情報セキュリティ

セキュリティ強化

セキュリティ強化の鍵!ロールベースアクセス制御(RBAC)とは?

- アクセス制御の重要性情報セキュリティにおいて、アクセス制御は極めて重要な要素です。企業が保有する重要な情報や顧客から預かった個人情報など、取り扱いに注意が必要なデータは適切に管理しなければなりません。適切な管理ができていなければ、情報漏えいや不正アクセスといったセキュリティリスクにつながりかねません。アクセス制御は、そうしたリスクを軽減し、情報の機密性・完全性・可用性を守る上で欠かせないものです。アクセス制御とは、特定の情報やシステムへのアクセスを制限する仕組みのことです。許可された人だけが、許可された方法で、許可された範囲でのみアクセスできるようにすることで、情報の安全性を確保します。例えば、従業員が会社のシステムにアクセスする際、IDとパスワードによる認証は基本的なアクセス制御の一つです。しかし、これだけでは、全ての従業員が全ての情報にアクセスできてしまう可能性があります。そこで、従業員の役割や所属部署に応じて、アクセスできる情報範囲を制限する必要があります。人事部の従業員は人事情報にアクセスできても、経理情報にはアクセスできないようにする、といった具合です。アクセス制御は、技術的な対策と運用上の対策を組み合わせることで、より効果を発揮します。技術的な対策としては、ファイアウォールや侵入検知システムの導入、強固なパスワード設定などが挙げられます。一方、運用上の対策としては、アクセス権限の定期的な見直しや従業員へのセキュリティ教育などが重要になります。アクセス制御は、情報セキュリティ対策の基礎となる要素であり、適切に運用することで、企業の重要な情報資産を様々な脅威から守ることができます。
データ保護

FOUOとは?機密性と公開の狭間にある情報

- 公務用のみの情報とは? 「公務用のみ」とは、英語の“For Official Use Only”の略語で、FOUOと表記されます。これは、アメリカ合衆国政府、特に国防総省が、文書やデータに付与する指示の一つです。機密情報とまでは言えないものの、一般に公開することが適切でないと判断された場合に、この「公務用のみ」という指示が用いられます。 機密情報は、その漏洩が国の安全保障や利益に深刻な損害を与える可能性があるため、厳重に保護されます。一方、公開情報は誰でも自由に閲覧や利用が可能です。 「公務用のみ」の情報は、機密情報と公開情報の中間に位置するものであり、いわばグレーゾーンの情報と言えるでしょう。例えば、組織内部の業務手順書や、個人のプライバシーに関わる情報などが挙げられます。これらの情報は、業務の円滑な遂行や個人の権利保護のために、限定された範囲内でのみ取り扱われる必要があります。 「公務用のみ」の情報は、機密情報ほどではありませんが、漏洩した場合、組織の信用を失墜させたり、個人の権利を侵害する可能性があります。そのため、取り扱いには十分な注意が必要です。
コンプライアンス

米国政府のセキュリティ基準FISMAとその強化について

- FISMAとはFISMAは、Federal Information Security Management Actの略称で、日本語では連邦情報セキュリティマネジメント法と訳されます。この法律は2002年に初めて制定され、その後2014年に「連邦情報セキュリティ近代化法」として改正されました。FISMAは、米国連邦政府機関における情報セキュリティの重要性を明確化し、機密性、完全性、可用性といった情報のCIAを守ることを目的としています。FISMAが定める情報セキュリティ対策は、政府機関だけに留まりません。政府機関と契約する企業や団体、さらには国民の重要な情報を取り扱うあらゆる組織にとって、極めて重要な指針となります。FISMAでは、政府機関に対して情報セキュリティリスクを適切に管理し、適切なセキュリティ対策を実施するための包括的な枠組みを提供しています。具体的には、情報システムの包括的なセキュリティ計画の策定、セキュリティ統制の実施、定期的なリスク評価の実施、セキュリティインシデントへの対応などが義務付けられています。FISMAの遵守は、政府機関にとって法的義務であるだけでなく、国民の信頼を維持し、国の安全を守る上でも不可欠です。そのため、FISMAは米国における情報セキュリティ対策の基礎として、重要な役割を担っています。
コンプライアンス

