サイバー攻撃

マルウェア

NotPetya:ランサムウェアに見せかけられた破壊兵器

- NotPetyaとはNotPetyaは、2017年に世界中で大きな被害をもたらした、非常に悪質なソフトウェアです。見た目は、お金を要求してパソコンを人質にした後、お金と引き換えに元に戻す身代金要求型ウイルスに見せかけていますが、実際には感染したパソコンを完全に壊してしまうことを目的とした「ワイパー」と呼ばれる種類のソフトウェアです。NotPetyaに感染すると、まずハードディスクの起動に必要な領域であるマスターブートレコード(MBR)が書き換えられ、パソコンを起動できなくなります。次に、画面上に身代金を要求するメッセージが表示されますが、これは偽装です。実際には、お金を支払っても壊されたファイルは元に戻りません。NotPetyaは、ウクライナの企業を狙った攻撃をきっかけに世界中に拡散し、多くの企業が業務に大きな支障をきたしました。この事例は、サイバー攻撃が企業活動に壊滅的な影響を与える可能性を示す深刻な事例となりました。重要なデータはこまめにバックアップを取り、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入するなど、日頃から対策をしておくことが重要です。
サイバー犯罪

悪用されるケースも!? リバースプロキシツールfrpとは

- frpの概要 frp(FastReverseProxy)は、自宅や社内ネットワークなど、通常インターネットから直接アクセスできない場所にあるサーバーを、外部に公開するための便利なツールです。これは、オープンソースのリバースプロキシとして機能し、複雑な設定なしに、安全かつ簡単にサーバーを公開できます。 インターネットから自宅のサーバーにアクセスしようとすると、通常はルーターの設定変更やグローバルIPアドレスの取得など、専門的な知識が必要となります。しかし、frpを使うことで、これらの面倒な手順を踏むことなく、誰でも簡単にサーバーを外部に公開することが可能になります。 frpは、クライアントとサーバーの2つの要素で構成されます。公開したいサーバーにfrpのクライアントを、インターネット上に公開されているサーバーにfrpのサーバーをそれぞれ設置します。すると、クライアントとサーバーが通信を行い、あたかも外部から直接アクセスしているかのように、ローカルサーバーへのアクセスが可能になります。 frpは、ウェブサイトの公開やリモートデスクトップ接続など、様々な用途に活用できます。このツールを使うことで、自宅サーバーの運用がより便利になり、様々な可能性が広がります。
マルウェア

進化を続ける脅威:Nokoyawaランサムウェアの最新動向

- ノコヤワランサムウェアとはノコヤワランサムウェアは、2022年に初めてその存在が確認された、比較的新しい種類の脅威です。しかし、その危険性は発見以降日に日に深刻化しており、企業や組織、個人の間で急速に感染を広げています。 このランサムウェアは、従来のものと同様に、感染したコンピュータ上に保存されているファイルを探し出し、複雑な暗号化アルゴリズムを用いてそれらを暗号化します。暗号化されたファイルは拡張子が変更され、アクセスや使用が不可能になります。 ノコヤワランサムウェアの最も恐ろしい点は、ファイルの暗号化を行う前に、機密性の高い情報を窃取するという点です。具体的には、個人情報や金融情報、企業秘密などがその対象となります。そして、攻撃者は盗み出した情報を人質に、身代金の支払いを要求してきます。 身代金の要求に応じなかった場合、盗まれた情報は闇サイトで公開されたり、競合他社に売却されたりする可能性があります。これは、金銭的な損失だけでなく、企業の評判失墜や競争力の低下、個人情報漏洩による深刻な被害など、計り知れない影響をもたらす可能性があります。
サイバー犯罪

使われなくなったサブドメインに潜む危険

インターネット上で情報を発信したり、サービスを提供したりする際に欠かせないのがウェブサイトです。ウェブサイトへアクセスするには、インターネット上の住所にあたるドメインが必要です。ドメインは「example.com」のように、人間にとって分かりやすい文字列で表されます。 ドメインは、ウェブサイトの顔とも言える重要な要素です。ウェブサイトの信頼性を左右するだけでなく、ユーザーがウェブサイトを覚えやすくするのにも役立ちます。 信頼できるドメインを取得するためには、信頼できるレジストラと呼ばれるドメイン登録業者を選ぶことが重要です。また、ドメインを取得したら、適切に管理する必要があります。ウェブサイトの目的やターゲットに合ったドメインを選ぶことが大切です。 例えば、企業がウェブサイトを開設する場合、会社名やブランド名を含むドメインを取得することが一般的です。これは、ユーザーに分かりやすく、信頼感を与えるとともに、ブランドイメージの向上にもつながります。 ウェブサイトを運営する上で、ドメインは重要な役割を果たします。信頼できるドメインを取得し、適切に管理することで、ウェブサイトの信頼性と安全性を高めることができます。
セキュリティ強化

