機密情報

データ保護

FOUOとは?機密性と公開の狭間にある情報

- 公務用のみの情報とは? 「公務用のみ」とは、英語の“For Official Use Only”の略語で、FOUOと表記されます。これは、アメリカ合衆国政府、特に国防総省が、文書やデータに付与する指示の一つです。機密情報とまでは言えないものの、一般に公開することが適切でないと判断された場合に、この「公務用のみ」という指示が用いられます。 機密情報は、その漏洩が国の安全保障や利益に深刻な損害を与える可能性があるため、厳重に保護されます。一方、公開情報は誰でも自由に閲覧や利用が可能です。 「公務用のみ」の情報は、機密情報と公開情報の中間に位置するものであり、いわばグレーゾーンの情報と言えるでしょう。例えば、組織内部の業務手順書や、個人のプライバシーに関わる情報などが挙げられます。これらの情報は、業務の円滑な遂行や個人の権利保護のために、限定された範囲内でのみ取り扱われる必要があります。 「公務用のみ」の情報は、機密情報ほどではありませんが、漏洩した場合、組織の信用を失墜させたり、個人の権利を侵害する可能性があります。そのため、取り扱いには十分な注意が必要です。
データ保護

意外と知らないCUI: あなたの情報資産を守るために

- CUIとはCUIとは、「管理された非機密情報」という意味で、アメリカ合衆国政府によって定められた情報区分のことを指します。機密情報のように厳重な管理は求められていませんが、漏洩した場合には国の安全や企業の利益、個人のプライバシー等に悪影響を及ぼす可能性がある情報です。私たちの身の回りにもCUIは存在しています。例えば、企業が保有する顧客情報や技術情報、金融機関が扱う口座情報、医療機関が管理する患者情報などが挙げられます。これらの情報は、機密情報と比べると公開されている範囲も広く、一見すると重要ではないように思えるかもしれません。しかし、これらの情報が悪用されると、企業活動の停滞や個人情報の漏洩、社会的な混乱を招く可能性があります。そのため、CUIは適切に管理し、漏洩や不正アクセスから守ることが重要です。具体的には、情報を扱う担当者への教育や、アクセス制限、暗号化などのセキュリティ対策を講じる必要があります。また、情報資産の重要度に応じて、適切な管理体制を構築することも大切です。CUIは、決して私たちにとって遠い存在ではありません。CUIへの理解を深め、適切な情報管理を心がけることが、安全な情報社会の実現につながると言えるでしょう。
セキュリティ強化

米国における最高機密情報へのアクセス:TS/SCIクリアランスとは

- 機密情報の宝庫TS/SCIクリアランスの概要TS/SCIとは、Top Secret/Sensitive Compartmented Informationの略で、アメリカ合衆国政府が扱う機密情報へのアクセス権の中でも、最高レベルの権限を示すものです。これは、国の安全保障に深く関わる極秘情報や、サイバー攻撃への対処など、非常に機密性の高い作戦に関する情報を取り扱うために必要とされます。TS/SCIクリアランスを取得するためには、非常に厳しい審査を通過しなければなりません。まず、徹底的な身辺調査が行われます。これは、過去の犯罪歴や薬物使用歴はもちろんのこと、経済状況や交友関係、さらには思想や信条まで細かく調べられます。また、ポリグラフ検査(嘘発見器)や複数の人物からの身元保証も必要となります。これほどまでに厳しい審査を課すのは、TS/SCIクリアランスでアクセスできる情報が、国の安全保障や国民の生命・財産に重大な影響を与える可能性があるためです。万が一、これらの情報が漏洩した場合、国家の安全保障が脅かされるだけでなく、国際的な信頼関係にも大きな影響を与える可能性があります。TS/SCIクリアランスは、政府機関や軍関係者だけでなく、防衛産業や情報通信技術関連企業など、国家安全保障に関わる業務に従事する民間企業の従業員にも求められることがあります。クリアランスを取得することで、より機密性の高い業務に携わることができ、国家安全保障の一翼を担うことができます。
ネットワーク

国防総省の「グレー・ネットワーク」構想:安全な情報アクセスを実現する仕組みとは

今日の戦闘は、目まぐるしく変わる状況の中で、素早く的確に状況を判断し、行動することが求められます。最前線で戦う兵士や指揮官にとって、刻一刻と変化する戦況を把握し、適切な判断を下すためには、リアルタイムの情報へのアクセスが欠かせません。この情報は、作戦の成功だけでなく、兵士一人ひとりの命を守る上でも非常に重要です。しかし、重要な軍事情報へのアクセスは、常に危険と隣り合わせです。特に、通信インフラが脆弱な戦場や災害派遣の現場では、情報の漏洩や不正アクセスを防ぐことが非常に困難になります。機密情報が敵の手に渡れば、作戦の失敗や、さらに多くの犠牲者を出してしまうリスクも高まります。そのため、いかなる状況下でも、重要な情報を守りながら、必要な情報にアクセスできるような、強固なセキュリティシステムの構築が急務となっています。