米国政府標準FIPSとセキュリティ対策

- FIPSの概要FIPSは「連邦情報処理標準規格」の略称で、アメリカ合衆国において、コンピュータシステムのセキュリティや情報処理に関する基準を定めたものです。連邦政府機関のシステムを守るために作られましたが、その信頼性の高さから、今では民間企業でも広く採用されています。FIPSは、データの暗号化方法やパスワードの管理方法、電子署名など、セキュリティに関する広範囲な分野を網羅しています。具体的な例としては、安全なパスワードの条件や、データの暗号化に使うべきアルゴリズムの種類などが細かく定められています。これらの基準に従うことで、システムやデータを様々な脅威から守ることができます。FIPSは、単に基準を示すだけでなく、実際に製品やシステムがその基準を満たしているかを評価するための認証制度も設けています。この認証を取得した製品は、FIPSの厳しい基準をクリアした証となり、高い信頼性を持つものとして認められます。このように、FIPSは、政府機関や企業が情報セキュリティ対策を講じる上で重要な役割を担っており、システムやデータの安全性を確保するための指針として、世界中で参考にされています。
脆弱性

ProxyLogon: 標的はビル管理システム?

- 脆弱性ProxyLogonとは ProxyLogonは、多くの企業や組織で使用されているメールサーバーソフトウェアであるMicrosoft Exchange Serverの中に見つかった、危険度の高い脆弱性です。この脆弱性にはCVE-2021-26855という識別番号が付けられており、世界中で大きな注目を集めました。 ProxyLogonを悪用されると、攻撃者はまるで正規のユーザーであるかのように、システムに侵入することが可能になります。具体的には、本来であればユーザー名とパスワードを入力して行うべき認証を、攻撃者の巧妙な操作によってバイパスされてしまいます。その結果、攻撃者はシステムの最高権限である管理者権限を不正に取得してしまう可能性があります。 管理者権限を奪われた場合、攻撃者はシステム内のあらゆる情報を閲覧できるだけでなく、情報の改ざんや削除、さらにはシステム全体の制御を乗っ取ることさえも可能になります。これは、企業にとって、顧客情報や機密情報などの漏洩、業務システムの停止、金銭的な損失など、甚大な被害につながる可能性があります。 そのため、Microsoft Exchange Serverを利用している場合は、速やかに提供されているセキュリティ更新プログラムを適用し、この脆弱性を解消することが非常に重要です。
セキュリティ強化

米サイバー軍:デジタル時代の守護神

現代社会は、インターネットの普及により、時間や場所を問わず、膨大な情報にアクセスできるようになりました。しかし、この利便性の裏には、目に見えない脅威が存在します。陸、海、空、宇宙に続く新たな戦場として認識されているのがサイバー空間です。 コンピューターネットワークを通じて、国家機密や企業の機密情報などが、盗み見られたり、壊されたり、書き換えられたりする危険性があります。このような行為は、国家の安全や経済活動を揺るがすだけでなく、私たちの日常生活にも大きな影響を与える可能性があります。 このような脅威から国を守るために、世界各国でサイバー空間における防衛体制が強化されています。例えば、アメリカではサイバー軍が設立され、サイバー攻撃に対する監視や防御、反撃などの任務を担っています。 サイバー空間における戦いは、目に見えない敵との静かな攻防です。私たちは、一人ひとりがセキュリティ意識を高め、パスワードの管理を徹底するなど、自衛策を講じる必要があります。また、政府や企業は、最新の技術や人材に投資し、サイバー攻撃に対する防御力を高めることが重要です。
不正アクセス

