セキュリティ・バイ・デザイン:安全なシステム開発のために
- セキュリティ・バイ・デザインとは
情報システムやソフトウェア、製品などを開発する際、従来の手法では、セキュリティ対策は開発の最終段階や、場合によっては運用開始後に後から付け足しで行われることが少なくありませんでした。しかし、このような後付けのセキュリティ対策には、いくつかの問題点があります。
例えば、開発の後期になって重大なセキュリティ上の欠陥が見つかった場合、設計を大幅に見直す必要が生じ、多大な時間とコストがかかってしまう可能性があります。また、機能とセキュリティ対策がうまく統合されず、使いにくいシステムになってしまうこともあります。
そこで重要になるのが「セキュリティ・バイ・デザイン」という考え方です。セキュリティ・バイ・デザインとは、開発の初期段階からセキュリティを考慮し、システム設計にセキュリティ対策を組み込んでいくという考え方です。
具体的には、開発の要件定義の段階からセキュリティを考慮し、設計、実装、テスト、運用、保守の各段階においても、セキュリティ対策をしっかりと織り込んでいく必要があります。
セキュリティ・バイ・デザインは、後付けでセキュリティ対策をするよりも、安全なシステムを効率的に開発できるだけでなく、開発後のセキュリティリスクを低減できるというメリットもあります。