脆弱性

ハードウェア

QNAPを狙うランサムウェアからデータを守る!

- ネットワーク接続型ストレージとは ネットワーク接続型ストレージは、「NAS」という略称で呼ばれ、家庭やオフィスに設置して使用する、ファイルを保存するための専用の機械です。 従来のパソコンとは違い、ネットワークに直接接続することで、複数のパソコンやスマートフォンなどから、保存されているデータにアクセスできるようにします。 例えば、家族みんなが撮影した写真や動画、音楽などをNASに保存しておけば、リビングのテレビで視聴したり、外出先からスマートフォンで閲覧したりすることが可能になります。 また、仕事用の書類やデータを保存しておけば、複数の人と共有して、同時に作業を進めることもできます。このように、NASは、自宅やオフィスなど、様々な場所で便利に使えるシステムです。
脆弱性

PwnKit:その脅威と対策

- はじめにと昨今、悪意のあるサイバー攻撃の手口は巧妙化の一途を辿っており、コンピューターシステムの弱点をついた攻撃が増加しています。セキュリティ対策の重要性が叫ばれる中、特にLinuxシステムにとって「PwnKit」と呼ばれる脆弱性は深刻な脅威として認識されています。PwnKitは、本来はシステムを操作する権限を持たない攻撃者が、システム全体を管理する最高権限である「root権限」を不正に取得することを可能にする脆弱性です。 root権限を取得されると、攻撃者はシステム内の重要な情報を盗み出したり、システム全体を改ざんしたり、サービスを停止させるなど、甚大な被害をもたらす可能性があります。 この脅威からシステムを守るためには、PwnKitの危険性について正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。PwnKitは決して他人事ではありません。企業はもちろんのこと、個人でパソコンやサーバーを運用している方も、PwnKitの脅威に備える必要があります。
サイバー犯罪

EternalBlue: インターネットの脅威

- 脆弱性の発見インターネットの世界において、私たちが日常的に利用するソフトウェアやシステムは、常に危険にさらされています。その脅威の一つとして、「脆弱性」と呼ばれる、システムの欠陥をついた攻撃があります。今回は、「エターナルブルー」という攻撃ツールを例に挙げながら、脆弱性について詳しく解説していきます。エターナルブルーは、世界中に衝撃を与えた攻撃ツールです。このツールは、マイクロソフト社のWindowsというOSで広く使われているファイル共有機能であるSMBプロトコルに存在する脆弱性を突くことで、攻撃者が、標的となるコンピュータを遠隔から操作することを可能にします。遠く離れた場所から、まるでそのコンピュータを直接触っているかのように操作できてしまうのです。このエターナルブルーは、本来、アメリカ国家安全保障局(NSA)と呼ばれる組織によって、機密情報を入手するために開発されたと言われています。しかし、2017年にハッカー集団によって盗み出され、インターネット上に公開されてしまいました。その結果、世界中でこの脆弱性を悪用した攻撃が拡散し、大きな被害をもたらしました。この事例からわかるように、脆弱性は、発見されずに放置されると、私たちが知らないうちに悪用され、大きな被害につながる可能性があります。そのため、日頃から脆弱性に関する情報収集を行い、適切な対策を講じることが重要です。
マルウェア

Playランサムウェアの脅威から身を守る

- PlayランサムウェアとはPlayランサムウェアは、2022年に初めて姿を現した比較的新しいランサムウェアですが、その被害は世界中に広がりを見せており、深刻な脅威となっています。日本も例外ではなく、多くの企業や組織がその被害に遭っています。Playランサムウェアの特徴は、二重の脅迫を用いる点にあります。まず、感染したコンピュータ内の重要なデータを見つけ出し、暗号化します。暗号化されたデータは、特別な鍵がない限り復元することができません。次に、Playランサムウェアは、その鍵と引き換えに身代金を要求する脅迫状を表示します。脅迫状には、身代金を支払わなければ、盗み出したデータをインターネット上で公開すると書かれています。まるで「遊び」とでも言うかのように、重要なデータを暗号化し、企業活動を停止させてしまうことから、Playランサムウェアと名付けられたと言われています。Playランサムウェアは、主にメールの添付ファイルを介して感染します。そのため、不審なメールを開封しない、添付ファイルを開く際は送信元を注意深く確認するなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。もしPlayランサムウェアに感染してしまった場合、身代金の支払いは推奨されていません。なぜなら、身代金を支払ったとしても、データが復元される保証はなく、さらなる攻撃の標的となる可能性もあるからです。感染が確認された場合は、速やかに専門機関に相談し、適切な対応を取りましょう。
サイバー犯罪

