攻撃手法

脆弱性

見落としがちな脅威:書式文字列攻撃とは?

- 書式文字列攻撃の概要書式文字列攻撃とは、プログラムのセキュリティ上の欠陥を突いた攻撃手法の一つです。一見何でもない普通の文字列を入力として利用しますが、実際にはプログラムの動作に影響を与える特殊な文字列を含んでいます。この特殊な文字列を「書式文字列」と呼びます。プログラムは、ユーザーからの入力を受け取り、それを元に処理を行うことがよくあります。例えば、ユーザーの名前を入力すると、プログラムはその名前を表示したり、データベースに保存したりします。しかし、悪意のある攻撃者が、プログラムが想定していない書式文字列を入力すると、プログラムは本来とは異なる動作をしてしまう可能性があります。例えば、攻撃者は書式文字列を使って、プログラムのメモリ上に保存されている重要な情報を盗み見たり、プログラムの動作を改ざんして、攻撃者にとって都合の良いようにプログラムを操作したりすることができてしまいます。書式文字列攻撃は、1999年頃に発見され、当時大きな注目を集めました。今日でも、この攻撃手法は依然として有効であり、多くのソフトウェアで発見されています。書式文字列攻撃からシステムを守るためには、プログラムが受け取る入力データを適切にチェックし、危険な文字列を無効化する必要があります。また、最新のセキュリティパッチを適用して、システムを常に最新の状態に保つことも重要です。
セキュリティ強化

Moving Target Defenseでサイバー攻撃から防御しよう

- Moving Target Defenseとは Moving Target Defense(MTD)は、サイバー攻撃に対する新しい防御戦略です。従来のセキュリティ対策は、城壁を高くして敵の侵入を防ぐことに例えられますが、MTDは、守るべきシステムの姿を常に変化させることで、攻撃を困難にするという、より積極的なアプローチです。 サイバー攻撃が成功するには、攻撃者はまずシステムの弱点を探し出す必要があります。この弱点となる部分を「攻撃対象領域」と呼びますが、MTDはこの攻撃対象領域を常に移動させることで、攻撃者の狙いを定めにくくします。 例えるならば、MTDは遊園地の射的のようなものです。静止した標的を狙うのは簡単ですが、動き続ける標的を捉えるのは至難の業です。MTDは、システムやデータを絶えず移動させることで、攻撃者にとって捉えどころのない状態を作り出し、攻撃を未然に防ぐことを目指します。
サイバー犯罪

見えない脅威:セッションハイジャックから身を守る

私たちが普段何気なく利用しているインターネットサービスですが、その裏側では、非常に複雑な情報のやり取りが実行されています。例えば、ウェブサイトを閲覧したり、オンラインショップで買い物をしたりする際、私たちの使っている端末と、サービスを提供している会社のコンピューターの間で、絶えず情報の送受信が行われています。 このやり取りをスムーズに行うために、一時的な接続状態が作られます。これが「セッション」と呼ばれるものです。 セッションは、私たちがインターネット上のサービスを利用し始めるときに確立され、サービスの利用を終了するか、一定時間が経過すると切断されます。 セッションは、インターネット上のサービスを安全に利用するために重要な役割を担っています。例えば、オンラインショップで買い物をするとき、セッションによって、私たちが商品を選び、購入手続きを進めている間、情報が他の人に漏れることなく、安全にやり取りされます。 セッションは、インターネットを安全に利用するために、なくてはならない仕組みの一つと言えるでしょう。
脆弱性

TOCTOU攻撃から身を守る!

