証拠保全

コンプライアンス

デジタル時代における証拠保全:ESIとその重要性

- ESIとは ESIとは、「電子的に保存された情報」という意味を持つ言葉で、普段私たちが何気なく利用している様々なデジタルデータのことを指します。 例えば、日々の仕事のやり取りで使うメールや、重要な内容をまとめた文書ファイルなどは、誰もがESIだと感じるでしょう。 しかし、ESIはそれだけにとどまりません。写真や動画、音楽などの音声データもESIに含まれますし、企業であれば顧客情報などを管理するデータベースも該当します。 さらに、インターネットの閲覧履歴や、ソーシャルメディアへの投稿、友人とのメッセージのやり取りなども、実はESIとして扱われます。 近年、仕事でもプライベートでも、デジタルデータのやり取りは増加の一途をたどっています。それに伴い、ESIの重要性も増してきています。
セキュリティ強化

デジタル証拠の宝箱:デッドボックスフォレンジック入門

- はじめにと題して 現代社会は、コンピューターやスマートフォン、インターネットといった技術革新が目覚ましい時代です。 あらゆる情報がデジタル化され、私たちの生活はより便利で豊かなものになりました。 しかし、その一方で、犯罪の手口も巧妙化し、デジタルデータが重要な証拠となるケースが増加しています。 このような状況下で、デジタルデータから真実を解き明かす「デジタルフォレンジック」という技術が注目されています。 デジタルフォレンジックは、犯罪捜査や情報漏洩事件において、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスから証拠となるデータを探し出し、解析する技術です。 本稿では、デジタルフォレンジックの中でも特に、電源を切断した状態のデバイスからデータを復元する「デッドボックスフォレンジック」に焦点を当て、その仕組みや利点、注意点について詳しく解説していきます。 デッドボックスフォレンジックは、電源が入っていない状態のデバイスでも、データが残っている可能性に着目した手法です。 デジタルデータは、容易に消去や改ざんが可能なため、従来の捜査では見逃されてきた証拠を明らかにできる可能性を秘めています。 本稿を通じて、デジタルフォレンジック、特にデッドボックスフォレンジックへの理解を深め、その重要性を認識していただければ幸いです。
データ保護

デジタル証拠とChain of Custody

- はじめ現代社会は、ありとあらゆる場面で情報が飛び交い、その重要性は日々増しています。企業の活動記録や個人の思い出、大切なコミュニケーションの履歴など、多くの情報がデジタルデータとして保管されるようになりました。特に、訴訟などの法的紛争や事件に巻き込まれた場合、電子メールや文書ファイル、ウェブサイトのアクセス履歴といったデジタルデータが、重要な証拠となるケースが増えています。しかし、デジタルデータは容易に書き換えたり、消したりすることができてしまうという側面も持ち合わせています。そのため、デジタルデータが本当に証拠として認められるためには、それが本物であり、改竄されていないことを証明することが非常に重要になります。デジタルデータの信頼性を確保するためには、様々な技術や手法が使われています。例えば、データの改竄を検知する技術や、いつ、誰が、どのデータにアクセスしたかを記録する技術などがあります。この資料では、デジタルデータの重要性と、その信頼性を確保するための方法について、詳しく解説していきます。
サイバー犯罪

デジタル時代の物的証拠:ロカールの交換原理

- 犯罪捜査の基礎 20世紀初頭のフランスに、犯罪学の分野で名を馳せたエドモンド・ロカールという人物がいました。彼は犯罪捜査において極めて重要な原則を提唱しました。それは「あらゆる接触は痕跡を残す」というもので、後に「ロカールの交換原理」として広く知られるようになりました。 この原理は、犯人が犯行現場に侵入し、犯行に及ぶ過程で、必ず何かしらの痕跡を残すと同時に、犯行現場から何らかの痕跡を持ち去ってしまうという考えに基づいています。たとえどんなに周到に証拠を隠滅しようとしても、微細な繊維や髪の毛、土砂など、目に見えないものまで含めれば、完全に痕跡を消し去ることは不可能に近いのです。 例えば、犯人が現場に侵入する際に、泥の付いた靴で土間を歩けば、靴底の模様が土間に残りますし、逆に靴底には土間の土が付着します。また、犯人がドアノブに触れれば指紋が残る可能性がありますし、現場に髪の毛を落としてしまうかもしれません。これらの痕跡は、犯人と犯行現場を結びつける重要な証拠となり得ます。ロカールの交換原理は、現代の犯罪捜査においても重要な原則として、捜査の重要な指針となっています。
サイバー犯罪

