ディープラーニング

その他

進化するAI:機会とリスク

- AIの歴史 AIという言葉は、1956年に開催されたダートマス会議において初めて用いられました。この会議は、人工知能という学術分野を確立する上で極めて重要な役割を果たしました。会議では、思考や学習といった人間の知能を機械で実現することを目指すという、当時としては非常に野心的な研究目標が掲げられました。 そして、この会議の中で、「ロジック・セオリスト」という画期的なプログラムが発表されました。これは、数学の定理を自動的に証明することができるプログラムであり、世界初の人工知能プログラムとして大きな注目を集めました。 その後、AI研究は順風満帆に進んだわけではなく、何度か期待と落胆を繰り返しながら発展してきました。1970年代には、人間の専門家の知識をコンピュータに入力することで、特定の分野の問題解決を支援する「エキスパートシステム」が開発され、再び注目を集めました。しかし、当時の技術では複雑な知識表現や学習能力の実現が難しく、ブームは長くは続きませんでした。 2000年代に入ると、インターネットの普及に伴い、大量のデータが容易に収集できるようになり、機械学習の分野で大きな進展が見られました。特に、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる技術の登場は、画像認識や自然言語処理など、従来の技術では困難であった分野で画期的な成果を上げ、現在も続く第3次AIブームを牽引しています。
ハードウェア

GPUの光と影:高度な処理能力が生むセキュリティリスク

- 画像処理の立役者 パソコンやスマートフォンで写真や動画を楽しむとき、そこには「GPU」と呼ばれる縁の下の力持ちが活躍しています。GPUは、画像や映像を処理し、私たちが普段目にしている滑らかで美しい表示を支える重要な役割を担っています。 従来、コンピューターの頭脳として計算処理全般を担っていたのは「CPU」と呼ばれる部品でした。しかし、CPUは汎用的な処理を得意とする一方、画像処理のような複雑で膨大な計算を処理するには限界がありました。 そこで登場したのがGPUです。GPUは、CPUとは異なり、大量のデータを同時に処理することに特化して設計されています。この並列処理能力により、複雑な画像処理も高速で行うことが可能となり、高画質ゲームやリアルな3DCGなど、従来のCPUでは難しかった表現を実現できるようになったのです。 近年、GPUの処理能力は飛躍的に向上しており、その進化はとどまるところを知りません。私たちの身の回りにあるデジタル機器の進化を支え、驚くほど美しいデジタル世界を体験させてくれるGPU。その影の活躍に、一度目を向けてみてはいかがでしょうか。