産業用システム

ネットワーク

強固なセキュリティ対策: データダイオードとは

- データダイオードの概要昨今、企業や組織にとって、顧客情報や企業秘密といった重要な情報をサイバー攻撃から守ることは、事業継続の観点からも喫緊の課題となっています。こうした中、従来のソフトウェアによる防御策に加え、ハードウェアを用いたより強固なセキュリティ対策として注目を集めているのが「データダイオード」です。データダイオードは、その名の通り、電気信号を一方通行にのみ流す「ダイオード」の仕組みをネットワークに適用したものです。 特定の方向へのデータ送信だけを許可し、逆方向からのアクセスを物理的に遮断することで、外部からの侵入や情報漏洩を根本から防ぎます。 例えば、セキュリティレベルの低いネットワークから、機密情報が保管されている重要なネットワークへのアクセスを遮断するといった形で運用されます。従来のソフトウェアベースのセキュリティ対策では、設定の誤りや、未知の脆弱性を突いた攻撃によって突破されてしまうリスクが常に存在します。しかし、データダイオードは物理的な分離を行うため、こうしたリスクを大幅に低減できます。仮に、攻撃者が低セキュリティ側のネットワークに侵入したとしても、データダイオードを通過して重要な情報にアクセスすることは不可能です。このように、データダイオードは堅牢なセキュリティ対策として、特に電力、金融、政府機関といった機密性の高い情報を扱う組織において、重要な役割を担っています。
セキュリティ強化

安全計装システム:産業を守る砦

- はじめに 現代社会において、工場やプラントなどの産業施設は、私たちの生活に欠かせない存在となっています。電力やガス、石油、化学製品など、日常生活に必要不可欠な製品の多くは、これらの施設で生産されています。しかし、このような重要な施設は、同時に大きなリスクも抱えています。火災や爆発、有毒物質の漏洩といった事故が発生した場合、私たちの生活や環境に深刻な影響を及ぼす可能性があるからです。 そこで、これらのリスクを最小限に抑え、安全な操業を維持するために、安全計装システム(SIS)が非常に重要な役割を担っています。 SISは、センサーや制御システム、緊急遮断装置などを組み合わせることで、異常な状況をいち早く検知し、自動的に安全を確保するためのシステムです。例えば、温度や圧力が異常に上昇した場合、SISは自動的に装置を停止させたり、冷却システムを作動させたりすることで、火災や爆発といった重大な事故を未然に防ぎます。 このように、私たちの生活と安全を守る上で、SISは非常に重要な役割を担っています。
IoT

重要インフラを狙うサイバー攻撃からRTUを守るには

- RTUとは -遠方監視制御装置-の略であるRTUは、工場や発電所、上下水道施設など、社会インフラにおいて重要な役割を担っています。 これらの施設では、機器の状態を常に監視し、適切に制御することが不可欠です。RTUは、まさにそのためのシステムであり、離れた場所から機器の監視や制御を可能にします。 具体的には、ダムの水位を計測するセンサーや、パイプラインのバルブを開閉するアクチュエータといった機器と接続し、現場の状況をリアルタイムで把握します。そして、その情報を中央の制御システムに送信したり、逆に、中央からの指示を現場の機器に伝えたりすることで、システム全体の安定稼働を支えています。 近年では、RTUと制御システム間の通信にインターネット技術が活用されるケースが増加しており、利便性が向上する一方で、サイバー攻撃の脅威にさらされるリスクも高まっています。外部からの不正アクセスによってシステムが乗っ取られれば、機器の誤作動やデータの改ざん、サービスの停止など、甚大な被害につながりかねません。そのため、セキュリティ対策を強化し、システムを強固に保護することがこれまで以上に重要となっています。