ネットワークの基礎知識~トランスポート層を理解する~
- トランスポート層とは
インターネット上で私たちが日々利用している様々なサービス。例えば、ウェブサイトの閲覧、メールの送受信、動画の視聴など、これらはすべて、目には見えないデータのやり取りによって成り立っています。このデータのやり取りをスムーズに行うために、コンピュータネットワークにおいて重要な役割を担っているのが「トランスポート層」です。
インターネット上のデータ通信は、複数の層に分かれて行われています。その中でも、トランスポート層は、アプリケーション層とネットワーク層の間に位置し、両者の橋渡し役を担っています。
アプリケーション層は、私たちが直接操作するソフトウェア(ブラウザやメールソフトなど)が動作する層で、ウェブサイトの表示やメールの送信といった指示を出します。一方、ネットワーク層は、データの送受信先であるIPアドレスを基に、ネットワーク上での経路選択などを行います。
トランスポート層は、アプリケーション層からの指示を受け、データの分割や再構成、順序制御、信頼性確保などを行いながら、ネットワーク層を経由してデータを送受信します。
例えば、大きなデータを分割して送信したり、ネットワークの混雑状況に応じてデータの送信速度を調整したりすることで、円滑なデータ通信を実現しています。
このように、トランスポート層は、私たちが意識することなく利用しているインターネットの様々なサービスを支える、重要な役割を担っているのです。