フォレンジック

セキュリティ強化

Microsoft Purview監査で強化するセキュリティ対策

近年、企業活動において情報は欠かせないものとなり、その重要性はますます高まっています。特に、場所を選ばずに業務を行うことができるクラウドサービスの普及に伴い、膨大な量のデータが扱われるようになりました。アクセス記録や操作履歴など、取り扱うデータの種類も多岐に渡るため、適切な管理と万全なセキュリティ対策がこれまで以上に求められています。 そこで今回は、数多くの企業に利用されているマイクロソフト社が提供する、強力なセキュリティサービス「Purview監査」について詳しく解説していきます。 「Purview監査」は、マイクロソフト社のクラウドサービスAzure、Microsoft 365などを利用する際に発生する、あらゆる操作ログを収集し、分析することができるサービスです。膨大なログデータの中から、不正アクセスの兆候や情報漏洩の可能性がある行動を検知し、管理者に通知することで、迅速な対応を可能にします。 また、「Purview監査」は、法令遵守の観点からも有効なツールとなります。企業は、個人情報保護法や財務報告に関連する法律など、様々な法規制に対応する必要がありますが、「Purview監査」を利用することで、必要なログを長期に渡り保管することができ、監査対応を効率的に行うことが可能になります。
セキュリティ強化

デジタル証拠の守護者:EnCaseとは

昨今、犯罪捜査や情報漏洩の調査は、現実世界だけでなく、コンピュータやスマートフォン、インターネットといったデジタルの世界にも広がりを見せています。もはや、デジタル機器やネットワーク上に残された情報は、事件を解決するための重要な証拠と言えるでしょう。 EnCaseは、そうしたデジタル環境における証拠を発見し、収集、分析するための強力なツールとして、世界中の捜査機関や企業で採用されています。このツールは、デジタル証拠の取得、調査、分析、レポート作成といった、デジタル捜査のあらゆる段階において捜査官を支援します。 例えば、削除されたファイルやアクセス履歴、暗号化されたデータなど、一見すると失われたように見えるデータであっても、EnCaseは強力な機能で復元し、分析することが可能です。さらに、EnCaseは、証拠の完全性を保ちながら、法廷で証拠として採用できる形でレポートを作成する機能も備えています。 高度な技術と知識を持つ専門家がEnCaseを駆使することで、これまで以上に複雑化するデジタル犯罪の解決や情報漏洩の原因究明が可能となり、安全なデジタル社会の実現に貢献しています。
セキュリティ強化

ネットワークフォレンジクス入門:デジタル探偵の世界

- ネットワークフォレンジクスとは ネットワークフォレンジクスとは、企業や組織のネットワーク上で発生したセキュリティインシデントの原因究明を行うための技術です。まるで探偵のように、デジタルの世界で起きた事件の真相を解明します。 セキュリティインシデントが発生すると、その原因を突き止め、再発防止策を講じる必要があります。しかし、目に見えないネットワーク上で何が起きたのかを特定することは容易ではありません。そこで活躍するのがネットワークフォレンジクスです。 ネットワークフォレンジクスでは、ネットワーク機器やサーバーなどに残されたログやパケットなどのデジタルな証拠を収集し、分析を行います。これは、事件現場に残された指紋や足跡を手がかりに犯人を追跡する捜査活動に似ています。 収集したデータは、専門の分析ツールを用いて詳細に調べられます。アクセス記録、通信内容、マルウェア感染の痕跡など、様々な角度から分析を進めることで、いつ、どこで、誰が、どのように攻撃を行ったのかを明らかにします。 ネットワークフォレンジクスによって得られた情報は、インシデントの原因解明だけでなく、将来的なセキュリティ対策の強化にも役立ちます。攻撃者の手口や侵入経路を把握することで、より効果的なセキュリティ対策を講じることが可能になるのです。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本:Windowsの監査機能と攻撃への備え

- Windowsの監査機能の概要Windowsには、システム内部で起こる様々な出来事を記録する「監査機能」が備わっています。この機能は、まるでシステム全体の活動記録のようなもので、ファイルが開かれた時刻や、誰がどのユーザーアカウントを変更したかといった重要な操作を克明に記録します。もしも、許可されていないアクセスや情報の漏洩といった問題が発生した場合、この監査機能の記録が解決の糸口となります。過去の記録を調べることで、いつ、誰が、どのような操作を行ったのかを特定し、問題の原因究明を迅速に行うことができるのです。また、被害の範囲を特定し、二次被害の予防にも繋がります。監査機能は、適切な設定を行うことで、より効果的に機能します。例えば、重要なファイルやフォルダへのアクセス、管理者権限の利用など、特に注意が必要な操作を重点的に記録する設定などが考えられます。このように、自社のシステム環境やセキュリティリスクに応じて、監査機能をカスタマイズすることで、より強固なセキュリティ体制を構築することが可能となります。企業にとって、顧客情報や機密情報といった重要な情報は、何よりも守るべき財産です。Windowsの監査機能は、これらの情報資産を様々な脅威から守るための、強力な武器となるでしょう。
セキュリティ強化