マイクロソフトのDARTチーム – あなたのセキュリティを守る盾

- サイバー脅威の最前線 現代社会は、インターネットの普及によりかつてないほど便利になりました。しかし、その利便性の裏側には、目に見えない脅威であるサイバー攻撃の危険が潜んでいます。日々、巧妙化する手口を用いたサイバー攻撃は後を絶たず、企業や個人など、標的も多岐にわたります。その被害は、金銭的な損失だけでなく、個人情報の流出や業務の停止など、計り知れないものがあります。 このようなサイバー脅威の最前線で、私たちを守ってくれる存在があります。それが、マイクロソフトのDARTチームです。DARTチームは、世界トップクラスのセキュリティ専門家集団であり、最新のサイバー攻撃に関する深い知識と経験を駆使し、日々サイバー攻撃の脅威に立ち向かっています。 DARTチームは、実際にサイバー攻撃が発生した際に、被害を最小限に抑えるため、迅速かつ的確な対応を行います。また、最新の脅威に関する情報を収集・分析し、その情報を基に、企業や組織に対して、効果的なセキュリティ対策のアドバイスや、最新のセキュリティ製品の開発・提供を行っています。 サイバー攻撃の手口は日々進化しており、完全に防ぐことは不可能です。しかし、DARTチームのような専門家の力と、私たち一人一人がセキュリティ意識を高め、適切なセキュリティ対策を講じることによって、サイバー攻撃から身を守ることができるのです。
マルウェア

潜む脅威:トロイの木馬に気をつけろ!

インターネットは、私たちに多くの便利な情報を提供してくれますが、同時に危険も潜んでいます。その危険の一つに、「トロイの木馬」と呼ばれる悪意のあるプログラムが存在します。これは、まるでギリシャ神話に登場するトロイの木馬のように、一見無害なファイルやソフトウェアに偽装し、利用者を騙そうとします。例えば、魅力的な画像や音楽ファイル、無料ゲームなど、私たちが普段何気なくダウンロードしてしまうようなファイルに、こっそりと悪質なプログラムが仕込まれていることがあります。このようなファイルをダウンロードし、開いてしまうと、コンピュータにウイルスが感染したり、個人情報が盗まれたりする可能性があります。さらに、トロイの木馬は、コンピュータを乗っ取り、外部から遠隔操作できるようにしてしまうこともあります。そうなると、知らない間に犯罪に加担させられたり、重要なデータが消去されたりする危険性もあります。このように、一見無害に見えるファイルにも、実は危険が潜んでいることを忘れてはいけません。怪しいウェブサイトからのダウンロードは控え、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入するなど、自己防衛の意識を高めることが重要です。
サイバー犯罪

画像に潜む影?:最低位ビットとセキュリティリスク

- デジタルデータの最小単位ビットコンピュータの世界では、すべての情報は「0」と「1」の二進数で処理されています。この「0」と「1」の数字一つ一つを「ビット」と呼びます。ビットは、デジタルデータにおける最小単位であり、情報の基本構成要素と言えるでしょう。私たちが普段目にしている写真や動画、耳にする音楽なども、すべて膨大な数のビットの集まりによって表現されています。例えば、一枚の写真は数百万から数億個、動画になるとさらに多くのビットによって構成されています。これらのビットは、コンピュータ内部では電気信号として処理され、「0」と「1」に対応する電圧の高低によって表現されます。ビットの概念を理解することは、デジタルデータの仕組みを理解する上で非常に重要です。なぜなら、ビットは情報量の基本単位であり、データのサイズや処理速度、画質や音質などを決める重要な要素となるからです。ビット数が多ければ多いほど、より多くの情報を表現できるため、高画質の写真や高音質な音楽を楽しむことができます。デジタルデータの基礎となるビットについて理解を深めることで、コンピュータやインターネットをより深く理解し、安全に活用していくことができるでしょう。
不正アクセス

Active Directoryの情報を守れ!攻撃者の探索から環境を守る!

