デジタルフォレンジック

セキュリティ強化

Process Hacker:使い方次第で善にも悪にもなるツール

- システムの内部を覗く万能ツール パソコンの中身は、普段見ている画面の裏側で複雑に動いています。これを詳しく知りたいと思ったことはありませんか? 「プロセスハッカー」は、まさにパソコンの中身を隅々まで見せてくれる、例えるならレントゲン写真のようなツールです。パソコン上で動いているソフトウェア、専門的には「プロセス」と呼ばれるもの、そしてそのプロセスがどれだけのメモリやCPUといった資源を使っているのかを、事細かに表示してくれます。 このツールを使うと、例えばパソコンの動きが遅いと感じるときに、どのプロセスが原因で重くなっているのかを特定することができます。また、ソフトウェアの開発者であれば、作成したプログラムが予想外の動きをしていないか、不具合がないかなどを調べることもできます。 さらに、システム管理者がパソコンの状態を監視し、問題が発生しそうな箇所を早期に発見するためにも活用されています。まるで、パソコンの状態を常に監視する医師のような役割を担ってくれる、頼もしいツールと言えるでしょう。
その他

Prefetchファイル:Windowsの影の記録

皆さんは、毎日パソコンを使って様々な作業をしていると思います。資料作成やインターネット、動画鑑賞など、その用途は様々でしょう。では、皆さんはパソコンを使う際、どのようにアプリケーションを起動していますか? おそらく、ほとんどの方がアイコンをクリックしたり、スタートメニューから選択したりして起動しているのではないでしょうか。そして、何気なくアプリケーションを開いたり閉じたりしていると思います。 しかし、その裏では、より快適にパソコンを使えるように、Windows が様々な工夫を凝らしています。その一つが、今回ご紹介する「Prefetchファイル」です。 Prefetchファイルは、簡単に言うと、アプリケーションの起動を高速化するための仕組みです。Windows は、皆さんが普段どのようにパソコンを使っているのかを常に監視し、その情報を元に、次にどのアプリケーションが起動されるかを予測します。そして、予測したアプリケーションに必要なファイルをあらかじめメモリ上に読み込んでおくことで、実際に起動する際に素早く動作できるようにしているのです。 つまり、Prefetchファイルは、皆さんのパソコン操作を影ながら支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。今回は、この Prefetch ファイルについて、詳しく解説していきます。
データ保護

重要なファイルはEFSで保護しよう!

今日の社会において、情報は企業の競争力を左右する重要な資産であり、個人のプライバシーを守る上でも非常に大切です。しかし、便利なデジタル機器が広く普及する一方で、情報漏洩のリスクは日に日に高まっています。悪意のある第三者によって重要な情報が盗まれたり、意図せず情報が流出してしまったりする事件が後を絶ちません。このような状況下では、情報資産を適切に保護することがこれまで以上に重要になっています。 情報漏洩による被害は、企業にとっては金銭的な損失だけでなく、顧客からの信頼を失墜させることにも繋がります。また、個人にとっても、プライバシーの侵害や金銭的な被害を受ける可能性があります。情報漏洩は、一度発生してしまうと、その影響を完全に回復することが難しい深刻な問題です。 そのため、企業と個人の両方が情報セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、強力なパスワードを設定することや、ソフトウェアを常に最新の状態に保つこと、不審なメールやウェブサイトにアクセスしないことなど、基本的なセキュリティ対策を徹底する必要があります。また、情報漏洩が発生した場合に備え、被害を最小限に抑えるための体制を構築しておくことも重要です。
データ保護

