安全なアプリケーション開発のために:SASTとは
- アプリケーションの脆弱性をコードレベルで検出近年、情報技術の進歩に伴い、ソフトウェアは私たちの生活のあらゆる場面で利用されるようになりました。それと同時に、悪意のある攻撃者によるサイバー攻撃のリスクも増加しており、ソフトウェアのセキュリティ対策の重要性がますます高まっています。堅牢なソフトウェアを開発するためには、設計段階から運用に至るまで、あらゆるフェーズでセキュリティを考慮する必要があります。ソフトウェア開発の初期段階において、セキュリティ上の問題点を早期に発見し、修正することは、開発コストの削減と安全なソフトウェアの提供の両面において非常に重要です。この初期段階でのセキュリティ対策として有効な手段の一つに、「静的アプリケーションセキュリティテスト(SAST)」と呼ばれる手法があります。SASTは、実際にソフトウェアを動作させることなく、プログラムの設計図とも言えるソースコードを解析することで、脆弱性の有無を検査します。これは、人間が設計図を目視で確認するのと同様に、SASTツールがソースコードを分析し、セキュリティ上の欠陥となりうる箇所を自動的に検出します。SASTを用いることで、開発者は開発の初期段階で潜在的な脆弱性を把握し、修正することができます。このように、SASTは、安全なソフトウェア開発を効率的に行うための強力なツールと言えるでしょう。