ESXiを狙うランサムウェアからシステムを守るために

- 仮想化基盤の中核ESXiとはESXi(いー・えす・えっくす・あい)は、多くの企業で導入されている仮想化技術において中心的な役割を担うソフトウェアです。物理的なサーバーにESXiをインストールすることで、サーバーが持つ計算能力や記憶容量といった資源を効率的に活用し、複数の仮想マシンを動作させることができます。従来の物理サーバー環境では、サーバー一台ごとにひとつの業務システムが稼働するのが一般的でした。しかし、仮想化技術を用いることで、高性能なサーバー上であたかも複数のサーバーが存在しているかのように複数の業務システムを稼働させることが可能になります。 これは、従来型の物理サーバー環境と比較して、コスト削減、運用効率の向上、柔軟性の向上など、多くのメリットをもたらします。例えば、従来はサーバーを増設する場合、機器の購入から設置、設定まで多くの時間と費用が必要でした。しかし、仮想化環境であれば、新たな仮想マシンを作成し、必要な資源を割り当てるだけで容易にシステムを拡張できます。また、物理サーバーの台数が減ることで、消費電力や設置スペースの削減にもつながります。ESXiは、ヴイエムウェア社が提供するvSphereという仮想化ソリューションの基盤となるソフトウェアです。 vSphereは、ESXiに加えて、仮想マシンの集中管理やネットワーク機能など、仮想化環境に必要な機能を提供しており、多くの企業システムにとって重要な役割を担っています。
メール

時代遅れのPPAP:安全なファイル送信のために

- PPAPとは?-PPAPとは?-PPAPとは、「Password付きZIPファイルを送ります、Passwordを送ります、Angoka(暗号化)Protocol(プロトコル)」のそれぞれの単語の頭文字を繋げた言葉です。これは、電子メールでファイルをやり取りする際の手順を指しています。具体的には、まずパスワードで保護したZIP形式のファイルを電子メールで送り、その後、別の電子メールでパスワードを伝えるという方法です。一見すると、パスワードで保護することでセキュリティ対策をしているように思えますが、実際には多くのセキュリティ上の問題点が指摘されています。まず、パスワードで保護したZIPファイルとパスワードを別々の電子メールで送信する場合、仮にどちらかの電子メールが第三者に盗聴されてしまった場合、もう一方の電子メールも容易に解読されてしまう可能性があります。これは、鍵と鍵穴を別々に送っているようなものであり、セキュリティ上非常に危険な状態と言えるでしょう。さらに、PPAPで使用されるZIPファイルの暗号化方式には、脆弱性が発見されているものも存在します。そのため、悪意のある第三者によってZIPファイルが解読され、ファイルの内容が盗み見られてしまうリスクも考えられます。これらの問題点から、現在ではPPAPはセキュリティの専門家の間では推奨されない方法となっています。ファイルのやり取りを行う際には、PPAPではなく、より安全な方法を選択することが重要です。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本!こまめなアップデートを

