セキュリティ対策

セキュリティ強化

パスワードを守る「SALT」とは?

- はじめに インターネットは、情報収集や買い物、友人との交流など、今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、その利便性の裏側には、悪意を持った攻撃者による脅威も潜んでいます。あなたの大切な個人情報や金融情報を守るためには、セキュリティ対策を万全にする必要があります。 安全対策として、多くの人がまず思いつくのは「パスワード」ではないでしょうか。しかし、複雑なパスワードを設定するだけでは、十分とは言えません。なぜなら、パスワードを使い回していたり、単純な組み合わせであったりすると、攻撃者に簡単に推測されてしまう可能性があるからです。パスワードの管理に加えて、さらなるセキュリティ強化策を講じることが重要です。 そこで今回は、パスワードの安全性をより高める技術「SALT(ソルト)」について解説します。SALTは、パスワードのハッシュ値にランダムなデータを追加することで、攻撃者がパスワードを解読することを困難にする技術です。 この技術を理解し、あなたのアカウントを守るための知識として身につけていきましょう。
認証

Active Directoryを保護せよ!

- Active DirectoryとはActive Directory(よくADと省略されます)は、Windows Serverというシステムに組み込まれている、いわば人やコンピューターの情報を管理する名簿のようなものです。会社で例えると、従業員一人ひとりの情報や、会社で使われているパソコンの情報などをまとめて管理し、誰がどの情報にアクセスできるのか、どのコンピューターを使えるのかなどを決める役割を担っています。例えば、従業員が自分のパソコンにログインする時、ADはその人が本当に会社の人間かどうか、登録されている情報と照らし合わせて確認します。そして、問題なければパソコンを使えるように許可を与え、アクセスできる情報や範囲を決めているのです。ADは、会社の情報システムにとって、家の鍵と同じくらい重要な役割を担っています。家の鍵がないと家に入れないように、ADが正常に機能していないと、従業員は会社のネットワークにアクセスできません。それだけ重要なシステムなので、セキュリティ対策をしっかりとしておく必要があるのです。
マルウェア

巧妙化するサイバー脅威:ランサムウェア「Ryuk」の脅威

- ランサムウェア「Ryuk」とはランサムウェア「Ryuk」は、2018年から確認されている悪質なプログラムで、企業や組織の重要なファイルに侵入し、その内容を暗号化してアクセスできないようにしてしまいます。そして、暗号を解除してファイルを取り戻すための身代金を要求してくるのです。Ryukの恐ろしさは、その標的の選び方にあります。彼らは特に、身代金を支払う可能性の高い医療機関を狙う傾向があります。病院は患者の命を守るため、システムの復旧を最優先事項とする場合が多く、Ryukはそのような病院の弱点を突いてくるのです。もし病院のシステムがRyukによって暗号化されてしまったら、電子カルテや予約情報、検査結果など、重要なデータが使用できなくなり、病院の業務は完全に麻痺してしまいます。患者の治療に支障が出るだけでなく、最悪の場合、命に関わる事態にもなりかねません。Ryukは、他のランサムウェアと比べて、より巧妙な方法でシステムに侵入すると言われています。そのため、セキュリティ対策ソフトを導入していても、感染を完全に防ぐことは難しいのが現状です。Ryukから身を守るためには、日頃からセキュリティ対策を徹底することが重要です。具体的には、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ、怪しいメールやウェブサイトを開かない、不審なファイルはダウンロードしない、といった対策が有効です。また、万が一感染してしまった場合に備え、重要なデータは定期的にバックアップを取っておくことも大切です。
サイバー犯罪

見えない脅威に備える:フットプリンティングとは?