今こそ知っておきたい不正アクセス禁止法

- 不正アクセス禁止法とは不正アクセス禁止法は、正式名称を「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」といい、私たちが普段何気なく利用しているスマートフォンやパソコンなどを介して、他人のコンピュータシステムやネットワークに許可なく侵入することを禁じる法律です。これは、急速に発展するデジタル社会において、一人ひとりのプライバシーとセキュリティを守るために大変重要な法律です。この法律が制定されたのは1999年のことですが、インターネットやコンピュータ技術の進化は目覚ましく、それに伴い不正アクセスの手口も巧妙化しています。そのため、時代遅れにならないよう、これまでにも状況に合わせて改正が重ねられてきました。では、なぜ不正アクセスがこれほど問題視されているのでしょうか?それは、不正アクセスによって引き起こされる被害の大きさゆえです。個人情報の漏えいや金銭的な被害はもちろんのこと、企業の機密情報が盗まれれば、その企業の存続を揺るがす事態になりかねません。さらに、重要なインフラシステムが攻撃を受ければ、社会全体に混乱が生じ、私たちの生活にも大きな影響が及ぶ可能性も考えられます。このように、不正アクセスは決して他人事ではありません。一人ひとりが不正アクセス禁止法の存在を認識し、セキュリティ意識を高めることが、安全なデジタル社会を築く第一歩と言えるでしょう。
サイバー犯罪

組織を狙う標的型攻撃から身を守るには

- 標的型攻撃とは 標的型攻撃は、特定の組織や企業を狙って入念に計画されたサイバー攻撃です。まるで泥棒が事前に下調べをしてから家を狙うように、攻撃者は目的を達成するため、綿密な準備と高度な技術を駆使します。 従来のサイバー攻撃は、網の目のように広く攻撃を仕掛けて、引っかかった人を狙うというやり方が一般的でした。しかし、標的型攻撃は全く違います。特定の組織や企業に狙いを定め、その組織の弱点やセキュリティの穴を徹底的に調べた上で、攻撃を仕掛けてきます。 攻撃者は、標的の組織が利用するシステムやソフトウェアの脆弱性を探し出し、そこを突いて侵入を試みます。そして、組織内部のネットワークに侵入すると、機密情報を探し回ったり、重要なシステムを破壊したりするなど、目的を達成するために様々な活動を行います。 標的型攻撃は、その高度な技術と執拗な手法から、非常に発見が難しく、大きな被害に繋がるケースも少なくありません。そのため、企業や組織は、標的型攻撃に対するセキュリティ対策を強化することが重要です。
セキュリティ強化

EUの守護神:ENISAが導くサイバーセキュリティ

近年、情報通信技術の進歩により、インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなりました。しかし、その利便性が高まる一方で、悪意のある攻撃者による犯罪行為も増加しており、世界中で大きな問題となっています。個人情報の盗難や企業秘密の漏洩、重要なインフラシステムへの攻撃など、その被害は多岐に渡り、私たちの社会や経済に深刻な影響を及ぼしています。 このようなサイバー脅威の高まりを受け、欧州連合(EU)は加盟国全体でサイバーセキュリティの強化に取り組んでいます。EUは、サイバーセキュリティに関する共通の戦略を策定し、加盟国間での情報共有や協力体制の構築を進めています。具体的には、欧州サイバーセキュリティ機関(ENISA)を設置し、加盟国に対する技術的な支援や助言、サイバー攻撃に関する情報共有などを行っています。また、サイバーセキュリティに関する法整備も進めており、個人情報の保護やネットワーク・情報システムのセキュリティ対策の強化を義務付けています。 EUは、サイバーセキュリティ分野において世界をリードする存在を目指しており、国際的な協力関係の構築にも積極的に取り組んでいます。日本もEUとの連携を強化し、サイバー脅威に対抗していくことが重要です。
データ保護