デジタル証拠の宝庫:ハイバネーションファイル

- 休止状態とハイバネーションファイルパソコンをしばらく使わない時、あなたはどのようにしていますか?多くの人が、消費電力を抑えるためにスリープモードを利用しているのではないでしょうか。しかし、スリープモードには種類があり、それぞれでパソコンの状態や消費電力が異なります。その一つに「休止状態」というモードがあります。休止状態とは、作業中のメモリの内容を全てハードディスクに保存し、パソコンの電源を完全に切ってしまうモードです。再びパソコンを使う時には、保存されたデータを読み込むことで、電源を切る前の状態に復帰することができます。この時、メモリの内容を一時的に保存しておくために作成されるのが「ハイバネーションファイル」と呼ばれるファイルです。ハイバネーションファイルは、休止状態に入る直前のメモリの内容を丸ごと保存するため、その容量はパソコンに搭載されているメモリ容量と同じくらい大きくなります。例えば、メモリが16GBのパソコンであれば、ハイバネーションファイルも約16GBの容量が必要になります。休止状態は、スリープモードと比べて消費電力が少ないというメリットがあります。スリープモードは、低電力状態を保ちつつ、すぐに作業を再開できる状態を維持するため、わずかながら電力を消費し続けます。一方、休止状態は、一度電源を完全に切ってしまうため、電力の消費はありません。しかし、ハイバネーションファイルは、メモリの内容を全て保存するため、個人情報や重要なデータが含まれている可能性があります。そのため、セキュリティ対策をしっかり行わずに休止状態を利用すると、情報漏洩のリスクが高まります。休止状態を利用する場合は、パスワードを設定するなど、セキュリティ対策をしっかりと行いましょう。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の盲点:memdumpから情報を守る

- メモリダンプとはメモリダンプとは、コンピュータ上で動作しているオペレーティングシステム(OS)が、その時点で管理しているメモリの内容をファイルにそのまま出力する操作のことです。そして、その出力されたファイルのことを「メモリダンプファイル」と呼びます。 メモリダンプファイルには、OSが管理しているあらゆる情報が含まれます。例えば、OSが現在どのような状態なのかを示す情報や、起動しているソフトウェアのプログラムコード、さらに、通信中に利用したパスワードなどの重要な情報も含まれている可能性があります。もし、このメモリダンプファイルが悪意のある第三者に渡ってしまうと、システムに侵入されたり、重要な情報を盗み見られたりする危険性があります。 セキュリティ専門家は、このメモリダンプファイルを解析することで、システムに存在する脆弱性を発見したり、過去に発生した問題の原因を究明したりすることができます。 しかし、メモリダンプは非常に強力なツールであるため、取り扱いには十分な注意が必要です。メモリダンプを取得する際は、必ず信頼できるツールを使用し、取得したファイルは厳重に管理する必要があります。また、不要になったメモリダンプファイルは、完全に削除する必要があります。
セキュリティ強化

デジタル証拠の宝箱:デッドボックスフォレンジック入門

- はじめにと題して 現代社会は、コンピューターやスマートフォン、インターネットといった技術革新が目覚ましい時代です。 あらゆる情報がデジタル化され、私たちの生活はより便利で豊かなものになりました。 しかし、その一方で、犯罪の手口も巧妙化し、デジタルデータが重要な証拠となるケースが増加しています。 このような状況下で、デジタルデータから真実を解き明かす「デジタルフォレンジック」という技術が注目されています。 デジタルフォレンジックは、犯罪捜査や情報漏洩事件において、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスから証拠となるデータを探し出し、解析する技術です。 本稿では、デジタルフォレンジックの中でも特に、電源を切断した状態のデバイスからデータを復元する「デッドボックスフォレンジック」に焦点を当て、その仕組みや利点、注意点について詳しく解説していきます。 デッドボックスフォレンジックは、電源が入っていない状態のデバイスでも、データが残っている可能性に着目した手法です。 デジタルデータは、容易に消去や改ざんが可能なため、従来の捜査では見逃されてきた証拠を明らかにできる可能性を秘めています。 本稿を通じて、デジタルフォレンジック、特にデッドボックスフォレンジックへの理解を深め、その重要性を認識していただければ幸いです。
データ保護

