脅威アクター

セキュリティ強化

広がる脅威から守る!アタックサーフェスの重要性

- 攻撃の足がかりとなるもの 情報システムを狙う攻撃者は、まるで家に侵入しようとする泥棒のように、様々な場所を調べて侵入経路を探します。そして、侵入に利用できそうな箇所を見つけると、そこを足がかりにしてシステム内部への侵入を試みます。この、攻撃者が侵入経路として利用可能な箇所全体を「攻撃対象領域」と呼びます。 では、具体的にどのような箇所が攻撃対象領域になりうるのでしょうか? 家の例で考えると、ドアや窓は誰でも侵入経路として思い浮かびますよね。しかし、それだけではありません。換気扇や郵便受け、場合によっては屋根の隙間なども、侵入に利用されてしまう可能性があります。つまり、外部からアクセス可能な箇所は、全て攻撃対象領域になりうるのです。 情報システムにおいても同様です。企業が公開しているウェブサイトや顧客向けサービスを提供するアプリケーション、ネットワークに接続するためのポートなど、様々な箇所が攻撃対象領域となりえます。さらに、従業員が業務で使用するパソコンやスマートフォン、USBメモリなどの外部記憶装置も、攻撃者が侵入経路として利用する可能性があります。 このように、攻撃対象領域は多岐に渡る可能性があります。セキュリティ対策を講じる上では、自社の情報システムにおいて、どのような箇所が攻撃対象領域となりうるのかを把握することが重要です。
サイバー犯罪

サイバー空間の新たな脅威:ハクティビスト集団「Zarya」とは

2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、世界は大きく揺るがされています。戦争の影響は現実の世界にとどまらず、インターネットを通じてサイバー空間にも新たな脅威をもたらしています。 その一つとして、親ロシアのハクティビスト集団「Zarya」の存在が挙げられます。この集団は、同じく親ロシアのハクティビスト集団である「CyberSpetsnaz」から派生したグループとして、2022年4月頃に誕生したとされています。「ハクティビスト」とは、政治的な目的を達成するためにハッキングを行う集団や個人のことを指します。 「Zarya」は、高度な技術を持つハッカー集団として知られており、その活動は日に日に活発化しています。彼らの主な標的となっているのは、NATO加盟国やその関連機関です。具体的には、政府機関や重要インフラ、企業などに対して、ウェブサイトの改ざんや情報漏洩といったサイバー攻撃を仕掛けています。彼らの攻撃は、標的とする組織の活動に混乱を引き起こし、ロシアへの敵対心を弱めようとする意図があると見られています。 ウクライナ侵攻をきっかけに、サイバー空間は新たな局面を迎えています。私たち一人ひとりが、このような新たな脅威に対する意識を高め、セキュリティ対策を強化していくことが重要です。
サイバー犯罪

信頼を悪用した攻撃:LOTSとは?

- 身近なサイトからの脅威近年、LOTS(Living off Trusted Sites)と呼ばれるサイバー攻撃手法が目立つようになってきました。LOTS攻撃は、GitHub、Google Drive、OneDrive、Dropbox、Notionなど、多くの人が日常的に利用し、信頼を寄せているウェブサイトを悪用するのが特徴です。これらのサイトは、一般的に安全だと認識されているため、セキュリティ対策ソフトによる検知を回避しやすく、攻撃者は悪意のある活動を容易に行うことができてしまいます。LOTS攻撃では、攻撃者は正規のウェブサイトに、悪意のあるファイルやプログラムをアップロードします。そして、メールやSNSなどを使い、巧妙に偽装したリンクを送りつけ、利用者を誘導します。リンクをクリックした利用者は、正規のウェブサイトにアクセスしたと認識したまま、悪意のあるファイルやプログラムをダウンロードしてしまうのです。その結果、パソコンやスマートフォンがウイルスに感染したり、重要な情報が盗み取られたりするなどの被害に遭ってしまいます。LOTS攻撃から身を守るためには、日頃からセキュリティ対策を意識することが重要です。信頼できるウェブサイトだからといって、安易にファイルやプログラムをダウンロードしないようにしましょう。不審なリンクはクリックせず、アクセスする前に必ずウェブサイトのアドレスを確認することが大切です。また、セキュリティ対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも有効な対策です。日頃からこれらの点に注意し、LOTS攻撃から大切な情報資産を守りましょう。
サイバー犯罪

サイバー攻撃の黒幕:TAを知る

- サイバー攻撃の背後に潜む者たち サイバー攻撃というと、どこか遠い世界で起きている特別な出来事のように感じられるかもしれません。しかし実際には、世界中で毎日のように発生しており、企業や個人を問わず、誰もが被害に遭う可能性があるのです。まるで、インターネットという広大な海を航海する私たちを狙う、海賊のような存在がいると言えるでしょう。そして、これらの攻撃の裏には、必ずと言っていいほど「脅威アクター」と呼ばれる人物や組織が存在します。 脅威アクターは、高度な技術と明確な目的を持ち、組織的にサイバー攻撃を仕掛けてきます。金銭目的の犯罪集団もいれば、国家の指示を受けて機密情報を狙うスパイ組織のような集団も存在します。彼らは、まるで熟練した職人のように、様々なツールや戦略を駆使して、私たちの情報を盗み、システムを破壊しようと試みてくるのです。 彼らの手口は巧妙化しており、従来のセキュリティ対策だけでは太刀打ちできない場合も少なくありません。そのため、私たち一人ひとりが、セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要になってきています。自分を守るための知識を身につけ、脅威アクターたちの魔の手から、大切な情報やシステムを守り抜きましょう。