デジタルデータの完全消去:破壊の重要性

- データ消去の最終手段現代社会において、情報は大変重要な資産であり、その中には企業秘密や個人情報など、外部に漏れてしまうと大きな損害に繋がるものも少なくありません。不要になったデータは適切に消去しなければなりませんが、デジタルデータは単純に削除しただけでは復元されてしまう可能性があり、完全に消去するには専門的な技術が必要です。そこで、情報の漏洩を確実に防ぐ最終手段として、「破壊」という方法があります。「破壊」によるデータ消去とは、ハードディスクやUSBメモリなどの記録媒体そのものを物理的に破壊し、データの復元を不可能にする方法です。具体的には、強力な磁力をかけてデータを読み取れなくする「磁気破壊」、記録媒体を高温で溶解する「熱破壊」、そして記録媒体を粉砕する「物理破壊」などがあります。これらの方法を用いることで、データの復元を企図する第三者から情報を確実に守ることができます。データ消去の方法は、扱うデータの機密性や重要度に応じて適切に選択する必要があります。例えば、一般的な書類データであれば、専用のソフトウェアを用いたデータ消去でも十分な場合が多いでしょう。しかし、企業秘密や個人情報など、特に機密性の高いデータの場合は、復元されるリスクを最小限に抑えるために、「破壊」によるデータ消去を行うことが推奨されます。情報漏洩は企業にとって大きな損失に繋がりかねません。そのためにも、不要になったデータの取り扱いには十分注意し、適切な方法で消去を行うことが重要です。
データ保護

アクセス権限で守る!情報セキュリティ対策の基本

- 情報漏えいのリスクと対策 現代社会において、企業にとって情報は、顧客を獲得するための戦略や新商品の開発、日々の業務を円滑に進めるためのノウハウなど、あらゆる活動の基盤となる重要な資産といえます。顧客の情報や企業の財務状況、他社に知られていない企業秘密などは、企業活動にとって欠かせない重要な情報です。しかし、このような重要な情報は、常に悪意のある第三者から狙われており、盗み出されたり、悪意のある形で書き換えられたりする危険性にさらされています。 もしも情報漏えいが起きてしまったら、企業は金銭的な損失を被るだけでなく、社会的な信用を失い、その後の事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。顧客からの信頼を失うことで、顧客離れが加速し、会社の業績が悪化するだけでなく、会社の存続さえ危ぶまれる事態になりかねません。そのため、情報漏えい対策は、企業が安定して事業を継続していくために、今すぐにでも取り組むべき、非常に重要な課題となっています。 情報漏えいのリスクを最小限に抑えるためには、従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高め、日頃から適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。具体的には、パスワードの管理を徹底したり、怪しいメールやウェブサイトにアクセスしないようにしたりするなど、基本的な対策を怠らないことが重要です。また、企業は、最新のセキュリティ技術を導入したり、従業員に対するセキュリティ教育を定期的に実施したりするなど、組織全体で情報セキュリティ対策に取り組む必要があります。
マルウェア

巧妙化するネットバンキングの脅威:バンキング型トロイの木馬にご用心

インターネットバンキングは、今では私たちの生活に欠かせないほど広く普及しています。自宅や外出先でも手軽に銀行取引ができる便利な半面、その利便性に目を付けた犯罪も後を絶ちません。数ある脅威の中でも、特に注意が必要なのが「バンキング型トロイの木馬」と呼ばれる不正プログラムです。 この不正プログラムは、その名の通り、銀行のオンラインサービスを悪用して私たちの預金を狙います。巧妙な方法でパソコンやスマートフォンに侵入し、利用者のログイン情報やクレジットカード情報などを盗み取ろうとします。 まるでギリシャ神話に登場するトロイの木馬のように、一見すると普通のファイルやアプリに偽装して、気付かれないうちに私たちの端末に侵入することから、その名が付けられています。知らず知らずのうちに不正プログラムをインストールしてしまうケースも多く、被害に遭ってから初めてその存在に気付くということも少なくありません。 バンキング型トロイの木馬は、利用者のログイン情報を盗むだけでなく、偽のログイン画面を表示して情報を詐取したり、取引内容を改ざんして不正送金を試みたりするなど、様々な手段で金銭を盗もうとします。近年では、スマートフォン向けの不正アプリなども増加しており、その手口はますます巧妙化しています。
サイバー犯罪