- フットプリンティングの概要フットプリンティングとは、サイバー攻撃者が攻撃を仕掛ける前に、まるで現場に足跡を残すように、攻撃対象に関する情報を収集する行為のことを指します。これは、攻撃の準備段階における情報収集活動であり、例えるならば、敵陣を偵察するようなものです。攻撃者は、フットプリンティングによって、標的のシステム構成、ネットワークの構造、使用しているソフトウェアの種類やバージョン、さらにはセキュリティ上の弱点などを把握しようとします。これらの情報は、攻撃者がより効果的で、かつ発覚しにくい攻撃計画を立てるために利用されます。例えば、攻撃者は、標的の組織が使用しているソフトウェアのバージョンを特定し、そのバージョンに存在する既知の脆弱性を探すかもしれません。また、組織のネットワーク構造を把握することで、重要なシステムに侵入するための経路を見つけ出そうとする可能性もあります。私たちが普段、何気なくインターネット上で公開している情報も、攻撃者にとっては貴重な情報源になり得ることを認識しておく必要があります。ソーシャルメディアへの投稿、ブログ記事、オンラインフォーラムへの書き込みなど、一見すると無害に見える情報からも、攻撃者は個人や組織に関する重要な情報を収集する可能性があります。フットプリンティングから身を守るためには、公開する情報に注意し、不用意に個人情報や組織の内部情報をインターネット上に公開しないことが重要です。また、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策を適切に導入することで、攻撃のリスクを軽減することも有効です。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の鍵は脅威インテリジェンス:IBM X-Forceとは

- 脅威の現状 現代社会は、あらゆるものがインターネットにつながる時代となり、私たちの生活は非常に便利になりました。しかし、その一方で、悪意を持った攻撃者によるサイバー攻撃の危険性も増加しています。 企業や組織にとっては、顧客情報や企業秘密といった重要な情報が狙われています。もしこれらの情報が漏洩した場合、企業の信頼失墜や経済的な損失につながりかねません。また、システムが攻撃によって停止してしまうと、事業が中断し、顧客に多大な迷惑をかけることになります。 このようなサイバー攻撃は、年々手口が巧妙化しており、従来のセキュリティ対策だけでは防ぎきれないケースも増えています。そのため、最新の攻撃の手口やその対策方法を常に学習し、自社のセキュリティ対策を強化していくことが重要です。 具体的には、従業員へのセキュリティ意識向上のための研修や、最新のセキュリティシステムの導入、そして定期的なセキュリティ診断の実施などが有効な対策として挙げられます。 サイバー攻撃から身を守るためには、「自分は大丈夫」という思い込みを捨て、常に危機意識を持って対策を進めていくことが重要です。
セキュリティ強化

Web攻撃から守る!AWS WAFとは?

- はじめにと今日では、多くの企業が情報発信やサービス提供のためにホームページやインターネット上のアプリケーションを利用しています。大変便利な半面、悪意のある攻撃に遭う危険性も増えています。そのため、ホームページやアプリケーションを安全に守る仕組みがますます重要になっています。 インターネット上のサービスを守る仕組みの一つに、外部からの不正なアクセスを防ぐ「ファイアウォール」があります。その中でも、ホームページやアプリケーションへの攻撃を専門的に防ぐ「ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)」は大変有効な手段です。 今回は、数あるWAFの中でも、Amazonが提供するクラウド型のWAFサービスである「AWS WAF」について詳しく説明します。 「AWS WAF」は、比較的簡単に導入でき、低コストで利用できるというメリットがあります。専門的な知識がなくても利用しやすいサービスなので、初めてセキュリティ対策をするという方にもおすすめです。 この資料では、「AWS WAF」の基本的な仕組みや導入方法、具体的な設定方法などを分かりやすく解説していきます。これを読むことで、「AWS WAF」への理解を深め、安全なウェブサイト運営にお役立てください。
認証

