セキュリティ

プライバシー

個人情報を守るGDPRとは?

- GDPRの概要GDPRは「General Data Protection Regulation」の略語で、日本語では「EU一般データ保護規則」と訳されます。2018年5月から施行されている、ヨーロッパ連合(EU)における個人データおよびプライバシーの保護に関する法律です。GDPRは、EU域内の個人のデータ保護を強化し、個人自らが自身のデータ管理・コントロールできる権利を保障することを目的としています。インターネットの普及やグローバル化が進む中で、個人情報の取り扱いに関するルールを統一し、EU市民のプライバシーを保護しようとする狙いがあります。GDPRは、EU域内に拠点を持つ企業はもちろん、EU域外に拠点を持つ企業であっても、EU市民の個人情報を扱う場合にはその適用対象となります。そのため、日本企業であっても、EUに進出している企業やEU市民の個人情報を扱う企業は、GDPRの遵守が求められます。GDPRでは、個人情報取得の際に、利用目的を明確化し、本人の同意を得ることが義務付けられています。また、個人データへのアクセス、修正、削除などを要求する権利や、自身のデータ利用について異議を唱える権利なども認められています。GDPRに違反した場合、最大で全世界売上高の4%または2,000万ユーロ(約29億円1ユーロ=145円で計算)のいずれか高い方の金額が制裁金として科せられる可能性があります。これは非常に高額な罰金であり、企業にとっては大きなリスクとなります。GDPRは、企業にとって遵守が必須の重要な法律と言えるでしょう。
ネットワーク

次世代通信規格QUIC:その仕組みと利点

- QUICとはQUICは、現代のインターネット通信のニーズに応えるために、Googleによって開発された新しい通信規約です。従来広く利用されてきたTCP/IPに代わる、より高速で安全な通信を実現することを目指しています。従来のインターネット通信では、ウェブページの表示やデータのやり取りにTCP/IPが使われてきました。しかし、近年のインターネット利用の増加や動画ストリーミングのような大容量データのやり取りが増えたことで、TCP/IPの限界が指摘されるようになってきました。そこで登場したのがQUICです。QUICは、TCP/IPの抱える問題点を克服し、より高速な接続の確立、データ転送の効率化、遅延の抑制を実現します。これにより、ウェブサイトの表示速度向上、動画ストリーミングの品質改善などが期待できます。さらに、QUICはセキュリティ面でも進化しています。QUICは通信の暗号化を標準としており、悪意のある第三者によるデータ盗聴や改ざんのリスクを低減します。現在、QUICはGoogle Chromeなどの主要なウェブブラウザやYouTube、Google検索などのサービスで既に採用されており、今後さらに普及していくと予想されます。QUICの登場は、より快適で安全なインターネット利用を促進する重要な一歩と言えるでしょう。
脆弱性

PwnKit:その脅威と対策

- はじめにと昨今、悪意のあるサイバー攻撃の手口は巧妙化の一途を辿っており、コンピューターシステムの弱点をついた攻撃が増加しています。セキュリティ対策の重要性が叫ばれる中、特にLinuxシステムにとって「PwnKit」と呼ばれる脆弱性は深刻な脅威として認識されています。PwnKitは、本来はシステムを操作する権限を持たない攻撃者が、システム全体を管理する最高権限である「root権限」を不正に取得することを可能にする脆弱性です。 root権限を取得されると、攻撃者はシステム内の重要な情報を盗み出したり、システム全体を改ざんしたり、サービスを停止させるなど、甚大な被害をもたらす可能性があります。 この脅威からシステムを守るためには、PwnKitの危険性について正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。PwnKitは決して他人事ではありません。企業はもちろんのこと、個人でパソコンやサーバーを運用している方も、PwnKitの脅威に備える必要があります。
その他