サイバー攻撃の手口:データ抽出の脅威

- データ抽出とは データ抽出とは、サイバー攻撃者が標的のシステムやネットワークから不正に情報を盗み出す行為を指します。これは、攻撃者が侵入後、機密情報や重要なデータを収集し、外部のサーバーへ送信する最終段階で行われます。 攻撃者は、企業の機密情報や顧客情報、金融データなど、価値のある情報を狙います。そのため、データ抽出が成功すると、企業は経済的な損失だけでなく、顧客からの信頼を失墜、競争上の不利、訴訟のリスクなど、甚大な被害を被る可能性があります。 データ抽出は、標的のシステムに侵入して悪意のあるソフトウェアをインストールすることによって行われることが多く、その方法は様々です。例えば、 * データベースへの直接アクセス * ネットワークトラフィックの傍受 * キーロガーによるログイン情報やパスワードの盗難 * マルウェアに感染したUSBメモリ等によるデータ持ち出し などが挙げられます。 このような攻撃から身を守るためには、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策を講じることが重要です。また、従業員に対するセキュリティ意識向上トレーニングの実施や、最新ソフトウェアへのアップデートなども有効な対策となります。
セキュリティ強化

サイバー攻撃から組織を守る!PAMとは?

- 重要なシステムへのアクセスを制御するPAMとは 企業の重要な情報システムや機密データへのアクセスは、適切に管理されなければ、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクに晒されることになります。こうしたリスクを軽減するために重要な役割を担うのが、PAM(Privileged Access Management特権アクセス管理)です。 PAMとは、システム管理者やデータベース管理者など、高度な権限を持つユーザーアカウント(特権アカウント)へのアクセスを厳格に管理する仕組みです。 具体的には、誰が、いつ、どのシステムに、どのような操作を行ったのかを記録・監視したり、アクセス権限の付与・変更・削除を厳密に制御したりすることで、不正アクセスや内部犯行のリスクを大幅に低減します。 例えば、従来のパスワード管理では、管理者がすべてのシステムのパスワードを把握しているケースも少なくありませんでした。しかし、PAMを導入することで、パスワードを定期的に変更したり、システムへのアクセス時に多要素認証を必須にしたりすることが容易になります。また、アクセス履歴を記録・監視することで、万が一不正アクセスが発生した場合でも、迅速に原因を特定し、被害を最小限に抑えることが可能になります。 このように、PAMは、企業の重要な情報資産を保護するために不可欠なセキュリティ対策と言えるでしょう。
データ保護

デジタル証拠の宝庫:ハイバネーションファイル

- 休止状態とハイバネーションファイルパソコンをしばらく使わない時、あなたはどのようにしていますか?多くの人が、消費電力を抑えるためにスリープモードを利用しているのではないでしょうか。しかし、スリープモードには種類があり、それぞれでパソコンの状態や消費電力が異なります。その一つに「休止状態」というモードがあります。休止状態とは、作業中のメモリの内容を全てハードディスクに保存し、パソコンの電源を完全に切ってしまうモードです。再びパソコンを使う時には、保存されたデータを読み込むことで、電源を切る前の状態に復帰することができます。この時、メモリの内容を一時的に保存しておくために作成されるのが「ハイバネーションファイル」と呼ばれるファイルです。ハイバネーションファイルは、休止状態に入る直前のメモリの内容を丸ごと保存するため、その容量はパソコンに搭載されているメモリ容量と同じくらい大きくなります。例えば、メモリが16GBのパソコンであれば、ハイバネーションファイルも約16GBの容量が必要になります。休止状態は、スリープモードと比べて消費電力が少ないというメリットがあります。スリープモードは、低電力状態を保ちつつ、すぐに作業を再開できる状態を維持するため、わずかながら電力を消費し続けます。一方、休止状態は、一度電源を完全に切ってしまうため、電力の消費はありません。しかし、ハイバネーションファイルは、メモリの内容を全て保存するため、個人情報や重要なデータが含まれている可能性があります。そのため、セキュリティ対策をしっかり行わずに休止状態を利用すると、情報漏洩のリスクが高まります。休止状態を利用する場合は、パスワードを設定するなど、セキュリティ対策をしっかりと行いましょう。
セキュリティ強化