デジタル社会の鍵、IAMで守る情報資産

- 情報漏えい事件とデジタル社会の課題 近年、企業や組織を狙った情報漏えい事件が後を絶ちません。ニュースで目にする機会も増え、他人事ではなく、私たちの生活にも大きな影響を与えるようになってきました。もはや情報漏えいは、対岸の火事では済まされないのです。 情報漏えいが発生すると、顧客情報の流出や企業の機密情報が盗まれ、経済的な損失に繋がります。また、一度流出した情報は完全に回収することが難しく、その影響は長期に渡ることがあります。企業の信頼失墜は避けられず、社会的な信用を失ってしまう場合もあるでしょう。 特に、個人情報の流出は、プライバシーの侵害だけでなく、なりすましによる金銭被害、サービスの不正利用など、私たちの生活を脅かす深刻な事態を引き起こす可能性があります。 デジタル社会において、膨大な情報資産を適切に保護することは、企業の存続に大きく関わります。そして、それはそのまま私たちの安全な暮らしを守ることにも繋がるのです。セキュリティ対策を強化し、情報漏えいに対する意識を高めていくことが、今まさに求められています。
セキュリティ強化

エアギャップ:その強みと弱点

- エアギャップとは -# エアギャップとは エアギャップとは、二つのコンピューターシステムを物理的にも、ネットワーク上でも完全に切り離し、接続を遮断した状態を指します。これは、インターネットや外部ネットワークからシステムを隔離することで、サイバー攻撃の脅威から重要な情報やシステムを守るためのセキュリティ対策です。 エアギャップの最大の利点は、物理的に接続されていないため、ネットワークを介したサイバー攻撃からシステムを守ることができる点です。標的型攻撃やマルウェア感染といった脅威に対し、高い防御効果を発揮します。 エアギャップは、主に機密性の高い情報や重要インフラストラクチャを扱う場面で利用されます。例えば、政府機関や軍事機関における機密情報の管理、電力網や金融機関といった重要インフラストラクチャの制御システム、研究開発部門における知的財産の保護などが挙げられます。 しかし、エアギャップは万能なセキュリティ対策ではありません。近年では、USBメモリなどの外部メディアを介した攻撃や、電磁波や音波を利用した情報漏洩など、物理的な接近を必要とする高度な攻撃手法も登場しています。 そのため、エアギャップを導入する場合は、外部メディアの使用制限や物理的なセキュリティ対策の強化など、多層的なセキュリティ対策を組み合わせることが重要です。
セキュリティ強化

企業の防御力を高める、攻撃表面管理のススメ

- 攻撃の足がかりを減らす重要性 インターネットやクラウドサービスの利用が当たり前になった現代において、企業にとって新たな事業展開の機会が広がる一方で、サイバー攻撃の脅威も増大しています。悪意のある攻撃者は、まるで家屋に侵入しようとする泥棒のように、企業のシステムの隙を狙っています。家の周囲をうろつき、鍵のかかっていないドアや窓、あるいは壊れやすい場所を探している泥棒のように、攻撃者はシステムの脆弱性を探し出し、そこを突いて侵入を試みます。 企業システムにおけるこのような「侵入経路」を減らすことが、サイバー攻撃から身を守るために非常に重要です。 これは、家屋のセキュリティ対策と同じです。強固な鍵を取り付け、窓ガラスを強化し、防犯カメラを設置することで、泥棒は侵入を諦めやすくなります。 システムセキュリティにおいても、同様の対策が必要です。システムやソフトウェアの更新を怠ると、既知の脆弱性が放置され、攻撃者にとって格好の標的となります。常に最新の状態を保つことが、セキュリティ対策の基本中の基本です。また、強力なパスワードを設定し、多要素認証を導入することで、不正アクセスを防止できます。従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高め、フィッシング詐欺などの手口に騙されないようにすることも重要です。 あらゆる角度からの対策を講じ、システムの「侵入経路」を徹底的に排除することで、企業はサイバー攻撃の脅威から大切な情報資産を守ることができるのです。
マルウェア