- TOCTOU攻撃とはTOCTOU攻撃は、「Time of Check to Time of Use」の略で、確認した時と実際に利用する時の間に生じる時間差を突いた攻撃です。オンラインストアでの買い物を例に考えてみましょう。あなたは商品を選び、購入手続きに進みます。この時、システムはあなたの残高が十分かどうかを確認します。しかし、支払いが行われる前のわずかな時間に、攻撃者があなたの残高を不正に操作してしまう可能性があります。これがTOCTOU攻撃です。具体的には、攻撃者は巧妙な方法で、あなたが指定した商品の値段や数量を、チェックの後、支払いの前に変更することがあります。例えば、1,000円の商品を10個注文したつもりが、支払いの段階では10,000円の商品を10個注文させられている、といった状況です。TOCTOU攻撃から身を守るためには、常に最新の情報を確認することが重要です。特に、オンライン取引を行う際には、最終的な確認画面で金額や数量が正しいことを必ず確認しましょう。また、セキュリティ対策のしっかりした信頼できるウェブサイトを利用することも大切です。もし、身に覚えのない請求や取引履歴を見つけた場合は、すぐにサービス提供者に連絡しましょう。
不正アクセス

潜む脅威:LOLBASとシステム保護

- 悪意のあるソフトウェアの新たな戦術LOLBASとは近年、コンピュータウイルスや不正アクセスといったサイバー攻撃の手口は、日々巧妙化しています。従来のセキュリティ対策では太刀打ちできないケースも増えています。 その中でも特に警戒が必要なのが、「LOLBAS」と呼ばれる攻撃手法です。LOLBASは、「Living Off the Land Binaries and Scripts」の略称で、WindowsなどのOSに標準搭載されている正規のプログラムやスクリプトを悪用して攻撃を行うことを指します。 なぜLOLBASが脅威なのでしょうか?それは、一見すると正規のプログラムを使用しているため、セキュリティソフトの監視をかいくぐって悪意のある活動を実行できてしまう可能性があるからです。セキュリティソフトは、怪しいプログラムを検知してブロックしますが、正規のプログラムが悪用されている場合は、なかなか検知が難しく、攻撃を受けていることに気づくのが遅れてしまう危険性があります。 LOLBASでは、PowerShellやWindows Management Instrumentation(WMI)など、システム管理や自動化に使用される強力なツールが悪用されるケースが多く見られます。これらのツールは、本来はシステム管理者にとって便利な反面、攻撃者にとっても悪用しやすいという側面があります。 LOLBASへの対策としては、セキュリティソフトの最新状態を維持することに加え、PowerShellなどの強力なツールの使用状況を監視することが重要です。
サイバー犯罪

巧妙化するサイバー攻撃:コピー・ペースト攻撃とは?

近年、インターネットが社会に広く浸透し、誰もが手軽に利用できるようになりました。その一方で、インターネットを悪用した犯罪行為であるサイバー攻撃も増加傾向にあります。特に懸念されるのが、高度な知識や技術を持たない攻撃者でも容易に実行できる巧妙な攻撃が増加している点です。 従来のサイバー攻撃では、専門的な知識を持った攻撃者が、高度な技術を駆使して、特定の企業や組織を狙うというケースが多く見られました。しかし、近年では、攻撃のためのツールが闇市場で簡単に手に入るようになり、専門知識がなくても、誰でも手軽にサイバー攻撃を仕掛けることができるようになっています。 こうした攻撃の増加は、私たち一般ユーザーにとっても、もはや他人事ではありません。セキュリティソフトの導入やOSのアップデートなど、基本的な対策を怠ると、知らず知らずのうちに攻撃の被害に遭ってしまう可能性があります。 サイバー攻撃から身を守るためには、一人ひとりがセキュリティへの意識を高め、基本的な対策を徹底することが重要です。具体的には、パスワードを複雑なものにする、怪しいメールやウェブサイトを開かない、セキュリティソフトを導入する、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つといった対策が有効です。 サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、完全に防ぐことは難しいのが現状です。しかし、基本的なセキュリティ対策をしっかりと実施することで、被害に遭うリスクを大幅に減らすことが可能です。自分自身と大切な情報を守るためにも、セキュリティ対策を日常生活に取り入れていきましょう。
ネットワーク

