リスク管理

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安全なソフトウェア開発の鍵:SDLCとは?

- ソフトウェア開発のライフサイクル ソフトウェア開発のライフサイクル(SDLC)とは、ソフトウェアを作る過程を一連の段階に分けて、開発全体をより効率的に進めるための手順のことです。 ソフトウェア開発は、規模の大小にかかわらず、複雑な作業になります。そこで、この複雑な作業を分析、設計、プログラミング、テスト、運用といった段階に分けることで、開発プロセス全体を把握しやすくし、管理を容易にします。 SDLCには、大きく分けて「ウォーターフォールモデル」と「アジャイル開発」という二つの代表的なモデルが存在します。 ウォーターフォールモデルは、滝の水が上から下に流れ落ちるように、各段階を順番に進めていくモデルです。それぞれの段階が明確に分かれており、前の段階に戻ってやり直すことが難しいという特徴があります。 一方、アジャイル開発は、短い期間で開発とテストを繰り返しながら、柔軟に進めていくモデルです。顧客の要望を反映しながら開発を進めることができるため、変化の激しい現代のソフトウェア開発に適しています。 このように、SDLCには様々なモデルが存在し、開発するソフトウェアやプロジェクトの規模、開発体制などに応じて最適なモデルを選択することが重要です。
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安全なソフトウェア利用のために!SCAのススメ

- ソフトウェア・コンポジション分析とは 今日のソフトウェア開発において、開発期間の短縮や作業効率の向上は重要な課題です。その解決策の一つとして、世界中の開発者によって作成され、無償で公開されているソフトウェア部品を活用するケースが増えています。このような誰もが利用できるソフトウェア部品はオープンソースソフトウェアと呼ばれ、近年多くのソフトウェア開発現場で積極的に採用されています。 しかし、オープンソースソフトウェアの利用は利便性を高める一方で、セキュリティ上のリスクも孕んでいることを忘れてはなりません。悪意のある者が作成したソフトウェア部品や、脆弱性を修正しないまま放置されたソフトウェア部品を組み込んでしまうと、思わぬセキュリティ事故に繋がってしまう可能性があります。 そこで重要となるのがソフトウェア・コンポジション分析(SCA)です。SCAとは、開発中のソフトウェアの中に、どのようなオープンソースソフトウェアが使われているのかを洗い出し、それぞれのソフトウェア部品について詳細な情報を収集し分析する作業を指します。具体的には、ソフトウェア部品の名前やバージョン、開発者、ライセンス情報、既知の脆弱性の有無などを調査します。 SCAを実施することで、開発者は自社製品に潜むセキュリティリスクを早期に発見し、対策を講じることができます。ソフトウェアの安全性を確保するためにも、SCAは非常に重要なプロセスと言えるでしょう。
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ソフトウェアの部品表、SBOMとは

- ソフトウェアの複雑化とセキュリティリスク現代社会において、ソフトウェアは家電製品から自動車、社会インフラに至るまで、あらゆる場面で利用され、私たちの生活に欠かせないものとなっています。もはやソフトウェアなしに日常生活を送ることは想像もできないほど、私たちは深く依存しています。しかし、それと同時にソフトウェアの構造は複雑化の一途を辿っており、セキュリティリスクも増大しているという現状があります。かつては限られた開発者によって開発されていたソフトウェアは、今日では世界中の開発者が共同で開発するオープンソースソフトウェアや、特定の機能を提供する外部の企業が開発したソフトウェア部品であるサードパーティ製のコンポーネントを広く利用する形が一般的です。これは開発効率の向上や開発コストの削減に大きく貢献してきましたが、反面、ソフトウェアの構造を複雑化させ、セキュリティ上の課題を生み出す要因ともなっています。特に、オープンソースソフトウェアやサードパーティ製のコンポーネントは、その開発元や利用状況を完全に把握することが困難な場合があります。そのため、意図せず脆弱性を含むソフトウェアを採用してしまい、セキュリティ上のリスクを抱え込んでしまう可能性も否定できません。また、ライセンスに関しても、使用許諾条件をよく確認せずに利用してしまうと、意図せず法的な問題に発展してしまう可能性もあります。ソフトウェアの複雑化は、現代社会における利便性と引き換えに生まれた新たな課題といえます。私たちはソフトウェアの恩恵を享受する一方で、その潜在的なリスクを正しく理解し、適切なセキュリティ対策を講じる必要性が高まっていると言えるでしょう。
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アプリケーションのセキュリティ対策:ASPMのススメ