脅威の進化:Rorschachランサムウェアの解析

- 新たな脅威、Rorschachランサムウェアとは -# 新たな脅威、Rorschachランサムウェアとは 2023年4月に確認されたRorschachランサムウェアは、従来のランサムウェアと比較して、その速さと巧妙さから、新たな脅威として認識されています。セキュリティ企業CheckPoint社の調査によると、Rorschachはファイルの暗号化速度において、これまで最速とされていたLockBitを上回る速さを記録しています。これは、企業のシステムに侵入後、重要なデータが瞬く間に暗号化されてしまう可能性があることを意味しており、その脅威は深刻です。 Rorschachは、従来型のランサムウェア対策ソフトでは検知が難しいケースも報告されており、従来の対策が通用しない可能性も懸念されています。具体的には、Rorschachは暗号化に使用する処理を複数組み合わせることで、パターン分析による検知を回避しています。さらに、システムの動作に必要な重要なファイルを意図的に暗号化対象から外すことで、攻撃を受けた後も一定期間システムの稼働を維持させ、被害の拡大を図るケースも確認されています。 このようなRorschachの高度な技術と巧妙な戦略は、企業にとって従来のランサムウェア対策を見直す必要性を突きつけています。そのため、侵入経路を多層的に防御するだけでなく、最新の脅威情報や対策技術に関する情報を常に収集し、システムに適用していくことが重要となります。
セキュリティ強化

攻撃対象を洗い出す!ASMのススメ

- 企業を狙う脅威の増加と対策の必要性 現代社会において、企業は事業を円滑に進め、顧客満足度を高めるため、ウェブサイト、業務システム、顧客情報など、多くの重要な情報をデジタル化し、ネットワークに接続しています。しかし、デジタル化の進展は、同時にこれらの貴重な情報資産を狙うサイバー攻撃のリスク増加という新たな課題をもたらしました。 従来のセキュリティ対策は、社内ネットワークへのアクセスを厳重に管理することで、外部からの侵入を防ぐことに主眼を置いてきました。しかし、近年ではクラウドサービスの利用やリモートワークの普及が進み、従業員が社外から企業システムにアクセスすることが当たり前になってきました。このため、従来のように社内と社外の境界線を明確に区別することが困難になり、攻撃者は様々な経路を介して企業システムへの侵入を試みています。 このような状況下では、従来の境界型のセキュリティ対策だけでは十分とは言えません。企業は、変化する脅威に対応できるよう、新たな視点を取り入れた多層的なセキュリティ対策を講じる必要があります。具体的には、従業員へのセキュリティ意識向上のための教育、アクセス制御の強化、最新技術を活用した脅威検知システムの導入などが挙げられます。 企業は、サイバー攻撃のリスクを正しく認識し、積極的に対策を講じることで、はじめてデジタル化の恩恵を享受し、安全かつ持続可能な事業活動を展開していくことができるのです。
セキュリティ強化

セキュリティ疲れにご用心!:フォルスポジティブの脅威

- セキュリティ対策における落とし穴 私たちは日々、様々な脅威から身を守るために、セキュリティ対策を講じています。しかし、その対策自体が新たな問題を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか? 完璧に見えるセキュリティ対策にも、思わぬ落とし穴が潜んでいる可能性があります。 セキュリティ対策の落とし穴の一つに、「誤検知」の問題があります。これは、本来は無害なものを誤って脅威と判断してしまう現象を指します。例えば、ウイルス対策ソフトが安全なファイルをウイルスと誤認識し、削除してしまうケースなどが挙げられます。 誤検知は、システムやデータの利用を阻害し、業務効率の低下や機会損失に繋がることがあります。 また、誤検知への対応に追われることで、セキュリティ担当者の負担が増大し、本来注力すべき業務に支障が生じる可能性も懸念されます。 誤検知を減らすためには、セキュリティ対策ソフトの精度向上が不可欠です。 最新の脅威情報やパターンファイルを常に最新の状態に保つとともに、AIや機械学習などの最新技術を活用した検知精度の向上が求められます。 さらに、セキュリティ対策ソフトの設定を見直し、誤検知の可能性を減らすことも重要です。検知感度を必要以上に高く設定している場合、誤検知が増加する可能性があります。自社の環境やセキュリティリスクを考慮し、適切な設定を行うことが重要です。 セキュリティ対策は、脅威から身を守る上で非常に重要ですが、その一方で思わぬ落とし穴が存在することも認識しておく必要があります。誤検知の問題を理解し、適切な対策を講じることで、より安全で安心なシステム運用を目指しましょう。
データ保護

