためには、強固なセキュリティ対策が必須となります。そこで登場するのが、「エンタープライズ向け」製品やサービスです。これらの製品やサービスは、大企業や中堅企業が抱える特有の課題に対応できるよう、高いレベルのセキュリティ機能や大規模なシステムに対応できる拡張性を備えています。例えば、数千人規模の従業員が利用する社内システムにおいても、安全かつ安定的に稼働できるよう設計されているのです。つまり、「エンタープライズ」という言葉は、単に企業の規模を指すだけでなく、情報セキュリティの重要性と深く結びついていると言えるでしょう。
サイバー犯罪

手軽さゆえの落とし穴:ブーターの危険性

- ブーターとはブーターとは、まるでインターネット上で商品を購入するように、簡単に攻撃を仕掛けることができるサービスのことです。攻撃を依頼したい人と、攻撃を実行するツールの提供者を仲介する、いわば「攻撃のオンラインショップ」のようなものです。ブーターが扱う主な商品は「DDoS攻撃」です。DDoS攻撃とは、大量のデータを特定のサーバーに送りつけることで、パンク状態に陥れる攻撃です。標的となったサーバーは、本来の業務をこなすことができなくなり、サービス停止に追い込まれてしまいます。ブーターを利用すれば、攻撃に関する専門知識や高度な技術がなくても、誰でも簡単にDDoS攻撃を実行できてしまうことが、最大の問題点です。まるでネットショッピングのように、攻撃対象、攻撃時間、攻撃規模などを指定し、費用を支払うだけで、攻撃を依頼することができます。本来、悪用が厳しく禁じられているDDoS攻撃ですが、ブーターの存在により、そのハードルは恐ろしく低いものとなってしまっているのです。
セキュリティ強化

あなたのネットワークは大丈夫? IDSで侵入を早期発見

- ネットワークの監視役、IDSとは? 皆さんの大切な家を守るためには、鍵や窓の防犯対策だけでなく、不審者をいち早く発見する仕組みも大切です。同じように、コンピューターネットワークの世界でも、外部からの不正アクセスや攻撃をいち早く検知し、被害を未然に防ぐ仕組みが重要です。 そこで活躍するのが「IDS(侵入検知システム)」です。IDSは、まるで家の周りに設置されたセンサーのように、ネットワーク上を流れるデータの中から、怪しい動きや攻撃の兆候を常に監視しています。そして、もしも怪しい動きを検知したら、管理者にアラートを送り、迅速な対応を促します。 近年、サイバー攻撃の手口はますます巧妙化し、個人だけでなく、企業にとっても大きな脅威となっています。顧客情報や企業秘密など、重要な情報が盗まれたり、改ざんされたりする危険性も高まっています。このような状況下で、IDSは、ネットワークセキュリティ対策の要として、貴重な情報資産を守るための重要な役割を担っているのです。
セキュリティ強化

パスワードを守る「SALT」とは?

- はじめに インターネットは、情報収集や買い物、友人との交流など、今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、その利便性の裏側には、悪意を持った攻撃者による脅威も潜んでいます。あなたの大切な個人情報や金融情報を守るためには、セキュリティ対策を万全にする必要があります。 安全対策として、多くの人がまず思いつくのは「パスワード」ではないでしょうか。しかし、複雑なパスワードを設定するだけでは、十分とは言えません。なぜなら、パスワードを使い回していたり、単純な組み合わせであったりすると、攻撃者に簡単に推測されてしまう可能性があるからです。パスワードの管理に加えて、さらなるセキュリティ強化策を講じることが重要です。 そこで今回は、パスワードの安全性をより高める技術「SALT(ソルト)」について解説します。SALTは、パスワードのハッシュ値にランダムなデータを追加することで、攻撃者がパスワードを解読することを困難にする技術です。 この技術を理解し、あなたのアカウントを守るための知識として身につけていきましょう。
認証

Active Directoryを保護せよ!