デジタル証拠の宝箱:デッドボックスフォレンジック入門

- はじめにと題して 現代社会は、コンピューターやスマートフォン、インターネットといった技術革新が目覚ましい時代です。 あらゆる情報がデジタル化され、私たちの生活はより便利で豊かなものになりました。 しかし、その一方で、犯罪の手口も巧妙化し、デジタルデータが重要な証拠となるケースが増加しています。 このような状況下で、デジタルデータから真実を解き明かす「デジタルフォレンジック」という技術が注目されています。 デジタルフォレンジックは、犯罪捜査や情報漏洩事件において、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスから証拠となるデータを探し出し、解析する技術です。 本稿では、デジタルフォレンジックの中でも特に、電源を切断した状態のデバイスからデータを復元する「デッドボックスフォレンジック」に焦点を当て、その仕組みや利点、注意点について詳しく解説していきます。 デッドボックスフォレンジックは、電源が入っていない状態のデバイスでも、データが残っている可能性に着目した手法です。 デジタルデータは、容易に消去や改ざんが可能なため、従来の捜査では見逃されてきた証拠を明らかにできる可能性を秘めています。 本稿を通じて、デジタルフォレンジック、特にデッドボックスフォレンジックへの理解を深め、その重要性を認識していただければ幸いです。
その他

仮想メモリとセキュリティ:知っておくべきこと

- 仮想メモリとは 仮想メモリとは、コンピュータが、実際に搭載されている物理メモリ容量を超えて、あたかも多くのメモリを持っているかのように振る舞う技術です。これは、物理メモリ(主記憶装置)に加えて、ハードディスクドライブやSSDなどの補助記憶装置の一部をメモリとして扱うことで実現されます。 例えるなら、机の表面を作業スペース(物理メモリ)とした場合、書類を広げられる量には限りがあります。しかし、机の引き出し(補助記憶装置)を活用すれば、作業スペースは机の表面以上に広がります。仮想メモリもこれと同じように、物理メモリに加えて補助記憶装置を利用することで、コンピュータが扱えるメモリ空間を仮想的に拡張します。 仮想メモリを使用する大きなメリットは、一度に多くのプログラムを実行したり、大きなデータを処理したりすることが可能になることです。物理メモリだけでは容量が足りない場合でも、仮想メモリを活用することで、コンピュータはスムーズに動作し続けることができます。 しかし、仮想メモリは万能ではありません。補助記憶装置へのアクセス速度は物理メモリに比べて遅いため、仮想メモリに頻繁にアクセスする場合、コンピュータの処理速度が低下することがあります。これを解消するために、使用頻度の高いデータは物理メモリ上に配置するなど、効率的なメモリ管理が行われています。
セキュリティ強化

揮発性メモリ解析ツールVolatilityのススメ

- はじめに昨今、悪意を持った第三者による巧妙な攻撃が増加の一途を辿っています。企業や組織にとっては、重要な情報やシステムを守るために、堅牢なセキュリティ対策を講じることが必要不可欠となっています。攻撃者は、その侵入経路を巧妙に隠し、痕跡を残さないように画策しますが、その中でも特に近年増加しているのが、揮発性メモリを利用した攻撃です。揮発性メモリとは、パソコンやサーバーを動作させている間だけ情報を記憶し、電源を切るとその内容が消えてしまうメモリです。攻撃者は、この揮発性メモリの特性を悪用し、侵入の痕跡や悪意のあるプログラムを隠蔽しようと試みます。このような巧妙化する攻撃に対抗するため、注目を集めているのがメモリフォレンジックです。メモリフォレンジックは、揮発性メモリに残された僅かな痕跡を解析することで、攻撃者が侵入した経路や実行したプログラム、盗み見ようとした情報などを明らかにします。数あるメモリフォレンジックツールの中でも、Volatilityは代表的なツールの1つとして知られています。Volatilityは、強力な解析機能を備えており、揮発性メモリ内に潜む攻撃者の痕跡を効率的に発見することができます。今回は、このVolatilityの基本的な使い方から応用的な活用方法まで、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。
プライバシー

知っていますか?ジャンプリストであなたの行動が漏洩!?