要件定義の重要性

- システム開発における要件定義システム開発は、言わばお客様の要望を形にする家づくりです。そして、その家づくりを成功させるための最初の設計図となるのが「要件定義」です。要件定義とは、お客様が「どんな課題を解決したいのか」「どのような機能を持ったシステムを求めているのか」を明確にする、非常に重要なプロセスです。具体的には、システムの目的、必要な機能、期待される性能、操作方法などを、お客様と開発者で一緒に検討し、文書化していきます。この要件定義が曖昧なまま開発を進めてしまうと、完成したシステムがお客様の要望と食い違ってしまう可能性があります。 例えば、使い勝手が悪かったり、必要な機能が不足していたりといった問題が発生し、結果として、追加の開発費用や納期の遅延に繋がってしまうことも少なくありません。逆に、しっかりと要件定義を行うことで、開発者は お客様の要望を正しく理解し、イメージ通りのシステムを構築することができます。 これは、開発の効率化、品質向上、そしてお客様満足度の向上に大きく貢献します。家づくりにおいて、設計図なしに家を建てることはありえません。システム開発においても、要件定義という設計図をしっかりと描くことが、成功への第一歩と言えるでしょう。
セキュリティ強化

重要インフラ保護の最前線:Enduring Security Frameworkとは

- 国家の安全を守る砦 現代社会において、電力網や通信網、金融システムといった重要インフラは、私たちの生活と経済活動を支える、なくてはならないものです。これらのシステムが正常に稼働し続けることは、私たちの日常生活はもちろんのこと、国の安定にも直結しています。しかし、その一方で、これらの重要インフラはサイバー攻撃やその他の脅威に常にさらされているという側面も持ち合わせています。もしも、これらのシステムが攻撃によって機能を停止してしまったら、私たちの生活や経済活動は大混乱に陥り、国家の安全保障にも重大な影響が及ぶ可能性があります。 このような事態を防ぐために、Enduring Security Framework(ESF)という取り組みが進められています。これは、アメリカ国家安全保障局(NSA)が中心となって、官民が協力して国家の安全を守るための枠組みです。ESFは、政府機関や民間企業が連携し、サイバーセキュリティに関する情報や技術を共有することで、より強固な防御体制を構築することを目指しています。ESFは、いわば国家を守るための砦と言えるでしょう。私たちは、この取り組みを通じて、重要インフラに対する脅威を最小限に抑え、国民の安全と安心を守っていく必要があります。
ネットワーク

過信は禁物?閉域網の落とし穴と本当に効果的なセキュリティ対策とは

- 閉域網とは何かその仕組みと利点閉域網とは、外部のネットワークから切り離された、限られた範囲でのみ使用できるネットワークのことです。まるで、壁に囲まれた専用の通信路のようなイメージです。この閉ざされたネットワークは、インターネットのような誰もがアクセスできる広大なネットワークとは接続されていません。企業や組織はこの閉域網の中に、重要な情報やシステムを保管します。外部からのアクセスを遮断することで、情報漏えいやサイバー攻撃といった危険を大幅に減らすことができるからです。閉域網は、特に機密性の高い情報を扱う金融機関や官公庁、企業の基幹システムなどで広く利用されています。顧客の個人情報や企業の財務情報、国の機密情報など、万が一にも外部に漏れてしまうと大変な影響を及ぼすデータを守るために、閉域網は有効な手段と言えるでしょう。インターネットを経由しないため、情報の改ざんも困難になります。悪意のある第三者によるデータの書き換えや、なりすましによる不正アクセスを防ぐ効果も期待できます。このように、閉域網は重要な情報を様々な脅威から守る、堅牢なセキュリティ対策として機能するのです。
不正アクセス

今こそ知っておきたい不正アクセス禁止法

- 不正アクセス禁止法とは不正アクセス禁止法は、正式名称を「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」といい、私たちが普段何気なく利用しているスマートフォンやパソコンなどを介して、他人のコンピュータシステムやネットワークに許可なく侵入することを禁じる法律です。これは、急速に発展するデジタル社会において、一人ひとりのプライバシーとセキュリティを守るために大変重要な法律です。この法律が制定されたのは1999年のことですが、インターネットやコンピュータ技術の進化は目覚ましく、それに伴い不正アクセスの手口も巧妙化しています。そのため、時代遅れにならないよう、これまでにも状況に合わせて改正が重ねられてきました。では、なぜ不正アクセスがこれほど問題視されているのでしょうか?それは、不正アクセスによって引き起こされる被害の大きさゆえです。個人情報の漏えいや金銭的な被害はもちろんのこと、企業の機密情報が盗まれれば、その企業の存続を揺るがす事態になりかねません。さらに、重要なインフラシステムが攻撃を受ければ、社会全体に混乱が生じ、私たちの生活にも大きな影響が及ぶ可能性も考えられます。このように、不正アクセスは決して他人事ではありません。一人ひとりが不正アクセス禁止法の存在を認識し、セキュリティ意識を高めることが、安全なデジタル社会を築く第一歩と言えるでしょう。
その他

