メモリフォレンジック

データ保護

デジタル証拠の宝庫:ハイバネーションファイル

- 休止状態とハイバネーションファイルパソコンをしばらく使わない時、あなたはどのようにしていますか?多くの人が、消費電力を抑えるためにスリープモードを利用しているのではないでしょうか。しかし、スリープモードには種類があり、それぞれでパソコンの状態や消費電力が異なります。その一つに「休止状態」というモードがあります。休止状態とは、作業中のメモリの内容を全てハードディスクに保存し、パソコンの電源を完全に切ってしまうモードです。再びパソコンを使う時には、保存されたデータを読み込むことで、電源を切る前の状態に復帰することができます。この時、メモリの内容を一時的に保存しておくために作成されるのが「ハイバネーションファイル」と呼ばれるファイルです。ハイバネーションファイルは、休止状態に入る直前のメモリの内容を丸ごと保存するため、その容量はパソコンに搭載されているメモリ容量と同じくらい大きくなります。例えば、メモリが16GBのパソコンであれば、ハイバネーションファイルも約16GBの容量が必要になります。休止状態は、スリープモードと比べて消費電力が少ないというメリットがあります。スリープモードは、低電力状態を保ちつつ、すぐに作業を再開できる状態を維持するため、わずかながら電力を消費し続けます。一方、休止状態は、一度電源を完全に切ってしまうため、電力の消費はありません。しかし、ハイバネーションファイルは、メモリの内容を全て保存するため、個人情報や重要なデータが含まれている可能性があります。そのため、セキュリティ対策をしっかり行わずに休止状態を利用すると、情報漏洩のリスクが高まります。休止状態を利用する場合は、パスワードを設定するなど、セキュリティ対策をしっかりと行いましょう。
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マルウェア解析を支援:MalConfScanのススメ

近年、コンピュータウイルスや悪意のあるプログラムによるインターネットを通じた攻撃は、増加の一途をたどっており、そのやり方も巧妙化しています。企業だけでなく個人も標的となり、情報漏えいや金銭的な被害など、深刻な被害が発生しており、安全対策は必要不可欠となっています。安全対策の一つとして、悪意のあるプログラムを分析することは重要な役割を担っています。悪意のあるプログラムを分析するとは、その名の通り、悪意のあるプログラムを詳しく調べ、その動きや目的、攻撃方法などを明らかにすることです。分析によって得られた情報は、安全製品の開発や改良、攻撃への対策、さらには将来的な脅威の予測などに役立てられます。 例えば、ある悪意のあるプログラムを分析した結果、特定のファイルを狙って暗号化し、身代金を要求するものであると判明したとします。この情報があれば、セキュリティソフトはそのような動きをするプログラムを検知し、動作を阻止する機能を備えることができます。また、企業は従業員に対して、不審なファイルを開封しないように注意喚起を行うことができます。このように、悪意のあるプログラムを分析することで、具体的な対策を立て、被害を未然に防ぐことが可能になります。さらに、過去の分析結果を蓄積し、分析手法を高度化することで、将来的に出現する可能性のある新たな脅威を予測することも可能になります。これは、未知の脅威から身を守る上で非常に重要です。
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メモリフォレンジックの基礎: VADでマルウェアを暴く

- 仮想アドレス記述子(VAD)とは 皆さんは、コンピュータの中でプログラムがどのようにメモリ空間を利用しているか、考えたことはありますか? コンピュータ上でプログラムが実行されるとき、プログラムはメモリ上に読み込まれます。 このとき、プログラムは物理メモリ上の実際のアドレスではなく、仮想的なアドレス空間を使用します。 この仮想的なアドレス空間と、実際の物理メモリとを対応付ける役割を担うのが、仮想アドレス記述子(VAD)です。 VADは、Windowsがメモリを管理するために使用する重要なデータ構造の一つで、例えるならば、各プロセスに割り当てられた仮想メモリ空間の地図のような役割を果たしています。 VADは、仮想メモリアドレス空間のどの範囲がどのプロセスに割り当てられているのか、その目的(プログラムの命令を格納するのか、データを格納するのかなど)、読み書きの許可、実行の許可など、詳細な情報を記録しています。 このVADを調べることで、あるプログラムがどのメモリ領域にアクセスできるのか、どのような操作が可能なのかを知ることができ、不正なプログラムがメモリをどのように操作しているかを解析する手がかりとなります。