- 攻撃者が情報を収集する仕組み企業や組織を狙う攻撃者は、目的を達成するために様々な情報を集めます。特に、組織内の利用者や機器、情報資源に関する重要な情報が集まる Active Directory (AD) は、攻撃者にとって格好の標的です。攻撃者はADの情報を収集することで、組織の構造や弱点を探り出し、攻撃の糸口を見つけようとします。では、どのように情報を集めるのでしょうか?攻撃者は、標的となる組織の公開情報や従業員が不用意にインターネット上に公開している情報を探します。 企業のウェブサイトや従業員のソーシャルメディアアカウントには、組織構造やシステム構成、使用しているソフトウェアなどの情報が掲載されていることがあります。 また、標的型メールを送りつけ、添付ファイルを開かせたり、偽のウェブサイトに誘導したりすることで、情報を盗み出すこともあります。このようなメールは、一見すると本物のように見えるため、注意が必要です。さらに、攻撃者は、組織内のネットワークに侵入し、内部から情報を盗み出すこともあります。 セキュリティの脆弱性をついた攻撃や、盗み出したIDとパスワードを使った不正アクセスなど、その手口は様々です。情報を盗まれないためには、組織全体でセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。 企業は、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策を導入するだけでなく、従業員に対してセキュリティ教育を実施し、パスワードの管理や不審なメールへの対応などを周知徹底する必要があります。
サイバー犯罪

見過ごされる脅威:身近にあるサイバー攻撃ツール

- 悪用される日常的なツール普段私たちが何気なく使っているツールが、悪意のある者によって犯罪に利用されることがあります。本来は便利な機能を持つこれらのツールは、使い方次第で恐ろしい武器になり得ることを認識する必要があります。例えば、Windowsパソコンにはシステム管理を効率的に行うための便利な機能が備わっています。しかし、これらの機能は攻撃者にとってもシステムを深く操作する強力な道具になり得ます。Windowsに標準搭載されている「PowerShell」や「WMI」は、システム管理者が日常的に使用するものですが、攻撃者の手にかかれば、システムへの侵入や情報の盗み出し、さらに悪質なプログラムの拡散などに悪用される危険性があります。また、「ProcessHacker」や「PsExec」なども、本来はシステムの動作状況を監視したり、遠隔操作をしたりするための便利なツールです。しかし、これらのツールも攻撃者によって悪用されれば、パソコンを乗っ取ったり、重要な情報を盗み見たりするための道具になりかねません。これらのツールは、インターネット上で簡単に入手できる場合があり、使い方によっては非常に危険であることを認識しておく必要があります。普段からセキュリティソフトを導入したり、OSやソフトウェアを最新の状態に保つなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。また、身に覚えのないメールの添付ファイルを開いたり、不審なウェブサイトにアクセスしたりしないなど、一人ひとりが注意を払うことも重要です。
マルウェア

Cubaランサムウェア:その脅威と対策

- CubaランサムウェアとはCubaランサムウェアは、2021年に初めてその存在が確認されて以来、世界中の企業や組織にとって、大きな不安材料となっています。この悪質なソフトウェアは、パソコンやサーバーに保存された大切な情報を勝手に暗号化し、その解除と引き換えにお金を要求する、いわゆる「身代金要求型ウイルス」の一種です。Cubaランサムウェアの恐ろしい点は、二段階の攻撃を仕掛けてくるところにあります。まず、感染した機器に保存されているデータを暗号化して、持ち主がアクセスできないようにしてしまいます。次に、盗み出したデータをインターネット上に公開すると脅迫することで、被害者にさらなるプレッシャーをかけるのです。これは、もし身代金を支払わなければ、会社の機密情報や顧客の個人情報といった重要なデータが誰でも見られる状態にされてしまい、経済的な損失だけでなく、会社の信用も失ってしまう可能性があることを意味します。つまり、Cubaランサムウェアは、企業にとって、金銭的な被害と信用失墜という二重の危機をもたらす可能性がある、非常に悪質な脅威と言えるでしょう。
サイバー犯罪