情報セキュリティポリシーの重要性

- 情報セキュリティポリシーとは企業や組織にとって、顧客情報や企業秘密といった重要な情報は、その価値を維持するために守られるべきものです。このような重要な情報を様々な脅威から守り、安全性を確保するための基本的な方針や行動指針をまとめた文書を、情報セキュリティポリシーと呼びます。情報セキュリティポリシーは、組織で働く人全員が情報セキュリティについて共通の認識を持ち、統一的な対策を行うために必要不可欠です。この文書では、電子メールやインターネットの適切な利用方法、パスワード管理の重要性、個人情報の取り扱い方など、具体的な行動指針が明記されています。例えば、業務で使用するパスワードを定期的に変更することや、不審なメールを開封しないこと、重要な情報を不用意に持ち出さないことなどが具体的に示されます。これらのルールを定めることで、情報漏えいやウイルス感染などのリスクを軽減し、組織全体のセキュリティレベル向上を目指します。情報セキュリティポリシーは、ただ作成して終わりではなく、定期的な見直しや改善が必要です。これは、情報技術の進化や新たな脅威の出現、法令の改正などに合わせて、内容を最新の状態に保つ必要があるためです。組織全体で情報セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を継続的に実施していくことが重要です。
セキュリティ強化

情報セキュリティサービス選びの羅針盤:サービス基準適合リストのススメ

- 情報セキュリティサービスの重要性現代社会において、企業活動は情報技術と密接に関係しており、顧客情報や企業秘密といった重要な情報資産を多く抱えています。これらの情報資産は、企業の競争力を支える重要な要素であると同時に、サイバー攻撃や情報漏洩の脅威にもさらされています。もしも、情報漏洩やシステム障害が発生した場合、企業は信頼失墜や経済的な損失といった深刻なダメージを受ける可能性があります。このような事態を避けるためには、企業は強固な情報セキュリティ対策を講じることが不可欠です。しかし、情報セキュリティ対策には、専門的な知識や技術、最新の脅威情報への対応など、多くの資源と労力が必要となります。限られた資源と人員を抱える企業にとって、自社だけで万全なセキュリティ体制を構築・運用することは容易ではありません。そこで、情報セキュリティサービスの活用が重要となります。情報セキュリティサービスを提供する専門企業は、高度な技術力と豊富な経験を持つセキュリティ専門家チームを擁し、最新の脅威情報やセキュリティ対策技術を常に把握しています。企業は、これらの専門企業が提供するサービスを活用することで、自社のセキュリティレベルを効率的に向上させることが可能となります。情報セキュリティサービスは、もはや一部の大企業だけのものではなく、あらゆる規模や業種の企業にとって、事業継続と成長を支える重要な要素になりつつあります。
データ保護

情報セキュリティの基礎: CIAとは?

- 情報セキュリティのCIAとは 情報を取り扱う上で、安全性を確保することは非常に重要です。そのための基本的な考え方として、「情報セキュリティのCIA」と呼ばれるものがあります。これは、機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)の頭文字をとったもので、情報セキュリティ対策において欠かせない3つの要素を示しています。 まず「機密性」とは、許可された人だけが情報にアクセスできる状態を指します。例えば、企業の機密情報や個人のプライバシー情報などは、アクセス権を持つ一部の人以外が見ることができないように保護する必要があります。 次に「完全性」とは、情報が正確で完全な状態であることを保証することを意味します。情報が不正に改ざんされたり、破壊されたりすることがないよう、適切な対策を講じる必要があります。これは、例えば電子契約書の改ざんや、銀行口座情報の不正操作などを防ぐために重要です。 最後に「可用性」は、許可された人が必要な時に情報にアクセスできる状態を指します。情報システムが停止したり、データが消失したりすると、業務に支障をきたす可能性があります。そのため、システムの安定稼働やデータのバックアップなど、情報へのアクセスを維持するための対策が求められます。 これらの3つの要素は、国際標準規格であるJISQ27001(ISO/IEC27001)にも定義されており、情報セキュリティ対策の基本原則として世界中で広く認識されています。情報セキュリティを確保するためには、これらの要素をバランスよく考慮し、適切な対策を講じることが重要です。
コンプライアンス