- ジャンプリストとは皆さんは「ジャンプリスト」という機能をご存知でしょうか?Windowsのパソコンをお使いの方なら、誰でも一度は目にしている便利な機能です。毎日のようにパソコンで仕事をする人にとって、ファイルの管理は非常に重要です。膨大な量のファイルの中から目的のものを探し出すのは、至難の業とも言えます。しかし、そんな時に役立つのがジャンプリストです。タスクバーやスタートメニューには、普段からよく使うソフトウェアのアイコンが表示されていますよね? 例えば、インターネットを見るためのブラウザや、文章を作成するためのソフトウェアなどです。これらのアイコンを右クリックすると、最近使ったファイルや、よく使うフォルダの一覧が表示されます。これがジャンプリストです。例えば、ブラウザのアイコンを右クリックすると、過去に閲覧したウェブサイトの一覧が表示されます。仕事の資料作成のために、昨日アクセスしたウェブサイトをもう一度開きたい時などに便利です。いちいちウェブサイトのアドレスを覚えておく必要も、お気に入りに登録しておく必要もありません。また、文章作成ソフトのアイコンを右クリックすると、最近編集したファイルの一覧が表示されます。昨日まで書いていた報告書を、今日も編集したい時に役立ちます。ファイル名をクリックするだけで、すぐに作業を再開できます。このように、ジャンプリストはファイルへのアクセスを容易にする便利な機能です。ぜひ活用して、日々のパソコン作業を効率化しましょう。
セキュリティ強化

稼働中のシステムを守る!ライブ・フォレンジックのススメ

- ライブ・フォレンジックとは?ライブ・フォレンジックとは、その名前が示すように、コンピュータやシステムが動いている状態のまま、犯罪の証拠となりうる電子データを集め、分析する技術のことです。従来の電子データの解析手法では、調査対象の機器の電源を切り、ハードディスクなどの記録媒体を複製して証拠保全を行う「デッドボックス・フォレンジック」が主流でした。しかし、電源を切ってしまうと、揮発性のデータ、つまり電源を切ると消えてしまうメモリ上のデータは失われてしまいます。そこで、電源を入れたまま、機器を動かした状態を維持したまま調査を行うライブ・フォレンジックが注目されています。 ライブ・フォレンジックでは、揮発性メモリ上に残されたデータ、例えば、現在起動中のプログラム、開いているファイル、ネットワーク接続情報などを収集することができます。これにより、例えば、不正アクセスが行われた際に、攻撃者が使用したツールやアクセス経路、盗み出そうとしたデータなどを特定することができます。 また、マルウェア感染の調査においても、メモリ上に残されたマルウェアのコードや動作状況を解析することで、その種類や感染経路、被害状況などをより詳細に把握することができます。このように、ライブ・フォレンジックは、従来のデッドボックス・フォレンジックでは得られなかった情報を取得できるため、サイバー犯罪の捜査において非常に重要な役割を担っています。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の鍵!侵害指標IoCとは?

- 侵入の痕跡、侵害指標IoCとは -# 侵入の痕跡、侵害指標IoCとは 「IoC」とは、「Indicator of Compromise」の略称で、日本語では「侵害指標」と表します。これは、コンピューターやネットワークシステムにおいて、不正なアクセスや攻撃が行われたことを示す兆候となるデータや情報のことを指します。 例えるならば、泥棒が家に侵入した際に残していく足跡や指紋のようなものです。犯人が侵入した事実を示す物的証拠と同じように、IoCもまた、攻撃者がシステムに侵入したことを示す証拠となるのです。 具体的には、以下のようなものがIoCとして挙げられます。 * 見慣れない実行ファイルの存在 * 通常とは異なる通信先の記録 * 不審なプログラムの起動や動作 * システム設定の不正な変更 * 大量のデータ送受信 これらの痕跡は、単独では断定的な証拠とならない場合もありますが、複数のIoCが確認された場合には、システム侵害の可能性が非常に高くなります。 そのため、日頃からシステムやネットワークの監視を行い、IoCを早期に発見することが、サイバー攻撃から身を守る上で非常に重要となります。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の鍵!侵害の兆候を見つけるIoCとは?