- アップデートとは日々何気なく使っているパソコンやスマートフォン、そしてその中で動くソフトウェア。これらを最新の状態に保つためのものが、アップデートです。アップデートによって、新しい機能が追加されて私たちの生活がより便利になったり、動作が軽快になって使い心地が向上したりします。しかし、アップデートには、それ以上に重要な役割があります。それは、私たちの大切な情報や機器を、悪意のある攻撃から守ることです。インターネット上には、システムのわずかな弱点を見つけ出し、そこを突いて攻撃を仕掛けてくる者が後を絶ちません。彼らが使う手口は日々進化しており、私たちが知らない間に危険にさらされる可能性もあります。アップデートは、まるで家の壁を補強したり、最新のセキュリティシステムを導入したりするように、発見された弱点に対する修正を施し、新たな攻撃手法に対する防御策を講じることで、私たちの安全を維持します。もしもアップデートを怠ると、まるで古い鍵のかかっていない家に住み続けるようなもので、危険にさらされやすくなってしまいます。常に最新の状態を保つことで、安心して快適に、そして安全にデジタル社会を生きていくことができるのです。
不正アクセス

権限昇格:攻撃者が狙う「管理者」への道

- はじめにと 情報セキュリティの世界は、まさに戦場です。悪意を持った攻撃者は、あの手この手で私たちの大切な情報に侵入しようと企んでいます。彼らは、まるで忍び寄る影のように、システムの隙を狙い、機密情報や個人情報の奪取、あるいはシステムの破壊といった大きな被害をもたらす可能性があります。 攻撃の手口は実に様々ですが、今回はその中でも、侵入後に攻撃者がよく用いる「特権昇格」と呼ばれる攻撃に焦点を当てて解説します。 「特権昇格」とは、攻撃者がシステムに侵入した後、通常の利用者よりも高い権限を不正に取得することを指します。この高い権限を手に入れることで、攻撃者はシステムを自由に操作できるようになり、より深刻な被害をもたらす可能性があります。 この資料では、特権昇格攻撃の仕組みや脅威、そして具体的な対策方法について詳しく解説していきます。この資料を通して、特権昇格攻撃に対する理解を深め、適切な対策を講じることで、皆様の大切な情報資産を守りましょう。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の鍵!アウトオブバンドを理解する

- アウトオブバンドとはアウトオブバンド(OOB)とは、情報技術や安全対策の分野で、普段使われている通信経路や方法とは別の手段を指す言葉です。まるで、普段使っている道路が混雑している時に、脇道や抜け道を使うように、通常の通信経路以外を使って情報や信号を送受信します。例えば、システム管理の場面では、アウトオブバンドは管理者が通常のネットワークを経由せずに、別の経路で機器に接続し、操作することを意味します。これは、例えば、ネットワークに障害が発生して通常の経路が使えなくなった場合でも、機器にアクセスして復旧作業を行うために役立ちます。また、セキュリティ対策の観点からもアウトオブバンドは重要です。もし、悪意のある第三者に通常のネットワークを介してシステムに侵入されてしまった場合でも、アウトオブバンドの経路が生きていれば、侵入者の影響を受けずにシステムの状態を確認したり、システムを制御したりすることができます。アウトオブバンドを実現する具体的な方法としては、シリアルコンソール接続、専用の管理ネットワーク、携帯電話回線を用いたモデム接続などが挙げられます。これらの方法は、通常のネットワークとは独立しているため、ネットワーク上の問題の影響を受けにくいというメリットがあります。アウトオブバンドは、システムの可用性と安全性を高めるために非常に有効な手段です。システム管理者は、アウトオブバンドの仕組みを理解し、適切に導入することで、緊急事態にも対応できる強固なシステムを構築することができます。
セキュリティ強化

OpenSSLの脆弱性とセキュリティ対策

OpenSSLとは、インターネット上でやり取りされるデータを保護するための技術である暗号技術を提供するソフトウェアの集まりです。誰でも無償で利用でき、改造も自由にできるという特徴があります。インターネットは、情報を世界中に瞬時に届けることができる便利な反面、その情報を盗み見たり、改ざんしたりする危険性も孕んでいます。OpenSSLは、こうした危険から情報を守るための「盾」の役割を果たします。 例えば、私たちが普段利用するインターネットバンキングやオンラインショッピングでは、個人情報やクレジットカード情報など、重要なデータを送受信します。もし、これらの情報が暗号化されずにそのまま送られていたら、第三者に盗み見られてしまう可能性があります。OpenSSLは、これらの情報を暗号化することで、たとえ第三者に盗み見られたとしても、内容が解読できないように保護します。 OpenSSLは、世界中の多くの企業や組織で利用されており、インターネットセキュリティの基盤を支える重要な役割を担っています。 OpenSSLの信頼性と柔軟性の高さから、様々なシステムに組み込むことができ、インターネット上での安全なデータ通信を実現しています。
セキュリティ強化

