ユーザーモード

セキュリティ強化

ユーザーモードとセキュリティ

- ユーザーモードとは コンピューターの中では、様々なプログラムが実行され、私たちが必要とする作業を行っています。これらのプログラムが、コンピューターのリソース全てに自由にアクセスできてしまうと、システム全体に大きな影響を与えかねません。例えば、悪意のあるプログラムが重要なシステムファイルを変更したり、他のプログラムの動作を妨害したりする可能性もあります。 このような事態を防ぐために、コンピューターには「ユーザーモード」という仕組みが備わっています。ユーザーモードは、例えるならば、アプリケーションごとに与えられた小さな部屋のようなものです。 アプリケーションはこの部屋の中だけで作業することが許されており、部屋の外にある重要な情報や設定には触れることができません。つまり、ユーザーモードで動作するアプリケーションは、制限された環境下で実行されるため、仮に問題を起こしたとしても、その影響は部屋の中だけに留まり、コンピューター全体に波及することはありません。 このユーザーモードとは別に、コンピューター全体を管理する重要なプログラムが動作する「カーネルモード」と呼ばれるモードも存在します。カーネルモードは、ユーザーモードとは異なり、コンピューターのリソース全てにアクセスすることが可能です。 このように、コンピューターはユーザーモードとカーネルモードという二つのモードを使い分けることで、システム全体の安全性を保ちつつ、私たちが安心して様々なアプリケーションを利用できる環境を提供しているのです。
セキュリティ強化

OSの心臓部、カーネルモードを理解する

パソコンやスマートフォンなど、私たちの身近にある電子機器には、動作を司るOS(オペレーティングシステム)が搭載されています。OSは、機器を動かすための複雑なプログラム群で構成されており、その中でも中心的な役割を担うのが「カーネル」です。カーネルは、例えるならOSの司令塔と言えるでしょう。 カーネルは、機器の心臓部であるハードウェアを管理し、アプリケーションソフトが正しく動作するように環境を整えています。さらに、システム全体に指示を出し、円滑な動作を維持する役割も担っています。この重要な役割を担うカーネルが動作する際に使用する権限が「カーネルモード」です。 カーネルモードは、OSの根幹をなす機能にアクセスできる、非常に高い権限レベルを持っている点が特徴です。もし、悪意のあるプログラムがカーネルモードで動作してしまうと、システム全体を乗っ取られてしまう危険性も孕んでいます。そのため、カーネルモードは厳重に保護されており、不正なアクセスからシステムを守っています。 普段私たちがパソコンやスマートフォンを利用する上で、カーネルやカーネルモードを意識することはほとんどありません。しかしこれらの重要な要素が存在することで、私たちは安心して機器を使用することができるのです。