- Active DirectoryとはActive Directory(よくADと省略されます)は、Windows Serverというシステムに組み込まれている、いわば人やコンピューターの情報を管理する名簿のようなものです。会社で例えると、従業員一人ひとりの情報や、会社で使われているパソコンの情報などをまとめて管理し、誰がどの情報にアクセスできるのか、どのコンピューターを使えるのかなどを決める役割を担っています。例えば、従業員が自分のパソコンにログインする時、ADはその人が本当に会社の人間かどうか、登録されている情報と照らし合わせて確認します。そして、問題なければパソコンを使えるように許可を与え、アクセスできる情報や範囲を決めているのです。ADは、会社の情報システムにとって、家の鍵と同じくらい重要な役割を担っています。家の鍵がないと家に入れないように、ADが正常に機能していないと、従業員は会社のネットワークにアクセスできません。それだけ重要なシステムなので、セキュリティ対策をしっかりとしておく必要があるのです。
データ保護

エンコード:データ変換の仕組みとセキュリティ

- エンコードとは エンコードとは、ある情報を別の形式に変換することを指します。これは、情報をより扱いやすくしたり、安全に伝達したりするために欠かせない技術です。 例えば、私たちが普段使っている日本語の文字も、コンピュータで処理するためには、コンピュータが理解できる形式に変換する必要があります。この変換処理こそがエンコードです。 日本語の文字をコンピュータで扱う場合、「UTF-8」や「Shift-JIS」といった文字コードが使われます。これらの文字コードは、それぞれの日本語の文字に対して固有の番号を割り当て、その番号をコンピュータが理解できる0と1のデジタルデータに変換します。 このように、エンコードは情報を別の形式に変換することで、コンピュータでの処理を可能にするだけでなく、情報を効率的に保存したり、ネットワークを通じて送信したりすることを可能にします。 エンコードは、私たちの生活に欠かせない様々な場面で活躍している重要な技術と言えるでしょう。
サイバー犯罪

スマホ利用者のための安全対策:巧妙な課金トラップ「フリースウェア」にご用心

スマートフォンには便利なアプリがたくさんありますが、種類が多くてどれを選んでいいのか迷ってしまうこともありますよね。最近では、一見無料で使えるように見えるアプリの中にも、注意が必要なものが増えてきました。その代表例が「フリースウェア」と呼ばれるものです。 フリースウェアは、アプリ自体は無料でダウンロードして使うことができます。しかし、便利な機能を使えるようにしたり、広告を非表示にしたりするには、アプリ内で課金が必要になるケースがあります。無料で使い続けることもできますが、機能が制限されていたり、広告が表示され続けたりするため、不便に感じることも多いかもしれません。 また、中には個人情報や利用状況などのデータを収集し、広告に利用したり、第三者に販売したりするアプリも存在します。個人情報がどのように扱われるのか、利用規約をよく確認することが重要です。 無料アプリを選ぶ際には、安易に飛びつくのではなく、本当に必要な機能かどうか、課金の可能性はないか、個人情報は適切に扱われるのかなどをしっかりと確認することが大切です。レビューや評価を参考にするのも良いでしょう。安全で信頼できるアプリを選び、快適なスマートフォンライフを送りましょう。
セキュリティ強化

IDA Pro対策:マルウェア解析の裏側

- リバースエンジニアリングの強力なツール悪意のあるプログラムを解析し、その仕組みや目的を明らかにする作業は、コンピュータセキュリティにおいて非常に重要です。この解析作業を「リバースエンジニアリング」と呼びますが、その強力なツールとして「IDA Pro」というソフトウェアが存在します。IDA Proは、人間には理解が困難な複雑なプログラムコードを、分析しやすい形式に変換する機能を備えています。これを「逆アセンブル」と呼び、プログラムの動作を一つずつ追跡できる状態にすることで、セキュリティ専門家はプログラムの隠された機能や弱点を見つけ出すことが可能になります。例えば、IDA Proを用いることで、一見無害に見えるプログラムの中に、実はこっそりと個人情報を盗み出す機能が組み込まれている、といったケースを発見することができます。また、プログラムの脆弱性を発見し、悪用される前に修正することも可能になります。IDA Proは、日々進化を続けるサイバー攻撃から私たちを守るための、いわば「盾と剣」のような役割を担っていると言えるでしょう。セキュリティ対策の最前線で活躍する専門家にとって、無くてはならない強力なツールなのです。
メール

メールの安全を守るS/MIMEとは?