セキュリティ対策の新潮流:ポートノッキングとその危険性

- ポートノッキングとはポートノッキングは、普段は閉鎖している特定のポートに、決められた順番で接続要求を送信することで、正しい順番を知っている人だけが接続できるようにするセキュリティ技術です。この技術は、家のドアをノックする時の暗号のようなものと考えることができます。正しい順番でノックしないとドアが開かないように、ポートノッキングでも正しい順番で接続要求を送信しないと、目的のサービスにアクセスできません。一見すると、複雑な手順を踏むためセキュリティが強化されているように思えます。しかし、実際には、ノックの順番を知っている人だけがドアを開けられるように、悪意のある第三者も手順さえ分かれば侵入できてしまう可能性を秘めています。なぜなら、ポートノッキングは接続要求のパターンを隠蔽しているだけで、通信内容自体を暗号化しているわけではないからです。そのため、ネットワークを監視し、接続要求のパターンを解析すれば、第三者であっても侵入経路を見つけることができてしまいます。ポートノッキングは、他のセキュリティ対策と組み合わせることで、一定の効果を発揮する可能性はあります。しかし、これだけに頼ったセキュリティ対策は危険と言えます。
サイバー犯罪

使い回しは危険!アカウント乗っ取りを防ぐには

- クレデンシャルスタッフィングとは -# クレデンシャルスタッフィングとは インターネット上の様々なサービスで、利用者が入力した名前やメールアドレスと、それに対応するパスワードの組み合わせは、通常、厳重に保管されています。しかし、悪意のある者が、その保管場所を見つけ出して盗み出すことがあります。そして、盗み出した大量の組み合わせのリストを使って、様々なサービスへ不正にアクセスを試みます。これが、クレデンシャルスタッフィングと呼ばれる攻撃です。 攻撃者は、盗み出した組み合わせのリストを、別のサービスに持ち込んで、不正アクセスを試みます。例えば、あるショッピングサイトから漏洩した情報を使って、動画配信サービスやオンラインバンキングにログインを試みるかもしれません。多くの人が、複数のサービスで同じパスワードを使い回しているため、攻撃者は比較的簡単に不正アクセスに成功してしまう可能性があります。 クレデンシャルスタッフィングは、私たちが普段利用しているサービスから情報が漏洩することで発生する危険性があります。そのため、パスワードを使い回さず、サービスごとに異なる複雑なパスワードを設定することが重要です。また、2段階認証などのセキュリティ対策を導入することも有効です。
サイバー犯罪

プロセス・インジェクション:見えない脅威から身を守る

- プロセス・インジェクションとは 私たちのコンピュータやスマートフォンでは、常に多くのプログラムが動いており、電子メールの送受信やインターネットの閲覧、文書作成など、様々な作業を行っています。これらのプログラムは、それぞれ独立した形で動作しており、「プロセス」と呼ばれています。 プロセス・インジェクションとは、サイバー攻撃の手法の一つで、これらの正常に動作しているプロセスに対して、悪意のあるプログラムの断片を無理やり埋め込む攻撃です。 攻撃者は、まるで密航者の様に、悪意のあるコードを他のプログラムに潜り込ませることで、セキュリティ対策をすり抜け、本来は許可されていない操作を実行しようとします。 例えば、パスワードを盗み出すプログラムを密かに埋め込まれた場合、ユーザーが気付かないうちに、重要な情報が攻撃者に送信されてしまう可能性があります。プロセス・インジェクションは、攻撃者にとって非常に強力な武器となり得るため、その仕組みや危険性を理解しておくことが重要です。
サイバー犯罪