巧妙化するサイバー攻撃:デッドドロップ・リゾルバの脅威

- 身近なサービスが攻撃の道具に?近年、インターネット上では悪意のある攻撃が後を絶ちません。攻撃の手口はますます巧妙化しており、セキュリティ対策をすり抜ける新たな方法が次々と編み出されています。中でも、「デッドドロップ・リゾルバ」と呼ばれる手法は、その巧妙さから、特に警戒が必要です。デッドドロップ・リゾルバは、攻撃者がGitHubやSNS、ブログサービスといった、誰もが日常的に利用する当たり前のウェブサービスを悪用し、不正な活動を隠そうとする点が特徴です。一見すると、普通のウェブサイトを見ているような画面が表示されるため、利用者はそれが攻撃のための偽装だとは気づかず、警戒することもありません。例えば、攻撃者は、攻撃に必要なデータやプログラムを、一見無害に見える画像や文章ファイルの中に密かに埋め込み、GitHubやブログサービス上にアップロードします。そして、 unsuspecting target に、そのファイルにアクセスするように仕向けます。利用者がそのファイルを開くと同時に、埋め込まれた悪意のあるプログラムが起動し、パソコンやスマートフォンがウイルスに感染したり、個人情報が盗み出されたりする危険があります。このように、デッドドロップ・リゾルバは、私たちにとって身近なサービスが悪用されるという点と、一見しただけでは攻撃と見抜けないという点で、非常に危険な攻撃手法と言えるでしょう。
サイバー犯罪

CoomingProject:国家と繋がるサイバー脅威

近年、サイバー攻撃はますます巧妙化し、個人や企業だけでなく、国家の安全保障をも脅かす存在となっています。中でも、国家が関与するサイバー犯罪組織は、その高度な技術と豊富な資源を駆使し、深刻な被害をもたらす可能性があります。 国家が関与するサイバー犯罪組織は、単独の犯罪グループとは異なり、国家の支援を受けて活動しています。そのため、資金力、技術力、人員などあらゆる面で優れており、従来のサイバー犯罪グループよりもはるかに高度な攻撃を仕掛けてきます。 例えば、特定の国や企業の機密情報を盗み出すことを目的とした標的型攻撃や、社会インフラを機能不全に陥れることを目的とした攻撃など、その目的や手法は多岐にわたります。 このような攻撃に対しては、従来のセキュリティ対策だけでは十分ではありません。国家レベルの脅威に対抗するためには、最新の情報や技術を常に収集し、セキュリティ対策を強化するとともに、国際的な連携や情報共有を積極的に推進していく必要があるでしょう。
脆弱性

ConnectWise Control:利便性とリスクを理解する

近年、職場に限らず様々な場所で仕事ができるようにする働き方が急速に広まりました。この働き方を実現するために、遠く離れた場所から会社のネットワークやパソコンに接続できる技術の必要性が高まっています。このような技術をリモートアクセスツールと呼び、場所を問わない働き方を支える上で無くてはならないものとなっています。 リモートアクセスツールは、従業員が自宅や外出先から会社のシステムに安全にアクセスできるように設計されています。 これにより、柔軟な働き方が可能になるだけでなく、移動時間やオフィスコストの削減にもつながります。 しかし、便利な反面、セキュリティ対策を怠ると、悪意のある第三者に乗っ取られる危険性も孕んでいます。もし、会社の重要な情報に不正にアクセスされてしまうと、企業は金銭的な損失だけでなく、評判の失墜といった大きなダメージを受ける可能性があります。そのため、リモートアクセスツールを利用する際には、セキュリティ対策を万全に行うことが非常に重要です。
不正アクセス

見過ごされがち?環境寄生型攻撃の脅威

- 環境寄生型攻撃とは環境寄生型攻撃(LotL攻撃)は、あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、サイバー攻撃の手法の一つです。従来の攻撃のように、外部から不正なプログラムなどを持ち込むのではなく、攻撃対象のシステム内に既に存在する正規のツールや機能を悪用する点が特徴です。まるでスパイが敵地に潜入し、現地で調達した食料や資源で生き延びる様子に似ていることから、「環境に潜む(Living off the Land)」攻撃、つまり環境寄生型攻撃と名付けられました。環境寄生型攻撃は、正規のツールを悪用するため、セキュリティソフトによる検知が難しく、攻撃を受けていることに気づきにくいという危険性があります。例えば、システム管理者が日常的に使用するコマンドやスクリプトを悪用して、情報を盗み出したり、システムを改ざんしたりするケースが考えられます。このような攻撃から身を守るためには、セキュリティソフトの導入に加えて、システム管理者権限の適切な管理や、使用ログの監視など、多層的な対策を講じることが重要です。また、従業員に対しては、不審な点に気づいたらすぐに報告するよう、セキュリティ意識の向上を図る必要があります。環境寄生型攻撃は、その特性上、完全に防ぐことは難しい攻撃ですが、日頃からの対策を積み重ねることで、被害を最小限に抑えることが可能になります。
マルウェア