インターネットが当たり前のように使われるようになった現代では、電子メールは仕事でも私生活でも、様々な場面で欠かせない連絡手段となっています。誰もが手軽に使える便利な反面、悪意を持った第三者による盗み聞き、情報の書き換え、なりすましといった危険と隣り合わせでもあります。重要な仕事の情報や個人の秘密が書かれたメールが盗み見られたり、書き換えられたりすると、企業の信用を失墜させたり、経済的な損失を招いたり、個人情報の流出に繋がったりと、取り返しのつかない事態になりかねません。 メールのセキュリティ対策は、個人にとっても企業にとっても、避けては通れない重要な課題と言えるでしょう。 具体的には、パスワードの強化や二段階認証の導入など、不正アクセスを防ぐための対策が重要です。また、メールの送受信の際には、暗号化通信を利用することで、盗聴や改ざんのリスクを低減することができます。さらに、フィッシング詐欺などのメールを通じた攻撃から身を守るためには、送信元のメールアドレスをよく確認したり、不審なリンクをクリックしないなど、利用者自身のセキュリティ意識を高めることも重要です。
サイバー犯罪

DeFiの脅威:フラッシュローン攻撃とは

近年、分散型金融(DeFi)という言葉を耳にする機会が増えました。これは、従来のような銀行などの金融機関を介せずに、暗号資産を使って様々な金融サービスを受けることができる仕組みです。革新的な技術として注目されていますが、一方で、これまでにはなかった新たな危険性も孕んでいます。 DeFiを狙った攻撃の中でも、特に巧妙で大きな被害をもたらすものとして、「フラッシュローン攻撃」が挙げられます。これは、DeFiの特徴である「貸付の即時性」を悪用した攻撃です。 DeFiでは、担保さえ預け入れれば誰でも瞬時に暗号資産を借りることができます。攻撃者は、この仕組みを悪用し、多額の資金を借り入れて市場を混乱させます。具体的には、大量の資金を借り入れて特定の暗号資産を買い占め、意図的に価格を釣り上げます。そして、高騰した価格で売り抜けることで、多額の利益を得るのです。 この攻撃は、短時間で完結するため、被害に遭っても対策が難しいという特徴があります。そのため、DeFiを利用する際には、このようなリスクがあることを十分に理解し、セキュリティ対策を講じることが重要です。具体的には、利用するDeFiサービスの信頼性を確認したり、最新の情報を入手したりするなどの対策が考えられます。
マルウェア

巧妙化するサイバー脅威:ランサムウェア「Ryuk」の脅威

- ランサムウェア「Ryuk」とはランサムウェア「Ryuk」は、2018年から確認されている悪質なプログラムで、企業や組織の重要なファイルに侵入し、その内容を暗号化してアクセスできないようにしてしまいます。そして、暗号を解除してファイルを取り戻すための身代金を要求してくるのです。Ryukの恐ろしさは、その標的の選び方にあります。彼らは特に、身代金を支払う可能性の高い医療機関を狙う傾向があります。病院は患者の命を守るため、システムの復旧を最優先事項とする場合が多く、Ryukはそのような病院の弱点を突いてくるのです。もし病院のシステムがRyukによって暗号化されてしまったら、電子カルテや予約情報、検査結果など、重要なデータが使用できなくなり、病院の業務は完全に麻痺してしまいます。患者の治療に支障が出るだけでなく、最悪の場合、命に関わる事態にもなりかねません。Ryukは、他のランサムウェアと比べて、より巧妙な方法でシステムに侵入すると言われています。そのため、セキュリティ対策ソフトを導入していても、感染を完全に防ぐことは難しいのが現状です。Ryukから身を守るためには、日頃からセキュリティ対策を徹底することが重要です。具体的には、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ、怪しいメールやウェブサイトを開かない、不審なファイルはダウンロードしない、といった対策が有効です。また、万が一感染してしまった場合に備え、重要なデータは定期的にバックアップを取っておくことも大切です。
ハードウェア