情報漏洩確認サイト「Have I Been Pwned?」

- 情報漏洩の深刻なリスク -# 情報漏洩の深刻なリスク インターネットが生活のあらゆる場面に浸透し、もはや電気やガスと同じように無くてはならない存在となりました。それに伴い、ショッピングや銀行取引など、様々な場面で個人情報を取り扱う機会が増加しています。 個人情報の中でも、特にメールアドレスやパスワードなどのアカウント情報は、不正アクセスやなりすましの起点として悪用されやすく、ひとたび漏洩すると、金銭的な被害だけでなく、個人情報の拡散や、なりすましによる社会的信用を失墜など、深刻な被害に繋がる可能性があります。 例えば、ネットショッピングのアカウント情報が漏洩した場合、悪意のある第三者に不正利用され、身に覚えのない商品を購入されてしまうかもしれません。また、メールアドレスが漏洩すると、迷惑メールが大量に届いたり、フィッシング詐欺の標的とされてしまう可能性があります。 このような被害を防ぐためには、情報漏洩のリスクを正しく認識し、パスワードの使い回しを避けたり、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入するなど、自衛策を講じることが重要です。情報セキュリティは、他人事ではなく、私たち一人ひとりが意識し、対策していくべき課題と言えるでしょう。
セキュリティ強化

見逃しは許されない!セキュリティの盲点、フォルスネガティブとは?

- セキュリティ対策における見落とし 情報化社会が進み、インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなりました。それに伴い、個人情報や機密情報など、守るべき大切な情報も増えています。セキュリティ対策は、これらの情報を様々な脅威から守るために非常に重要です。しかし、どんなに強固なセキュリティ対策を施していても、残念ながら完璧なものはありません。思わぬところに落とし穴が潜んでいる可能性があるのです。 セキュリティ対策における見落としのひとつに、「フォルスネガティブ」という言葉があります。これは、本来ならば検知すべき脅威や攻撃を見逃してしまうことを指し、セキュリティの盲点とも言えるでしょう。例えば、巧妙に偽装された悪意のあるウェブサイトにアクセスしてしまった場合、セキュリティソフトがそれを危険と判断できずに、結果としてウイルス感染などの被害に遭ってしまうことがあります。 このような見落としを防ぐためには、セキュリティソフトのアップデートをこまめに行い、常に最新の状態で使用することが重要です。また、セキュリティソフトだけに頼らず、怪しいメールに添付されたファイルを開かない、不審なウェブサイトへはアクセスしないなど、基本的な情報セキュリティの知識を身につけ、日頃から注意を怠らないことが重要です。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本:フィルタリングとは

- 最新情報の確認を -# 最新情報の確認を 近頃、巧妙な詐欺が増加しています。中でも、金融機関や企業を装って個人情報を盗み取ろうとする「フィッシング詐欺」は、その手口が日々巧妙化しています。これまで安全だと思われていた方法も、明日には危険にさらされている可能性もあるのです。 そのため、常に最新の情報を収集し、自分自身の身を守る意識を持つことが重要です。情報収集の手段として、フィッシング対策協議会をはじめとする関係機関のウェブサイトがあります。これらのウェブサイトでは、実際に発生した最新のフィッシング詐欺の手口や、被害に遭わないための対策方法などが詳しく解説されています。 これらの情報を定期的に確認することで、詐欺の手口や対策方法を常に最新の状態に保つことができます。自分自身の身を守るため、そして大切な情報を守るためにも、日頃から最新情報の確認を心掛けましょう。
サイバー犯罪

