リスクマネジメント

セキュリティ強化

セキュリティ対策のバイブル:NIST SP800-53入門

- NIST SP800-53とは NIST SP800-53は、アメリカの国立標準技術研究所(NIST)が発行している、情報システムの安全対策に関する指針です。特に、アメリカ合衆国連邦政府機関における情報システムを対象としていますが、その網羅性と詳細さから、民間企業や組織においても広く参考にされています。 この指針は、組織が自ら保有する情報システムのリスクを見極め、適切な安全対策を実施するための枠組みを提供しています。具体的には、情報システムの機密性、完全性、可用性を守るために、管理策、運用管理策、技術的な対策といった多層的なアプローチを推奨しています。 NIST SP800-53は、リスク管理の原則に基づいており、組織はまず、自らのシステムが抱えるリスクを分析し、そのリスクの重大性に応じて適切な安全対策を選択・実施する必要があります。また、この指針は、セキュリティ対策の実施状況を継続的に監視・評価し、必要に応じて改善していくプロセスも重視しています。 NIST SP800-53は、情報セキュリティ対策のベストプラクティスを集めたものであり、組織が自らの情報システムの安全性を確保するための強力なツールとなります。
セキュリティ強化

企業セキュリティ強化の鍵!COSOフレームワークとその活用法

- COSOとは何か?COSO(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission)は、企業の不正な財務報告を抑制するために、1985年にアメリカで設立された民間組織です。日本語では「米国トレッドウェイ委員会組織委員会」と訳されます。COSOは、企業における内部統制、リスクマネジメント、ガバナンス、不正防止といった組織統治の強化を推進することを使命としています。COSOは、企業がリスクを適切に管理し、信頼性の高い財務報告を行うためのフレームワークを開発しています。このフレームワークは、世界中の多くの企業で採用されており、企業統治のベストプラクティスとして広く認められています。特に、全社的なリスクマネジメント(ERM)を構築・運用する際には、COSOのフレームワークが頻繁に参照されます。COSOのフレームワークは、統制環境、リスク評価、統制活動、情報と伝達、監視活動という五つの要素で構成されています。企業は、これらの要素を相互に関連させながら整備・運用することで、効果的かつ効率的な内部統制システムを構築することができます。近年では、ITの進化やサイバー攻撃の増加を背景に、セキュリティガバナンス強化の必要性が高まっています。COSOのフレームワークは、セキュリティリスクを組織全体のリスクマネジメントに統合し、適切な統制活動を設計・運用する上で有効な指針となります。
セキュリティ強化

事業継続の要!BCPで備えを万全に

- 予期せぬ事態への備え私たちは、常に様々なリスクに囲まれて生活しています。いつ起こるか分からない地震や洪水などの自然災害はもちろんのこと、近年では、大規模なシステム障害や感染症の流行など、私たちの生活や経済活動に大きな影響を与える可能性のある事態も想定しなければなりません。企業活動においても、こうした予期せぬ事態は、事業の継続を困難にする深刻な脅威となります。工場の操業停止や物流の途絶は、商品の製造や供給に支障をきたし、顧客からの信頼を失墜させかねません。また、従業員の安全確保や顧客情報の保護など、企業は、社会的責任を果たしながら、混乱を収束させ、一日も早く事業を復旧させることが求められます。このような事態に備え、事業への影響を最小限に抑え、迅速な復旧と事業の継続を図るための計画を立てておくことが重要です。いわゆる「事業継続計画(BCP)」と呼ばれるものです。BCPでは、想定される様々なリスクを洗い出し、それぞれの発生時における事業への影響度や発生頻度を分析します。そして、優先的に対応すべき事業や、必要な資源などを明確化し、具体的な対応手順を定めておくことが重要です。
セキュリティ強化

情報資産を守る!ISMSとは?

- ISMSの概要ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)とは、企業や組織にとって重要な情報資産を、様々な脅威から守るための仕組みです。顧客情報や企業秘密、売上データなど、情報資産は企業にとって非常に重要なものです。これらの情報資産が漏洩したり、改ざんされたりすると、企業は信用を失墜させ、大きな損害を被る可能性があります。ISMSは、単にセキュリティ対策の技術的な側面だけでなく、組織全体で情報セキュリティに取り組むためのマネジメントシステムを構築することが重要となります。具体的には、組織のトップがリーダーシップを発揮し、情報セキュリティに関する方針を明確に定め、組織全体に周知徹底する必要があります。次に、情報資産を洗い出し、どのような脅威が存在し、どの程度の被害が発生する可能性があるのかを分析します。その上で、リスクの大きさに応じて、適切なセキュリティ対策を実施します。セキュリティ対策には、技術的な対策だけでなく、従業員へのセキュリティ教育や、セキュリティポリシーの策定など、組織的な対策も含まれます。ISMSは、一度構築したら終わりではありません。定期的に、システムや運用状況を見直し、改善していくことが重要です。また、新しい脅威が出現した場合には、速やかに対応する必要があります。ISMSを適切に運用することで、継続的にセキュリティレベルを高め、情報資産を脅威から守ることができます。