ICカードの重要性

- ICカードとはICカードとは、プラスチック製のカードに小さなコンピューターのようなもの(ICチップ)が埋め込まれているカードのことです。皆さんが普段使っているクレジットカードや銀行のキャッシュカード、あるいは運転免許証なども、実はICカードの一種です。最近は、電車に乗るときに使う交通系ICカードや、コンビニなどで少額決済ができる電子マネーなど、様々な種類のICカードが使われていますね。これらのICカードには、カードの所有者情報や残高などのデータが記録されています。従来の磁気ストライプカードでは、黒い帯の部分に情報が記録されていましたが、ICカードでは、ICチップの中に情報が記憶されている点が大きく異なります。ICカードの大きなメリットは、セキュリティの高さです。ICチップには、データの読み書きを安全に行うための特別な仕組みが備わっており、複製や改ざんが非常に困難です。そのため、磁気ストライプカードに比べて、不正利用のリスクを大幅に減らすことができます。このように、ICカードは私たちの生活にとって、安全で便利な存在と言えるでしょう。
サイバー犯罪

意外と知らない?フラグル攻撃から身を守るには

- フラグル攻撃の概要フラグル攻撃とは、標的とするコンピュータやネットワークに対して、大量のデータを送りつけることで、その機能を停止させてしまう攻撃です。 これはサービス妨害攻撃、いわゆるDDoS攻撃の一種に分類されます。 この攻撃の目的は、ネットワーク上の多数のコンピュータを不正に操作し、標的に向けて大量の通信を発生させることで、標的の処理能力を超過させてしまうことにあります。 フラグル攻撃では、発信元のアドレスを偽装したUDPパケットと呼ばれる小さなデータの塊を、ネットワーク上のあらゆるコンピュータに届くように送信します。 これは、あたかも不特定多数に一斉に手紙を送りつけるようなものです。 この手紙を受け取ったコンピュータは、それが偽物だと気付かずに差出人に返信しようとします。 フラグル攻撃の場合、この偽の手紙は、ネットワーク上の全てのコンピュータに送信されるため、返信もまた膨大な数になります。 その結果、標的となったコンピュータには大量の返信が押し寄せ、処理が追いつかずに機能が麻痺してしまうのです。 これは、大量の手紙によって郵便受けが一杯になり、本来届くはずの手紙を受け取れなくなってしまう状況に例えられます。
IoT

重要インフラを支えるICSとそのセキュリティ対策

- ICSとはICSとは、「Industrial Control System(産業制御システム)」の略称で、発電所や工場、水道施設といった、私たちの生活に欠かせない社会インフラや、自動車や食品などの製造現場で、機器やプロセスを監視・制御するシステムです。従来、ICSは外部ネットワークから隔離されたスタンドアロン環境で運用されてきましたが、近年では、データ分析による効率化や遠隔操作による省力化を目的として、インターネットに接続されるケースが増えています。ICSが制御する対象は、電力やガス、水道、交通機関など、私たちの生活や経済活動に不可欠なものが多く、もしもサイバー攻撃によってこれらのシステムが停止してしまうと、甚大な被害をもたらす可能性があります。例えば、発電所の制御システムが攻撃を受けると、電力供給が停止し、広範囲にわたる停電が発生する可能性があります。また、工場の生産ラインが停止すると、製品の供給が滞り、経済活動に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、ICSへのサイバー攻撃対策は、社会全体にとって非常に重要な課題となっています。
サイバー犯罪

容易になるサイバー犯罪への加担:AaaSの脅威

近年「サービスとしてのアクセス」を意味するAaaSという言葉が使われるようになっています。これは、本来は許可されていないシステムへのアクセスを、あたかもサービスのように販売する犯罪行為を指します。従来の不正アクセスは、攻撃者が高度な技術や多くの時間と労力をかけて行う必要がありました。しかし、AaaSの登場によって状況は一変しました。 これまでのような高いスキルを持たない攻撃者でも、金銭さえ支払えば簡単に他人のシステムに侵入できるようになったのです。必要なツールやノウハウは、AaaSを提供する犯罪者グループがすべて用意してくれるため、技術的なハードルは極めて低くなっています。まるでインターネットで買い物をするように、クリック一つで不正アクセスが可能という手軽さが、サイバー犯罪の増加に拍車をかけていると言えるでしょう。AaaSは、従来のサイバーセキュリティ対策では対応が難しいという点も深刻です。従来の対策は、攻撃者が直接手を下すことを前提としていましたが、AaaSでは攻撃の実行を第三者に委託するため、従来型の防御壁を容易にすり抜けてしまう可能性があります。