- IoCとは IoCは、「侵害指標」と訳され、コンピューターやネットワークに不正な侵入や攻撃があったことを示す痕跡のことです。 例えるなら、泥棒が家に侵入した時に残ってしまう足跡や指紋のようなものです。 セキュリティの専門家は、この痕跡を手がかりに、いつ、どのようにして侵入されたのかを突き止めます。 IoCには、不審なファイル、見慣れないプログラム、いつもと異なるネットワークの通信など、様々な種類があります。 セキュリティ対策ソフトは、あらかじめ登録されたIoCと照らし合わせて、怪しい動きがないか監視しています。もしも、一致するものが見つかった場合、すぐに管理者に知らせたり、問題のある動きを遮断したりします。 IoCを分析することで、過去の攻撃の手口を解明し、同じような攻撃が再び起こるのを防ぐ対策を立てることができます。 このように、IoCはセキュリティ対策において重要な役割を担っています。
セキュリティ強化

デジタル鑑識の入門に最適:SANS SIFT Workstation

近年、悪意のある者をはじめとした、様々な脅威によって私達の大切な情報が危険にさらされる場面が増えてきました。インターネットの普及により、私達の生活はより便利で豊かなものになりましたが、その一方で、目に見えない危険と隣り合わせの状態とも言えます。そこで、デジタルの世界における事件やトラブルを解決するために重要な役割を担うのがデジタル鑑識です。 デジタル鑑識とは、コンピューターやスマートフォンなどのデジタルデバイスに残された情報を収集し、分析する技術のことです。まるで、現実世界の事件現場を調査するように、デジタルの世界でも、証拠となるデータを探し出し、事件の真相を解明していきます。 しかしながら、デジタル鑑識は、専門的な知識や技術が必要とされるため、多くの人にとって、その詳細を知ることは難しいでしょう。そこで今回は、デジタル鑑識をこれから学びたいと考える方々に向けて、SANS SIFT Workstationというツールをご紹介します。このツールは、デジタル鑑識に必要な機能が全て揃っており、初心者の方でも、比較的容易に扱うことができます。
サイバー犯罪

デジタル証拠の宝庫:フォレンジックアーティファクト

- デジタル探偵の必須アイテム現代社会では、ありとあらゆる出来事が電子の世界で起こっています。買い物、コミュニケーション、仕事のやり取りなど、枚挙にいとまがありません。そして、その電子の世界で起きた事件を解決するのが「フォレンジックアーティファクト」です。フォレンジックアーティファクトとは、コンピューターやスマートフォンなどのデジタルデバイスに残された、事件解決の手がかりとなる情報のことです。まるで探偵が事件現場に残された指紋や足跡を手がかりに犯人を追うように、電子の世界でも、このフォレンジックアーティファクトが事件の真相を解き明かす鍵となります。フォレンジックアーティファクトには、削除されたファイルの復元情報や、インターネットの閲覧履歴、メールの送受信記録など、様々な種類があります。一見消えたように見えるデータも、デジタルの世界では完全に消去されずに、形を変えて残っていることがほとんどです。専門的な知識と技術を持つ調査官たちが、これらの情報を分析することで、誰が、いつ、どこで、何をしたのかを明らかにし、事件の真相に迫っていきます。デジタル化が進む現代社会において、フォレンジックアーティファクトは、サイバー犯罪の捜査だけでなく、企業の情報漏えい事件や個人間のトラブル解決など、幅広い場面で活用されています。デジタル探偵とも呼ばれるフォレンジック調査官たちは、電子の世界に残された目には見えない足跡を辿り、事件の真相を明らかにしていくのです。
サイバー犯罪

デジタル証拠の宝庫: フォレンジックアーティファクト

- デジタル探偵の必需品 -# デジタル探偵の必需品 現代社会において、企業活動から日常生活まで、あらゆる場面でコンピューターやインターネットが利用されています。それと同時に、不正アクセスや情報漏洩といった、デジタル空間における犯罪も増加しています。このようなデジタル犯罪が発生した場合、真相を解明し、適切な対策を講じるためには、デジタルな証拠である「フォレンジックアーティファクト」の解析が欠かせません。 フォレンジックアーティファクトとは、コンピューターやスマートフォンなどのデジタルデバイス、あるいはネットワーク上に残された、様々な行動の痕跡を指します。例えば、いつ、どのウェブサイトを閲覧したのか、どのファイルにアクセスしたのか、といった情報は、デジタルデバイス内に記録として残ります。また、メールの送受信履歴やチャットのログなども、重要なフォレンジックアーティファクトとなります。 これらのデジタルな痕跡は、まるで事件現場に残された指紋や足跡のように、デジタル犯罪の真相を解明するための重要な手がかりとなります。フォレンジックアーティファクトを解析することで、いつ、誰が、どのようにして事件を起こしたのかを特定し、再発防止策を検討することが可能となるのです。 デジタルフォレンジックは、専門的な知識と技術を要する分野ですが、その重要性はますます高まっています。デジタル社会を安全に過ごすためにも、フォレンジックアーティファクトの存在と、その役割について理解を深めておくことが大切です。
サイバー犯罪

