進化するアクセス制御:アイデンティティ認識型プロキシとは
- ユーザとアプリケーションの安全な架け橋
近年、働く場所を選ばない柔軟な働き方が広がり、社外から会社のシステムやデータにアクセスする機会が増えています。従来のセキュリティ対策は、社内ネットワークと外部ネットワークの境界線を守ることに重点が置かれていました。しかし、場所を問わずアクセスが可能な現代において、この境界線は曖昧になりつつあり、従来の方法は十分な効果を発揮できないケースが増えています。
そこで注目されているのが、ユーザとアプリケーションの間に立つ「アイデンティティ認識型プロキシ(IAP)」という仕組みです。IAPは、ユーザが「どこからアクセスしているか」ではなく、「誰であるか」を厳密に確認することで、安全なアクセスを実現します。
具体的には、ユーザがアプリケーションにアクセスするたびに、IAPはユーザ認証を行います。さらに、アクセス権限を持つ正当なユーザかどうか、アクセスしようとしている情報へのアクセス許可を持っているかなどを都度確認します。許可されていないアクセスは断固として遮断することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に減らすことができます。
このように、IAPは変化する働き方に対応した、柔軟かつ強固なセキュリティ対策として、多くの企業で導入が進んでいます。