- ASPMとは -# ASPMとは ASPMとは、「アプリケーション・セキュリティ態勢の管理」の略称であり、アプリケーションの安全な状態を維持し続けるため、常に状況を把握し改善を繰り返す取り組みを指します。 従来のセキュリティ対策は、どちらかといえばシステム全体を守ることに重点が置かれていました。しかし、アプリケーションが複雑化・多様化する現代において、システム全体を守る従来の対策だけでは十分とは言えません。 そこで登場したのがASPMです。ASPMは、アプリケーションそのものに焦点を当て、開発の開始段階から運用に至るまで、そのライフサイクル全体を通してセキュリティを確保するという考え方です。 具体的には、設計段階でのセキュリティ要件の定義、開発段階での脆弱性診断の実施、運用段階でのセキュリティ監視などがASPMの活動として挙げられます。 ASPMは、システム全体を守る従来のセキュリティ対策を補完し、より強固なセキュリティ体制を構築するための重要な取り組みと言えるでしょう。
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企業の防御力を高める、攻撃表面管理のススメ

- 攻撃の足がかりを減らす重要性 インターネットやクラウドサービスの利用が当たり前になった現代において、企業にとって新たな事業展開の機会が広がる一方で、サイバー攻撃の脅威も増大しています。悪意のある攻撃者は、まるで家屋に侵入しようとする泥棒のように、企業のシステムの隙を狙っています。家の周囲をうろつき、鍵のかかっていないドアや窓、あるいは壊れやすい場所を探している泥棒のように、攻撃者はシステムの脆弱性を探し出し、そこを突いて侵入を試みます。 企業システムにおけるこのような「侵入経路」を減らすことが、サイバー攻撃から身を守るために非常に重要です。 これは、家屋のセキュリティ対策と同じです。強固な鍵を取り付け、窓ガラスを強化し、防犯カメラを設置することで、泥棒は侵入を諦めやすくなります。 システムセキュリティにおいても、同様の対策が必要です。システムやソフトウェアの更新を怠ると、既知の脆弱性が放置され、攻撃者にとって格好の標的となります。常に最新の状態を保つことが、セキュリティ対策の基本中の基本です。また、強力なパスワードを設定し、多要素認証を導入することで、不正アクセスを防止できます。従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高め、フィッシング詐欺などの手口に騙されないようにすることも重要です。 あらゆる角度からの対策を講じ、システムの「侵入経路」を徹底的に排除することで、企業はサイバー攻撃の脅威から大切な情報資産を守ることができるのです。
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セキュリティインシデントから身を守る!

- セキュリティインシデントとは -# セキュリティインシデントとは セキュリティインシデントとは、私たちの大切な情報やシステムが危険にさらされる可能性のある状態のことを指します。 例えば、パソコンやスマートフォンに侵入してくる悪意のあるソフトウェアや、許可なく他人の情報にアクセスする行為、本物そっくりに作られた偽のウェブサイトやメールで個人情報やクレジットカード情報を盗み取ろうとする行為、インターネット上で大量のパスワードが流出し、悪用される可能性がある状態などが挙げられます。 これらのセキュリティインシデントは、企業や組織の活動に大きな影響を与えるだけでなく、私たちの日常生活にも深刻な被害をもたらす可能性があります。 例えば、悪意のあるソフトウェアに感染すると、パソコンやスマートフォン内のデータが盗まれたり、壊されたりする可能性があります。また、許可なく他人の情報にアクセスされると、個人情報が悪用され、金銭的な被害を受ける可能性があります。 セキュリティインシデントから身を守るためには、セキュリティ対策ソフトを導入する、不審なウェブサイトにアクセスしない、不審なメールを開封しない、複雑なパスワードを設定するなど、日頃からセキュリティ対策を意識することが重要です。