企業を守る!ERPシステムのセキュリティ対策とは

- 業務の心臓部、ERPシステムとは 「ERP」は「企業資源計画」と訳され、企業のありとあらゆる資源を効率的に活用するための仕組みです。具体的には、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を統合的に管理し、企業全体の業務プロセスを円滑に進めることを目的としています。 ERPシステムを導入することで、販売、生産、在庫、会計といった様々な部門でバラバラに行われていた業務を一つのシステムに集約できます。これまで部署ごとに管理していたデータは、全社で共有できるようになり、情報の二重入力や誤入力といった無駄を省きながら、正確なデータに基づいた迅速な意思決定が可能になります。 例えば、ある製品の受注情報がリアルタイムで生産部門や在庫管理部門に共有されることで、納期遅延や機会損失のリスクを減らすことができます。また、経営層は、いつでも最新の経営状況を把握することができるため、市場の変化に柔軟に対応した戦略を立てることができます。 このように、ERPシステムは、業務の効率化、データのリアルタイムな共有、経営判断の迅速化を実現する、まさに企業の心臓部と言えるでしょう。
データ保護

デジタルデータの完全消去:破壊の重要性

- データ消去の最終手段現代社会において、情報は大変重要な資産であり、その中には企業秘密や個人情報など、外部に漏れてしまうと大きな損害に繋がるものも少なくありません。不要になったデータは適切に消去しなければなりませんが、デジタルデータは単純に削除しただけでは復元されてしまう可能性があり、完全に消去するには専門的な技術が必要です。そこで、情報の漏洩を確実に防ぐ最終手段として、「破壊」という方法があります。「破壊」によるデータ消去とは、ハードディスクやUSBメモリなどの記録媒体そのものを物理的に破壊し、データの復元を不可能にする方法です。具体的には、強力な磁力をかけてデータを読み取れなくする「磁気破壊」、記録媒体を高温で溶解する「熱破壊」、そして記録媒体を粉砕する「物理破壊」などがあります。これらの方法を用いることで、データの復元を企図する第三者から情報を確実に守ることができます。データ消去の方法は、扱うデータの機密性や重要度に応じて適切に選択する必要があります。例えば、一般的な書類データであれば、専用のソフトウェアを用いたデータ消去でも十分な場合が多いでしょう。しかし、企業秘密や個人情報など、特に機密性の高いデータの場合は、復元されるリスクを最小限に抑えるために、「破壊」によるデータ消去を行うことが推奨されます。情報漏洩は企業にとって大きな損失に繋がりかねません。そのためにも、不要になったデータの取り扱いには十分注意し、適切な方法で消去を行うことが重要です。
脆弱性

Webサイトへの侵入経路、パストラバーサルにご用心

ウェブサイトやアプリケーションは、画像や文章、動画など様々なデータをファイルとして保存し、利用しています。これらのファイルの中には、公開を意図していない重要な情報を含むものも少なくありません。例えば、ウェブサイトの設計図にあたるソースコードや、データベースと呼ばれる重要な情報が集まっている場所への接続情報、システム全体の動作を決める設定ファイルなどが挙げられます。 もしも、悪意のある第三者がこれらのファイルにアクセスできてしまうと、情報漏洩や改ざんといった被害が生じる可能性があります。 ウェブサイトの情報が盗み見られるだけでなく、ウェブサイトの内容が書き換えられてしまったり、悪意のある第三者の指示に従うようにウェブサイトが改変されてしまう可能性もあります。さらに、これらの情報が悪用され、サイトの管理者になりすましてシステムを乗っ取られてしまうといった深刻な被害に繋がる可能性も考えられます。 このように、ファイルパス操作の脆弱性は、ウェブサイトやアプリケーションの安全性を脅かす大きなリスクとなります。誰でもアクセスできる場所に重要な情報を置かない、ファイルのアクセス権限を適切に設定するなど、ウェブサイトやアプリケーションの開発者は、ファイルパス操作の危険性を十分に理解し、適切な対策を講じる必要があります。
ネットワーク