米国防契約を締結する際の必須知識:DFARSの概要

- DFARSとは米国国防総省との取引において、守るべき規則があります。それが「防衛連邦調達規則補足」、英語ではDFARSと略記されるものです。これは、アメリカの連邦政府機関全体で適用される調達規則であるFAR(連邦調達規則)を、国防に関する事項に特化して補足したものです。国防総省と契約を結ぶあらゆる企業や団体は、このDFARSの規則に従うことが必須となります。DFARSが定める規則の中で、特に重要なもののひとつに、情報の保護に関するものがあります。これは、機密情報として指定されてはいないものの、適切に保護する必要がある情報である「管理対象防衛情報」、英語では「Covered Defense Information」を略してCDIと呼ばれます。CDIを扱う契約には、DFARSの規則が適用され、情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策を適切に実施することが求められます。もしも、DFARSの規則に従わずにセキュリティ対策が不十分な場合、国防総省との契約を失ってしまう可能性もあります。そのため、国防総省と契約を結んでいる、あるいは、結ぶ予定のある企業や団体は、DFARSの内容を十分に理解し、必要なセキュリティ対策を講じることが重要となります。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本!最小特権の原則

- 最小特権の原則とは 最小特権の原則とは、情報システムの安全性を高めるための基本的な考え方の一つです。 これは、利用者やプログラムに対して、業務を遂行するために必要な最小限の権限だけを付与するというものです。 必要以上の権限を与えないことで、万が一、不正アクセスや操作ミスが発生した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。 例えば、ある従業員が顧客情報の閲覧だけを行う業務を担当しているとします。 この場合、その従業員には顧客情報の閲覧権限だけを付与し、情報の変更や削除を行うための権限は与えません。 このように、最小特権の原則を適用することで、情報へのアクセスや操作を必要最低限に制限し、セキュリティリスクを軽減することができます。 最小特権の原則は、ユーザーアカウントだけでなく、システム管理者やアプリケーションに対しても適用する必要があります。 システム管理者は、システム全体の管理に必要な権限を持つため、特に注意が必要です。 システム管理者のアカウントを複数に分離し、それぞれのアカウントに限定された権限を付与することで、不正アクセスや操作ミスによる被害を最小限に抑えることができます。 最小特権の原則は、情報セキュリティの基本原則の一つであり、あらゆる組織において重要です。 この原則を適切に適用することで、組織の重要な情報資産を様々な脅威から保護することができます。
データ保護

情報へのアクセス権:知るべき情報だけに限定する必要性

「知るべき情報だけにアクセスする」という原則は、組織の情報保護において非常に重要な考え方です。これは、社員一人ひとりに、業務を行う上で必要最小限の情報だけを見せるようにするというものです。この原則を守ることで、情報漏えいの危険性を減らし、大切な情報をきちんと守ることができます。 たとえば、給与計算を担当する社員は、自分の担当する社員の給与情報を見ることができますが、他の社員の給与情報や、会社の秘密情報にはアクセスできません。また、営業部の社員は、顧客情報や売上目標などの情報を見ることができますが、人事評価の情報や経理情報にはアクセスできません。 このように、情報へのアクセスを必要最小限に制限することで、万が一情報漏えいが発生した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。また、社員一人ひとりが情報セキュリティの重要性を認識し、責任ある行動をとるようになるため、組織全体のセキュリティレベル向上にもつながります。 「知るべき情報だけにアクセスする」という原則は、情報セキュリティの基本中の基本です。この原則を徹底することで、組織の大切な情報を守り、安全な業務運営を実現しましょう。
セキュリティ強化