sudoを使いこなす:セキュリティと利便性の両立

- sudoとは普段パソコンを使う際、皆さんはそれぞれ自分のアカウントで作業をしていると思います。これは、各自のデータや設定を他の利用者から保護し、システム全体を安定して動作させるために必要な仕組みです。しかし、時にはシステムの設定を変更したり、特定のプログラムをインストールするなど、より深いレベルでの操作が必要になる場合があります。このような場合に役立つのが「sudo」コマンドです。「sudo」は「superuser do」の略で、その名の通り、通常はシステム全体の管理者である「rootユーザー」だけが実行できる強力な操作を、一時的に許可するコマンドです。 rootユーザーはシステムへの完全なアクセス権を持つため、もしパスワードが漏洩したり、悪意のあるプログラムに悪用されたりすると、システム全体が危険にさらされる可能性があります。そこで、普段は権限の低い一般ユーザーアカウントを使用し、必要になった時だけ「sudo」を使って管理者権限で操作を行うことで、リスクを最小限に抑えることができるのです。「sudo」コマンドを使用する際は、実行するコマンドの前に「sudo」と入力し、その後ろに実行したいコマンドを続けます。すると、システムはパスワードの入力を求めてきますが、これはrootユーザーのパスワードではなく、現在使用しているユーザー自身のパスワードです。このように、sudoはrootユーザーのパスワードを直接扱うことを避けることで、セキュリティをさらに強化しています。「sudo」は、システム管理者でなくとも、LinuxやmacOSなどのUNIX系システムを使う上で知っておくべき重要なコマンドです。正しく使うことで、安全かつ効率的にシステムを管理することができます。
脆弱性

知っておきたい情報セキュリティ:脆弱性とは?

「脆弱性」とは、コンピューターやその上で動くプログラムに見られる、攻撃者に悪用されかねない弱点や欠陥のことを指します。これは、システムの設計や開発、運用時におけるミスや不備が原因で生じることが多く、結果としてセキュリティ上の大きなリスクとなります。 例えるなら、家のドアに鍵のかけ忘れがあるようなものです。これは家の設計上の問題ではなく、住人の不注意による運用上のミスと言えます。このようなミスは、泥棒にとって格好の侵入経路を提供してしまうことになります。 同様に、コンピューターシステムにも、プログラムの書き間違いや設定の誤りなど、様々な脆弱性が潜んでいる可能性があります。攻撃者はこれらの脆弱性を突いて、情報を盗み出したり、システムを破壊したりする可能性があります。 セキュリティ対策において、脆弱性への理解は欠かせません。システムの利用者は、常に最新の情報を入手し、適切な対策を講じる必要があります。また、開発者は、セキュリティを考慮した設計と開発を行い、脆弱性の発生を最小限に抑えるよう努める必要があります。
脆弱性