Wi-Fiの安全性を高めるPSK:その重要性と設定

「事前共有鍵」という意味のPSKは、Wi-Fiネットワークにおいて、セキュリティを確保するための重要な役割を担っています。私たちが日常的に利用するWi-Fiルーターやアクセスポイントには、第三者からの不正アクセスを防ぎ、安全な通信を実現するために、セキュリティ設定が施されています。PSKはこのセキュリティ設定において、情報を暗号化して送受信する際に必要となる鍵を作り出す役割を担っています。 PSKを家の鍵に例えてみましょう。PSKは、複雑で解読困難な家の鍵を作るための特別な「型」のようなものです。この「型」を用いることで、非常に複雑な鍵を作ることができ、家の中への侵入を防ぐことができます。 このように、PSKを用いることで、Wi-Fiで送受信されるデータは暗号化され、第三者による盗聴や改ざんから保護されます。PSKは、私たちの大切な情報を守る上で、非常に重要な役割を果たしているのです。
認証

認証サーバ:セキュリティの要

- 認証サーバとは インターネット上のサービスを使う時、私たちは必ず「ログイン」を行いますね。このログインを安全に行うために重要な役割を担うのが「認証サーバ」です。認証サーバは、ウェブサイトやアプリにアクセスしようとする人が、本当にその人本人かどうかを確認する、いわばデジタル世界の門番のような存在です。 例えば、会員制のスポーツクラブを想像してみてください。会員だけが利用できるこのクラブに入るには、入り口で会員証を提示して、係員に本人確認をしてもらいますよね。認証サーバは、まさにこの入り口の係員と同じ役割を担っています。会員証に相当するのが「ID・パスワード」で、スポーツクラブの会員データベースに相当するのが「認証サーバ」です。 私たちがID・パスワードを入力してログインボタンを押すと、その情報は認証サーバに送られます。認証サーバは、受け取った情報が正しいかどうかを、あらかじめ登録されている情報と照らし合わせて確認します。そして、情報が正しければ、初めてサービスへのアクセスが許可されるのです。 このように、認証サーバは、インターネットバンキングやオンラインショッピング、会社のネットワークなど、さまざまなサービスにおいて、不正アクセスから貴重な情報やシステムを守るために、必要不可欠な役割を担っているのです。
データ保護

迫りくる量子コンピュータ時代への備え:PQCとは?

- 量子コンピュータの脅威近年、従来のコンピュータとは比べ物にならない処理能力を持つ量子コンピュータの研究開発が急速に進んでいます。量子コンピュータは、医療や材料科学、人工知能など様々な分野に革命をもたらす可能性を秘めていますが、同時にセキュリティ面における大きな脅威も孕んでいます。現在、インターネットバンキングやオンラインショッピングなど、私達が日常的に利用するサービスの多くは、暗号技術によって守られています。この暗号技術は、従来のコンピュータでは解読することが非常に困難な複雑な計算に基づいて成り立っています。しかしながら、量子コンピュータは、その圧倒的な計算能力によって、従来のコンピュータでは解読不可能とされていたこれらの暗号を短時間で解読してしまう可能性があります。もしも、量子コンピュータが悪意のある人物に利用されれば、個人情報や企業秘密、政府の機密情報などが容易に盗み見られ、社会全体に計り知れない損害をもたらす可能性があります。量子コンピュータの脅威は、決して遠い未来の話ではありません。私達は、量子コンピュータ時代を見据え、より強力な暗号技術の開発や、既存のシステムの量子コンピュータへの耐性を高める対策を早急に講じる必要があります。
データ保護

重要なファイルはEFSで保護しよう!

今日の社会において、情報は企業の競争力を左右する重要な資産であり、個人のプライバシーを守る上でも非常に大切です。しかし、便利なデジタル機器が広く普及する一方で、情報漏洩のリスクは日に日に高まっています。悪意のある第三者によって重要な情報が盗まれたり、意図せず情報が流出してしまったりする事件が後を絶ちません。このような状況下では、情報資産を適切に保護することがこれまで以上に重要になっています。 情報漏洩による被害は、企業にとっては金銭的な損失だけでなく、顧客からの信頼を失墜させることにも繋がります。また、個人にとっても、プライバシーの侵害や金銭的な被害を受ける可能性があります。情報漏洩は、一度発生してしまうと、その影響を完全に回復することが難しい深刻な問題です。 そのため、企業と個人の両方が情報セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、強力なパスワードを設定することや、ソフトウェアを常に最新の状態に保つこと、不審なメールやウェブサイトにアクセスしないことなど、基本的なセキュリティ対策を徹底する必要があります。また、情報漏洩が発生した場合に備え、被害を最小限に抑えるための体制を構築しておくことも重要です。
セキュリティ強化

