情報漏洩

脆弱性

APIの脆弱性『BOLA』とは?その脅威と対策を解説

近年、インターネット上で様々なサービスが利用できるようになるにつれて、多くの情報を扱うアプリケーションの重要性が高まっています。それと同時に、アプリケーションの安全性を脅かす攻撃も増加しており、その対策が急務となっています。 アプリケーションは、外部とのデータのやり取りを行うためにAPIと呼ばれる仕組みを利用しています。このAPIは、いわばアプリケーションの窓口のようなものであり、適切に管理しなければ、攻撃者に悪用され、情報を盗み見られる可能性があります。 APIにおける脆弱性の一つとして、「オブジェクトレベル認可の欠陥(BOLA)」と呼ばれるものがあります。これは、本来アクセスを許可されていないはずのデータに、攻撃者が不正にアクセスできてしまうという、非常に危険な脆弱性です。 例えば、あるショッピングサイトのAPIにおいて、利用者Aさんが自分の注文履歴を見ることができる機能があるとします。このとき、BOLAが存在すると、攻撃者はAさんのアカウント情報などを不正に操作することで、本来アクセスできないはずのBさんやCさんの注文履歴まで盗み見ることができてしまう可能性があります。 このように、BOLAは、個人情報の漏洩やサービスの不正利用など、甚大な被害をもたらす可能性があります。そのため、APIの開発者はもちろんのこと、利用者もBOLAの脅威を認識し、対策を講じることが重要です。
認証

安全なデータ送信の要:JWTとは?

インターネット上で情報を安全にやり取りすることは、現代社会において非常に重要です。情報をやり取りする際、その情報が途中で改ざんされたり、盗み見られたりすることがないよう、様々な技術が開発されてきました。 近年、この情報セキュリティの分野で注目を集めているのがJWT(JSON Web Token)という新しい標準規格です。 JWTは、JSONオブジェクトというデータ形式を使って情報をまとめ、送信元が正しいことを証明する電子署名を付与します。この電子署名によって、受信側は情報が改ざんされていないことを確認できるため、安全なデータ送信が可能になるのです。 従来は、クッキーやセッションIDを用いた認証方式が主流でしたが、これらの方式にはセキュリティ上の課題も指摘されていました。JWTは、これらの課題を克服し、より安全で柔軟なシステム構築を可能にする技術として、Webアプリケーション開発を中心に急速に普及しています。 JWTの導入により、インターネット上での情報のやり取りはより安全なものとなり、私たちの生活はより便利で豊かなものになると期待されています。
脆弱性

AIチャットボットへの新たな脅威:プロンプト・インジェクションとは?

近年、様々な分野で人工知能を活用した対話システムが広く使われるようになってきました。顧客対応や情報提供など、私たちの生活を便利にする一方で、これまでにないセキュリティ上の危険性も懸念されています。 その一つが、「入力操作」と呼ばれる攻撃手法です。これは、悪意のある指示を巧みに作り込み、人工知能との対話システムに送り込むことで、そのシステムの制御を奪ったり、情報を盗み出したりする攻撃です。 例えば、悪意のある第三者が、一見無害な質問や依頼を装って、人工知能との対話システムに「特定の個人情報を教えて」といった指示を埋め込むことがあります。この指示は、巧妙に隠されているため、システム管理者や利用者も簡単に見抜くことができません。 もし、このような攻撃が成功してしまうと、企業の機密情報や顧客の個人情報が漏洩したり、システム自体が不正な操作に利用されたりする危険性があります。人工知能との対話システムは、膨大なデータを学習しているため、攻撃者がその情報を悪用することも考えられます。 人工知能技術の進化は目覚ましく、私たちの生活に多くの恩恵をもたらしています。しかし、その一方で、新たな技術には新たな脅威がつきものであることを忘れてはなりません。人工知能との対話システムを利用する際には、このようなセキュリティリスクを認識し、適切な対策を講じることが重要です。
認証

安全な情報交換のためのJWT:その仕組みと注意点

JSON ウェブトークン(JWT)は、名称の通りJSON形式を採用したトークンであり、インターネット上で情報を安全にやり取りするための技術の一つです。昨今、インターネットの普及に伴い、ウェブサイトやアプリケーション間で様々な情報をやり取りする機会が増加しています。このような状況下において、情報の機密性や完全性を維持することは、利用者のプライバシー保護やシステムの安全性を確保する上で極めて重要です。 JWTは、この課題に対処するために策定された標準的な規格であり、認証や認可といったセキュリティの要となる機能を実現する上で重要な役割を担います。具体的には、ユーザー名やパスワードといった重要な情報を暗号化してトークンと呼ばれる形式に変換し、サーバーとクライアント間で安全に受け渡すことを可能にします。 JWTは、従来のクッキーベースの認証方式と比較して、セキュリティ面や利便性において優れている点が特徴です。例えば、JWTは改ざん検知機能を備えているため、第三者によるなりすましや情報の改ざんを防止することができます。また、様々なプログラミング言語やプラットフォームに対応しているため、システム開発における柔軟性も高く評価されています。 このように、JWTは現代のインターネット社会において、安全な情報交換を実現するための重要な技術の一つと言えるでしょう。
サイバー犯罪