Cobalt Strike:サイバー攻撃を支える危険なツール

- 攻撃シミュレーションの裏の顔本来、Cobalt Strikeはセキュリティの専門家がシステムの弱点を見つけ出し、防御を固めるための道具として開発されました。 ああたかも敵対者になったつもりでシステムに侵入を試みることで、現実の攻撃に備えることができるため、多くの企業で導入されています。しかし、その高度な機能は、サイバー犯罪者にとっても非常に魅力的であり、悪用される事例が増加の一途を辿っています。Cobalt Strikeは、標的とするシステムへの侵入、機密情報の奪取、身代金要求型ウイルスへの感染など、様々な攻撃を仕掛けるために利用されています。 高度な技術を持つ犯罪者集団が、このツールを使って巧妙な攻撃を仕掛けることで、多額の金銭を盗み出したり、企業活動を麻痺させたりするケースも後を絶ちません。本来はセキュリティを高めるためのツールが、逆に悪用されてしまうという現状は、私たちに大きな課題を突き付けています。私たちは、Cobalt Strikeのようなツールの存在意義と危険性を正しく理解し、悪用を防ぐための対策を講じていく必要があります。
ネットワーク

悪用されることも? トンネリングツールChiselとは

- トンネリングツールChiselの概要Chiselは、誰でも無償で利用できる、インターネット上で公開されているトンネリングツールです。このツールは、TCPトンネリングという技術を使って、本来は直接接続ができないネットワーク同士でも通信を可能にします。例えば、会社のネットワークなど、セキュリティ対策として外部からの接続を遮断する仕組み(ファイアウォール)が設けられている場合でも、Chiselを使うことで、あたかも社内にいるかのように、ネットワーク内のサーバーにアクセスすることが可能になります。Chiselは、Go言語というプログラミング言語で開発されているため、WindowsやmacOS、Linuxなど、様々なパソコン環境で利用できることも大きな特徴です。
脆弱性

WordPressサイトの安全対策のススメ

インターネット上で情報を発信する手段として、ブログやウェブサイトは今や欠かせないものとなっています。多くの人が自身の考えや情報を発信するために、これらのツールを活用しています。中でもWordPressは、その使いやすさから、世界中で広く利用されているウェブサイト作成ツールです。 WordPressは、誰でも無料で利用できるオープンソースのソフトウェアです。専門知識がなくても、比較的簡単にブログやウェブサイトを作成できることが、その人気の理由の一つです。利用者は、あらかじめ用意された豊富なデザインテンプレートの中から、自分の好みに合ったものを選択し、文章や画像を挿入するだけで、簡単にウェブサイトを開設できます。また、プラグインと呼ばれる拡張機能を追加することで、ショッピングカートや会員制サイトなど、さらに多様な機能をウェブサイトに組み込むことも可能です。 インターネット上のウェブサイトの約4割がWordPressで構築されているという統計からも、WordPressがいかに多くの人々に利用されているかが分かります。しかし、その一方で、WordPressはその普及率の高さゆえに、悪意のある攻撃者から狙われやすいという側面も持ち合わせています。セキュリティ対策を怠ると、ウェブサイトを改ざんされたり、個人情報を盗まれたりする危険性もあります。WordPressを安全に利用するためには、常に最新の情報に注意し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
サイバー犯罪

WizardSpider:国家支援を受けるサイバー犯罪集団の脅威

- WizardSpiderとはWizardSpiderは、高度な技術と知識を駆使するサイバー犯罪集団です。彼らは、まるで魔法使いのように巧みに隠れ蓑を使い、侵入した形跡を消しながら、長期に渡って攻撃を仕掛けることから、その名が付けられました。WizardSpiderは、特定の組織や企業を狙って、機密情報や金銭を盗み出すことを目的とした、計画的かつ執拗な攻撃を特徴としています。彼らは、その高い技術力と組織力から、世界中のセキュリティ専門家から警戒されています。WizardSpiderは、特に金融機関を狙う傾向があります。彼らは、金融機関のシステムに侵入し、顧客情報や金融取引に関する情報を盗み出し、多額の金銭を不正に取得しようとします。彼らの攻撃は、非常に巧妙であり、発見が困難です。彼らは、最新のセキュリティ対策を回避する技術を駆使し、侵入後も長期間にわたってシステム内に潜伏します。そして、機密情報や金銭を盗み出すタイミングを慎重に見計らいます。WizardSpiderの脅威から身を守るためには、最新のセキュリティ対策を講じるとともに、従業員へのセキュリティ意識向上のための教育も重要です。
マルウェア