巧妙化するフィッシングサイトの脅威

- フィッシングサイトとは -# フィッシングサイトとは フィッシングサイトとは、実在する銀行やショッピングサイト、クレジットカード会社などを装い、利用者の重要な情報を盗み取ろうとする偽物のウェブサイトのことです。こうしたサイトは、本物と見分けがつかないほど巧妙に作られていることが多く、利用者が偽物だと気づかずに個人情報を入力してしまうケースが後を絶ちません。 フィッシングサイトで盗み取られた情報は、主に不正な送金や買い物、アカウントの乗っ取りなどに利用されます。 被害に遭わないためには、フィッシングサイトの特徴を知り、怪しいサイトにはアクセスしないようにすることが重要です。 具体的な手口としては、本物そっくりの偽物のログイン画面を表示させ、利用者が入力したIDやパスワードを盗み取ったり、偽のキャンペーンなどを装ってクレジットカード情報を入力させたりします。また、メールやSMSで偽物のサイトへ誘導するリンクを送りつけ、アクセスした利用者から情報を盗み取るケースも増えています。 フィッシングサイトを見分けるためには、以下の点に注意することが重要です。 * ウェブサイトのURLが正しいかを確認する。アドレスバーに表示されているURLが、アクセスしようとしているサイトの正式なURLと一致しているかを確認しましょう。 * サイトのセキュリティ証明書を確認する。ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されていることを確認しましょう。鍵マークをクリックすると、サイトのセキュリティ証明書を確認することができます。 * 不自然な日本語や表現がないかを確認する。日本語の表現が不自然だったり、誤字脱字が多い場合は、フィッシングサイトの可能性があります。 * 個人情報を入力する前に、本当に信頼できるサイトなのかどうかをよく確認する。 少しでも不審な点があれば、安易に情報を入力せず、まずは公式サイトで情報を確認したり、問い合わせ窓口に連絡するなどして、安全を確認するようにしましょう。
マルウェア

痕跡を消す攻撃:ファイルレス攻撃とは?

- 目に見えない脅威 -# 目に見えない脅威 コンピュータウイルスといえば、怪しい添付ファイルを開いてしまったり、危険なウェブサイトを見てしまったりすることで感染し、パソコンが動かなくなったり、個人情報が盗まれたりするといったイメージを持つ方が多いでしょう。 しかし近年、ファイルそのものを使わずに攻撃を行う「ファイルレス攻撃」と呼ばれる、さらに巧妙な手法が増加しています。 一体どのような攻撃で、どのように対策すれば良いのでしょうか? 従来のウイルス攻撃では、悪意のあるプログラムを仕込んだファイルをパソコンに送り込み、それを実行させることで被害をもたらしていました。 一方でファイルレス攻撃では、悪意のあるプログラムをファイルとして保存するのではなく、コンピュータのメモリ上などで直接実行します。そのため、セキュリティソフトによるファイル検査をかいくぐってしまうため、非常に危険です。 具体的な攻撃の手口としては、ウェブサイトの閲覧中に脆弱性を突かれて悪意のあるコードを実行させられるケースや、一見安全なファイルに見えるように偽装したファイルを開かせることで攻撃するケースなどが挙げられます。 このような攻撃から身を守るためには、OSやソフトウェアは常に最新の状態に保ち、セキュリティソフトも最新版を導入しましょう。また、怪しいウェブサイトへのアクセスは避け、身に覚えのないメールの添付ファイルやURLは開かないなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。
マルウェア

痕跡を残さない脅威:ファイルレスマルウェアの正体

- 従来のマルウェアと何が違う?ファイルレスマルウェアの登場 近年、コンピュータウイルスやトロイの木馬といった、悪意のあるプログラムを利用してコンピュータに害をなす従来型のマルウェアに加え、新たな脅威としてファイルレスマルウェアが登場し、大きな問題となっています。 従来型のマルウェアは、悪意のあるプログラムファイルをユーザーが実行してしまうことで感染を広げていました。そのため、セキュリティ対策ソフトは、怪しいファイルがないか監視したり、ファイルが悪意のある動作を起こさないかを確認したりすることで、被害を防いできました。 しかし、ファイルレスマルウェアは、その名の通りファイルの形を取らずに、コンピュータのメモリ上などの、一時的に情報が保管される領域を利用して活動します。従来型のマルウェアのようにファイルとして存在しないため、セキュリティ対策ソフトによる検知が非常に困難です。 ファイルレスマルウェアは、気付かれることなく、機密情報や個人情報の不正な取得や、システムの破壊といった悪質な活動を行う可能性があります。そのため、ファイルレスマルウェアに対するセキュリティ対策の強化が急務となっています。
セキュリティ強化