デジタル証拠の宝庫:フォレンジックアーティファクト

- デジタル探偵の必須アイテム現代社会では、ありとあらゆる出来事が電子の世界で起こっています。買い物、コミュニケーション、仕事のやり取りなど、枚挙にいとまがありません。そして、その電子の世界で起きた事件を解決するのが「フォレンジックアーティファクト」です。フォレンジックアーティファクトとは、コンピューターやスマートフォンなどのデジタルデバイスに残された、事件解決の手がかりとなる情報のことです。まるで探偵が事件現場に残された指紋や足跡を手がかりに犯人を追うように、電子の世界でも、このフォレンジックアーティファクトが事件の真相を解き明かす鍵となります。フォレンジックアーティファクトには、削除されたファイルの復元情報や、インターネットの閲覧履歴、メールの送受信記録など、様々な種類があります。一見消えたように見えるデータも、デジタルの世界では完全に消去されずに、形を変えて残っていることがほとんどです。専門的な知識と技術を持つ調査官たちが、これらの情報を分析することで、誰が、いつ、どこで、何をしたのかを明らかにし、事件の真相に迫っていきます。デジタル化が進む現代社会において、フォレンジックアーティファクトは、サイバー犯罪の捜査だけでなく、企業の情報漏えい事件や個人間のトラブル解決など、幅広い場面で活用されています。デジタル探偵とも呼ばれるフォレンジック調査官たちは、電子の世界に残された目には見えない足跡を辿り、事件の真相を明らかにしていくのです。
サイバー犯罪

デジタル証拠の宝庫: フォレンジックアーティファクト

- デジタル探偵の必需品 -# デジタル探偵の必需品 現代社会において、企業活動から日常生活まで、あらゆる場面でコンピューターやインターネットが利用されています。それと同時に、不正アクセスや情報漏洩といった、デジタル空間における犯罪も増加しています。このようなデジタル犯罪が発生した場合、真相を解明し、適切な対策を講じるためには、デジタルな証拠である「フォレンジックアーティファクト」の解析が欠かせません。 フォレンジックアーティファクトとは、コンピューターやスマートフォンなどのデジタルデバイス、あるいはネットワーク上に残された、様々な行動の痕跡を指します。例えば、いつ、どのウェブサイトを閲覧したのか、どのファイルにアクセスしたのか、といった情報は、デジタルデバイス内に記録として残ります。また、メールの送受信履歴やチャットのログなども、重要なフォレンジックアーティファクトとなります。 これらのデジタルな痕跡は、まるで事件現場に残された指紋や足跡のように、デジタル犯罪の真相を解明するための重要な手がかりとなります。フォレンジックアーティファクトを解析することで、いつ、誰が、どのようにして事件を起こしたのかを特定し、再発防止策を検討することが可能となるのです。 デジタルフォレンジックは、専門的な知識と技術を要する分野ですが、その重要性はますます高まっています。デジタル社会を安全に過ごすためにも、フォレンジックアーティファクトの存在と、その役割について理解を深めておくことが大切です。
サイバー犯罪

デジタルの足跡を追え!:フォレンジック入門

- デジタル時代の犯罪捜査 -# デジタル時代の犯罪捜査 現代社会において、パソコンやスマートフォン、インターネットは、私たちの生活に欠かせないものとなっています。買い物や娯楽、仕事など、あらゆる場面で活用され、大変便利な反面、犯罪に悪用されるケースも増加しています。従来の犯罪に加え、サイバー攻撃やインターネットを介した詐欺など、新たな脅威も増大しているのが現状です。 このような状況下で、デジタルの世界で起きた事件の真相を解明するために用いられるのが「フォレンジック」という技術です。フォレンジックとは、本来、犯罪捜査における鑑識のように、事件現場に残された証拠品を科学的に分析し、事件の真相を解明する手法を指します。そして、デジタルフォレンジックは、その対象をコンピューターやスマートフォン、サーバーなどのデジタルデバイスや、そこに保存されたデータに広げ、犯罪捜査に応用する技術です。 具体的には、パソコンやスマートフォンに残されたデータやアクセス履歴、削除されたデータなどを復元し、分析することで、犯行に使われた端末の特定や、犯人につながる情報を探します。また、インターネット上に残されたログや通信記録などを解析し、犯人の特定や、犯行の動機、手口の解明に役立てます。 デジタルフォレンジックは、サイバー犯罪だけでなく、殺人や窃盗など、従来型の犯罪の捜査においても重要な役割を担うようになっています。例えば、犯人が携帯電話で連絡を取り合っていた場合、その通信記録や位置情報が、事件解明の重要な手掛かりとなることがあります。 このように、デジタルフォレンジックは、デジタル化が進む現代社会において、犯罪捜査に欠かせない技術となっています。