脅威情報

サイバー犯罪

つながりを悪用する攻撃から身を守る!

- 繋がりを悪用した攻撃とは? 現代社会において、企業は様々な協力会社と連携し、複雑なネットワークを築きながら事業を行っています。この協力関係は、業務効率を高めたり、新しい価値を生み出したりと、多くの利点をもたらします。しかし同時に、サイバー攻撃の侵入口となる危険性も孕んでいるのです。近年、この協力関係の繋がりを巧みに利用したサイバー攻撃が増加し、大きな脅威となっています。 従来のサイバー攻撃では、標的となる企業のシステムに直接侵入を試みるケースが多く見られました。しかし、セキュリティ対策の高度化に伴い、直接侵入が困難になっている現状があります。そこで、攻撃者は標的企業と繋がりのある協力会社に目をつけ、セキュリティの弱い部分を狙って侵入を試みるようになったのです。 例えば、セキュリティ対策が比較的脆弱な中小企業が、大企業のサプライチェーンの一部に組み込まれているケースを考えてみましょう。攻撃者は、この中小企業のシステムに侵入し、そこから最終的な標的である大企業のシステムへのアクセスを試みます。このように、繋がりを悪用した攻撃は、直接攻撃よりも成功率が高く、大きな被害をもたらす可能性があります。 このような攻撃から身を守るためには、自社のセキュリティ対策を強化するのはもちろんのこと、協力会社に対してもセキュリティ対策の重要性を認識させ、適切な対策を講じてもらうことが重要になります。 繋がることで生まれる新たなリスクを認識し、適切な対策を講じることで、安全なビジネス環境を構築していく必要があるでしょう。
マルウェア

医療機関を狙うランサムウェア「Maui」の脅威

- Mauiランサムウェアとは Mauiランサムウェアは、北朝鮮と関係があるとされるサイバー攻撃集団「Andariel」によって開発、運用されていると考えられています。このランサムウェアは2021年に初めて確認されて以来、世界中の組織に対して攻撃を仕掛けてきました。特に医療機関を狙った攻撃が多いことが特徴で、FBIやCISAなどのセキュリティ機関が注意を呼びかけています。 Mauiは、標的のシステムに侵入すると、重要なファイルやデータベースなどを暗号化し、アクセスできない状態にしてしまいます。そして、その復号と引き換えに身代金を要求してきます。身代金は通常、仮想通貨で支払うように要求されます。 医療機関は人命に関わる重要なデータを扱っており、サイバー攻撃によってシステムが停止してしまうと、患者の治療や手術に大きな影響が出る可能性があります。そのため、サイバー犯罪者は医療機関が身代金の支払いに応じる可能性が高いとみて、格好の標的にしていると考えられます。 Mauiランサムウェアによる被害を防ぐためには、システムの脆弱性を解消するためのセキュリティ更新プログラムを迅速に適用すること、そして、不審なメールやウェブサイトへのアクセスを避けるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。
脆弱性

セキュリティ対策の優先順位付けに!KEVとは?

- はじめに 現代社会において、情報技術は必要不可欠なものとなり、企業活動もその多くがネットワークに依存するようになりました。しかし、その一方で、日々巧妙化するサイバー攻撃の脅威にも晒されています。攻撃者は、システムの脆弱性を突いて機密情報を盗み出したり、業務を妨害したりと、様々な方法で企業に損害を与えようとしてきます。 企業は、このような脅威から自身を守るため、セキュリティ対策に多大な時間と費用を投じています。しかし、セキュリティ対策は、やみくもにあらゆる対策を講じれば良いというものではありません。限られた資源の中で、より効率的かつ効果的にセキュリティレベルを向上させるためには、どこに焦点を当てるべきかを明確にする必要があります。 そこで注目されているのが、KEV(Known Exploited Vulnerabilities Catalog)です。KEVは、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が公開しているデータベースであり、実際に攻撃に悪用されたことが確認されている脆弱性に関する情報がまとめられています。過去の攻撃事例から、どのような脆弱性が悪用されやすいのか、どのシステムが狙われているのかを把握することで、企業はより的確にセキュリティ対策を講じることができるようになります。 KEVは、膨大な数の脆弱性の中から、優先的に対処すべきものを選定する上で非常に有用なツールと言えます。