二重恐喝ランサムウェア「STORMOUS」の脅威

- STORMOUSとはSTORMOUSは、二重の脅迫を行う悪質なプログラムとして知られており、標的とした組織のネットワークに侵入し、重要な情報を盗み出した後、ファイルを暗号化するという巧妙な攻撃を行います。まず、組織の機密情報にアクセスし、それを盗み出すことから始めます。そして、盗んだデータをインターネット上に公開すると脅迫し、その見返りとして金銭を要求します。この二重の脅迫は、情報を人質に取られた組織にとって、大きな痛手となる可能性があります。STORMOUSは、2022年に起きたロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、その活動を活発化させたとみられています。 他の悪質なプログラムと同様に、STORMOUSもまた、ロシアへの支持を表明し、ウクライナや西側諸国を標的にすることを宣言しています。実際に、ウクライナの外務省や大手ゲーム会社、飲料メーカー、ベトナムの企業などを攻撃し、データを盗んだと主張しています。STORMOUSの攻撃は、組織にとって深刻な被害をもたらす可能性があります。機密情報の漏えいは、経済的な損失だけでなく、組織の信頼失墜にも繋がりかねません。そのため、STORMOUSのような脅威から組織を守るためには、セキュリティ対策を強化することが重要です。
クラウド

進化する脅威:クラウド時代のセキュリティ対策

インターネットを介して様々なサービスを利用できるクラウドコンピューティングは、従来のコンピューターシステムのあり方を一変させ、私たちの暮らしや経済活動に大きな変化をもたらしました。しかし、利便性の高いこの技術は、新たな危険性もはらんでいます。従来のシステムとは違い、ネットワークを通じて誰もが利用できるクラウドサービスは、設定の誤りや不正なアクセスによって情報が外部に漏れてしまうリスクに常に晒されています。 従来の情報セキュリティ対策が通用しないケースも増えているため、クラウドサービスを安全に利用するためには、これまで以上に適切な対策を講じることが重要となります。 例えば、クラウドサービスを利用する際には、アクセス権限を必要最低限に絞り込み、重要な情報へのアクセスを制限する必要があります。また、パスワードは定期的に変更し、不正アクセスを防ぐために多要素認証などのセキュリティ対策を導入することも重要です。さらに、利用するサービスのセキュリティ対策状況を常に確認し、最新の状態に保つよう努める必要があります。 クラウドサービスは、私たちの社会にとって欠かせないものとなりつつあります。しかし、その利便性の裏には、新たな脅威が存在することを忘れてはなりません。利便性と安全性の両立を実現するために、一人ひとりがセキュリティへの意識を高め、適切な対策を講じていくことが重要です。
マルウェア

見えない脅威:Arkeiによる情報窃取から身を守る

近年、インターネットの利用が当たり前になり、それに伴い、目に見えない脅威も増加しています。その中でも、特に警戒が必要なのが、個人情報などを盗み出すことを目的とした悪意のあるソフトウェアです。これらのソフトウェアは、まるで忍者のように、コンピュータに侵入する際に足跡を残しません。そのため、知らないうちに大切な情報が盗み出され、気が付いた時にはすでに遅かったという事態になりかねません。 これらの悪意のあるソフトウェアは、金銭目的の犯罪者にとって、非常に魅力的な道具となっています。個人情報やクレジットカード情報は、闇市場で高値で取引されるため、犯罪者はあの手この手で情報を盗み出そうとします。その結果、悪意のあるソフトウェアの種類や数は、日々増加しており、私たちはその脅威に常にさらされていると言えるでしょう。 このような脅威から身を守るためには、まず、危険性を認識することが重要です。そして、セキュリティソフトの導入や、OSやソフトウェアの最新状態を保つなど、基本的な対策を徹底することが重要です。また、怪しいウェブサイトへのアクセスや、不審なメールの添付ファイルを開封しないなど、日頃の心がけも大切です。
マルウェア

2022年猛威を振るった情報窃取マルウェア「Arkei」にご用心!

- 情報窃取マルウェアとは? 情報窃取マルウェアは、皆さんのパソコンやスマートフォンに保存された、あるいは利用した様々な情報を盗み出す悪意のあるプログラムです。まるで泥棒のように、皆さんの知らない間に大切な情報を持ち去ってしまいます。 具体的には、パスワードやクレジットカード情報、インターネットの閲覧履歴などが盗まれる可能性があります。もしパスワードが盗まれてしまったら、皆さんの許可なく悪意のある人にアカウントにログインされてしまうかもしれません。クレジットカード情報が盗まれれば、不正な買い物に使われてしまう可能性もあります。また、インターネットの閲覧履歴から、皆さんの趣味や嗜好、交友関係などの個人情報が明らかになり、悪用されるかもしれません。 近年では、仮想通貨の利用が広がっていますが、情報窃取マルウェアは仮想通貨の保管場所であるウォレットの情報も盗み出そうとします。もしウォレットの情報が盗まれてしまったら、仮想通貨が盗まれてしまうかもしれません。 このように、情報窃取マルウェアは私たちの生活に大きな被害をもたらす可能性があります。情報窃取マルウェアから身を守るためには、セキュリティソフトの導入やOS・ソフトウェアのアップデートなど、適切な対策を講じることが重要です。
クラウド