身近に潜む脅威:ブルージャッキングから身を守るには

- ブルージャッキングとはブルージャッキングとは、スマートフォンやパソコンなど、ブルートゥース機能が有効になっている機器に対し、本来繋がるはずのない第三者から一方的にメッセージなどを送りつけられる攻撃です。ブルートゥースは、無線で機器同士を接続する技術の一つであり、無線イヤホンやスマートウォッチとの接続など、私たちの生活で広く利用されています。とても便利な技術ですが、ブルージャッキングのような危険性も潜んでいることを知っておく必要があります。ブルージャッキングは、ブルートゥースが有効になっている機器同士が、互いに通信可能な範囲内にいる場合に発生する可能性があります。攻撃者は、特殊な機器を用いることで、周囲のブルートゥース機器を探し出し、接続を試みます。そして、接続に成功すると、一方的にメッセージを送信したり、最悪の場合、機器を操作したりすることができてしまいます。ブルージャッキングの被害を防ぐためには、普段からブルートゥースをこまめに切っておくことが有効です。使用していない時はもちろんのこと、電車内など、不特定多数の人が集まる場所では特に注意が必要です。また、機器の設定画面から、接続要求に対して確認を求める設定にしておくことも有効です。見知らぬ機器からの接続要求は安易に許可せず、身に覚えのない接続要求は拒否するようにしましょう。ブルートゥースは便利な反面、危険も隣り合わせであることを認識し、適切な対策を講じるように心がけましょう。
サイバー犯罪

悪意あるデータにご用心!SQLインジェクションを防ぐ基本

現代のウェブサイトやアプリケーションの多くは、ユーザーの情報や重要なデータをデータベースに格納し、サービス提供に必要な際に取り出して利用しています。このデータベースは、いわばウェブサイトやアプリケーションの心臓部と言える重要な部分です。しかし、この重要なデータベースを狙った攻撃手法が存在し、その一つが「SQLインジェクション」と呼ばれるものです。 SQLインジェクションは、ウェブサイトやアプリケーションのセキュリティ上の脆弱性を突いて、悪意のある者が本来想定されていない不正な命令文(SQL文)をデータベースに送り込む攻撃です。攻撃者はこの不正な命令文を利用し、データベースに保存されている機密情報(個人情報やクレジットカード情報など)を盗み見たり、情報を書き換えたり、場合によってはシステム全体をダウンさせてしまうことも可能です。 データベースはウェブサイトやアプリケーションにとって非常に重要な役割を担っているため、SQLインジェクションによる被害は甚大なものになりかねません。そのため、ウェブサイトやアプリケーションの開発者は、SQLインジェクション対策をしっかりと行い、データベースを安全に運用することが求められます。
サイバー犯罪

見えない脅威:ブルージャッキングとその対策

身近な危険、ブルージャッキングとは スマートフォンやワイヤレスイヤホンなど、私たちの生活には今やBluetoothは欠かせないものとなっています。音楽を聴いたり、電話をしたり、その利便性は計り知れません。しかし、その利便性の裏側には、知らず知らずのうちに危険にさらされている可能性があることを忘れてはいけません。Bluetooth接続を悪用した「ブルージャッキング」と呼ばれる攻撃が、私たちの身近に潜んでいるのです。 ブルージャッキングとは、Bluetooth接続を悪用し、本来繋がるはずのない相手のデバイスに、一方的にメッセージや画像、音声を送りつける攻撃手法です。例えば、街中でスマートフォンを使用中に、突然見知らぬ相手からのメッセージが表示されたり、不快な画像や音声が流れてくることがあります。これはまさに、ブルージャッキングの被害に遭っている可能性があります。恐ろしいことに、被害者はBluetoothをオンにしているだけで、加害者側の視覚的な範囲内にいるだけで、この攻撃の対象となってしまうのです。 ブルージャッキングの被害は、一方的に情報が送りつけられるだけにとどまりません。場合によっては、個人情報が漏洩してしまうリスクも孕んでいます。そのため、Bluetoothは使用時以外はオフにする、身に覚えのないデバイスとの接続は拒否するなど、一人ひとりがセキュリティ意識を高め、自衛策を講じることが重要です。