スマホアプリの危険な罠!知って備えるダイナミック・コードローディング

近年、スマートフォンは生活に欠かせないものとなり、銀行取引や買い物、友人との連絡など、様々な場面で利用されています。便利なアプリが日々開発され、私たちの生活を豊かにしてくれる一方で、その利便性の裏には、目に見えない脅威が潜んでいることを忘れてはなりません。 その脅威の一つとして、「ダイナミック・コードローディング」と呼ばれる手法があります。これは、アプリをインストールした段階では、アプリの中に悪意のあるプログラムコードは存在せず、一見安全に見えます。しかし実際には、アプリを起動した後、外部からこっそりと悪意のあるプログラムコードをダウンロードし、それを実行できるようにしてしまうのです。 例えば、一見無害なゲームアプリをインストールしたとします。このアプリに「ダイナミック・コードローディング」の機能が仕込まれていた場合、インストール時には存在しなかった悪意のあるプログラムコードが、アプリ起動後にバックグラウンドでダウンロードされ、実行されてしまうのです。その結果、ユーザーが気づかないうちに、個人情報が盗み出されたり、デバイスが乗っ取られたりする危険性があります。 スマートフォンは今や、私たちの生活に欠かせないものです。だからこそ、アプリの利用には十分な注意が必要です。信頼できる開発元のアプリを選ぶ、アプリの評価やレビューをよく確認するなど、自分自身でセキュリティ対策を講じることが重要です。
セキュリティ強化

英国NCSCから学ぶサイバーセキュリティ対策

近年、世界中で情報通信技術が急速に進展する一方で、悪意のある攻撃や脅威も増加の一途をたどっています。個人だけでなく、企業や国家にとっても、機密情報や重要なシステムを守ることは喫緊の課題となっています。 そこで今回は、イギリスのサイバーセキュリティ対策の中枢を担う組織、NCSCについて詳しく解説していきます。 NCSCは「国家サイバーセキュリティセンター」と訳され、2016年に設立された比較的新しい組織です。これは、イギリス政府が、サイバーセキュリティの重要性を認識し、国家レベルでの対策を強化するために設立されました。 NCSCは、イギリスの情報通信機関であるGCHQの傘下機関として活動しています。GCHQは、国内外の通信の傍受や暗号解読などを担当する機関であり、その豊富な経験と高度な技術力は、NCSCの活動においても重要な役割を果たしています。 NCSCの主な任務は、イギリス全体のサイバーセキュリティレベルの向上です。具体的には、政府機関や重要インフラ企業に対して、サイバー攻撃に関する情報提供や助言、技術的な支援などを行っています。また、国民向けに、サイバーセキュリティに関する啓発活動や教育プログラムなども実施しています。 NCSCは、最新のサイバー攻撃の手口や対策に関する情報を収集・分析し、その結果を基に、政府機関や企業、国民に対して注意喚起や対策の呼びかけを行っています。また、サイバー攻撃が発生した場合には、被害の拡大防止や復旧活動の支援も行います。 このように、NCSCは、イギリスのサイバーセキュリティ対策において、中心的な役割を担っています。
サイバー犯罪