進化する脅威:クラウド時代のセキュリティ対策

近年、多くの企業が情報システムにクラウドコンピューティングを採用するようになりました。場所を問わず必要なデータにアクセスできる利便性は、従来のシステムにはない大きな魅力です。しかし、その利便性と引き換えに、新たなセキュリティ上の問題点も浮上しています。 従来のシステムは社内ネットワークに守られていましたが、インターネットを通じてサービスを提供するクラウドは、攻撃者から常に狙われている状態と言えます。そのため、従来のシステムと同じセキュリティ対策を講じていても、十分な効果を発揮できない可能性があります。 例えば、クラウドサービスを利用する際の複雑な設定を誤ってしまうと、情報漏洩に繋がる危険性があります。また、悪意のある第三者によってクラウドサービスに不正アクセスされ、重要なデータが書き換えられる可能性も否定できません。 このように、クラウドコンピューティングは従来のシステムとは異なる脅威にさらされています。安心して利用するためには、クラウド特有のセキュリティリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが重要となります。
サイバー犯罪

見えない市場の脅威:ログ情報売買の実態

インターネットの深淵、普段私たちが目にしている世界とは隔絶された場所に、「ダークウェブ」と呼ばれる領域が存在します。そこは、まるで深い霧に包まれた闇市のように、違法な物品やサービスが人知れず取引される、危険な空間です。 その中でも特に悪名高いのが、「Russian Market」と名付けられた闇市場です。このサイトは、盗み出されたログイン情報や個人情報、クレジットカード番号など、本来決して表に出ることのないはずの機密情報が、驚くほど簡単に、そして堂々と売買されていることで知られています。 現実世界の闇市と同じように、この市場もまた、匿名性と秘匿性を盾に、当局の追跡を逃れています。売人も買い手も、その身元が明らかになることはほとんどありません。高度な暗号化技術や、匿名性を維持するための複雑な経路が、この違法な取引を支え、当局の捜査の手を巧みにかわしているのです。 まるで、闇のベールに包まれたかのように実態が見えにくい「Russian Market」。しかし、その存在は私たちの安全を脅かす、決して無視できない脅威なのです。
サイバー犯罪

あなたの情報も闇市場に?:個人情報売買の実態

- 見えない闇市場の実態インターネットの深淵には、普段私たちが使う検索エンジンでは決して辿り着けない、「ダークウェブ」と呼ばれる闇の世界が広がっています。まるで深い霧に包まれた海の底のように、その全貌は闇に閉ざされ、一般の人の目に触れることはありません。しかし、この見えない世界こそが、現代社会の裏側で暗躍する犯罪の温床となっているのです。ダークウェブで最も活発に行われている取引の一つに、個人情報の売買が挙げられます。クレジットカードの情報や、様々なサービスにログインするためのパスワードはもちろんのこと、住所や氏名といった重要な個人情報までが、金銭を目的に暗闇の中で売買されているのです。まるで映画の中の世界を彷彿とさせる恐ろしい現実ですが、これは紛れもない事実です。個人情報が闇市場に流出すれば、なりすましや不正アクセスといった犯罪に悪用され、私たちに甚大な被害をもたらす可能性があります。ダークウェブは、私たちが普段意識することのない、インターネットの暗い側面を象徴しています。その実態を正しく理解し、セキュリティ対策を万全にすることが、デジタル社会を安全に生きていく上で必要不可欠なのです。
サイバー犯罪

あなたの情報も売られているかも?闇サイトの現状

- 闇サイトとは -# 闇サイトとは インターネットの世界は、私たちが日々利用しているウェブサイトやサービスの他にも、様々な階層が存在します。その中で、普段私たちが目にすることのない、アクセスが制限された領域を「深層ウェブ」と呼びます。そして、その深層ウェブのさらに奥底に、犯罪の温床とも呼ばれる「闇サイト」が存在します。 闇サイトは、通常の検索エンジンで探すことはできません。アクセスするためには、「Tor(トーア)」と呼ばれる特別なソフトウェアを使い、複雑な経路を経由する必要があります。この仕組みによって、利用者の匿名性が非常に高くなるため、違法な活動の温床になりやすいのです。 闇サイトでは、麻薬や武器などの違法な物品の売買や、個人情報や金融情報の不正な取引、さらには、マルウェアやハッキングツールの売買などが行われています。また、クレジットカード情報や個人情報などの流出事件の多くは、闇サイトを通じて取引が行われた結果であるとも言われています。 闇サイトの存在は、インターネットの負の側面を象徴するものであり、私たちはその危険性を認識しておく必要があります。セキュリティ対策を万全にし、不用意に深層ウェブにアクセスしないようにすることが大切です。