セキュリティの壁「PPL」:その役割とリスク

- Windowsの守護者、PPLとは? パソコンを使う上で、ウイルスや不正なプログラムからパソコンを守ることはとても重要です。Windowsには、そのような脅威からパソコンを守るための様々な機能が備わっていますが、その中でも「PPL(Protected Process Light)」は、Windows 8.1以降で導入された、システムの中核部分を保護するための重要な仕組みです。 PPLは、例えるなら、重要な施設を守るための厳重な門番のようなものです。パソコンの中枢部分である「カーネル」へアクセスしようとするプログラムに対し、厳しいチェックを行います。アクセスを許可するのは、マイクロソフトなど、信頼できる発行元がデジタル署名したプログラムだけ。もし、悪意のあるプログラムが、カーネルを乗っ取ろうとしても、PPLがそれを阻止し、システム全体への影響を防ぎます。 このように、PPLは、悪意のあるプログラムからシステムを守るための、強力な防御壁として機能しています。PPLによって、より安全に、安心してパソコンを使うことができるようになっています。
サイバー犯罪

二重支払い詐欺にご用心!

近年、インターネット上で個人間での売買を簡単に行えるフリーマーケットアプリが広く利用されるようになり、大変便利になりました。しかし、その一方で、アプリを通じて商品を購入する際の支払い方法である後払い決済サービスを悪用した「二重支払い詐欺」という犯罪行為が増加しており、社会問題となっています。 この二重支払い詐欺は、大変巧妙な手段で行われるため、被害に遭っていることに気づかないまま泣き寝入りしてしまうケースも少なくありません。そこで今回は、二重支払い詐欺の具体的な手口と、その被害から身を守るための効果的な対策方法について詳しく解説していきます。 まず、二重支払い詐欺とは、実際には支払いを行わずに、あたかも支払いを済ませたように装って商品をだまし取る行為です。犯人は、フリーマーケットアプリを通じて出品者と連絡を取り、商品を購入する意思を示します。そして、後払い決済サービスを利用して支払いを行うと見せかけますが、実際には支払いを完了せずに商品をだまし取ります。 被害から身を守るためには、出品者として、購入者の評価や取引履歴をよく確認することが重要です。また、後払い決済サービスを利用する際は、必ず正規のサービスを利用し、支払い状況をこまめに確認しましょう。 万が一、二重支払い詐欺に遭ってしまった場合は、速やかに警察に被害届を提出しましょう。また、利用していたフリーマーケットアプリの運営会社にも被害を報告することで、他のユーザーへの注意喚起や再発防止につながります。
メール

時代遅れのPPAP:安全なファイル送信のために

- PPAPとは?-PPAPとは?-PPAPとは、「Password付きZIPファイルを送ります、Passwordを送ります、Angoka(暗号化)Protocol(プロトコル)」のそれぞれの単語の頭文字を繋げた言葉です。これは、電子メールでファイルをやり取りする際の手順を指しています。具体的には、まずパスワードで保護したZIP形式のファイルを電子メールで送り、その後、別の電子メールでパスワードを伝えるという方法です。一見すると、パスワードで保護することでセキュリティ対策をしているように思えますが、実際には多くのセキュリティ上の問題点が指摘されています。まず、パスワードで保護したZIPファイルとパスワードを別々の電子メールで送信する場合、仮にどちらかの電子メールが第三者に盗聴されてしまった場合、もう一方の電子メールも容易に解読されてしまう可能性があります。これは、鍵と鍵穴を別々に送っているようなものであり、セキュリティ上非常に危険な状態と言えるでしょう。さらに、PPAPで使用されるZIPファイルの暗号化方式には、脆弱性が発見されているものも存在します。そのため、悪意のある第三者によってZIPファイルが解読され、ファイルの内容が盗み見られてしまうリスクも考えられます。これらの問題点から、現在ではPPAPはセキュリティの専門家の間では推奨されない方法となっています。ファイルのやり取りを行う際には、PPAPではなく、より安全な方法を選択することが重要です。
暗号通貨

進化するセキュリティ:楕円曲線暗号とは?