デジタルの足跡を追え!:フォレンジック入門

- デジタル時代の犯罪捜査 -# デジタル時代の犯罪捜査 現代社会において、パソコンやスマートフォン、インターネットは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。買い物や娯楽、仕事など、あらゆる場面で活用され、大変便利な反面、犯罪に悪用されるケースも増加しています。従来の犯罪に加え、サイバー攻撃やインターネットを介した詐欺など、新たな脅威も増大しているのが現状です。 このような状況下で、デジタルの世界で起きた事件の真相を解明するために用いられるのが「フォレンジック」という技術です。フォレンジックとは、本来、犯罪捜査における鑑識のように、事件現場に残された証拠品を科学的に分析し、事件の真相を解明する手法を指します。そして、デジタルフォレンジックは、その対象をコンピューターやスマートフォン、サーバーなどのデジタルデバイスや、そこに保存されたデータに広げ、犯罪捜査に応用する技術です。 具体的には、パソコンやスマートフォンに残されたデータやアクセス履歴、削除されたデータなどを復元し、分析することで、犯行に使われた端末の特定や、犯人につながる情報を探します。また、インターネット上に残されたログや通信記録などを解析し、犯人の特定や、犯行の動機、手口の解明に役立てます。 デジタルフォレンジックは、サイバー犯罪だけでなく、殺人や窃盗など、従来型の犯罪の捜査においても重要な役割を担うようになっています。例えば、犯人が携帯電話で連絡を取り合っていた場合、その通信記録や位置情報が、事件解明の重要な手掛かりとなることがあります。 このように、デジタルフォレンジックは、デジタル化が進む現代社会において、犯罪捜査に欠かせない技術となっています。
データ保護

意外と知らない?イメージファイルの光と影

- イメージファイルとは -# イメージファイルとは イメージファイルとは、パソコンの中の情報を、写真や絵画をそのまま保存するように、丸ごと一つのファイルにまとめたものです。 例えば、皆さんが使っているパソコンの中にあるデータや設定を、そっくりそのまま別の場所にコピーしたいとします。 そんな時に役立つのがイメージファイルです。 イメージファイルは、パソコンの中にある情報を、まるで写真を撮るように、ありのままの状態で保存します。 つまり、書類や写真、動画はもちろんのこと、パソコンの設定やインストールされているソフトウェアの情報まで、すべてまとめて一つのファイルに記録されるのです。 このイメージファイルがあれば、パソコンを初期状態に戻したり、別のコンピュータに全く同じ環境を再現したりすることが簡単にできます。 イメージファイルは、「.iso」や「.img」といった拡張子が使われることが多く、パソコンのデータを丸ごと複製したり、万が一の時のためにバックアップを取ったりする際に非常に役立ちます。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本: イベントログを理解する

- イベントログとは -# イベントログとは イベントログとは、コンピュータシステム上で起こった様々な出来事を記録した日記のようなものです。 この日記には、誰がいつシステムに接続したか、どのファイルを開いたか、プログラムがどのように動いたか、エラーは起こらなかったかといった情報が、時間順に記録されていきます。 イベントログは、システムの健康状態やセキュリティ状況を把握するために非常に役立ちます。 例えば、身に覚えのないユーザーのログイン記録があれば、誰かが不正にシステムにアクセスしようとした可能性があります。 また、特定のプログラムが繰り返しエラーを起こしている場合は、システムに何らかの問題が発生している可能性があります。 イベントログを定期的に確認することで、問題を早期に発見し、適切な対策を講じることが可能になります。 イベントログには、大きく分けて以下の3つの種類があります。 * システムログ OS に関わるイベントを記録します。 * アプリケーションログ アプリケーションの動作に関するイベントを記録します。 * セキュリティログ ログイン、ログアウト、ファイルアクセスなど、セキュリティに関わるイベントを記録します。 セキュリティ対策の観点からは、特にセキュリティログの確認が重要です。 イベントログの内容は専門知識が必要となる場合もありますが、基本的な知識を身につけておくことで、システムの安全性を高めることができます。