脅威インテリジェンスで未来のサイバー攻撃に備える

- 脅威インテリジェンスとは -# 脅威インテリジェンスとは 脅威インテリジェンスは、まるで現代の諜報機関のように、企業を守るための情報を集めた報告書のようなものです。サイバーセキュリティの専門家が、日々進化するサイバー攻撃の手口や、攻撃者が使うツール、そしてその背後にある目的を分析し、わかりやすくまとめたものが脅威インテリジェンスです。 この報告書には、最新の攻撃の手法や、攻撃に使われやすい脆弱性、攻撃者が好んで使うツールなどが詳細に記されています。まるで敵の作戦を事前に知る事ができるように、企業は脅威インテリジェンスを活用することで、まだ見ぬ攻撃に対しても事前に備えを固めることができるようになるのです。 具体的な対策を立てる際にも、脅威インテリジェンスは役立ちます。例えば、ある攻撃ツールを使った攻撃が流行しているという情報があれば、そのツールを検知するシステムを導入したり、従業員に対して注意喚起を行うことができます。 未知の脅威が増え続ける現代において、脅威インテリジェンスはもはや、企業にとって欠かせない情報源と言えるでしょう。
データ保護

情報セキュリティの基礎:機密性を守る重要性

- 機密性とは 「機密性」とは、許可を受けた人だけが情報にアクセスできるようにすることを指します。これは、言い換えれば、許可されていない人、組織、あるいはシステムが情報にアクセスすることを防ぐことを意味します。 私たちの身の回りには、様々な情報があふれています。例えば、個人のプライバシーに関する情報(氏名、住所、電話番号、クレジットカード情報など)、企業の機密情報(顧客情報、財務情報、技術情報など)、そして国の機密情報(防衛、外交、安全保障など)など、多岐にわたります。 これらの情報は、その価値に応じて適切に保護されなければなりません。もしも、これらの情報が漏洩した場合、個人のプライバシーや権利、企業活動、そして国家の安全保障にまで重大な影響を及ぼす可能性があります。 情報セキュリティの分野において、情報資産の機密性を守ることは非常に重要です。機密性を確保するための対策としては、アクセス制御、暗号化、そしてセキュリティ意識の向上が挙げられます。 アクセス制御は、情報へのアクセスを制限するものです。例えば、パスワードや生体認証を用いることで、許可されたユーザーだけが情報にアクセスできるようにします。暗号化は、情報を暗号化することで、たとえ不正アクセスがあったとしても、情報の内容が読み取れないようにします。そして、セキュリティ意識の向上は、従業員一人ひとりが情報セキュリティの重要性を理解し、適切な情報取り扱いを行うことで、情報漏洩のリスクを低減します。 情報セキュリティの3大要素(CIA)の一つである「機密性」は、情報資産の価値を守る上で非常に重要な要素です。
セキュリティ強化

世界標準の情報セキュリティ規格:Common Criteriaとその重要性

- Common Criteriaの概要 情報化社会の現代において、情報セキュリティは、個人にとっても、企業にとっても、そして国家にとっても非常に重要な課題となっています。日々巧妙化するサイバー攻撃や情報漏えいなどの脅威から、大切な情報資産を守るためには、信頼できるセキュリティ対策が欠かせません。 その解決策の一つとして、世界中で注目されているのが「Common Criteria(CC)」という国際規格です。正式にはISO/IEC15408として知られるこの規格は、情報セキュリティ製品が、その機能を適切に設計・実装しているかを評価するための基準を定めています。 CCは、製品の開発者がセキュリティ要件を明確化し、評価者がその要件を満たしているかを客観的に評価することを可能にします。この評価は、国際的に認められた手順と基準に基づいて行われ、その結果、製品の信頼性を客観的に示すことができます。 CCは、日本を含む世界20カ国以上で政府調達基準となっており、情報セキュリティ製品を選択する際の重要な指標となっています。日本政府も、政府機関が導入するIT製品・システムのセキュリティ要件として、CC評価・認証取得を推奨しており、安全な情報社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。