無効になったプライバシーシールドとは?企業が取るべき対策とは
- プライバシーシールドとは
プライバシーシールドは、ヨーロッパ連合(EU)に住む人々の個人情報を、EU域外の国であるアメリカ合衆国へ転送する際に、適切な保護措置をとる企業に対して、2016年から2020年まで認められていた法的枠組みです。
この枠組みは、EUの一般データ保護規則(GDPR)の要求事項を満たすために作られました。GDPRは、個人情報の取り扱いに関する厳しいルールを定めており、EU域内の企業だけでなく、EU域外へ個人情報を転送する企業にも適用されます。
具体的には、プライバシーシールドの認定を受けたアメリカ合衆国の企業は、EUの人々の個人情報を扱う際に、EUと同等のレベルの保護を提供することを約束していました。これは、EUの人々の個人情報が、アメリカ合衆国の企業によって適切に取り扱われ、許可なく利用されたり、漏洩したりすることがないようにするためのものです。
しかし、2020年7月、ヨーロッパ司法裁判所は、プライバシーシールドを無効とする判決を下しました。これは、アメリカ合衆国の法律では、EUの人々の個人情報が、政府機関によるアクセスから十分に保護されないという懸念によるものです。
この判決により、EUからアメリカ合衆国への個人データの転送は、より複雑になり、企業は別の法的枠組みに基づいて、個人データの転送を行う必要が生じました。