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Kerberoasting攻撃から身を守る方法

- はじめに 現代社会において、情報システムは企業活動にとって欠かせないものとなっています。企業の活動の多くは情報システムに頼っており、もしも情報システムがなければ、事業の継続は極めて困難になるでしょう。 情報システムをあらゆる脅威から守ることは、企業にとって最も重要な課題の一つです。もしも情報システムが不正アクセスや情報漏洩などの被害に遭えば、企業は経済的な損失だけでなく、信頼を失墜させることにもなりかねません。 情報セキュリティ対策には様々な方法がありますが、近年、「Kerberoasting攻撃」と呼ばれる巧妙な攻撃手法が注目されています。これは、WindowsのActive Directoryという、ユーザーやコンピュータの情報を管理するシステムを標的とした攻撃です。この攻撃は、発見が非常に困難であるため、企業にとって大きな脅威となっています。 今回は、Kerberoasting攻撃の手口と、その脅威からシステムを守るための具体的な対策方法について詳しく解説していきます。
認証

Kerberoasting攻撃から身を守るには

- Kerberoasting攻撃とは Kerberoasting攻撃は、WindowsのActive Directoryという、組織内のユーザーやコンピューターの情報を管理するシステムを悪用した攻撃手法です。 Active Directoryでは、ユーザーが様々なサービスにアクセスする際に、Kerberosという認証プロトコルが使われています。このKerberosは、ユーザーがパスワードを入力しなくても安全にサービスを利用できるようにするための仕組みです。 Kerberoasting攻撃では、攻撃者はこのKerberosの仕組みを逆手に取ります。 攻撃者はまず、Active Directoryに対して、特定のサービスを利用するためのチケットを要求します。このチケットは、暗号化された形で攻撃者に渡されます。 重要なのは、このチケットの暗号化には、サービスアカウントのパスワードが使われているという点です。サービスアカウントとは、特定のサービスに割り当てられたアカウントのことです。 攻撃者は、入手したチケットをオフライン環境に持ち帰り、様々なパスワードを試しながらチケットの解読を試みます。もしチケットの解読に成功すれば、攻撃者はサービスアカウントのパスワードを手に入れることができます。 Kerberoasting攻撃の厄介な点は、Active Directoryとの直接的な通信が発生しないため、従来のセキュリティ対策では検知が難しいという点です。 そのため、Kerberoasting攻撃からシステムを守るためには、サービスアカウントのパスワードを複雑にする、定期的にパスワードを変更する、多要素認証を導入するなどの対策を講じる必要があります。