- 楕円曲線暗号とは -# 楕円曲線暗号とは 楕円曲線暗号(ECC)は、私たちが日々利用する情報通信の安全を守る、高度な暗号方式の一つです。従来の暗号方式と比較して、同等の安全性をより短い鍵で実現できるため、処理速度が向上し、機器にかかる負担も軽減できます。 楕円曲線暗号は、その名の通り、楕円曲線と呼ばれる数学的な理論に基づいています。この曲線を用いることで、複雑な計算問題を生成し、暗号化と復号を行います。この計算問題を解くことは非常に困難であるため、第三者が不正に情報を入手することは極めて困難です。 楕円曲線暗号は、私たちの身近なスマートフォンやパソコン、インターネット通信など、幅広い分野で情報セキュリティの要として活躍しています。例えば、インターネットバンキングやオンラインショッピングなど、個人情報やクレジットカード情報など、重要な情報を扱うサービスにおいて、情報の盗聴や改ざんを防ぐために利用されています。 このように、楕円曲線暗号は、現代社会における情報セキュリティにおいて不可欠な技術と言えるでしょう。
サイバー犯罪

パスワード不要!?パス・ザ・チケット攻撃にご用心

- はじめにと近年、企業や組織を標的とした悪意のある攻撃は、増加の一途をたどっています。その巧妙さも増しており、情報セキュリティ対策は企業にとって避けることのできない喫緊の課題となっています。企業は、様々な脅威から重要なシステムやデータを保護することが求められています。今回は、パスワードなどの認証情報そのものを盗まれなくても、認証を突破されてしまう可能性のある「パス・ザ・チケット攻撃」について詳しく解説していきます。 パス・ザ・チケット攻撃とは、攻撃者が正規ユーザーの認証情報を不正に入手し、それを利用してシステムにアクセスする攻撃です。従来の攻撃では、パスワードを盗み出すために複雑な技術が使われていましたが、パス・ザ・チケット攻撃では、認証情報そのものを盗み出す必要がありません。 この攻撃は、正規ユーザーになりすましてシステムにアクセスするため、検知が非常に困難です。そのため、企業は、パス・ザ・チケット攻撃に対する適切な対策を講じることが重要です。具体的な対策としては、多要素認証の導入やアクセス権の適切な管理などが挙げられます。
認証

インターネット時代の信頼の要:PKIとは?

- 公開鍵基盤PKIとは インターネット上で安全に情報をやり取りするために、「公開鍵基盤(PKI)」という仕組みが欠かせません。インターネットショッピングやオンラインバンキングなど、個人情報やクレジットカード情報など、重要な情報を取り扱う場面では、このPKIが活躍します。 PKIは、「公開鍵暗号方式」という技術を基礎としています。この方式では、情報を暗号化する「公開鍵」と、暗号化された情報を復号する「秘密鍵」という、2つの鍵のペアを用います。誰でもアクセスできる「公開鍵」に対して、「秘密鍵」は本人だけが厳重に管理します。 例えば、あなたがネットショッピングでクレジットカード情報を入力する際、ウェブサイトはあなたに公開鍵を渡します。あなたは、その公開鍵を使ってクレジットカード情報を暗号化し、ウェブサイトに送信します。ウェブサイトは、受信した暗号化された情報を、自分だけが持つ秘密鍵を使って復号します。 このように、公開鍵で暗号化された情報は、対応する秘密鍵を持つ人だけが復号できるため、第三者に情報が漏えいすることを防ぎ、高い安全性を確保することができるのです。
データ保護