ファイルの同一性を確かめる技術~ファイルハッシュのススメ~

- ファイルハッシュとは -# ファイルハッシュとは ファイルハッシュとは、デジタルデータの内容から生成される、そのデータだけに固有の識別符号のことです。まるで、人がそれぞれ異なる指紋を持つように、デジタルデータも内容が少しでも異なれば、全く異なるハッシュ値を持ちます。 このハッシュ値は、データの内容を要約した短い文字列で表現されます。ファイルのサイズに関わらず、常に一定の長さのハッシュ値が生成されるため、データの同一性を確認する手段として非常に便利です。 例えば、全く同じ内容の二つのファイルがあった場合、たとえファイル名や作成日時が異なっていても、ハッシュ値は一致します。逆に、わずか一文字でも内容が変更された場合、ハッシュ値は大きく変化します。 この特性を利用することで、ファイルの改ざん検知などに役立ちます。データの送受信時などにハッシュ値を比較することで、データが途中で改ざんされていないかを簡単に確認できるのです。 ファイルハッシュは、セキュリティ対策において重要な役割を果たしており、データの整合性を保証する上で欠かせない技術と言えるでしょう。
セキュリティ強化

サイバー攻撃から守る!インシデントレスポンスのススメ

- 増加するサイバー攻撃の脅威 近年、企業や組織を狙ったサイバー攻撃は、規模や巧妙さを増しながら増加の一途を辿っています。ニュースなどで、企業や組織がサイバー攻撃を受け、顧客情報や機密情報が流出したという報道を目にする機会も少なくありません。かつては、技術力が高い攻撃者が特定のターゲットを狙うというケースが目立ちましたが、近年では、金銭目的で、より広範囲に攻撃を仕掛ける攻撃者も増加しており、誰もがサイバー攻撃の被害者になり得る時代と言えるでしょう。 特に、特定の企業や組織を狙った標的型攻撃や、データを人質に身代金を要求するランサムウェアによる被害は深刻化しています。これらの攻撃は、企業活動の停滞や経済的損失だけでなく、社会的信用を失墜させるなど、甚大な被害をもたらす可能性があります。 サイバー攻撃の手口は日々進化しており、セキュリティ対策ソフトの導入だけでは、完全に防ぐことは困難です。そのため、企業や組織は、最新の脅威に関する情報を常に収集し、自社のシステムやネットワーク環境に合わせた適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。また、従業員一人ひとりがセキュリティに対する意識を高め、不審なメールやウェブサイトに安易にアクセスしないなど、基本的な対策を徹底することも重要です。
ネットワーク

ファイルサーバのセキュリティ対策:アクセス権限設定のススメ

- ファイルサーバとは -# ファイルサーバとは ファイルサーバとは、組織内で複数のコンピュータからアクセスできる、ファイルを保管するための専用のコンピュータ、またはソフトウェアのことを指します。まるで会社の共有フォルダのように、多くの従業員がそれぞれのコンピュータからアクセスして、必要なファイルを利用することができます。 従来は、大きな容量を持つ高性能なコンピュータがファイルサーバとして利用されていましたが、近年では、より安価で導入しやすいネットワーク接続型のハードディスク(NAS)も普及しています。 ファイルサーバは、組織にとって重要な情報を一元管理し、共有するための基盤として、多くの企業や組織で利用されています。例えば、営業部門のメンバーだけがアクセスできるフォルダを作成し、顧客情報や提案書などの重要な書類を保管しておくことができます。また、総務部門が作成した書類テンプレートや、経理部門が管理する請求書などを全社員で共有することも可能です。 ファイルサーバを利用することで、業務効率の向上、情報共有の促進、セキュリティの強化といったメリットがあります。しかし、一方で、アクセス権の設定ミスによる情報漏洩や、ファイルサーバ自体が故障した場合の業務への影響など、注意すべき点も存在します。そのため、ファイルサーバを安全かつ効率的に運用するためには、適切なセキュリティ対策やバックアップ体制の構築が不可欠です。
サイバー犯罪