ハードコーディングの危険性

- ハードコーディングとはプログラムを作る際、例えばウェブサイトへの接続に必要なパスワードやデータベースの場所といった様々な情報を、プログラムに教えてあげる必要があります。この時、その情報をプログラムのソースコードの中に直接書き込んでしまうことを「ハードコーディング」と言います。一見すると、ハードコーディングは手軽で簡単な方法に思えます。必要な情報をその場に書き込むだけで、プログラムはすぐに動作するからです。しかし、これは非常に危険な行為です。なぜなら、ソースコードは誰でも閲覧できる可能性があるからです。もし、悪意のある人物がソースコードを盗み見てしまったらどうなるでしょうか? ハードコーディングされたパスワードや重要な情報は、簡単に盗み取られてしまいます。これは、家の鍵を玄関マットの下に隠しておくようなもので、セキュリティ上非常に危険な状態です。ハードコーディングの危険性を避けるためには、「設定ファイル」などを利用する方法があります。これは、重要な情報をソースコードとは別のファイルに保存し、プログラムはそのファイルから情報を読み込むという仕組みです。こうすることで、仮にソースコードが流出してしまっても、重要な情報が漏洩するリスクを減らすことができます。ハードコーディングは便利に見えて、実はセキュリティ上の大きなリスクを抱えています。プログラムを作る際は、安易にハードコーディングに頼ることなく、セキュリティを意識した設計を心がけましょう。
サイバー犯罪

npmのセキュリティリスクと対策

- npmとは npm(Node Package Manager)は、JavaScriptの実行環境であるNode.jsと共に提供されるパッケージ管理システムです。これは、ウェブサイトやウェブアプリケーションを開発する際に必要となる様々な機能を持ったソースコードの塊(パッケージ)を、インターネット上のデータベース(npmレジストリ)から検索し、簡単にインストールできるようにするものです。 例えば、カレンダー表示機能や、画像をスライドショーで表示する機能など、ウェブサイトに様々な機能を追加したい場合、npmを使えば、世界中の開発者が作成し公開している豊富なパッケージの中から必要なものを探し出し、自分のプロジェクトに組み込むことができます。 従来、開発者は必要な機能をゼロから自分で開発するか、他の開発者が作成したコードをインターネット上で探し出して自分のプロジェクトに組み込む必要がありました。しかし、npmを使うことで、必要な機能を簡単なコマンド操作で検索、インストール、管理することができるようになり、開発効率が大幅に向上しました。npmはJavaScriptの開発者にとって欠かせないツールとなっており、多くのプロジェクトで利用されています。
セキュリティ強化

ソフトウェアの脆弱性対策に!OSVスキャナーのご紹介

- ソフトウェア開発における依存関係の問題点今日のソフトウェア開発では、開発期間の短縮や効率性の向上が強く求められています。そのため、多くの開発者が外部のライブラリやモジュールを積極的に利用するようになりました。これらの外部コンポーネントは、車輪の再発明を防ぎ、開発速度を大幅に向上させるという点で非常に有用です。しかし、その一方で、セキュリティ面におけるリスクも孕んでいることを忘れてはなりません。外部ライブラリは、開発者にとって便利な反面、その開発元まで責任を負うことはできません。もし、利用しているライブラリに脆弱性が発見された場合、それを組み込んだソフトウェア全体が危険にさらされることになります。攻撃者は、その脆弱性を悪用して、ソフトウェアに不正侵入したり、重要な情報を盗み出したりする可能性があります。このような事態を防ぐためには、利用するライブラリに関する最新の情報を入手し続けることが重要です。開発者は、セキュリティ情報を常に監視し、脆弱性が発見されたライブラリを速やかに更新する必要があります。また、可能な限り、信頼できる提供元からライブラリを入手するよう心がけましょう。ソフトウェア開発における依存関係の問題は、軽視できない重要な課題です。開発者は、利便性だけを追求するのではなく、セキュリティリスクについても十分に理解し、適切な対策を講じる必要があります。そうすることで、安全で信頼性の高いソフトウェアを開発することができます。
サイバー犯罪