個人情報保護の強化に! E2EEで実現する安全なメッセージング

- E2EEとはE2EEは、「エンド・ツー・エンド暗号化」と呼ばれる技術の略称で、インターネット上でやり取りされる情報に対する強力なセキュリティ対策です。デジタル社会において、プライバシー保護はますます重要になっており、その中心的な役割を担う技術の一つと言えるでしょう。普段私たちがインターネット上でメッセージを送信する際、その情報は様々な経路を経由して相手に届けられます。もし、これらの情報が暗号化されていない状態で送信された場合、第三者に盗み見られる危険性があります。E2EEは、このようなリスクから情報を守るために開発されました。この技術の最大の特徴は、送信者と受信者だけが情報を復号できるという点にあります。情報を暗号化してから送信することで、たとえ情報が第三者に盗み見られたとしても、暗号化されたままの状態であるため、内容を理解することはできません。これは、まるで手紙を特別な鍵のかかった箱に入れて送るようなもので、正しい鍵を持っている人だけが中身を見ることができるのです。E2EEは、個人情報や機密情報、企業秘密などを扱う際に特に有効です。インターネットバンキングやオンラインショッピングなど、私たちの日常生活においても、すでに様々な場面で活用されています。今後、デジタル化がさらに進むにつれて、E2EEの重要性はますます高まっていくと考えられます。
サイバー犯罪

Webセキュリティの落とし穴:パス・ザ・クッキー攻撃とは?

- はじめにより近年、誰もが気軽にインターネットに接続し、様々なサービスを利用できるようになりました。インターネットショッピングやオンラインバンキングなど、多くのサービスがWebアプリケーションを通して提供されています。 こうした便利なWebアプリケーションですが、その裏では常にサイバー攻撃の脅威にさらされています。攻撃者はあの手この手で、利用者の情報を盗み取ろうと企んでいるのです。 中でも、「パス・ザ・クッキー攻撃」と呼ばれる攻撃は、Webアプリケーション利用者の重要な情報である認証情報を悪用するもので、近年被害が増加しています。そこで今回は、この「パス・ザ・クッキー攻撃」の実態について詳しく解説し、その対策方法について考えていきましょう。
認証

身近なセキュリティ対策、PINをもっと知ろう

- PINとはPINは「Personal Identification Number」の略語で、日本語では「暗証番号」と呼ばれることが多いです。私たちは日常生活のさまざまな場面でPINを利用しています。例えば、銀行のATMでお金を引き出す時、クレジットカードで買い物をするとき、スマートフォンの画面ロックを解除するときなど、PINを入力する機会は多いでしょう。では、なぜこれほど多くの場面でPINが使われているのでしょうか?それは、PINが「本人確認」のための重要な役割を担っているからです。PINは、ATMやクレジットカード、スマートフォンといった「物」と、それを利用する「本人」を結びつけるための、いわば「鍵」のようなものです。もしもPINがなければ、誰でも簡単にあなたのカードを使えたり、あなたのスマートフォンを操作できてしまいます。しかし、あなただけが知っているPINを設定しておくことで、たとえカードやスマートフォンを紛失したとしても、不正利用を防ぐことができるのです。PINは、私たち自身と、私たちが利用するサービスや機器を結びつけるための、重要なセキュリティ対策の一つと言えるでしょう。PINを正しく設定し、適切に管理することで、安全なデジタルライフを送ることができます。
モバイル

アクセシビリティ・サービスの悪用とその脅威

- アクセシビリティ・サービスとは 情報端末機器の普及に伴い、誰もが等しく情報にアクセスし、サービスを利用できる環境が求められています。しかし、視覚、聴覚、運動機能など、様々な困難を抱える人々にとって、現状の情報端末機器やサービスは必ずしも使いやすいとは言えません。 アクセシビリティ・サービスとは、このような困難を抱える人々が、情報端末機器やサービスを円滑に利用できるように、企業が開発・提供しているサービスです。具体的には、画面の文字を読み上げる「スクリーンリーダー」、音声による機器操作を可能にする「音声入力システム」、文字情報を点字で表示する「点字ディスプレイ」、体の動きを感知して操作を補助する「スイッチデバイス」など、様々な支援技術があります。 これらの技術は、例えば、視覚に困難を抱える人がウェブサイトの内容を音声で読み上げたり、聴覚に困難を抱える人が動画に字幕を表示させて内容を理解したりすることを可能にします。また、運動機能に困難を抱える人が音声で機器を操作したり、わずかな力でボタンを押せるスイッチを使って端末を操作したりすることも可能になります。 アクセシビリティ・サービスは、困難を抱える人々が情報社会にアクセスし、社会参加を実現するために欠かせないものです。誰もが情報技術の恩恵を享受できるよう、アクセシビリティへの理解を深め、これらのサービスの普及が望まれます。