RaaSの脅威:ランサムウェアはサービスとして買える時代

- ランサムウェアのサービス化 -# ランサムウェアのサービス化 近年、「サービスとしてのランサムウェア(RaaS)」と呼ばれる新たな脅威が増加の一途を辿っています。これは、従来のソフトウェア販売とは全く異なるビジネスモデルであり、サイバーセキュリティの世界に大きな変化をもたらしています。 従来、ランサムウェアを用いた攻撃は、高度な技術を持つ犯罪者のみが実行できるものでした。しかしRaaSの登場により、技術力のない第三者でも簡単にランサムウェアを入手し、攻撃を実行できるようになってしまいました。まるでオンラインショップで商品を購入するように、ランサムウェアがサービスとして提供されているのです。 具体的には、RaaS提供者は、開発したランサムウェアを「商品」として、攻撃に必要なインフラやサポートと合わせて提供します。利用者は、必要なサービスをRaaS提供者のプラットフォーム上で選択し、料金を支払うだけで、ランサムウェアを入手できます。さらに、攻撃の成功報酬をRaaS提供者と分配するといった、成果報酬型の契約形態も存在します。 このように、RaaSはサイバー犯罪のハードルを著しく低下させており、世界中でランサムウェア攻撃の増加に拍車をかけています。専門家は、RaaSがサイバーセキュリティの大きな脅威の一つであると警鐘を鳴らしており、対策が急務となっています。
セキュリティ強化

セキュリティインシデントから身を守る!

- セキュリティインシデントとは -# セキュリティインシデントとは セキュリティインシデントとは、私たちの大切な情報やシステムが危険にさらされる可能性のある状態のことを指します。 例えば、パソコンやスマートフォンに侵入してくる悪意のあるソフトウェアや、許可なく他人の情報にアクセスする行為、本物そっくりに作られた偽のウェブサイトやメールで個人情報やクレジットカード情報を盗み取ろうとする行為、インターネット上で大量のパスワードが流出し、悪用される可能性がある状態などが挙げられます。 これらのセキュリティインシデントは、企業や組織の活動に大きな影響を与えるだけでなく、私たちの日常生活にも深刻な被害をもたらす可能性があります。 例えば、悪意のあるソフトウェアに感染すると、パソコンやスマートフォン内のデータが盗まれたり、壊されたりする可能性があります。また、許可なく他人の情報にアクセスされると、個人情報が悪用され、金銭的な被害を受ける可能性があります。 セキュリティインシデントから身を守るためには、セキュリティ対策ソフトを導入する、不審なウェブサイトにアクセスしない、不審なメールを開封しない、複雑なパスワードを設定するなど、日頃からセキュリティ対策を意識することが重要です。
セキュリティ強化

米国が開始したサイバー攻撃予防策:RVWPとは?

近年、企業や組織にとって、ランサムウェアによる被害が深刻化しています。ランサムウェアとは、コンピューターウイルスの一種で、感染すると内部のデータが勝手に暗号化されたり、コンピューターが使えなくなったりします。攻撃者は、データへのアクセスを回復するのと引き換えに、金銭を要求します。要求に応じなければ、盗み出した機密情報を公開すると脅迫されるケースもあります。 ランサムウェアは、あらゆる組織にとって大きな脅威となっています。特に、重要な社会インフラに関わる組織や企業が標的となるケースが増加しており、その影響は計り知れません。もし、電力会社や病院などのシステムがランサムウェアの被害に遭えば、私たちの生活に大きな支障が生じる可能性があります。 ランサムウェアの被害から身を守るためには、事前の対策が重要です。ウイルス感染を防ぐために、コンピューターのオペレーティングシステムやソフトウェアは常に最新の状態に保ちましょう。また、不審なメールの添付ファイルを開いたり、信頼できないウェブサイトにアクセスしたりしないなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが大切です。