気づかぬうちに危険を招き入れるDLLサイドローディング

私たちが日常的に利用しているスマートフォンやパソコン。その中で動作する様々なアプリケーションは、生活を便利にする一方で、犯罪者に狙われる危険性もはらんでいます。今回は、数ある攻撃手法の中でも、巧妙な方法として知られる「DLLサイドローディング」について詳しく解説していきます。 アプリケーションは、その機能を十分に発揮するために、開発者が用意したプログラム部品(DLLファイル)を必要とします。DLLサイドローディングは、この仕組みを悪用した攻撃です。 攻撃者は、正規のDLLファイルとそっくりな名前の悪意のあるDLLファイルをひこっそりと作成し、アプリケーションと同じ場所に仕掛けます。そして、アプリケーションが起動する際に、正規のDLLファイルの代わりに、悪意のあるDLLファイルを読み込ませてしまうのです。 悪意のあるDLLファイルが読み込まれてしまうと、アプリケーションは攻撃者の思い通りに操られてしまいます。例えば、パソコン内の重要な情報を盗み出したり、別の悪意のあるプログラムをインストールさせたりすることができてしまいます。 巧妙なことに、DLLサイドローディングは、アプリケーション自体には変更を加えないため、セキュリティ対策ソフトでも見つけることが難しい場合があります。 しかし、対策がないわけではありません。アプリケーションは、信頼できる提供元から入手するように心がけ、常に最新の状態に保つことが重要です。また、セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保ち、怪しいウェブサイトへのアクセスは控えるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、被害を防ぐことができます。
セキュリティ強化

今こそ知っておきたいOSSのセキュリティリスク

近年、多くの開発現場で採用されているOSS(オープンソースソフトウェア)は、誰でも無償で利用、修正、再配布できるという特性から、開発コストの抑制や開発期間の短縮に大きく貢献しています。しかし、その利便性の反面、セキュリティ面におけるリスクが存在することも事実です。 OSSは、世界中の不特定多数の開発者によって開発が進められています。そのため、悪意のあるコードが組み込まれる可能性や、セキュリティ上の脆弱性が発見されても、迅速に修正が提供されない可能性も否定できません。OSSを利用する際には、潜在的なセキュリティリスクを認識し、適切な対策を講じることが重要です。 具体的には、信頼できる提供元からOSSを入手することや、最新版のソフトウェアやセキュリティパッチが公開されていないか定期的に確認することが大切です。また、導入前にソフトウェアの脆弱性を検査するツールなどを活用し、潜在的なリスクを洗い出すことも有効です。さらに、OSSを利用する際は、アクセス制御やログの取得など、適切なセキュリティ設定を行う必要があります。 OSSは適切に利用すれば、開発効率の向上やコスト削減に大きく貢献する反面、セキュリティ対策を怠ると、思わぬ被害に遭う可能性もあります。OSSの利用には、常にセキュリティを意識し、適切な対策を講じることが重要です。
ネットワーク

ネットワークスキャン:あなたのネットワークは大丈夫?

- ネットワークスキャンとは ネットワークスキャンとは、例えるならインターネットという広大な街を探検するようなものです。この街には、コンピューターやサーバーといった、様々な役割を持つ建物が立ち並んでいます。ネットワークスキャンは、この街の中をくまなく探索し、どの建物が存在し、誰が住んでいて(どのサービスが稼働していて)、どのようなセキュリティ対策がされているのかを調査する技術です。 まるで地図を作るように、ネットワーク上の機器とその情報を把握することが目的です。ネットワーク管理者は、この技術を用いることで、ネットワーク全体の構成を把握し、管理を効率化することができます。例えば、新しく機器を追加する際に、IPアドレスの重複を防いだり、適切な場所に配置したりするのに役立ちます。 また、セキュリティ上の問題点を見つける上でも非常に有効です。建物のドアに鍵がかかっていない、つまりセキュリティの脆弱性を持つ機器を発見することができます。この情報に基づき、ファイアウォールの設定を見直したり、脆弱性を持つ機器を特定し、必要な対策を講じたりすることで、ネットワーク全体の安全性を高めることができます。
サイバー犯罪