進化するサイバー犯罪:CaaSの脅威

- CaaSとは CaaS(Crime-as-a-Service)とは、従来の犯罪とは異なり、インターネットを通じて犯罪行為をサービスとして提供するビジネスモデルのことです。例えるなら、まるでお店で商品やサービスを購入するような感覚で、犯罪行為を依頼したり、犯罪に必要なツールを入手したりすることができてしまいます。 CaaSが大きな問題となっているのは、高度な技術や知識がない人でも、簡単にサイバー攻撃に加担できてしまう点です。これまで、サイバー攻撃を実行するには、高度なプログラミングスキルやセキュリティに関する深い知識が必要とされてきました。しかし、CaaSを利用することで、そうした専門知識がなくても、クリック一つで誰かを攻撃できるツールやサービスが手に入ってしまうのです。 例えば、DDoS攻撃を請け負うサービスや、フィッシングサイトを作成するツール、盗み出した個人情報などを販売する闇市場などが、CaaSの一例として挙げられます。 CaaSの登場によって、サイバー攻撃はますます身近なものとなり、誰もが被害者にも加害者にもなり得る時代となっています。そのため、CaaSの手口やその危険性を正しく理解し、自分自身を守るためのセキュリティ対策を講じることがこれまで以上に重要になっています。
ネットワーク

知っておきたいセキュリティ対策:ダイナミックDNSの仕組みと注意点

- ダイナミックDNSとはインターネットに接続すると、利用者の機器にはIPアドレスと呼ばれる識別番号が自動的に割り当てられます。しかし、このIPアドレスは接続の度に変わるため、固定の住所を持たないようなものです。もし自宅にサーバーを設置してウェブサイトを公開したい場合、接続の度に変わるIPアドレスを相手に伝えるのは非常に面倒です。そこで活躍するのが「ダイナミックDNS」です。ダイナミックDNSは、変動するIPアドレスを固定のドメイン名に結びつける技術です。自宅のサーバーに固定のドメイン名を設定しておけば、IPアドレスが変わっても、そのドメイン名を通してウェブサイトにアクセスできます。例えるなら、引っ越しが多い人に、郵便局が荷物を転送してくれるようなイメージです。住所が変わっても、郵便局に新しい住所を伝えておけば、同じ住所宛に手紙を送ることができます。ダイナミックDNSも同様に、IPアドレスが変わっても、常に同じドメイン名でアクセスできるよう、裏側でIPアドレス情報を更新し続けています。これにより、自宅サーバーの運用だけでなく、外出先から自宅のパソコンにアクセスするなど、様々な場面で利便性を向上させることができます。
ネットワーク

WinRMの悪用を防ぐには

- WinRMとは WinRMは「Windows リモート管理」の略称で、離れた場所にあるWindowsパソコンやサーバーを、まるで目の前にあるかのように操作できる便利な機能です。 この機能は、システム管理者が日々の業務を効率的に行うために欠かせない存在となっています。例えば、複数のWindowsパソコンに同じ設定を一斉に適用したり、離れた場所にあるサーバーの状態を確認したりする際に、WinRMは大活躍します。 具体的な操作には、「PowerShell」というWindowsに標準搭載されているコマンドやスクリプトを使用します。このPowerShellを通じて、まるで遠隔操作ロボットを操縦するように、離れたWindowsパソコンやサーバーに対して指示を出すことができるのです。 しかし、便利な機能には、相応のリスクがつきもの。WinRMも例外ではありません。セキュリティ対策を怠ると、悪意のある第三者にこの機能を悪用され、パソコンやサーバーを乗っ取られてしまう危険性があります。 WinRMを安全に利用するためには、適切な設定とセキュリティ対策が必須です。具体的には、通信経路の暗号化や、アクセス権限の設定などを適切に行う必要があります。これらの対策を怠ると、WinRMは便利なツールではなく、セキュリティ上の大きな穴となってしまいます。
プライバシー

悪質なデザインにご用心!~ダークパターンとその対策~

インターネットは大変便利な反面、使い方によっては危険を伴うということを忘れてはいけません。ウェブサイトやアプリを利用する際、私達は知らず知らずのうちに誰かに操られている可能性すらあります。その代表的なものが「ダークパターン」と呼ばれる仕組みです。 ダークパターンとは、利用者を騙す目的でわざと作られたデザインのことを指します。例えば、有料サービスの無料体験に申し込んだ後、無料期間が終了すると自動的に有料会員に移行してしまうといった経験はありませんか? また、インターネットショッピングの際に、気がつかないうちに不要なオプションがカートに入っていたり、解約手続きが複雑で分かりにくく設定されていたりすることもあります。 ダークパターンは、一見すると利用者に便利な機能のように思える場合もありますが、実際には企業側の利益を最優先に考えて作られたものがほとんどです。 このような巧妙な罠に引っかからないためには、普段からウェブサイトやアプリの利用規約をよく読み、注意深く操作することが重要です。怪しいと感じたら、すぐに利用を中止することも検討しましょう。