デジタル証拠とChain of Custody

- はじめ現代社会は、ありとあらゆる場面で情報が飛び交い、その重要性は日々増しています。企業の活動記録や個人の思い出、大切なコミュニケーションの履歴など、多くの情報がデジタルデータとして保管されるようになりました。特に、訴訟などの法的紛争や事件に巻き込まれた場合、電子メールや文書ファイル、ウェブサイトのアクセス履歴といったデジタルデータが、重要な証拠となるケースが増えています。しかし、デジタルデータは容易に書き換えたり、消したりすることができてしまうという側面も持ち合わせています。そのため、デジタルデータが本当に証拠として認められるためには、それが本物であり、改竄されていないことを証明することが非常に重要になります。デジタルデータの信頼性を確保するためには、様々な技術や手法が使われています。例えば、データの改竄を検知する技術や、いつ、誰が、どのデータにアクセスしたかを記録する技術などがあります。この資料では、デジタルデータの重要性と、その信頼性を確保するための方法について、詳しく解説していきます。
サイバー犯罪

デジタル時代の物的証拠:ロカールの交換原理

- 犯罪捜査の基礎 20世紀初頭のフランスに、犯罪学の分野で名を馳せたエドモンド・ロカールという人物がいました。彼は犯罪捜査において極めて重要な原則を提唱しました。それは「あらゆる接触は痕跡を残す」というもので、後に「ロカールの交換原理」として広く知られるようになりました。 この原理は、犯人が犯行現場に侵入し、犯行に及ぶ過程で、必ず何かしらの痕跡を残すと同時に、犯行現場から何らかの痕跡を持ち去ってしまうという考えに基づいています。たとえどんなに周到に証拠を隠滅しようとしても、微細な繊維や髪の毛、土砂など、目に見えないものまで含めれば、完全に痕跡を消し去ることは不可能に近いのです。 例えば、犯人が現場に侵入する際に、泥の付いた靴で土間を歩けば、靴底の模様が土間に残りますし、逆に靴底には土間の土が付着します。また、犯人がドアノブに触れれば指紋が残る可能性がありますし、現場に髪の毛を落としてしまうかもしれません。これらの痕跡は、犯人と犯行現場を結びつける重要な証拠となり得ます。ロカールの交換原理は、現代の犯罪捜査においても重要な原則として、捜査の重要な指針となっています。
マルウェア

マルウェア解析:サイバー攻撃から身を守る盾

- マルウェアの脅威インターネットが生活の基盤として広く普及した現代において、悪意のある攻撃は深刻さを増す一方です。中でも、マルウェアを用いた攻撃は、その手口の巧妙化と件数の増加により、私たちにとって大きな脅威となっています。マルウェアとは、コンピュータウイルスやワーム、トロイの木馬など、悪意のある動作を行うソフトウェアの総称です。その目的は、個人情報や企業秘密などの重要な情報の盗み出し、コンピュータシステムの破壊、金銭の不正取得など、多岐にわたります。近年、セキュリティ対策ソフトの進化は目覚ましいものですが、それを上回るスピードで新たなマルウェアが出現しています。巧妙に偽装されたメールの添付ファイルや、不正なプログラムが仕込まれたウェブサイトへのアクセスなど、気づかぬうちにマルウェアに感染してしまうケースも少なくありません。マルウェアの脅威から身を守るためには、セキュリティ対策ソフトの導入はもちろんのこと、ソフトウェアの最新状態を保つこと、不審なメールやウェブサイトにはアクセスしないなど、一人ひとりがセキュリティ意識を高めることが重要です。日頃から情報収集を行い、適切な対策を講じるように心がけましょう。
その他