linPEAS:システム管理者のための脅威対策入門

- linPEASとはlinPEASは、「Linux Privilege Escalation Awesome Script」の略称で、Linuxシステム上で、本来アクセス権のない権限を不正に取得するためのプログラムです。誰でも無償で利用できるオープンソースとして公開されており、攻撃者が悪用するケースもあれば、セキュリティ専門家がシステムの脆弱性を発見し、対策を講じるために利用するケースもあります。linPEASは、Linuxだけでなく、MacOSやUnixといったシステムでも動作します。このプログラムは、システムの様々な情報を収集し、分析することで、セキュリティ上の弱点を見つけ出し、攻撃者がシステムを乗っ取るために悪用できる可能性があります。linPEASは、プログラム共有サイトGitHubで公開されているため、誰でも容易に入手できます。これは、セキュリティ対策にとって両刃の剣と言えます。セキュリティ専門家は、linPEASを用いることで、攻撃者が悪用する可能性のある脆弱性を事前に発見し、対策を強化することができます。一方で、悪意のある攻撃者も容易に入手できてしまうため、linPEASが悪用され、システムが攻撃にさらされるリスクも高まります。linPEASの存在は、私たちにコンピュータセキュリティの重要性を改めて認識させてくれます。システム管理者は、常に最新のセキュリティ情報を入手し、システムの脆弱性を解消するための対策を継続的に実施していく必要があります。
脆弱性

ファイル共有の脆弱性に注意!ksmbdの危険性と対策

- ファイル共有の新たな選択肢、ksmbdとは? 近年、Linux環境でもWindowsとのファイル共有が求められるケースが増えてきました。Linuxカーネル上でファイル共有を実現する新しい仕組みであるksmbdは、まさにそうしたニーズに応えるべく開発されました。 従来、LinuxにおけるSMBファイルサーバーといえばSambaが主流でした。しかし、ksmbdはその後継となることを目指し、より高速かつ効率的なファイル共有を実現するために開発が進められています。 ksmbdの大きな特徴の一つに、高速なファイル転送を可能にするSMBDirectのサポートがあります。SMBDirectは、ネットワークアダプターがRDMA(Remote Direct Memory Access)に対応することで、CPU負荷を軽減し、高速なデータ転送を実現する技術です。 また、ksmbdは将来的なSambaとの統合も視野に入れて開発が進められています。将来的には、ksmbdがSambaのファイル共有機能を担い、Sambaはドメインコントローラーなどのより高度な機能に特化していくことが予想されます。 ksmbdは、Linuxにおけるファイル共有をより高速かつ安全にするための新たな選択肢として、今後ますます注目を集めていくでしょう。
データ保護

安全な暗号化に必須! 初期化ベクトルの役割と重要性

- 暗号化における共通の課題現代社会において、インターネットを介した情報通信は日常生活に欠かせないものとなっています。私達が日々利用するオンラインサービスやアプリケーションでは、個人情報や機密情報など、重要なデータが大量にやり取りされています。このような状況下において、情報の機密性を保持するために重要な技術が暗号化です。暗号化とは、情報を第三者が理解できないように変換する技術であり、たとえ情報が漏洩した場合でも、内容を解読できないように保護することができます。しかし、暗号化は万能な解決策ではありません。暗号化を行う際に注意すべき点の一つに、同じ鍵を用いて同じ情報を繰り返し暗号化しないということが挙げられます。もし、同じ鍵で同じ情報を繰り返し暗号化してしまうと、暗号文に一定のパターンが生じてしまう可能性があります。これは、攻撃者にとって暗号を解読するための大きなヒントとなり、セキュリティ上のリスクとなります。例えば、あなたが毎日同じ時間に、同じ内容のメッセージを暗号化して送信する場合を考えてみましょう。この場合、攻撃者は暗号文のパターンを分析することで、メッセージの内容を推測できる可能性があります。暗号化の安全性は、使用する暗号アルゴリズムの強度と鍵管理の適切さに依存します。そのため、安全な暗号化を行うためには、強力な暗号アルゴリズムを使用することはもちろんのこと、鍵管理にも十分注意する必要があります。特に、同じ鍵を繰り返し使用することは避け、定期的に鍵の更新を行うことが重要です。
サイバー犯罪

知らずに感染?!ドライブバイダウンロードの脅威

インターネットは、今や私たちの生活に欠かせないものとなりました。しかし、便利な反面、危険も潜んでいます。その一つが「ドライブバイダウンロード」と呼ばれるサイバー攻撃です。 「ドライブバイダウンロード」とは、悪意のあるプログラムを仕込んだウェブサイトにアクセスしただけで、ユーザーが何も操作しなくても、自動的にそのプログラムがダウンロードされ、パソコンやスマートフォンにインストールされてしまう攻撃手法です。まるで、車で通り過ぎるだけで、車内に何かを投げ込まれるようなもので、ユーザーは自分が攻撃されていることにすら気づかない場合がほとんどです。 攻撃者は、ウェブサイトの脆弱性を利用したり、不正な広告を掲載したりして、悪意のあるプログラムを仕込みます。そして、そのウェブサイトにアクセスしたユーザーの端末に、プログラムを送り込みます。このプログラムは、ユーザーの情報を盗み出したり、端末を遠隔操作したりするなど、様々な悪事を働く可能性があります。 ドライブバイダウンロードから身を守るためには、まず、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。セキュリティの脆弱性を修正する更新プログラムが公開されたら、速やかに適用しましょう。また、信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも大切です。さらに、怪しいウェブサイトへのアクセスは避け、不審な広告はクリックしないように注意しましょう。
メール

要注意!身近に潜むセキュリティリスク:OABの脆弱性

- オフラインでも使えるアドレス帳の落とし穴電子郵便を使う上で、宛先を探すために欠かせないアドレス帳。インターネットに接続していない状態でもスムーズに宛先を探せるように、マイクロソフト社の提供する電子メールシステムには、「オフラインアドレス帳」と呼ばれる機能があります。この機能は、普段利用している組織全体のアドレス帳の内容を、個々の端末に複製して保存することで、オフライン環境でも利用できるようにする便利なものです。しかし、利便性の裏側には、セキュリティ上のリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。オフラインアドレス帳は、組織全体のアドレス帳を個々の端末に複製するため、端末の紛失や盗難が発生した場合、組織全体のアドレス情報が漏洩する危険性があります。これは、顧客情報や取引先情報など、重要な情報資産が詰まったアドレス帳が、第三者の手に渡る可能性があることを意味します。また、オフラインアドレス帳は、更新のタイミングで端末とサーバー間で情報のやり取りが発生します。この際、通信経路が適切に保護されていない場合、悪意のある第三者に情報を盗聴されるリスクがあります。盗聴によって、組織全体のアドレス情報が漏洩するだけでなく、なりすましメールなどのサイバー攻撃に悪用される可能性も考えられます。オフラインアドレス帳の利用は、利便性とセキュリティリスクを天秤にかけ、慎重に判断する必要があります。特に、機密性の高い情報を取り扱う組織や、顧客情報などを多く扱う組織では、オフラインアドレス帳の利用を制限するなどの対策を検討する必要があるでしょう。
脆弱性

知っていますか?潜む脅威「Nデイ脆弱性」

- 脆弱性とは 情報システムやソフトウェアは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、これらのシステムは完璧ではなく、設計や開発、運用の中で、意図せず作り込まれてしまう欠陥や弱点が存在することがあります。これらの弱点は「脆弱性」と呼ばれ、悪用されるとシステムに侵入されたり、重要な情報が盗まれたりするなど、深刻な被害につながる可能性があります。 例えるなら、家は安全な場所であるべきですが、窓の鍵のかけ忘れや、壁のひび割れがあると、泥棒に侵入されてしまうかもしれません。これと同じように、情報システムも、脆弱性があると、攻撃者にとって格好の標的となってしまうのです。 脆弱性は、プログラムのミスや、設定の誤り、古いソフトウェアの使用など、様々な原因で発生します。攻撃者はこれらの脆弱性を悪用し、システムに侵入したり、情報を盗み出したり、サービスを妨害したりします。 セキュリティ対策として、脆弱性を早期に発見し、修正することが重要です。そのためには、システムの定期的な点検や、最新の情報への更新など、日頃からの注意が必要です。