ファイルの種類を見破る魔法の数値

私たちの身の回りには、写真、動画、文章など、様々な種類のデータが存在します。そして、これらのデータはパソコンの中では「ファイル」として保存されていますね。ファイルは一見どれも同じように見えますが、パソコンはこれらのファイルを見事に使い分けています。一体どのようにファイルの種類を見分けているのでしょうか? 実は、ファイルには人間には見えない特別な仕組みが備わっています。ファイルの先頭には、そのファイルの種類を示す「マジックナンバー」と呼ばれる数値が記録されているのです。このマジックナンバーはファイルの種類ごとに決まっており、パソコンはこの数値を読み取ることで、そのファイルが写真なのか、動画なのか、それとも文章なのかを瞬時に判断しているのです。 例えば、JPEGという形式の画像ファイルの場合、マジックナンバーは「FF D8 FF」と決められています。パソコンがファイルを開く際に、ファイルの先頭に「FF D8 FF」という数値が記録されていると「これはJPEG画像だ!」と認識し、適切なソフトウェアを使って画面に表示してくれるのです。 このように、普段何気なく使っているファイルですが、その裏には、コンピュータが正しくファイルの種類を認識するための、巧妙な仕組みが隠されているのです。
その他

ファイルの種類を見破る魔法の数字

私たちが普段何気なく目ににするコンピューター上のファイル。一見すると、どれも同じようなアイコンで表示されているため、違いが分かりづらいかもしれません。しかし、実際には、写真や文章、音楽など、ファイルには様々な種類が存在します。では、コンピューターはどのようにこれらのファイルを見分けているのでしょうか? その秘密は、ファイルの先頭に隠された「マジック・ナンバー」と呼ばれる特別な数字にあります。これは、ファイルの種類ごとにあらかじめ決められた数字の列で、人間には一見しただけでは判別できません。コンピューターはこのマジック・ナンバーを参照することで、ファイルの種類を瞬時に判断し、適切な方法で処理しているのです。 例えば、JPEG画像ファイルであれば「FF D8」というマジック・ナンバーが、PDFファイルであれば「25 50 44 46」というマジック・ナンバーが、それぞれファイルの先頭に付与されています。このように、マジック・ナンバーはファイルの種類を見分けるための重要な役割を担っています。 普段は意識することのない、ファイルの先頭に隠された秘密。コンピューターの世界では、このような目に見えない仕組みが私たちのデジタルライフを支えているのです。
サイバー犯罪

デジタルの足跡を追え!:フォレンジック入門

- デジタル時代の犯罪捜査 -# デジタル時代の犯罪捜査 現代社会において、パソコンやスマートフォン、インターネットは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。買い物や娯楽、仕事など、あらゆる場面で活用され、大変便利な反面、犯罪に悪用されるケースも増加しています。従来の犯罪に加え、サイバー攻撃やインターネットを介した詐欺など、新たな脅威も増大しているのが現状です。 このような状況下で、デジタルの世界で起きた事件の真相を解明するために用いられるのが「フォレンジック」という技術です。フォレンジックとは、本来、犯罪捜査における鑑識のように、事件現場に残された証拠品を科学的に分析し、事件の真相を解明する手法を指します。そして、デジタルフォレンジックは、その対象をコンピューターやスマートフォン、サーバーなどのデジタルデバイスや、そこに保存されたデータに広げ、犯罪捜査に応用する技術です。 具体的には、パソコンやスマートフォンに残されたデータやアクセス履歴、削除されたデータなどを復元し、分析することで、犯行に使われた端末の特定や、犯人につながる情報を探します。また、インターネット上に残されたログや通信記録などを解析し、犯人の特定や、犯行の動機、手口の解明に役立てます。 デジタルフォレンジックは、サイバー犯罪だけでなく、殺人や窃盗など、従来型の犯罪の捜査においても重要な役割を担うようになっています。例えば、犯人が携帯電話で連絡を取り合っていた場合、その通信記録や位置情報が、事件解明の重要な手掛かりとなることがあります。 このように、デジタルフォレンジックは、デジタル化が進む現代社会において、犯罪捜査に欠かせない技術となっています。